サニーデイ・レインコート(用語/俗称)
 →譲羽涙。



  


C県(地名)
 おそらく千葉県。
 総面積5000平方キロメートル。関東東部にある平坦な土地で60ほどの市があり、600万人が住んでいる。西部には埋立地がある。
 1990年以降、隣の県に行くルートは限られた高速道路とJRだけに限定されており、自力で県境を越えた悪魔憑きはいないらしい。一説によると県境は地雷原になっているとか。これはアゴニスト異常症患者をC県から出さないためという口実であるが、実際には他にも理由があったらしい。


支倉駅(地名)
 支倉市の中心的な駅と思われる。


支倉街道玉突き衝突事件(用語)
 2004年8月16日夜に起きた事件。石杖所在と鋳車和観によるSVSの対戦に乱入した日守秋星が6メートル上のバイパスに跳びあがって引き起こした。多重衝突事故で重傷者は20名以上出たが、死者は一人もいなかった。
 日守秋星の再来が明らかになるまで事故として扱われた。


支倉坂二丁目(地名)
 支倉市の中央からやや北部よりにある住宅地。土地は余っているので道路は広く町のつくりはゆったりしているが、建物は築十年以上のものがほとんどで華がなく、似たような二階建ての家が並んでいる。アパートが少ないのはこんなところに下宿をする若者がいないことと家族で借りるならば能図の団地の方が住みやすいため。
 午後10時を過ぎると市営バスが一時間に2本に減る。
 この端にある四番地に石杖邸などがある。


支倉坂の連続猟奇殺人事件(用語)
 2003年2月に支倉坂で起きた連続殺人事件。延べ三十件の住宅が被害にあい、わずか一時間の間に死者十一名、重傷六名、軽傷十三名を出した。当初は日守秋星の犯行として捜査され、特殊犯捜査四係事件として扱われた。
 2003年2月14日午前零時に石杖邸から悲鳴を聞いた周辺住民からの通報を受け、警邏中の巡査二名が訪問。隣家の月見里邸で他殺死体を発見。支倉坂二丁目全域に避難勧告を発令し、全住民の避難を確認後、午前零時五十分に犯人が立てこもる石杖邸の包囲を完了。14日付で赴任した戸馬的警部補が指揮に当たり、自ら単身突入し午前一時七分に鎮圧、石杖火鉈を犯人として逮捕。なお包囲完了から死亡者はなし。動員人数は延べ四十名。
 実際には連続殺人をしていたのは月見里朋里で、ついでに殺しておこうと踏み込んだ石杖邸で火鉈に会ってしまったため悲鳴をあげて逃走し、そのまま失踪した。
 この際に石杖雅道とその妻が殺害されたが、その犯人が石杖火鉈であるか月見里朋里であるかは不明(当時の火鉈の思考から朋里であると思われる)。ただし手を繋がせて死化粧を施したのは火鉈。石杖所在もこの事件の犯人は火鉈だと思っている様子。


支倉市(地名)
 C県の最北、中央からやや東部よりにある。都心から通勤快速で二時間の田舎町。人口十五万人。半分以上が畑と山。
 東側にC県唯一の国際空港を持つ。都心に向う西側が都市として発展し、空港のある東側には山と畑が広がっている。なお空港の近くには有名な厄除け大師があり、初詣などは200万もの人々が参拝に訪れる。


支倉市警察署(地名)
 支倉市の警察。戸馬的が所属している。


支倉第一高等学校(地名)
 支倉市にある県立高校。通称倉高。石杖所在、貫井未早、霧栖弥一郎、月見里朋里、有島将吾らが通っていた。コアラヶ丘高校とはライバル関係。ともに野球部に力を入れており、攻めの倉高、守りのコアラといわれている。
 霧栖は在学中野球部に在籍し、怪物と呼ばれるほどのスラッガーでカキンカキン打ちまくっていたのだが、二年生のときから過敏性腸症でホームランを打つと吐くようになる。そのため2002年の地区予選三回戦では通算十回ほど吐いたところで試合中に失神し、もう一人の天才ピッチャー鋳車和観をリリーフに擁するコアラヶ丘高校に敗退した。
 なお霧栖が本気を出すまでは所在が天才バッターと称されていた。野球部の監督は根っからの根性論者で、2002年の春の選抜のあとは『不要なものは切り捨てる』と一年生を殴る蹴るのダメコーチに成り下がり、『その通りです!』と感銘を受けたマネージャーに監督が一番不要だと断じられて尻をバットでフルスイングされて野球部をやめた。
 霧栖が卒業してからは気ままに野球を楽しむもとの牧歌的な野球部に戻った。
 漫画のように出来すぎな生徒会長や両右手の悪魔が実在したらしい。


支倉第十三号福祉施設(地名)
 鉄筋コンクリート六階建ての共同住宅。築三十年ほど。間取りは2DK。窓には飛び降り防止の格子がはまっている。支倉市の北のほうにある。
 アゴニスト異常症患者、およびアゴニスト異常症患者によって障害を受けた者を対象に貸し出される。市営団地であり、低所得者や障害者のためのものを切り替えたもの。管理人は石杖所在を装った久織巻菜の評によれば愛想のないババア。
 退院したアゴニスト異常症患者であるからか本来の価格なのかは不明だが、久織巻菜の一月の家賃は四桁。公共料金の支払いは管理人が一括して行っている。


篠原(人名)
 非公式の方のSVSの参加者で打者。高校時代はコアラヶ丘高校の野球部に所属した。2004年8月8日に鋳車和観に殺された。


しばかりさん(用語/俗称)
 →月見里朋里。


勝田一家(組織)
 C県を本拠地とする広域暴力団。七瀬組もこれに属している。


白い左腕用の義手(用語)
 迦遼海江が石杖所在を装っていた久織巻菜に貸した義手。『憎悪』などのように切断面にくっつけることで装着でき、強い感情によって動くようになる。
 後の描写で『歓喜』は右腕の義手であり、こちらも巻菜に貸し出されていたことがわかる。だが別途に右腕の義肢が貸し出された様子もなく、巻菜には右腕があることから『歓喜』を左腕用に直して貸したものか、ともとれる。


シンカー(俗称)
 鋳車和観のこと。


新部(用語)
 アゴニスト依存症患者において、患部によって異常分泌されて受容体刺激剤のようになった神経伝達物質によって破壊された受容体が、人体機能を調整したことで新しく生まれた機能。
 夢の新造機能ではあるが、その分通常組織に負担がかかりすぎる。そのため、新部を生きるため以外に使いすぎると内部が壊死して死に至る。そういった状況は治療をせず単身で生活している重度のアゴニスト異常症患者に多い。



  


