ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア(人名/魔術師)
 Darnic Prestone Yggdmillennia。
 身長182cm。体重76kg。血液型O型。5月2日生まれ。
 ユグドミレニア一族の長である魔術師。黒のランサーのマスター。年齢は100歳近いはずだが、外見は20〜30代の若さを保っている。通り名は『八枚舌』。階位は『王冠』で、二級講師として元素転換を教えていた。教え子からの評価は低かったが、政治面で真価を発揮し、一流の詐欺師として知られている。特にヒト単体では難しいとされる飛行を『魔術師ならばそうそう難しくはない』と易々と行っている。
 聖杯大戦の80年前に新進気鋭の魔術師として華々しくデビューし、貴族に連なる一族の娘との縁談が持ち上がった。しかしある魔術師がユグドミレニアの血は濁っていて五代先までもたず、後は零落するだけだと忠告したことで破談、ユグドミレニアが貴族に至る道は絶たれた。魔術協会で屈辱に耐えながら研究を続けている折に冬木の聖杯戦争のことを知り、ナチスドイツを抱き込んで軍の力を得たマスターとしてそれに参戦。第三次聖杯戦争は有耶無耶になって終結したが、崩落した穴の中で大聖杯を見付けるという幸運に見舞われる。そこでナチスを言葉巧みに籠絡して総統直下の命令で軍勢を送り込み、大聖杯を強奪してそのドイツへの移送を指示した。輸送の際にトゥリファスを経由させ、そこで同行した魔術師や軍人を皆殺しにして大聖杯をミレニア城塞に隠匿していた。その後は大聖杯をトゥリファスに馴染むように変質させ、その結果として純粋な英霊だけでなく英霊としての側面を持つだけの者の召喚が可能となった。
 その後も魔術協会においては没落した魔術師の受け皿としての役割に甘んじていると見せかけ、裏では聖杯大戦への準備を進めていた。そして第三次聖杯戦争から60年後に魔術協会からの独立を宣言し、その象徴として大聖杯の起動を目論む。
 第三次聖杯戦争の後、魔術においては変換不能である魂に着目して研究し、他者の魂を己の糧とする魔術を編み出した。これは禁忌に限りなく近い呪法である。またこの魔術はほんの数ミリでも何かがずれれば死に至るほど極めて危険であり、60年間で魂を食らったことは僅か三度しかない。その三回とも考え得る限り完璧な儀式を行ったのだが、それでもダーニックの肉体と魂の適合率が六割を切っている。よって四度目も完璧な形で儀式を行ったとしてもその時は既にダーニック・プレストーン・ユグドミレニアではなくなっていると予想される。
 ダーニックは黒のランサーをサーヴァントであるとともに領主として遇しているが、やはり根本的には令呪で従わせる駒として見ている。
 赤のバーサーカーがミレニア城塞に攻めて来たのを知り、それを捕獲し自陣の持ち駒にすべく画策する。赤のバーサーカーがイデアル森林に入った時に黒のセイバーと黒のバーサーカーが赤のアーチャーと赤のライダーと戦った際には、ゴルド・ムジーク・ユグドミレニアが軽率に令呪を用いて宝具を解放させようとしたのを赤のアーチャーに急報され、少なくとも気配遮断が可能なアサシンを仕留めるまでは黒のセイバーの唯一の弱点を秘匿すべきだという判断からゴルドに二画目の令呪を使わせて宝具の使用を止めさせた。その後は真名を知られた可能性を考慮し、黒のライダーを黒のセイバーに付けることを決めた。
 黒のセイバーが脱落した後、マスター不明の黒のアサシンがシギショアラに入り、赤のセイバーとそのマスターの獅子劫界離もシギショアラに向かったことを知ると、黒のアサシンを仕留めに向かったかあるいは手を組みに向かったか、どちらにしても傍観できないと判断してフィオレと赤のアーチャーをシギショアラに差し向ける。
 赤の陣営が『虚栄の空中庭園』でミレニア城塞に攻め寄せた際は戦闘をサーヴァントらに任せて城塞内でそれを見守っていたが、黒のランサーが劣勢になると指揮をフィオレに任せ、使用を禁じられていた宝具『鮮血の伝承』の使用を考える。その後、『虚栄の空中庭園』での赤のランサーとの戦いで劣勢になった黒のランサーに第一の令呪で『鮮血の伝承』の発動を、第二の令呪で大聖杯を手に入れるまで生き続けろと命じ、怒り狂った黒のランサーに殺すもその直前に第三の令呪で自分の存在を魂に刻み付けることを命じる。結果として黒のランサーは吸血鬼ドラキュラとダーニックが混じりあった怪物に成り果てた。


