カーナックの書 Book of Karnak
 →カルナクの書


怪物
 アンブローズ・ビアス著。


科学の驚異 Marvells of Science
 モリスター著。


化学宝典 Thesaurus Chemicus
 テサウルス・ケミクス。ロジャー・ベーコン著。


影の王国
 詳細不明。


カムサイド・オブザーバー
 新聞。


カルナクの書 Book of Karnak
 カーナックの書とも。異次元の知的生命体の実在に関する記述があるという。


記号暗号および古代碑文の解読に関する注解 Notes on Deciphering Codes, Cryptograms and Ancient Inscriptions
 コードン・ウォームズリー教授著。


記号概論 Traite des Chiffres
 ヨーロッパにおける暗号の先駆的権威ド・ヴィジュネールが著した。


奇蹟の書
 エイマリー・ウェンディー‐スミスが所蔵していた。


キャッツキル・レヴュー
 アーノルド・グレイスンが寄稿していた雑誌。


旧世界より Out of the Old Land
 ジャスティン・ジョフリ著。

かのものども 象のごとき歩みにて
夜をついて闊歩いたさば
われは悚懼にかられ
寝床にて萎縮あがりたり
かのものども 高き切妻屋根にて
巨大なる翅翼をかかげたれば
巨象のごとき蹄に踏まれ
屋根もわななき顫えたり


狂気の暗黒神 Black God of Madness
 有名なロマンス小説家カースンが著した長編小説。あまりに病的で恐ろしい内容のため出版を拒否された。


漁業について
 オッピアーヌス著。紀元200年に刊行された。

海豚より聖なるものはいまだ創造されてはいない。いかにも海豚は人間に先立ち、死すべき人間とともに、都市で暮らしていたのである。


魚類大鑑
 コンラート・フォン・ゲルナーが1598年前後に刊行した。


金枝篇 The Golden Bough
 英国の人類学者ジェームズ・ジョージ・フレイザーの著書。一八九〇年刊。
 ヨーロッパにおける風土、地域信仰の集大成。資料の取捨選択に恣意的なものはあるが、現在でも有力な資料。


禁断の書!
 ジェラルド・ドーソン著。『魔女は蘇る!』の姉妹編。これを著すためにタイタス・クロウの協力を得た。


クトゥルー教団
 ジョージ・ギャマル・エインジェル教授著。出版されておらず、草稿である。
 『一九二五年――ロード・アイランド州、プロヴィデンス、トーマス・ストリート七番地居住、H・A・ウィルコックスの夢に基づく作品』と『アメリカ考古学協会一九〇八年年次総会におけるルイジアナ州、ニューオリンズ、ビアンヴィル・ストリート一二一番地居住、ジョン・R・ルグラース警視正の話――上記についての注釈およびウェブ博士の説明』の二部に分かれている。


グ=ハーン断章 G’harne Fragments
 エイマリー・ウェンディー‐スミス卿の翻訳だが、彼は解読の記録を一切遺していなかった。ウェンディー-スミスはかなりのところまで解読を進めていたが、そのために旧支配者に攻撃され、次に解読を試みたタイタス・クロウもイタカの攻撃を受けたために、二人の研究は後の解読の助けにはならず、グール大学のゴードン・ウォームズリー教授が著作『研究集成』でこれのすべてを解読翻訳したと主張したが、信頼できる学者たちにより欺瞞だらけの解読と断じられ、嘲笑の種となっている。ウォームズリー教授が遺した研究をもとにウィルマース財団が全文の解読に成功した。
 本来は摩滅の激しい石版で、探検家ウィンドロップが一九三四年にアフリカ奥地から持ち帰った。最初に解読された部分にシャッド‐メルが封じられた古代の都「グ=ハーン」の名があったことからこの名で呼ばれる。古のものによって書かれた文書の写本の一部とされ、超古代遺跡に関する情報の宝庫であるらしい。年代測定によれば三畳紀以前まで遡る。
 ソールズベリ平原にあるストーンヘンジは本来五芒星を形作っていたが、現在から約2000年前にギュンターランドに侵攻してきたキンメリア人によって五つの鋭角部が破壊されて五芒星の内側をなす石のみが残り、その結果〈大いなる星のもの〉が解き放たれたと記されている。


クハヤの儀式 Chhaya Ritual
 詳細不明の魔道書。異次元の知的生命体の実在に関する記述があるという。


グラーキの黙示録 Revelations of Glaaki
 異界にかかわる事どもを記した魔道書。奇怪な図版類も収められているという。ブリチェスター一帯で特に悪名高いが、その完全版は稀にしか存在しない。ブリチェスター大学が特殊研究班用に入手しようとしたが叶わなかった。
 第九巻の2057〜2059ページにスグルーオ湾との交信に用いる変換装置の設計図が載っている。ユゴスから訪れる甲殻蜥蜴の鉱夫の図版があり、また彼等が恐れる坑とそこに棲むものについても記されている。