スーパー60(武装)
 ベネリ社製のオートローダー式(自動式)ショットガン。戸馬的の私物で、2003年2月14日に石杖火鉈と交戦した際に使用。
 現実にはスーパー60というショットガンは存在せず、ベネリ社のModel 1スーパー90、Model 3スーパー90、Model 4スーパー90のいずれかだと思われる。
 以下ではスーパー90について記述する。
 M1スーパー90及びM3スーパー90はベネリ社独自のイナーシャ(イタリア語で慣性の意)システムというリコイルシステムによって『オートローダーは故障が多い』という常識を覆し、信頼性の高いオートローダー式ショットガンの地位を確立した。
 M4スーパー90はM1スーパー90と外見的な類似点が見受けられるが、全く違うシステムによって作られている。M4スーパー90は新設計のARGO(Automatic Regulated Gas Operating:ガスの自動調整によって作動させる)システムというガスオペレーションシステムによって作動する。これは異なる長さ及びパワーレベルの弾薬でもガス圧を自動調整することで作動を確実にする優れたシステムだが、ビーンバッグ弾やゴム製スラグ弾に代表される非致死性弾薬の場合は手動による排莢が求められる。
 M4は通常の分解・結合を行う際に工具を全く必要しないにもかかわらず部品が外れるような現象は発生しない。しかも特別なメンテナンスは不要で、通常は射撃後の簡単なクリーニングのみで充分である。さらにモジュラー設計により部品が故障・破損した場合にもスペアパーツの交換を容易にしており、しかもほぼすべてのパーツが25000発の発射に優に耐えたという。
 M4には特徴的な伸縮式のバットストックが装備されており、収納時は伸張時よりも8インチ(約20cm)短くなる。これは交換可能であり、通常ストックまたはM1と同型のストックを装備することができる。サイトはゴーストリングサイトとピカティニーレールが標準装備されている。
 M4スーパー90は1999年に行われた米軍の統合コンバット・ショットガン(JSCS:Joint Service Combat Shotgun)のトライアルによって採用され、2001年11月にはM1014という制式名を与えられて現在は主に海兵隊が使用している。

 

全長

バレル長

重量

口径

装弾数

発射形式

M1スーパー90

1070-1200mm

660-711mm

3180-3630g

12ゲージ

7+1

セミオート

M3スーパー90

1040-1200mm

500-660mm

3200-3500g

12ゲージ

7+1

セミオート/

ポンプアクション

M4スーパー90

886-1010mm

469.9mm

3821g

12ゲージ

6/7+1

セミオート/

ポンプアクション


S&Wの.38口径(武装)
 警邏中の警官が扶桑雪緒の食事現場に遭遇して発砲した拳銃。作中では『38口径』と表記されるが、それでは内径の38倍の銃身長という意味になってしまうため、『.38口径』と表記するのが正しい。
 警官が使用していることからスミスアンドウェッソン社のM37エアーウェイトのことと思われる。
 M37は同社の回転式拳銃M36チーフススペシャルのバリエーションで、アルミフレームを使用している(耐久性を考慮して銃身と弾倉はスチール製)。このシリーズはS&W社独自のリボルバー拳銃用フレーム規格で最小のJフレームを使用し、さらに装弾数を通常の6発から5発に減らすことでポケットに収まるほどの小型化を実現しており、非番の警官の護身用などに用いられた。
 ちなみにM37のアメリカでの売れ行きは悪く、南部に行くほど扱う銃砲店は少ない。ただし日本警察が制式採用しているということで客が興味を示すこともある。
 現在は調達が完了しているミネベア社製ニューナンブM60回転式けん銃はS&W M36をモデルにしたもの。
 S&W M37のスペックは以下の通り。
 銃身長1-7/8in、全長159mm、重量425g、使用弾薬.38S&W Spl、装弾数5発。



  


瀬倉弓夜(人名/悪魔憑き)
 せくら ゆみや。
 コアラヶ丘高校の野球部に所属した投手で三年生の時には主将を務める。本来はリリーフだったが、鋳車和観が退部してからスタメンに回されたため調子を崩し、散々に打たれまくった。石杖所在の三歳年下。野球の才能に恵まれ、裕福な家柄。投法は左のサイドスローでスクリューを得意とする。精神的にはきわめて幼稚。
 2003年8月の地区予選決勝前日に他の野球部員7人とともに鋳車和観を集団暴行し、彼の肘と指を壊す。この理由は鋳車が一人で野球をしてチームメイトをまったく頼りにしていないことと、鋳車が貧しく、服装や肉親がみすぼらしく見えたこと。この事件は学校が隠蔽し、公表されていない。
 SVSが軌道に乗った後に参加し、より一般層に広めたカリスマ的存在。SVSをギャンブルではなくゲームとして楽しんでいた。コアラヶ丘高校の野球部の活動よりもSVSに重きを置いており、遅くとも2004年2月から半年間の無敗神話を築き、2004年8月の公式戦でもシルバーの一番の携帯電話を与えられた。
 他の投手たちとたむろしているところを鋳車和観らに『願いを叶えてやる』と持ちかけた男に悪魔憑きにされた。そのときに悪魔憑きになれずに殺し合いを始めた者たちを何人か殺したようだ。そのときに持っていたシルバーのエースの携帯電話を鋳車に残して逃走した。
 新部は左腕(肘?)で、第三の関節が伸縮する。新部を与えられると同時に「打たれると死ぬ」と言われたため、何者にも勝る球を投げられる腕と、万が一打たれたら死ぬという葛藤、さらにSVSの打者全員を殺せば治してやると言われたために精神的に疲弊する。
 支倉市の通り魔事件を知った彼の両親が祖父に事が公になる前に連れ戻してくれと頼み込み、祖父から戸馬的の実家に話が行き、最終的に戸馬的に命じられた石杖所在によって8月13日に鑑別所に滞在しているところを払われた。依頼内容は警察より先に弓夜を保護し、身体に異常があるのなら治療すること、ならびに感染の原因が判明したらその切除もすること。これは法によってではなく迦遼海江の切除によってなされることが強く望まれた。依頼料は一千万円だったが、鋳車が生き残ったため大幅に減額された。
 しかしその通り魔事件の犯人はシンカーこと鋳車和観であり、弓夜ではない。そのためSVSの参加者を殺したかは不明。
 なお悪魔払いのあとは悪魔憑きではなくなった(人体として異常な箇所がなくなった)ため、オリガ記念病院に送られることはなかった。ただし左腕はプレス機に挟まれたようになっており、二度と使い物にならない。また患部を切除されたため廃人になった。


閃光弾(用語/武装)
 スタングレネード、音響手榴弾、閃光手榴弾、フラッシュバンとも。爆発しても破片はほとんど飛び散らず、破裂と同時に大音響と閃光を発する。大音響と閃光により対象者をショック状態にして数秒間気を失わせ、その隙に相手を制圧する。
 その性質から人命に関わる負傷や後遺症がないため、軍や警察の特殊部隊は大抵これを装備している。日本では警察の特殊急襲部隊により西鉄バスジャック事件で突入の際に初めて使用された。



  


憎悪(悪魔)
 迦遼海江の左腕の義肢。一メートル大の黒い盲目の犬。両目は生まれつきつぶれており光を感じることはないが、獲物を狩るときには人の眼球を借りて活動する。たまに石杖所在に貸与される。
 海江の憎悪で作られており、所在が使うときは彼が憎悪を抱き、理性や意識を失うことが必要。付けただけでは稼動部もないただの石膏のようなものだが、理性を失うごとにつながってゆく。
 対象に張り付き、“有る”部分を無で塗りつぶすことで無と同位にする。放っておけば悪魔憑きを完食してしまうため、患者を生かすつもりならば患部を食い尽くしたあたりで義手を取り外して止める必要がある。
 一体化した義手は刃物で切断でもしないと離れないが、腕を切る感覚は生きている。


増殖臓腑(用語/俗称)
 →屋敷戸京麻。


臓腑スクム(用語)
 石杖所在による日守秋星のあだ名候補。さすがに日守に拒否された。



  