ダーニック・プレストーン・ユグドミレニアと縁談があった一族(家名/魔術師)
 聖杯大戦の80年前に魔術師としてデビューしたダーニック・プレストーン・ユグドミレニアと縁談があった一族。貴族に連なる家系で縁談に乗り気だったが、ある魔術師がユグドミレニアの血は濁っていて五代先までもたず、後は零落するだけだと忠告したために縁談を破棄した。
 聖杯大戦の頃には既に一族諸共に滅んでいて、歴史に名も残っていない。


第三次聖杯戦争(用語)
 日本の冬木市における三度目の聖杯戦争。1930年頃、第二次世界大戦前夜に行われた。小聖杯を巡り帝国陸軍やナチスを交え、冬木市で戦いが繰り広げられた。
 第三次聖杯戦争に際し、第二次聖杯戦争に敗北したアインツベルンは、その雪辱のため反英雄アンリマユをアヴェンジャーとして召還するか、大聖杯のシステムを悪用してルーラーを召還するかを検討し、後者を採用した。召還された天草四郎時貞には際立った能力はなかったが、他のサーヴァントに対する令呪という圧倒的なアドバンテージを活かして勝ち進んでいった。しかし参戦していたダーニック・プレストーン・ユグドミレニアが偶然にも大聖杯を発見し、その強奪を目論んだことで聖杯戦争が混乱し、生き残りのサーヴァントは相討ちとなり、アインツベルンのサーヴァントも死亡。遠坂とマキリも撤退し、第三次聖杯戦争は有耶無耶のまま終結した。大聖杯が奪われたため、これ以降冬木の聖杯戦争は発生していない。
 第三次聖杯戦争に参戦したアインツベルンのマスターはダーニックの大聖杯強奪に前後して死亡し、遠坂とマキリは撤退した。そのため、最後まで戦場で生き残ったのは監督官の言峰璃正と大聖杯に触れて受肉したルーラーこと天草四郎時貞の二人だけだった。
 この時に冬木の聖杯戦争のシステムが世界中の魔術師たちに情報として流出し、結果としてこの亜種の聖杯戦争が世界各地で繰り広げられるようになった。


大聖杯(用語)
 日本の冬木市、円蔵山地下にある龍洞と呼ばれる大空洞に安置されていた第七百二十六号聖杯のこと。現在はミレニア城塞の地下に設置されている。
 第三次聖杯戦争が小聖杯の破壊によって有耶無耶になった後、ナチスドイツに加担していたダーニック・プレストーン・ユグドミレニアが偶然発見し、ドイツ軍の力を借りてこれを強奪。アインツベルン、遠坂、マキリと帝国陸軍はそれを阻止すべく奮戦したが、聖杯戦争直後で消耗していたため敗北し、大聖杯は日本から運び出されてしまった。しかし大聖杯はドイツに渡ることなく、経由地のトゥリファスで同行した軍人や魔術師らを皆殺しにしたダーニックによりミレニア城塞に秘匿された。
 責任者は更迭され、関係者は戦場に送られ、ナチスドイツには大聖杯とその行方を知る者はいなくなり、ナチスに加担していたダーニックも姿を消した。その60年後、聖杯大戦の三か月前にダーニック自身が大聖杯をミレニア城塞に設置していることを明かした。
 可能性はほぼゼロではあるが、七騎のサーヴァントが一つの勢力に統一されてしまった場合に対抗策としてもう七騎のサーヴァントを召還できるようになる予備システムが仕掛けられており、これがミレニア城塞を襲撃した狩猟に特化した魔術師たちの生き残りによって起動された。このシステムは単純に召還するサーヴァントを倍にするので、冬木市で起動した場合は下手をすれば霊脈そのものが枯れ果てる可能性があったが、冬木を上回る霊地であるトゥリファスでは十分な魔力が供給されたため問題なく起動している。
 なお、ダーニックによってトゥリファスに馴染むよう変質させられた影響で純粋な英霊だけでなく『英霊の側面を持つだけの者』も召喚できるようになっている。またトゥリファスの霊脈に完全に癒着している。
 イデアル森林の戦いでミレニア城塞が半壊した後、『虚栄の空中庭園』で吊り上げて奪われた。
 第三次聖杯戦争においてアンリ・マユが召還されていないため『この世全ての悪』には汚染されておらず、これに溜め込まれているのは「無色透明の膨大な魔力」である。