 広大なる〈“蜂の巣”十三区画〉、その彼方に惑星ユゴスありて、数多なる異星の客どもこの地に来たりて棲みつけり。暗き闇その大路を蔽いて、行き交う足萎え、奇しきすがたなる三つ肢、また灯洩るることなき塔列のもとを這い蠢く異形のものども、みなひとしく陰暗の淵にその姿を沈めん。まことにおぞましきものどもこの辺境の地に多しといえど、さる街のはずれ、地に穿たれし採掘坑に棲めるユゴスの裔にまさるものすくなし。そのすがた見とどけし者稀なるも、暗黒の地の底深き岩棚に緑の金字塔もて築きたる都邑のありさま、甲殻蜥蜴どもの伝説に言い伝えけり。わけてもある時節この地底の都邑に繰り広げらるる仕儀、凄まじきことこの上なく、およそ理をわきまえたる者その目を覆わざるを得ずと


クリタヌスの告白録
 イギリスの発狂した修道士クリタヌスの告白録。クリタヌスは彼を監督していた司教の聖アウグスティヌスによってローマに追放され、ローマで刊行された。ラテン語で記されている。
 クリタヌスは古い修道院であるハイドストールに直接触れて、聖アウグスティヌスについて語っている。これには旧神の象徴にして旧支配者やその配下が恐れる五芒星形の石や、ハイドストールから海の下を通って沖に通じる通路や部屋、恐ろしいものの存在が記されている。
 地上に戻った邪神(クトゥルーの落とし子)が破壊をおこない、それにともなって地上を汚した罪や欲望が生々しく描かれ、ヨーロッパの奥地からやってきた聖人たちが何らかのやり方で手に入れた旧神の力を使ってこれらの邪神を水中深くに追い払ったことを簡素に伝えている。
 また『彼方からのもの』が人間の生命力を奪わなければならないこと、以前の極悪行為を再び始めるための力を得るには少なくとも三人の人間を生贄にしなければならないことなどが書かれている。
 『水没したルルイエの王国よりあらわれるクトゥルーの落とし子』という章には、落とし子を送り出す呪文が32ページに、海に送り返す呪文が33ページの一番下から34ページの途中まで、送り出した者に送り返す呪文が35ページの一番下から36ページの途中まで記してある。

わたしが行ったことのない遥かな土地である。そこまで旅をした者はほとんどいない。邪神どもは夜に集められた――彼らが徘徊するのは夜のあいだにかぎられるからだ。そして海底や湖底にある洞窟に追いはらわれた。

……巨大な一つの星形になるよう、祝福された星が水上に配置され、この力によって鎮圧された。星の五つの先端は、地球の四方と、邪神が地球に到来するまえにいた、地球外の秘められた場所をあらわしている。聖人たちは彼らのみ知る秘密の言葉を唱えていた。旧神よりあたえられた強力な言葉をふくむ古代語を訳したものである。

ネゴティア・ペラムブランティ・イン・テネブリス……闇のなかを歩くものどもよ、地球上のものにあらざるものどもよ、呪われた邪悪のものどもよ、海底の名状しがたい国に疾くもどり、汝らのおこないを憎む旧神により祝福され、聖別され、強力にされた五芒星形の力により、汝らの国にとどまるがよい。ああ、旧神よ、侵入あたわざる要塞より、このありさまを目にして、ふたたび力をふるいたまえ。邪悪なるものどもよ、疾く去り、未来永劫にわたって闇の世界にとどまれ。狂えるクトゥルーの配下よ、名状しがたきハスターの落とし子よ、忌むべきヨグ=ソトースの血縁よ、永遠の眠りにつくがよい。絶えてふたたび清澄な大地にあらわれるな。かつて汝らが倒そうとした旧神、古ぶるしきものの名において、疾く立ち去るがよい。五芒星形の力が海底の秘められ、失われた未知の国に、汝らを永遠に閉じこめるだろう。


狂える暗黒神 Black God of Madness
 →狂気の暗黒神


グロテスク
 終刊した絵画雑誌。タイタス・クロウ著『イェグ=ハの王国』が発表された。


黒の書 Black Book
 無名祭祀書の別称。


ケニコット・イグザマナー
 ニュージャージイ州ケイルズマスの新聞。ジェイムズ・アークライト意思が妻カッサンドラとその胎内にいた胎児を殺害した事件に関連して、カッサンドラの父親ラザラス・ヒースの異様な死に様が簡単に記載された。