ターくん(俗称/人名)
 支倉第十三号福祉施設の前で石杖所在を装った久織巻菜を襲撃した六人組の少年たちのうちの一人。所在をリンチした直後、逆に徹底的に打ちのめされた。


大学(地名)
 詳細不明。かつて石杖所在が在学した大学。八坂代にある。
 ここの生協の食堂のまぐろ丼定食が絶品で、別の大学に通っている貫井未早がわざわざ食べに通っている。


ダイニングバー星雲(地名)
 支倉市にあるイタリア系の居酒屋。中は大学の教室くらいの広さで、びっしりと四十あるテーブルを並べている。
 一番安いメニューはクラブサンド、一番高いメニューはフォアグラ。


タイラント(用語)
 バイオハザードシリーズにおける敵クリーチャー。成人男性を素体にTウィルスを投与し、強力な生物兵器に仕上げたもの。アンブレラ社の生物兵器の完成形の一つ。相当な巨体であるが一応人間の姿をしている。ただし知能はあまり高くはなく、複雑な武器を使用することはできない。身体は極めて頑丈。生命の危機を迎えることでリミッターが解除され、性能が向上するとともに人間的な姿を失っていく。
 バリエーションに知能を増すため脳と脊髄にネメシスと呼ばれる寄生生物を加えた『追跡者』、単体での完成度と人間的な外見を捨てて量産性を向上させた『バンダースナッチ』などがある。


ダブルバインド(用語/俗称)
 →午宮留是留。


田村(人名)
 支倉坂の連続猟奇殺人事件の捜査(包囲)に参加した警察官。階級は警部。



  


地下鉄事件(用語)
 詳細不明。石杖所在はこれで日守秋星が殺人鬼をやっている理由を知った。


注文が襲う雑貨店(用語/俗称)
 →韮菱豊。



  


ツラヌイ屋敷軟禁事件(用語)
 詳細不明。おそらく石杖所在が貫井未早の家庭教師のアルバイトをした際におきた事件と思われる。



  


出口なき脳髄陥穽(用語/俗称)
 →倉密メルカ。


デザートイーグル(用語/武装)
 アメリカのM.R.I.リミテッド社が発案し、イスラエル・ミリタリー・インダストリー社(IMI/イスラエル国立兵器廠/現在は小火器部門を半独立させたイスラエル・ウェポン・インダストリー(IWI))とマグナム・リサーチ社が製造する大型拳銃。1995年から5年ほどサコー・ディフェンスで生産されていたが、同社がゼネラル・ダイナミクスに吸収されてからは再びイスラエルで生産されるようになり、現在はIWIがマグナム・リサーチから請け負う形で生産している。
 作動方式はIMIが考案したガス・オペレーテッド・リピーティング・システム。バレルは内部が円に近い六角形で通常のライフリングのように捻じれているポリゴナル・プロフィール・ライフリングが採用されている。また通常の6インチのほか、10インチ、14インチのロングバレルも販売されている(14インチバレルは1999年に生産中止)。全長の長い弾薬を使用するため、シングルカラムマガジンにもかかわらずグリップは握りにくい。
 1982年に発売されたマグナム・リサーチによる初期の.357マグナムモデルは『イーグル357』と呼ばれ、現在のモデルとはスライド形状などが大きく異なっていた。このモデルは射撃特性こそ優れていたものの5〜6発に一回はジャムが起きるほど動作不良が多く、最終的にマグナム・リサーチと契約したIMIが改修を施して信頼性を向上させた。
 1986年に.44マグナムモデルが登場し、『.44マグナム弾が使用できる作動が安定したマグナムピストルとして』人気が出始め、1991年には.50AEモデルが発表されてマグナムピストルとして確固たる地位を築く。
 一般的なブラウニング式ショートリコイルではなく自動小銃に用いられる作動方式と閉鎖方式を採用している。このためバレルはフレームに固定されており、命中精度が高い。中期モデルからはポリゴナルバレルやマウントレールを採用しており、それぞれの口径にはバレル、ボルト、マガジンを交換することで対応する。
 本来は熊などの狩猟用の銃であるため、『反動が凄まじく、女子供が撃つと肩が外れるほど』と噂されているが、実際には本体重量によって反動が抑制されるため、同口径のリヴォルヴァー拳銃と比べて反動は同程度か、あるいは軽くなる。
 2005年2月13日から14日に石杖所在が見た、オリガ記念病院の壊滅を大幅に脚色した夢の中で戸馬的が使用した。
 下記に複数のバリエーションの中の一部を表記する。

全長

バレル長

重量

使用弾薬

装弾数

269/371/472mm

152/254/356mm

1653g

.357Magnum

9+1

1780g

.41Magnum

8+1

.41AE

8+1

.44Magnum

8+1

.440Corbon

7+1

2053g

.50AE

7+1



  


投影奇術(用語/俗称)
 →宮原無明。


藤悟木更(人名)
 とうご きさら。
 もと彼野市警察署所属の刑事。2004年12月31日の時点で35歳。女性。退官前の階級は巡査長。2004年10月の時点で無断欠勤を続け、巡査長の職務を放棄していた。そのため戸馬的から10月付けで依願退職したことにしておけ、と彼野市警に忠告が与えられた。拳銃は返却しておらず、日守秋星の襲撃や能図の子供を殺害するのに使っていた。
 2002年ごろに日守秋星によって娘を目の前で殺されており、それが原因で極度の非擁護派となる。2003年2月に日守秋星を逮捕し、オリガ記念病院への護送中に護送車の運転手二名を射殺し、日守を射殺しようとする。これは日守が脱走するためにしたこととされている。このあとは何とか真面目に刑事をやっていたが、2004年の夏に日守が生きていることを知ってからは日守と悪魔憑きたちを殺すべく行動を始める。
 2004年にアゴニスト異常症患者に人権はないとして、能図の住人はみな悪魔憑きだという噂を鵜呑みにして能図工業団地の住人(子供を含む)を拉致し、殺していた。その犯行頻度は一週間に一人だったが、年末になってからは一日一人のペースになる。だがそれが気持ちよかったわけではなく、むしろ悪魔憑きには触れたくもなかったので気色悪いものだった。
 2004年12月に能図工業団地から子供を四人拉致し、アミューズメントパークに立てこもる。拉致した子供たちに暴行を加えた挙句ナイフを持たせて日守を殺すための道具に仕立てたり、子供ごとアミューズメントパークを爆破したりと非情きわまることをしていたが、逃走を試みたところで日守に心臓を貫かれて死亡。