第二種永久機関(用語)
 黒のバーサーカーが疑似的に構成しているもの。
 熱力学の第一法則(エネルギー保存の法則)を破ることなく永久機関を実現しようとしたもの。簡単に言えば自身が発生させた熱を回収して永久に使い回すというもの。例えば発電した電気を工場で使うと最終的にすべて熱エネルギーに変換される。この熱エネルギーを全て回収して発電所に送り、その熱で発電を行うというもの。
 熱エネルギーは100%の効率で他のエネルギーに変換することはできないため、実現は不可能。


第八秘蹟会の先輩(人名)
 シロウ・コトミネの第八秘蹟会における先輩。シロウに古い葡萄酒を譲っている。


対魔力(技能)
 魔術を無効化、あるいは効果を軽減する技能。狂化スキルの保有や闇属性に染まることで低下する。

 EX:神代の魔術でさえ傷付けることはできない。


タウロポロス(武装)
 天穹の弓と呼ばれる、赤のアーチャーが使用する弓。これ自体は宝具ではない。


磔刑の雷樹(対軍宝具)
 ブラステッド・ツリー。
 黒のバーサーカーの宝具。ランクD〜B。対軍宝具。
 『乙女の貞節』を地面に突き立て、全リミッターを解除して行う全力放電。聳え立つ大樹のシルエットで降り注ぐ、拡散追尾落雷。
 全リミッターを解除しての発動は黒のライダーの死を代償となる。これはヴィクター・フランケンシュタインの設計図に全リミッターを解除して宝具を最大威力で開放した場合に怪物はその機能を停止すると記述されている。リミッターを解除せず『磔刑の雷樹』を放つことも可能ではあるが、この場合は格段に威力が落ち、良くてC、悪くてDランク相当というもの。至近距離から最大威力で放った場合は大抵のサーヴァントを討ち果たせる威力を誇る。敵が単体かつ近距離であれば『乙女の貞節』が無くても発動できる。
 この宝具について、設計図には『この雷撃はただの雷ではなく、フランケンシュタインの意思が介在する力である。それがある限り、彼女は決して滅びない』という一文がある。これはつまり、低確率で新たなフランケンシュタインの怪物を生む可能性があるという事である。


ダブルサモン(技能)
 →二重召喚



  


チャウシェスクの子供たち(用語)
 ルーマニアの独裁者ニコラエ・チャウシェスク大統領の政策によって生み出された、生きる術を持たない子供たちのこと。
 チャウシェスクは国力増強のため避妊と堕胎、離婚を禁じる法を制定して多産を奨励したが、それによって育てきれなくなった子供たちが孤児院に収容されたりストリートチルドレンとなって犯罪に手を染めたりした。



  


トゥール(人名)
 ユグドミレニア一族によって鋳造されたホムンクルスの一体。戦闘用の少女型で、ハルバードを使う。寿命は聖杯大戦から数えて2ヶ月から3ヶ月ほどしかない。
 イデアル森林での戦いの際にホムンクルスの自立を促すために戻ったジークと最初に会話したホムンクルスであり、その後は生き残ったホムンクルス達の実質的なリーダーになった。他のホムンクルス同様もとは個体名を持たず、名前を付けるのは親の役目だとしてゴルド・ムジーク・ユグドミレニアに生き残ったホムンクルスすべてに名前を付けるように言った。後にゴルドによってトゥールと名付けられた。


道具作成(技能)
 魔力を帯びた器具を作成できる技能。キャスターのクラス別能力。
 戦いのための道具や魔術礼装から日用品に至るまで、様々な道具を作り出すことができる。Aランクの道具作成スキルを持つキャスターが作り出す魔術礼装は他の魔術師のそれとは雲泥の差がある。だがこのスキルには材料を調達や作成の手間がかかる。
 B:黒のキャスター。アヴィケブロンがゴーレムの作製に特化しているため、それ以外は作る事が出来ない。