ゲフ写本
 詳細不明。おそらくタイタス・クロウがカイロで買った書物だろう。

光を盗むもの、気を盗むもの……
汝〈暗黒のもの〉よ――わが敵を汝に溺れさせよ……


ゲフの折れた石柱
 先史時代に生存したといわれる、悪魔を召喚して戦敵に送りつける習慣があった亜人類プテライト族が悪魔を召喚する際の戒めが刻まれている。

〈暗黒のもの〉を召喚せし者
凶事あるを肝に銘ずべし
滅ぶべき敵 流るる水により命護らる
喚び出されし暗黒 喚びし者に報いぬ……


研究集成
 グール大学のゴードン・ウォームズリー教授の著作。このなかで『グ=ハーン断章』のすべてを解読翻訳したと主張したが、信頼できる学者たちにより欺瞞だらけの解読と断じられ、嘲笑の種となっている。


原子爆弾とエンジン
 ローダー著。


賢者の石(について) De Lapide Philosophico
 デ・ラビデ・フィロゾフィコ。神学者トリテミウスが著した錬金術の基本的文献の一つ。ジョセフ・カーウィンが所蔵していた。


現代科学の驚異
 キーン著。


現代精神医学
 スタフォード・クラーク著。


高圧水域にて
 ハートラック著。


黄衣の王 The King in Yellow
 読む者に災厄をもたらすという黄色い表紙の戯曲。特にその第二部を目にした者には恐るべき運命が待ち受けているという。
 ハスターやヒアデス星団、黄の印と黄衣の王、蒼白の仮面に関する記述がある。

岸辺に沿って雲の波の破れ
ふたつなる太陽が湖の彼方に没し
陰翳が長く尾をひくは
カルコサの地

黜き星ぼしの昇る夜は不思議なるかな
不思議なる月がひとつならず穹天をめぐりたり
されど さらに不思議なるは
失われしカルコサの地

ヒュアデスたちのうたう唱
黄衣の王の襤衣はためくところ
聆かれることもなく消滅るは
おぼめくカルコサの地

わが声は間絶え わが魂の歌
うたわれることもなく消え
涙流されぬままに涸れはてるは
失われしカルコサの地


告白録
 →クリタヌスの告白録


古今思想家考
 ドイツのヴェストファーレン出身の哲学者ゲルハルト・スクラッハの著作。
 ヒッタイト人の間で行われていたと伝えられる習慣を採り上げている。その習慣とは、片手の五指をしっかり伸ばして敵対者、あるいは自分に悪意を持つ者の顔の前に突き出し、「闇なる者よ、汝が身に星落つるべし!」と唱えることで悪意や敵意に対する防御になるというもの。


古代アッシリア研究の隆盛と進歩
 バッジ著。


国境の要塞
 一三八年ごろにロリウス・ウルビクスが著したとされる書物。
 目鼻のない身の丈十フィートの怪物イェグ=ハについての記述などがあり、ウルビクスがイェグ=ハを退治したとある。
 ハドリアヌスの長城近くに外宇宙別次元へと通じる〈戸口〉があり、この書によれば往時には蛮族――つまり古代イングランド及びスコットランドの先住民族――によってしばしば開錠されたことがあるとされている。
 エボクラムから5マイルあまりを隔てたある貴族の館の近くで火山噴火のような原因不明の土砂噴出が起こって数マイルに及ぶ沼地一帯を激震させたことが記されているが、これはタイタス・クロウが沼地に埋められた時空往還機を取り戻したことによる現象である。

蛮族どもときとして魔物を呼びいだし、われらに差し向けることあり。魔物は空中よりあるいは地下より湧きいで、わが百人隊剣にて迎え討つも、わずか一匹により隊の半数を殺されたり


五芒星形の石に刻まれた文言
 ジェフリイ・モールヴァーンが石棺から取り外した五芒星形の石に刻まれていた言葉。出版物ではない。

五芒星形の石は鍵であり、わたしはこの鍵でもって、万物の創造主の名においておまえを幽閉する。古の邪悪の落とし子、神の目にとって呪われたもの、忌むべきルルイエよりあえてもどりし狂えるクトゥルーの追随者よ、わたしはおまえを幽閉する。おまえが解放されることのないように。

司教アウグスティヌス


コンゴ王国 Regnum Congo
 コンゴの地誌について水夫ロペックスの記録をもとにピガフェッタがラテン語で記し、一五九一年に出版されたコンゴの地誌。一五九八年にフランクフルトで出版された版にはド・ブロイ兄弟による奇怪な木版挿絵がなされている。


混沌の魂 The Soul of Chaos
 怪奇作家エドガー・ゴードンの自費出版小説。出版社と絶縁したあと最初に出版された単行本。

 この世界は無限という暗黒の海にある小さな島にしかすぎず、われわれのまわりでは恐怖が渦を巻いている。いや、はたしてわれわれのまわりでだろうか。われわれのただなかでというほうがよいだろう。わたしは知っているのだ。夢のなかで目にしたし、この世界には、正気の者には見えないものが数多くあるのだから。




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