戸馬的(人名)
 とうま まと。
 1976年生まれ。石杖所在の心の中の愛称第一位はトマトさん。所在の監察官にして監察医。所在のことを『しょざい』と呼ぶ。二十代の美人だが、その本性は弱者をいたぶるサド。嗜虐趣味を隠そうともしない。理不尽で尊大で規則を重んじる暴力機構。ジャンクフードが好き。ベレッタM92を二挺使用している。
 悪魔憑きの保護を目的とした保安機関、公安特務の監察官。本庁公安二課より2003年2月14日付で支倉に赴任。彼女の扱いは警部補、意見できるのは警視くらいで、事実上支倉市では無敵。エリート街道を驀進中ではあるが、彼女の上昇志向は常人の十倍、所在の一千倍。現場仕事は嫌いだが銃は大好きなので、夢はシューティングレンジのある長官室。
 支倉市警察署における彼女の扱いは極めてデリケートだが、それは下手に触れると周囲が叩き壊されかねない、という意味でのデリケート。支倉市警に赴任したときに本庁から四人の同僚を連れて来た。アゴニスト異常症関連の捜査本部、通称霊柩課の捜査主任官として指示を出すほか、アゴニスト異常症患者に関連する可能性があると聞きつけると複数の捜査本部に捜査員として顔を出す。
 オリガ記念病院ではA棟に詰めていた。拷問に疲れることがないというほどのサディスト。そのくせ何かにつけて面倒見がいい。手術に麻酔は無粋と考えているらしい。イライラするとボールペンを回したり折ったりする。なおそのボールペンは所在には回転のこぎりに見える。煙草は吸わないようだ。非常な健啖家で、朝からサーロインステーキセットや骨付きソーセージをぺろりと平らげる。触るのも嫌なほどトマトが苦手。
 愛車は真っ赤なボルボ40シリーズや赤いロードスター、メルセデス・ベンツSL55 AMG。車のトランクに銃器や凶器を常備している。
 義手を探していた所在にしぶしぶながら迦遼海江を紹介した。海江を苦手としている、というか恐れているらしく、海江の前では言葉遣いも態度もおとなしくなる。海江が人間でないことを知っており、義肢が獣に変わるのを何度か見たことがある。
 所在が称していわく、泣く子も心筋梗塞するトマトちゃん。石杖火鉈が称していわく、私以外の生き物はあの女に逆らうな。火鉈にしてもただの人間である戸馬的に鍛え方で負けたことで、それ以来トレーニングを欠かさなくなった。


戸馬的の四つの僕(用語)
 戸馬的が支倉市警察に赴任する際に本庁から連れて来た四人の同僚。公安二課というよりは捜査四課(放火・暴力などの暴力犯担当)と同じ匂いがする強面たち。実際に支倉市警の四課の刑事たちと親しげに昼食を摂っていたりする。
 このうち一人は伊庭と思われる。


都市アート集団(組織)
 月見里朋里が自分の『走る』行為の引き合いに出した。おそらくヤマカシなどのことと思われる。


トラック/3(用語/俗称)
 →誠子美雄。


とりの(地名)
 迦遼海江が住む貯水庫がある森の最寄の市営バスのバス停。正式には二つ目の『の』が小さい。
 この周囲の地図は現在発行されていない。


トリビュートアンソロジー(用語/俗称)
 →宮原無明。



  な


七瀬組(組織)
 広域暴力団勝田一家の分筋の広域暴力団。C県支倉市の顔役。構成員は組長以下若衆とその舎弟を合わせて400人前後。クスリの扱いは主流ではない。
 古い体制の暴力団で、利益はもとより暴力そのものを看板にする風潮がある。だが1990年代中ごろには体制が変わり、近代的な暴力団に変化した。


七瀬組組長(俗称)
 広域暴力団勝田一家系七瀬組の七代目組長。霧栖弥一郎のことを猛烈に気に入っている。


ナナミ(人名)
 SVSの観客の少女。SVSは賭博目的で観ているのであって、ゲームそれ自体に興味はない。



  に


新島(人名)
 支倉第十三号福祉施設の三階、石杖所在を装った久織巻菜の隣の部屋に住む三十代の男。愛想のよいゲイ。悪魔憑きではない。日常的に偽名を用いているようで、郵便物は『花園』名義で届く。忠告はするが助力はしない。


西口ビル(地名)
 コアラヶ丘にあるオフィスビル。月見里朋里が2004年12月31日にここかハヤシビルに潜伏していた。


西野晴墨(人名)
 にしの はるすみ。
 広域暴力団勝田一家七瀬組七代目の若衆で、八坂代一帯の風俗店の管理を任されている。三十代後半で横幅のある長身、スキンヘッドに鳥を思わせる小さな丸い目をしている。
 霧栖弥一郎の兄貴分だが、才覚ある霧栖を嫌っており、単に使えるという理由で手元に置いているにすぎない。七瀬組で20年近く構成員として働き、ようやく若衆となった。彼の情報は遅い。
 霧栖と出合ったのは2000年の秋。彼自身霧栖のことは気に入らなかったが、霧栖が使えることを見抜いて目をつけていた。
 1990年代初頭から当時は儲けが少なく下の下とされていた風俗関連の仕切りを自分から担当した。だがそれはやがて風俗関連が大きな利益を生むと見越してのことだった。なお当時から兄貴分であった青柳正との関係は劣悪で、2001年の秋に霧栖に襲撃されて瀕死の重傷を負った青柳を処理した。おそらく霧栖が実行しなければ西野自身が手を下していたと思われる。


韮菱豊(人名/悪魔憑き)
 注文が襲う雑貨店。マーブルファンブルマーケット。オリガ記念病院に入院していたC判定のアゴニスト異常症患者。もとカリスマ営業員。相手の弱点やトラウマを暴くらしい。2005年2月14日に石杖火鉈に殺された。


認識障害共有者(用語/俗称)
 →午宮留是留。



  の


能図(地名)
 支倉市の地名。久織伸也の家である通称『妄想団地』があるところ。
 支倉市のなかでも異彩を放つ土地で、団地の住人しか寄り付かない陸の孤島。端から端まで3キロメートル以上の規模を持つ工業地帯と、そこに勤める人々の団地で構成されている。


能図工業団地(地名)
 能図にある工業団地。支倉駅前からバスで30分ほどのちょっとした丘陵にある。
 団地内には生活用品を提供するマーケットが完備されているため、余所へ買い物に行く者は少ない。それは能図の外の人も同様で、工場に勤めていない人には能図に入る理由がない。支倉市の中のもう一つの市というか、戸数3000、8000人もの公団住宅だけで構成された閉ざされたコミュニティー。陸の孤島というよりも陸の要塞。
 オの13番棟でお巡りさんリンチ事件が起きたが、その棟は地図に載っていない。ここの住人たちは市の法務体制に異を唱えている。
 ここで久織伸也の死体が発見された。


能図工業団地前(地名)
 能図工業団地の地下鉄の最寄り駅。



  は


ハートレス(用語/俗称)
 H。心臓なし。心臓が新部のアゴニスト異常症患者。オリガ記念病院ができる前に確認された数少ないD判定の患者。


ハヤシビル(地名)
 コアラヶ丘にあるオフィスビル。月見里朋里が2004年12月31日にここか西口ビルに潜伏していた。



  


悲哀(悪魔)
 迦遼海江の右義足。森の貯水庫で泳いでいる鮫のような魚(あるいはそれに加え水そのもの)。


B(用語/俗称)
 →石杖火鉈。


久織加代(人名)
 久織伸也と久織巻菜の母親。2001年1月に伸也に突き飛ばされて『偶然』吊り棚が落ち、『なぜか』そこにあった包丁に喉を裂かれて死亡。そうなるよう緻密な計算をし、そうなるよう伸也を極限状態に追い込んだのは巻菜である。


久織浩二(人名)
 久織伸也と久織巻菜の父親。2001年1月に首から血を流して倒れた加代を見つけ、電話がある台所に向かうところで何かに躓き、左目に刃物が刺さって死亡。こちらは明らかに巻菜が手を下した。