銅鉄馬(用語)
 黒のキャスターが造った馬型のゴーレム。鉄と青銅を組み合わせた斑模様で、眼球はルビーとサファイアが用いられている。赤の軍勢がミレニア城塞に攻め寄せた際に黒のキャスターから黒のランサーに献上され、その乗騎となった。


トゥリファス(地名)
 ルーマニアのトランシルヴァニア地方の外れにある都市。人口は約二万人で、主産業は農業と繊維業。市庁舎はおよそ100年前に建設されたもの。
 ルーマニア屈指の霊脈を持つ土地で、その魔力量は冬木市を上回る。ここにあるミレニア城塞がユグドミレニア一族の本拠地。ここに本拠地を構えたのはユグドミレニアを名乗る前のプレストーン一族。プレストーン一族は理想の街を造るために積極的に関与し、土地に強固な繋がりと過敏な結界を造り上げた。また魔術とは無関係にトゥリファスは外からの人間に対する警戒心が強い。こうしてトゥリファスはまさに魔術師が支配する街となり、魔術師ではない関係者も含めれば総人口の二割以上が何らかの形でユグドミレニアとの関わりを持っている。
 トゥリファスは城壁に囲まれた旧市街地区とその外側にある新市街地区で構成されており、その境は半円を描く城壁によって区切られている。この城壁には5か所の出入り口があるが、内1か所は崩落のため修繕工事中。トゥリファスは西から東へ上り坂となった大地にあるため、北東に位置するミレニア城塞が一番の高台になっている。ミレニア城塞は私有地に建つ個人の物件であるという理由以上に、この城塞がトゥリファスを支配しているという恐怖から住民たちはそれを観光名所にしようとはしない。
 ミレニア城塞を監視できる場所には監視用の結界が敷かれており、異常を探知すると即座に近隣の建物の屋根に擬態したゴーレムや戦闘用ホムンクルスが出撃する。


遠坂(家名/魔術師)
 魔術師の家系。冬木でアインツベルン、マキリとともに聖杯戦争を創始した。
 第三次聖杯戦争で冬木の大聖杯がダーニック・プレストーン・ユグドミレニアに強奪されてからは聖杯を諦め、冬木市で別のアプローチを模索しているらしい。そのため、シロウ・コトミネに大聖杯の情報を金で売っている。


ドール・エンジニアリング(用語/魔術)
 →人形工学


トラップ・オブ・アルガリア(宝具)
 →触れれば転倒!



  


二重召喚(技能)
 ダブルサモン。
 赤のアサシンのスキル。赤のアサシンはアサシンとして召還されながらも、このスキルによってキャスターのクラス別スキルも保有している。


日輪よ、具足となれ(宝具)
 カヴァーチャ&クンダーラ。
 赤のランサーの宝具。赤のランサーが纏う鎧で、太陽神スーリヤから息子である証として与えられた太陽の輝きを持つ絶対防御宝具。単純に魔力を編んだ鎧ではなく常時発動型の宝具であり、常時展開しているため、魔力の消費が激しい。


人形工学(用語/魔術)
 ドール・エンジニアリング。
 ロシェ・フレイン・ユグドミレニアが得意とする魔術。



  


ネクロマンシー(用語/魔術)
 →死霊魔術


ネブカドネザル二世(人名)
 英霊の一柱。空中庭園を宝具として所有する。



  


野良犬(用語)
 フィオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニアの父が拾ってきて一週間ほどフィオレとカウレスが飼っていた犬。フィオレらの父はすぐに使うつもりであったが急用で外出したため、一週間ほど飼われることになった。
 カウレスはこの犬が魔術の教材であると見抜いていたが、フィオレは見抜けずにペットとして可愛がったため、降霊術の失敗を再現するために低級霊を憑依させて惨死させられたときには強い衝撃を受け、以後しばらくは肉を食べられなくなったり一人で眠れなくなったりした。



  