久織伸也(人名)
 ひさおり しんや。2001年1月、16歳のときに両親の浩二と加代を殺害し、それを助けようとした姉の巻菜に重傷を負わせた。その事件は二年にわたる調査と裁判の結果、両親が事故死扱いになり『久織巻菜暴行事件』となっている。だがその実態は彼を極限状態に追い込んだ巻菜が巧妙な計算によって彼を使って両親を殺害し、その罪を着せて社会的に抹殺するために自ら飛び降りたのだ。
 その後精神病院に収容され、加害者は巻菜であり自分は被害者であると訴えていたが、巻菜が悪魔憑きであるとわかってからは自身の過失を認めていた。二年半に渡る精神治療の後に中等少年院に送致され、2004年初頭に保護観察扱いで社会復帰する。
 社会復帰してからは巻菜に復讐すべく彼女に報復が行くように軽犯罪を犯していった。石杖所在を装った巻菜が支倉第十三号福祉施設の前で少年少女に襲われたのはそのためである。
 そして社会復帰から半年後の八月、迦遼海江にすべてを打ち明けたあと、能図工業団地のかつて久織家が暮らしたマンションの303号室で死体となって発見された。死因は頚部裂傷による出血死で、久織巻菜が犯人であるかのように偽装して自殺した。


久織巻菜(人名/悪魔憑き)
 ひさおり まきな。
 久織伸也の姉。機械仕掛けのコピーキャット。究極の偽物。
 2001年1月に伸也に殺された両親を助けようとして伸也にマンションから突き落とされ、一命は取り留めたものの右腕が不随になった。というのが表向きだが、実際は伸也を使って両親を殺害し、その上伸也を社会的に抹殺するために自ら飛び降りた。
 幼時は神童と讃えられたが、あくまでごく普通の家庭である久織家にとってその存在は不相応であった。小学校二年生のときに彼女に授業を遊びと馬鹿にされた担任教師が『ならばすべて覚えてこい、でなければ教室に入れない』と言ってしまったため、勉強とは暗記だと理解して一週間ごとに一学年上の教科を暗記し、それ以上上のテキストを手に入れることができない六年生でようやく止まった。
 その天才振りと問題児振りから学校はもっといい学校に転校するよう親に勧めたが、あくまで普通である両親はそれを拒否。後に担任は学校を辞め、首吊り自殺を遂げた。それについて巻菜の取り巻きが「マキナに嫌われたから」などと当然のごとく話していた。おそらく『敵=排除するもの』と誰かが教え込んだせいだろう。
 学校ではテキストが手に入らないため学習はとまったが、家では際限なく資料を求め、片っ端から暗記してなぜか燃やしていくという学習を続けていた。そのため家計は傾き両親は小学五年生の巻菜にへりくだるというありさまになった。
 もとより癇癪持ちであったが、小学五年生のときに真昼間に平然と燃えながら団地の道路を横断する人を見てからそれがはっきりと現れた。それを家族に訴えたもののすでに倦んでいた家人はそれを無視し、そこで自分がいかに疎まれているか気づいてしまった。それからは自分の感情の振れを制御できないため、応急策として自分を客観視することにした。
 その後、自分は優れている、いい子であると誇示するように約束もなしに一人でいるところを狙って遊びに行く、好物を押し付ける、強引に悩みを解決する、本人でも知らない欠点や性格を親切に教えるようになった。無論それはとどまることを知らず、学年、団地規模で子供ばかりかその親にまで挨拶に行くなどということをしたため苦情が殺到し、それに疲れた浩二が『お前みたいなのは自分から何かをしちゃだめだ』と言ってしまったため、久織巻菜というパーソナリティを喪失し、自分から何かをすることがなくなり学校でも家庭でも無視されるようになった。
 高校に入学してからは休みがちになり、夏休み前には不登校になった。伸也も彼女と同じ学校に入学したため、教師が気を利かせたつもりで留年した巻菜と伸也を同じクラスにした。食卓でそのことを話していたときに加代が『何もできないなら伸也を見習え』と言ってしまったため、それからはすべてにおいて伸也を真似ていくことになった。
 それから一ヶ月はそれまでと変わらなかったが、ずっと伸也を観察するようになっていた。五月になって家庭内で両親との関係が改善されていき、鳥籠を購入してもらったが中に入れる鳥は『もういるから』と言い購入しなかった。鳥籠の鳥とは観察対象である久織伸也なのだから。彼女の観察は凄まじく精密で、伸也に翌日首を寝違えるからほぐしておけと忠告し、それを聞き入れないことも見越して自分も同じく寝違えるほど。
 六月には登校するようになったが、それは伸也の生活の焼き直しだった。生活習慣、成績、趣味嗜好、話術、エトセトラエトセトラ。しかしそれは完璧なコピーではなく、すべてにおいて一つ上であった。それによって伸也の居場所は徐々に減っていき、彼は二学期から不登校になって自殺まで図るようになる。
 そのころには『大切に思ったことはない、中身はどうでもいい虫けらだ』と言って鳥籠を処分した。耐え切れなくなった伸也が巻菜を“脅そう”と金属バットを持ち出したところ、伸也を真似た巻菜は包丁を持って出迎えた。彼女の中の伸也は“殺そう”と思っていたのだ。
 その後、2001年初頭に限界状態の伸也を使って両親を殺害し、その罪を伸也に擦り付けたが、悪魔憑きであることがわかりオリガ記念病院に収容された。およそ三年間C棟に収容されており、久織伸也として振舞っていた。なお飛び降りた際に不随になった右腕は病院で切除された。
 2004年初頭に退院し、親族に受け入れを拒否されたため支倉第十三号福祉施設の三階に入居。外では入院中に覚えた石杖所在というパーソナリティを使っていた。山田から迦遼海江の世話役を引き継ぎ半年間務めたが、伸也が石杖所在を装って暴行事件を起こし、さらに巻菜に殺害されたと装って自殺したために所在の皮を被っていることができなくなる。そのため迦遼海江を殺してその椅子に座ろうとしたが、あえなく返り討ちにあう。しかし殺されたわけではなく、海江の右腕の義手である歓喜を貸し出されたまま支倉市で姿を隠す。なお世話役の引継ぎはしっかり行った。
 もし見られた場合には誰かを装う生活が破綻してしまうため、本名が記されている通帳はもとより財産はすべて持ち歩く。同じ理由で記録に残るようなことはしない。
 悪魔憑きの症状は顔の皮膚がデリケートになったこと。わかりやすくいえば感情とは無関係に好きな表情を作ることができるのだ。
 情報収集能力は素晴らしく、支倉市の悪魔憑きについてならば右に出る者はいない。
 2004年11月には擬音みたいな名前の人物を探す日守秋星に協力していた。その頃には三人までなら顔の切り替えを蓄積できるようになっており、体格まで変えられるようになっていたが、さすがにまだ男性になることはできない。アジトを能図の団地と支倉の工業地帯にある安い寮と警察署の近くのアパートの三箇所確保していた。
 日守と出会ったときに殺し合いになったが、女の魅力がないとして見逃された。


日守桜夏(人名/悪魔憑き)
 ひのもり おうか。
 2005年2月14日の時点でオリガ記念病院に入院していたが、『新部とかぜんぜんない』とのことなのでアゴニスト異常症患者であるかは不明。日本刀を所持していた。2005年2月14日にきっかり3秒で敗北し、殺される。だが火鉈をして『もしかするとオリガで一番手強かったかもしれない』と言わしめた。


日守秋星(人名/悪魔憑き)
 ひのもり しゅうせい。2003年2月14日当時28歳。広域指名手配犯。
 2002年10月に支倉市に現れると噂された悪魔憑きの男。吸血鬼じみた猟奇殺人犯であるらしい。
 改造人間…らしい。2002年、いや2001年、いやそもそも2000年に死んだはずらしい。世間一般では『最強の悪魔憑き』で通っている。吸血鬼というあだ名はシンプルすぎることと実は間違っていることからあまり好んでおらず、石杖所在に頼み込んでフォウマルハウトという新しいあだ名を付けてもらった。なおそのときに臓腑スクムという案もあったが、さすがに拒否した。
 三次元の女に、むしろ女に興味はないと言い放つが、実際は特定の女性への思いが深すぎるため他の女性を異性と思えなくなっているだけ。
 2002年にC県最南部で広域指名手配を受けた連続猟奇殺人犯。当時20人以上を殺害したとされる。
 上半身裸に黒いロングコートにぴっちりした黒の革パンツ、脱色した長髪、鏡面のサングラスという出で立ち。日本人離れした彫りの深い顔立ちをしている。かなりの美形であるが、だらしない行動のため台無しに。かなりの長身。やたらとフレンドリーで、一言で言うとバカ。実戦剣道家のような、岩のような質感の手をしている。健啖家で、歯は鮫のような乱杭歯。
 支倉市の生まれで、1995年にアゴニスト異常症患者と診断され、C県中部にある絹衣総合病院に入院するため支倉を離れた。三年間の治療生活を経て受け入れ準備の整ったオリガ記念病院に転院しようというところで脱走し、消息不明となる。1999年初頭からC県で発生していた彼野沢集団自殺未遂事件の被疑者として浮かび上がり、2003年2月に彼野市警察署によって逮捕された。しかしオリガ記念病院への護送中に護送車の運転手二名を殺害、同乗していた藤悟木更刑事に暴行を加えて脱走し、以後行方不明。2004年8月ごろには支倉市に戻っており、久織巻菜とともに擬音みたいな名前の人物を探していた。
 なお彼野市警察署に逮捕された後の脱走は彼の意志ではなく、藤悟が彼に罪をかぶせて殺そうとした結果であり、運転手は藤悟が射殺した。
 悪魔憑きとしての能力は身体能力全般の向上。6メートルの垂直跳びを軽々とこなすが、悪魔憑きのランクとしてはBからC判定なので大したものではなく、単純な戦闘能力では月見里朋里に劣る。
 彼の不死の理由は酷い経験をしたらそのままの状態でいること。例えば自動車で崖から転落するのに比べれば日本刀で襲われることなど大したことはないので、容易に対処できる。常に自身を最高速に保ち、相手が最高速に至る前に己の最高速の初手で立ち向かうというもの。つまり彼の不死性は肉体機能ではなく破綻した精神によって築き上げられたもの。この状態を2000年ごろからずっと持続しており、これが恒温の血液の由縁。現在では銃弾を弾く、躱すはもちろん大爆発を受け流すことも可能。
 危機感知力はほとんど未来予知に近い。精神干渉系の攻撃を受けても正常に活動するが、これは無効化しているのではなく我慢しているとか、気にしないといったことに由来する。
 2004年8月13日にSVSを観戦しているところを通りがかった石杖所在と出会い、勝手に所在の照り焼きバーガーを食べる。8月16日に所在と鋳車和観の対戦に乱入し、あっさりと三振するが、殺すべく放たれた鋳車の球を容易く躱し、逆に追いつめる。
 同年11月に月見里朋里と対決し、性能差で劣るも戦い方で勝利する。しかしそのときの朋里の『わたしは、芝刈り機だ』という名乗りにいたく感銘を受け、自分にそういったあだ名がないことを猛烈に恥じる。
 人を殺すことにまったく躊躇いはないが、悪魔憑きは殺す、そうでなければ見逃してもいいと相手はそれなりに選んでいる様子。彼が殺した画面潰しの死体は切創・刺創だらけだったが一滴の血もこぼれていなかった。これが吸血鬼と称される所以だろうか。武器は先端を斜めに切った鉄パイプ。
 所在が左腕に装着していた迦遼海江の義手を見たとき、そういった義足は見たことがあると話していた。おそらく海江の左義足と思われる。


非擁護派(用語)
 アゴニスト異常症患者を病人ではなく生来の犯罪者として扱い、司法による裁きにおいてもその擁護を認めないという運動。またそれに賛同する人。行動的な非擁護派は積極的にアゴニスト異常症患者を排斥しようとし、アゴニスト異常症患者に負けず劣らずの暴力行為に訴えている。
 極度の非擁護派である藤悟木更にいたっては、実際に悪魔憑きであろうとなかろうと『能図の住人はみな悪魔憑きだ』という噂を鵜呑みにしてそこに住む子供を拉致、殺害することを繰り返していた。


午宮留是留(人名/悪魔憑き)
 ひるみや るぜる。
 認識障害共有者。ダブルバインド。女性。オリガ記念病院に入院していたD判定のアゴニスト異常症患者で、D棟の中でもっとも石杖火鉈を嫌悪していた。2005年12月14日に中央棟に逃げ込もうとしていたところをもくもくの宇宙から帰還した火鉈に殺された。
 幼年期から軽度の視覚障害と重度の認識障害を患っており、そのために世界が巨大に見えていた。8年を経て、自らの痛みを周囲に理解させる新部を作り上げる。その能力は声(電磁パルス)による洗脳で自分の認識障害を他人に植え付けるというもの。射程は半径30メートル。



  


フェアレディ号(用語)
 もくもくの宇宙において大熊猫目々が乗って飛び回っている畳。もくもくの宇宙を破壊することを決意した石杖火鉈により半分に切断され、片方ずつをそれぞれの移動に用いるようになる。


フォウマルハウト(用語・俗称)
 日守秋星のこと。吸血鬼というシンプルかつ実は間違っているあだ名を嫌った日守が石杖所在に付けてもらった。
 その由来はクトゥルー神話において火の神性クトゥグアを幽閉する檻にされた恒星。そのためか、揺り籠と書いてフォウマルハウトと読む。


副院長(人名)
 オリガ記念病院の副院長。
 暴動が発生した際に石杖火鉈に大人しくしていてくれないかと頼むが、当然のように断られていち早く脱出した。


扶桑雪緒(人名/悪魔憑き)
 ふそう ゆきお。
 悪魔憑きを病気ではなく本当に悪魔が憑いたのだと思い込んでいた。家は支倉市高之台にあり、四年前から自宅療養していた。
 中学生のころから拒食症だったが、あまりの空腹で悪魔憑きになる。空腹が原因で悪魔憑きになったためにひたすら何かを食べ続けることになったが、太りたくないのでいくら食べても太らない食材を探す。結果、犬や猫を食べ、最終的には人間を食べる。人間を食べるときはまず頭蓋を切開して脳髄を食べてから体を食べた。
 患部は胃、新部は溶解で、体中から強力な胃酸を出し、.38口径の銃弾をも溶かす。その胃酸によって自らも溶けるが。戸馬的は彼女への対抗策として火炎放射器を申請し、それが却下されると水責めのために消防車を手配した。
 拒食症なので食べてもすぐに吐くが、その五倍(一日あたり六十キログラム)食べていたので、その容貌は枯れ木のような姿から球体にまで膨れ上がった。
 2004年10月13日に石杖所在に払われるが、ギリギリのところで所在が左腕を切り離したので生きてはいる。