破却宣言(対人宝具)
 キャッサー・デ・ロジェスティラ。
 黒のライダー(アストルフォ)の宝具。ランクC。対人宝具。アストルフォ本人はこの書の真名を完璧に忘却しており、真名を思い出すまでは適当に付けた『魔術万能攻略書(ルナ・ブレイク・マニュアル)』という名で呼んでいた。忘却していた真名を思い出す条件は新月の夜であること。これはアストルフォが自分の理性を月で見つけた、つまり月がない夜ならばアストルフォ本人に理性があるからである。
 魔女ロジェスティラから譲り受けた、全ての魔術を打ち破る手段が記載されている書物。分厚い革装丁の書物で、所持しているだけで現代の魔術師の魔術程度ならば無効化できる。現代の魔術師ではないキャスターのサーヴァントの魔術や、魔法に近い魔術である固有結界は防げない。
 常時発動型の宝具で、所有しているだけで所持者にAランクの対魔力スキルが付与され、自動的にAランク以下の魔術をキャンセルすることが可能。固有結界かそれにきわめて近い大魔術ならばキャンセルできないが、その場合も真名を解放して書を読み解くことで打破する可能性を掴める。また真名を解放する事でページが舞い散り、Aランク以上の『十と一の黒棺(ティアムトゥム・ウームー)』の光弾さえ無効化し、幻惑系の魔術の影響下にあってもその紙片が案内するため道に迷わなくなる。
 これによって本来はDランクであるアストルフォの対魔力スキルはAランクに向上している。


ハサン・サッバーハ(人名)
 通常の聖杯戦争や亜種聖杯戦争に於いてアサシンのクラスで召喚される亡霊たちの総称。
 幾度も繰り返された亜種聖杯戦争によって19体すべてのハサン・サッバーハの宝具まで明らかになっており、対策が確立されている。とある亜種聖杯戦争ではアサシンのマスターが僅か三日で終結させたという逸話があるように暗殺という特技は大きなアドバンテージであるとともに、対策が確立されているためにアサシンを召還するのは圧倒的な不利を背負い込むことでもある。
 アサシンのサーヴァントを召還すると必ずハサン・サッバーハが呼び出されるのは『暗殺者』という言葉そのものが触媒であるため、追加詠唱に工夫を凝らし、ハサン以外の触媒を持ち込むことでハサン以外の英霊をアサシンとして呼び出すことも可能となった。
 相良豹馬は対策が確立されているハサン・サッバーハを嫌い、最新の英霊であるジャック・ザ・リッパーを選んだ。


バシュム(用語/魔術)
 赤のアサシンが召喚する魔獣。メソポタミア神話で原初の母ティアマトが自身に刃向った神々に対する敵対者となるものとして生み出した11の魔獣のうちの一頭。色鮮やかな日本の角と前肢を持つ巨大な蛇で、竜種と比べても遜色ない階位に到達している。あまりに強力なため赤のアサシンでさえ使用を躊躇するうえ、召喚自体も大魔術となるため気軽に召喚できない。


バリオス(用語)
 赤のライダーの宝具『疾風怒濤の不死戦車』を曳く三頭の軍馬のうちの一頭。クサントスと共にポセイドンから賜った不死身の神馬である。


バルムンク(対軍宝具)
 →幻想大剣天魔失墜


バンカーバスター(用語)
 黒の陣営が『虚栄の空中庭園』を襲撃する計画を話し合っていた際にルーラーが出した兵器の一つ。
 日本語では地中貫通爆弾と訳される。航空爆弾の一種で、主に高速と高高度・大重量の金属でコンクリートや盛り土を貫通した後に爆発することで地下に設置された施設や硬化目標を破壊する。
 この種の兵器は第二次世界大戦中から利用されている。


ハンギングガーデンズ・オブ・バビロン(用語)
 →虚栄の空中庭園


パンクラチオン(用語)
 世界最古の総合格闘技。
 簡単に言えばボクシングとレスリングが一体となった格闘技で、ルールは目潰しと噛み付きの禁止だけである。そのため、首の骨を含めて相手の骨を折ることや殺害さえ許されている。腕を上げることで降参の意思を示すことができる。
 古代オリンピックに導入されてからは安全な格闘技になり、1999年に近代格闘技として復活した。古代は全裸で競技に臨んだが、現代のパンクラチオンは着衣で行う。
 黒のアーチャーが修めている。



  


被虐の誉れ(技能)
 赤のバーサーカー(スパルタクス)が保有する技能。魔術的な治療に要する魔力消費量の減少と、時間経過による傷の治癒。
 B:赤のバーサーカー。サーヴァントとしてのスパルタクスの肉体を魔術的な手法で治療する場合、それに要する魔力の消費量は通常の1/4で済む。また魔術の行使がなくとも一定時間経過するごとに自動的に傷が治癒していく。