ブラクラ(人名・俗称/悪魔憑き)
 →画面潰し。


フリージア(用語/俗称)
 →夜口止々也。


ふれあい通り(地名)
 支倉市八坂代にある商店街のアーケード。古くからあるが、JRが通り駅前にデパートができてからは客足が遠のいて現在ではゴーストタウンと化している。


プレアデス(地名)
 支倉市八坂代にある喫茶店。霧栖弥一郎と西野晴墨が待ち合わせに使っている。


ブレインレス(用語/俗称)
 B。
 →石杖火鉈。



  


マーブルファンブルマーケット(用語/俗称)
 →韮菱豊。


誠子美雄(人名/悪魔憑き)
 まことこ(名前の読み不明)。
 声消し楽曲。トラック/3。オリガ記念病院に入院していたC判定のアゴニスト異常症患者。2005年2月14日に石杖火鉈に殺された。火鉈曰く『歌いすぎポリープには気をつけたい』。


マリオン(地名)
 支倉第十三号福祉施設の向かいにある喫茶店。値段は平均八百円。場所が場所なために流行っていないが、豊富なメニューと確かな味付けの名店。



  


幹城水産支倉第二工場(地名)
 もとは養鶏場だったがウィルス騒ぎで潰れ、缶詰工場に鞍替えするも資金繰りができずに廃棄された。といっても廃棄は始まっておらず、準備段階で見捨てられたために養鶏場の面影も缶詰を作るオートメーションもない。
 三階建ての社屋がある。
 養鶏場を経営していた一家は首を吊って自殺した。
 倉庫として使われていたのだろう七メートル四方の空間は扶桑雪緒によって食事用の死体倉庫として使われていた。


宮原無明(人名/悪魔憑き)
 みやはら むめい。
 投影奇術。トリビュートアンソロジー。オリガ記念病院に入院していたB判定のアゴニスト異常症患者。2005年2月14日に石杖火鉈に殺された。火鉈曰く、劣化久織さん。



  


胸に宿る月の琴(用語/俗称)
 →在野立花。



  


妄想団地(俗称/地名)
 支倉市能図にある団地。支倉市三大怪談のひとつであり、久織一家はこの三号棟303号室に住んでいた。間取りは3LDK。


もくもくの宇宙(用語)
 大熊猫目々のアゴニスト異常症によって生み出された宇宙のような空間。
 発生当初は壁らしきものがあったが、宇宙らしく膨張していったため既に壁は見当たらない。これは大熊猫が引きこもった5畳半ほどの部屋そのものであるため、大熊猫を連れ出すことはできず、入った者は出ることができない。そもそも404号病室の中は宇宙(地球の外)なのだから、外に出るということが不可能なのである。このため、10人ほどの医者が404号室に入って死亡した。
 観測している分には小さな宇宙だが、事象に関わる(事象範囲に入る)と正しいスケールに戻る。また時間も随分と傾斜しており、たとえば外部では数分から数時間程度と思われる時間のうちにもくもくの宇宙内の体感時間でおよそ1000年以上が経過していたり、もくもくの宇宙内体感時間で1分程度である太陽系では100年単位の時間が経過していたりする。ただし大熊猫ももくもくの宇宙に入った者も、実際に外部で経過している時間でしか成長(老化)しない。
 もくもくの宇宙には知的生命体が極端に少ない。とはいえ現実の宇宙(天の川銀河)で生命が誕生しうる条件を満たす星の数はN habitable=NG(銀河系の構成の数。1000億〜4000億個)×f p(惑星を持つ構成の割合。0.5と設定)×f age(寿命が長い恒星の割合。1と設定)×f single(単独星の割合。観測結果より0.5と設定)×f metal(岩石型惑星を持つ恒星の割合。観測結果から0.5と設定)×f disk(原始惑星系円盤の質量が適切である割合。観測結果より0.5と設定)×f h.z(原始惑星系円盤の質量が適切であった場合にハビタブルゾーン内に岩石型惑星が形成される割合。1と設定)の式から62億5千万〜250億個の恒星に生命が誕生しうる惑星があるということになり、その割合は6.25%である。
 さらに地球の例から知的生命体への進化に40億年かかるとすると40億年以上の恒星の割合が観測結果から0.5、文明が獲得される割合を0.01と設定。これらの数値から一時的にせよ文明を持った惑星の数は3125万〜1億2500万個。現在でも文明が続いている割合を100万分の1、文明が存在できた期間を100億年、文明の存在期間を1万年と仮定すると、現在天の川銀河に文明を持った惑星の数は30〜125個という数値が導かれる。
 文明が獲得される割合や期間などは極めて曖昧な数値であるが、現実にも知的生命体が存在する惑星は決して多くはない。ただし上記の式は地球のような岩石型惑星において生命の基本構成物質に水を用いている生物というのが大前提で、ガス巨星の衛星などは含まれていない。もっとも水は極性や液体でいられる範囲が広いことなどから基本構成物質に適しているとされている。
 もくもくの宇宙においては情報エネルギー生命体とでも言えるものが存在しており、それは物質とエネルギーの状態を自由に変換する事ができる。
 石杖火鉈は大熊猫目々を殺すべくD棟404号室に入るが、もくもくの宇宙に取り込まれてしまう。以降体感時間にして50年以上を目々と対話しながらもくもくの宇宙を見物して回っていた。しかし何一つ答えを出せない目々に業を煮やしてもくもくの宇宙を破壊することを決意し、以後2000年ほど星を破壊して回る。破壊した星の数は4000ほど。やがて火鉈が星を破壊するスピードは星が誕生する(=目々が想像する)スピードを上回り、ついにはもくもくの宇宙は崩壊した。
 そのときには度重なる進化により人の姿をしていなかったようだが、もくもくの宇宙での出来事は外に出ればリセットされるため、病室の壁をぶち破って元の姿に戻った。
 もちろん現実には火鉈であっても星そのものを破壊することはできないのだが、もくもくの宇宙は概念的なものであるため火鉈のアゴニスト異常症の原因である『その星で最強である』という願望によりその星での最強の座を、そしてついには星そのものを一つの生命と看做し星自体を破壊することもできるようになった。


森の貯水庫(地名)
 迦遼海江の住居。森の中にある10メートル四方の立方体の緊急時用貯水庫の地下にある。
 それがあるのは私有地で、もともと大きな屋敷(迦遼邸?)があったが既に取り壊されている。貯水庫の存在自体がほとんど知られていないうえ、その地下室の存在を知るのは石杖所在、戸馬的などごくわずかしかいない。
 海江が使っているベッドは真横から出ないと顔が見えないように配置されている。そこからの通信手段はその部屋のどこかにあるという黒電話だけ。ソファーの座り心地が最高で、所在はそこでなら三日三晩眠り続ける自信があるという。
 床はまるで西洋の城の一室のような市松模様で、天井は一面ガラス張りの水槽。部屋そのものも立方体。部屋の四方の壁にはそれぞれドアがあり、南のドアが入口で、その横に扉のない洗面所がある。南以外のドアは文字通り開かずの扉。キッチンはなく、水道も通っていないため蒸留水を買いだめしてある。夜は危ないらしい。



  や


野球盤(用語)
 野球をモデルにしたボードゲーム。2004年8月12日の夜に迦遼海江の住処である森の貯水庫に届き、翌13日に石杖所在と海江が対戦した。


八坂代(地名)
 支倉市の地名。支倉第十三福祉施設の最寄り駅から二駅隣。支倉市の中でも人口の多い街で、駅から徒歩で行ける範囲に二つの高校と大学があり、また都心に直通する路線が開通したことで人口は増加の一途を辿っている。


屋敷戸京麻(人名/悪魔憑き)
 やしきど きょうま。
 増殖臓腑。オリガ記念病院に入院していたD判定のアゴニスト異常症患者。おそらくプールいっぱいの臓物と思われる。『売却された内蔵を取り戻そうとしたあげく、プールいっぱいに増殖した内蔵に埋もれた男性』か。2005年2月14日、大熊猫目々の前に石杖火鉈に殺された。火鉈は最終形態にトキメいたとのこと。
 大熊猫がB判定だった頃に電話越しに会話したことがあり、そのときにどちらが先に死ねるか賭けた。


山田(人名)
 三十代後半の男性。山田というのは偽名。久織巻菜の前の迦遼海江の世話役だったが、解雇されたらしい。世話役の最後の務めとして巻菜を後任として引き継ぎを行った。


山田さん全焼事件(用語)
 1995年に発生した事件。詳細不明だが、時期が一致することから久織巻菜が真昼間に燃えながら平然と団地の道路を横断する人物を目撃した事件と思われる。


ヤマダβ(用語/俗称)
 →海風太刀野。


月見里(家名)
 やまなし。
 もとは両親と祖父、朋里とその兄の五人家族だった。しかし朋里が五歳の頃、寝たきりとなった祖父を両親が見殺しにした。


月見里邸(地名)
 支倉市支倉坂二丁目の石杖邸と石森邸の間に建つ家。


月見里朋里(人名/悪魔憑き)
 やまなし ともり。
 しばかりさん。自称、芝刈り機。C判定のアゴニスト異常症患者。
 『月見里朋里』という名は彼女の数少ない売りの一つで、これを字面で見た教師は「こんな無駄のない、面白みのない名前は見たことがない」と話題にした。彼女の兄は彼女が小学生の頃までは「名前はヘン。けどおまえは美人」、高校生になってからは二分ぐらい考えてから「日本人形とうさぎのコラボ。うん、イケてる」と評した。
 悪魔憑きとしての能力は人間としての運動能力が大幅に向上すること。
 朋里が五歳の頃、寝たきりとなった祖父を両親が見殺しにした。そのときは夏休みで朋里と兄は田舎に遊びに行かされていたが、朋里だけ一日早く帰ったため両親が祖父を見殺しにするのを目撃する。
 以後、父は数日おきに婉曲に朋里が共犯者であることを確認し、母は共犯者であることを監視するようになった。休日はその最たるもので、高校生になるまで一日書斎にいた。書斎には天窓があるため、朋里は若くして月見の妙に目覚めた。
 久織巻菜の事件を知ってから少しずつ自身に異変を感じ始め、ひたすら走ることを始める。それは見つからないように夜に行っていたのだが、ある日朝に『走って』しまったため女の子に見つかり、一撃で殺害する。死体は森の中に隠し、以来数日おきに殺人を繰り返すようになった。殺人の嗜好は男より女、大人より子供が好み。
 邪魔になった両親を殺すため、折しも支倉市に現れると噂されていた猟奇殺人鬼の日守秋星の犯行に見せかけることを計画し、2003年初頭から2月にかけて支倉坂二丁目の女性や子供を片っ端から殺していった。そして2003年2月13日深夜から14日にかけて計画を実行した際、ついでに石杖邸に踏み込んだために石杖火鉈と出会ってしまい、逃走。そのときに警察の対応が異様に早かったのは火鉈に出会った朋里があげた悲鳴が原因。
 以後も殺人は続けたようだが、火鉈に対して感じた恐怖のため最も好む獲物であった少女を殺すどころか目を合わせることもできなくなる。2004年12月31日、戸馬的によって逮捕された。
 なお祖父を亡くしたときの記憶から追跡妄想にかかっており、後ろを振り向く癖がある。
 2004年11月に県境の鉄橋で日守秋星と対決。性能差で日守を圧倒するが、戦い方で敗北した。ちなみに日守は『朋里』を『ツキリ』と誤読していた。
 オリガ記念病院で2005年2月14日に石杖火鉈と戦うが全面降伏し、その後地下のケージに入れられて通路を崩されたため、生死不明。


月見里朋里の兄(人名)
 ごく普通。生死不明(尤も殺す理由がないため生存の可能性が高いと思われる)。


月見里朋里の祖父(人名)
 若い頃から煙草や酒が好きだったため、不摂生が祟って朋里が五歳の頃には完全に寝たきりになって肺も心臓も弱りきっていた。そのため家族の重荷となっており、朋里の両親に見殺しにされて悶死した。


月見里朋里の両親(人名)
 朋里の祖父を見殺しにし、それを目撃した朋里を共犯者として束縛した。それを邪魔に感じた朋里によって殺害が計画されるが、生死不明。



  


由寿餅アロウ(人名/悪魔憑き)
 ゆじゅもち あろう。
 アメンチア・ナイトメア。オリガ記念病院に入院していたD判定のアゴニスト異常症患者。2005年2月14日に石杖火鉈と対決。C棟全体と中央棟六階までと融合するも自滅、死亡。『自己意識が曖昧になりすぎて環境もろとも譫妄状態にする生き物』だろうか。


譲羽涙(人名/悪魔憑き)
 ゆずりは なみだ。
 サニーデイ・レインコート。オリガ記念病院に入院していたC判定のアゴニスト異常症患者。呪い系の能力を持っていたらしい。2004年2月14日に石杖火鉈に殺された。


夢見がちファッキン泥棒猫シエスタ(用語/俗称)
 →檻我鞠音。



  


夜口止々也(人名/悪魔憑き)
 よるぐち ししや。
 氷の花。フリージア。オリガ記念病院に入院していたD判定のアゴニスト異常症患者。時間を止められるらしい。『劣化していく隣人を恐れるあまり、隣人はおろか自分、周囲の時間さえ止めてしまった男』か。2005年2月14日に石杖火鉈と対決したが敗北し、殺された。



  


来週の金曜は有明(用語)
 明らかに夏コミ。金曜ということから一日目と推測される。徹夜はダメ、絶対。



  


霊柩課(用語/俗称)
 悪魔憑きの保護を目的とした保安機関、公安特務のこと。悪魔憑きにちなんでこう呼ばれる。悪魔憑きを救う現代の神父といえるが、人権などは考慮しない。


霊柩課(用語/俗称)
 支倉市警察署に設けられたアゴニスト異常症関連の捜査本部の俗称。戸馬的が捜査主任官として指示を出している。


レセプタクラッシュ(用語)
 →アゴニスト異常症



  


ロケットランチャー(用語/武装)
 ロケット発射器。薬室と尾栓がなく、極めて簡単に言うならロケット弾を発射するための筒。発射時に大量の噴射炎が発生するため、後方の近くにいられない。また同じ理由で遠くからでも発射を確認しやすい。
 バズーカやパンツァーシュレックなどが代表的。
 2005年2月13日から14日に石杖所在が見たオリガ記念病院の壊滅を大幅に脚色した夢の中で戸馬的が携行した。




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