飛行(用語・魔術)
 空を飛ぶ魔術。
 正史の作品では難しい魔術とされるが、Apocryphaでは駆け出しの魔術師でも習う初歩的な魔術とされる。


ヒポグリフ(用語)
 →この世ならざる幻馬


ヒュドラの毒の血清(用語/魔術)
 獅子劫界離が作ったヒュドラの毒に対する血清。
 赤のアサシンが毒の女王セミラミスで、黒のアーチャーがヒュドラの毒で苦しんで死を選んだケイローンであることを知って念のために作ったもの。ただし血清とはいっても強すぎるもので、人間にこれを投与するとヒュドラ毒での即死は免れるが血清によってしばらく後に死亡する。


ヒュドラのナイフ(礼装)
 獅子劫界離がロッコ・ベルフェバンから貰い受けたヒュドラの幼体のホルマリン漬けの首の一つを加工して作ったナイフ。
 刃は細く、実用性に乏しい奇妙な形をしているが、これは触れれば死ぬという恐ろしい効果を持っている。
 獅子劫界離が生前にロード・エルメロイU世に宛てて送った。


ヒュドラの幼体のホルマリン漬け(用語)
 ロッコ・ベルフェバンが所有していたもの。ベルフェバンは偽物だと言っていたが、獅子劫界離はそれが本物であると見抜いており、聖杯大戦に参加する前金として貰い受けた。価値としては獅子劫家の資産を全て処分したとしても販売価格の三割にも届かないほど高価。
 ヒュドラは成体ならば近くで呼吸しただけで肺が爛れるほどの毒が体内に詰まっている。しかしこれは死んだ幼体のため、触れなければ問題はない。
 獅子劫界離はトゥリファスに工房を構えた後、9つある首のそれぞれを武器あるいは補助道具として適切な形に加工した。


貧者の見識(技能)
 赤のランサー(カルナ)の技能。相手の性格・属性を見抜く眼力。言葉による弁明、欺瞞に騙されない。天涯孤独の身から弱き者の生と価値を問う機会に恵まれたカルナが持つ、相手の本質を掴む力。
 A:カルナ



  


ファースト・フォリオ(宝具)
 →開演の刻は来たれり、此処に万雷の喝采を


ファヴニール(用語)
 ジークフリートが退治した邪悪なる竜。
 幻想種の頂点に立つ竜種でありながら貪欲で、財貨を集め生贄の人間を食らい続けていた。


フィーンド・ヴォル・センベルン(人名/魔術師)
 魔術協会の一級講師。
 魔術協会によって聖杯大戦に派遣された魔術師。戦闘に特化している。
 サーヴァントを召喚する前に赤のアサシンによって毒を飲まされ、正気のまま狂気の世界にいざなわれた。その後サーヴァントを召喚したが他の赤のマスターたちと共にシロウ・コトミネに軟禁されており、赤の陣営が勝利したという虚偽の報告を信じ込まされて令呪とマスター権をシロウ・コトミネに譲渡させられた。
 しかし赤のランサーだけは頑としてマスター替えに同意しなかったため、もし元のマスターが正気に戻って命じればその瞬間に赤のランサーが裏切るという危険性が残っていた。そのためある時点から赤のアサシンは用済みになった5人の元マスターを殺そうとしていたのだが、赤のランサーが守護していたために命を奪われることはなかった。その後、黒の陣営が『虚栄の空中庭園』に攻め込んだ際に赤のランサーによって救助され、転移魔術によってフィオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニアと他の赤のマスターらと共に地上に脱出させられた。
 彼ら赤のマスター5名のうち一名(一級講師であるフィーンド・ヴォル・センベルンか)が魔術協会時代のエースと目されており、堂々と出陣した彼が聖杯大戦に参加する前に敗退していたという汚点は彼の家にとって恥ずかしい事であったため、戦争そのものを無かった事にしてほしいという提案があった。
 Fate/strange Fakeでロード・エルメロイU世の弟子とされるフェズグラム・ヴォル・センベルンとの関係は不明(そもそも世界が別である)。


フィオレとカウレスの父(人名/魔術師)
 詳細不明。
 フィオレとカウレスが幼かった頃に野良犬を教材として拾ってきて、それに低級霊を憑依させて肉体を暴走させて惨死させたことがある。これは気を付けなければフィオレとカウレスもそうなるという実演のためであったが、その犬が実験教材であることを見抜けずペットとして可愛がっていたフィオレには強いショックを与える事になった。


フィオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニア(人名/魔術師)
 Fiore Forvedge Yggdmillennia。
 身長162cm。体重47kg。B84 W57 H82。血液型A。7月12日生まれ。
 ユグドミレニア一族の魔術師で、カウレス・フォルヴェッジ・ユグドミレニアの姉。フォルヴェッジ家の当主。黒のアーチャーのマスター。可憐な貴人という印象を与える女性。ユグドミレニア一族随一の能力を持ち、ダーニック・プレストーン・ユグドミレニアの後継者と目されている。
 彼女の魔術回路は両脚にあるのだが、それが生まれついて変質している影響で両脚が麻痺しており、時に耐えがたい苦痛も襲う。そのため車椅子を用いるとともに、痛みを緩和するための鎮痛剤のような薬湯と粉薬を服用しているが、これには耐えがたい眠気を引き起こすという副作用がある。そのため、聖杯には脚を治すことを願うつもり。
 ほとんどの魔術を苦手とするが、降霊術と人体工学に関しては魔術協会の一級講師に比肩する腕前を持ち、独自のアレンジを加えて作り出した接続強化型魔術礼装は三流魔術師でも一流を仕留めるに足る威力を持つ。魔術回路の質・量及びそれに伴う魔力貯蔵量は、カウレスがポリタンクとしたらフィオレは石油コンビナートと評されるほど圧倒的な差がある。
 物事の中心になることを避けるため、謙虚で奥床しく振る舞うようにしている。一般と比べて文字を読めるようになったのはかなり早かった。幼い頃に父親が拾ってきた野良犬を魔術に使う教材であると見抜けず、愛すべきペットとして飼ったためそれが教材として使われて惨死したのを目の当たりにした時は強いショックを受け、その後しばらくは肉を食べられなくなったり一人で眠れなくなったりした。それ以後は降霊術で失敗することは無くなったが、それは失敗して犬のようになることではなく、犬を思い出すことを恐れたためだった。
 接続強化型魔術礼装は常時携行しているわけではなく、使用しない時はケースに入れて私室に保管している。なおケースに入れているのは最新のものだけであり、旧バージョンのものは剥き出しのまま保管している。私室の施錠は車椅子で開けるのが億劫なため、解錠の呪文を唱えれば自動で開き、施錠の呪文を唱えれば自動で閉じるようになっている。
 先端が青黒く変色した古びた矢を触媒に黒のアーチャーを召還する。黒のアーチャーとの関係は黒の陣営でも抜きん出て良好で、睡眠時などを除きほぼ常時共に過ごしている。
 ダーニックの命により黒のアサシンと黒のセイバー及び獅子劫界離がともに向かったシギショアラに向かう。接続強化型魔術礼装で善戦するが、自動車の突撃で接続強化型魔術礼装を封じられて窮地に陥る。しかし危ういところを追いかけてきたカウレスに救われ、ともに撤退した。
 赤の軍勢が『虚栄の空中庭園』でミレニア城塞に攻め寄せた際は城塞内でそれを見守っていたが、黒のランサーが劣勢になるとダーニックから指揮権を委譲される。イデアル森林での戦いの後は生き残った黒の陣営の盟主となり、ジークに黒の陣営に加わるよう要請した。その後の就寝中に黒のアーチャーの過去を夢に見て、自分が親子同然であるケイローンとアキレウスを戦わせていると知って思い悩む。その翌日、『虚栄の空中庭園』に攻め込むための航空機が都合できるまでの三日間で黒のアサシンを討伐するようルーラーと黒のライダーに要請し、ルーラーと黒のライダーには新市街地区、カウレスと黒のアーチャーには旧市街地区の消息を絶った魔術師の家を捜索させた。この時に手薄になったミレニア城塞を黒のアサシンに襲撃されるが、旧式の接続強化型魔術礼装を用いて辛くも脱出し、黒のアーチャーの救援が間に合ったため難を逃れた。
 大聖杯を奪った『虚栄の空中庭園』を襲撃する計画の話し合いの際にカウレスと相談し、魔術師であれば忘却していて然るべき魔術の教材として殺された犬の事を指摘され、魔術師としての道を断念する。襲撃については成功しても失敗してもユグドミレニアの手から失われる事を覚悟の上で黒のライダーが『魔術万能攻略書』の真名を思い出す5日後の新月まで待つことを決める。その後、襲撃開始までにフォルヴェッジの魔術刻印の7割ほどをルーラーと黒のアーチャーの補助のもとカウレスに譲渡した。
 『虚栄の空中庭園』の襲撃に出る前に、ルーラーを裁定者としてホムンクルスたちとミレニア城塞での居住を認める代わりに雑務と城塞の修繕を手伝うという契約を結んだ。襲撃に際してはジャンボジェットではなくカウレスと共に小型のジェット機を使用して『虚栄の空中庭園』に潜入した。空中庭園では赤のランサーに頼まれ、赤の陣営の元のマスター5人を保護するために地上に戻った。


フォルヴェッジ(家名)
 フィオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニアとカウレス・フォルヴェッジ・ユグドミレニアの家系。当主はフィオレ。


梟の眼球(用語/魔術)
 梟の眼球を加工したもの。獅子劫界離が使用する魔術品。
 これと自身の目をリンクさせることで、この梟の眼球で遠隔地を視認することができる。


不貞隠しの兜(対人宝具)
 シークレット・オブ・ぺディグリー。
 赤のセイバー(モードレッド)の宝具。ランクC、対人(自身)宝具。
 ステータス隠蔽の効果を持つフルフェイスの兜。母モルガンから決して外してはならないという言葉とともに授けられた。
 ステータスやクラス別スキルといった汎用的な情報は隠せないが、真名や宝具、固有スキルといった重要な情報を隠蔽する。この効果は契約しているマスターにも及び、固有スキルや宝具のデータを閲覧することができなくなる。この効果はルーラーの特権である『真名看破』に対しても有効。
 この効果は『鎧を装着した状態』で『外す』ことで解除される。つまり鎧を装着していない状態で素顔を晒していてもステータス隠蔽効果は持続している。なおこの兜を外す際は兜が分解されて鎧に取り込まれる。
 この兜を外さないと『我が麗しき父への叛逆』を発動できない。


ブライダル・チェスト(宝具)
 →乙女の貞節


ブラステッド・ツリー(宝具)
 →磔刑の雷樹


フラット(人名/魔術師)
 おそらく本名はフラット・エスカルドス。
 やたらと明るい青年。ロード・エルメロイU世の弟子。月霊髄液とは友人であるらしい。


ブラフマーストラ・クンダーラ(宝具)
 →梵天よ、我を呪え


ブラム・ヌァザレ・ソフィアリ(人名/魔術師)
 魔術協会の降霊科学部長の後継者。
 眉目秀麗な赤毛の青年。ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリという妹がいる。
 ミレニア城塞に派遣した50名の魔術師が49人まで殺害されたことで、聖杯大戦に際し英霊召還のための触媒を用意する任を負った。


古釘(用語/魔術)
 セレニケ・アイスコル・ユグドミレニアが用いる魔導具と思しき釘。
 これで貫かれると抜き取ることはできず、神経を直接鋸で挽かれているかのような凄まじい激痛を与えられる。術者が死亡すると消失する。


フレイン(家名)
 ロシェ・フレイン・ユグドミレニアの家系。
 人形工学の魔術師としてはそれなりに名の知れた一族だった。家族への愛は時に魔導の探求の重荷になりかねないため、子供には最初から愛情を与えないという方針を取っている。彼らは生まれた子の世話や教育の一切をゴーレムに任せ、魔術刻印の移植が可能になる年齢までほとんど工房から出ることも子に会うこともしない。そのため一族の子は人間よりもゴーレムの存在を常識と思うようになる。


触れれば転倒!(宝具)
 トラップ・オブ・アルガリア。
 ランクD。対人宝具。
 黒のライダーの宝具。騎士アルガリアの金の穂先を持つ見事な装飾が施された馬上槍。
 ただの馬上槍であり、単なる槍以上の殺傷力はない。しかし真名の通り『触れたもの全てを転倒させる』という効果があり、傷を付けただけで相手の膝から下を強制的に霊体化、または転倒させることが可能。効果を発揮するトリガーは『触れる』ことであるため、肉体だけではなく魔力で編んだ鎧に触れても効果が発現する。この転倒から復帰するためにはLUC判定が必要なため、失敗すればバッドステータス「転倒」が残り続ける。ただし1ターンごとにLUCの上方修正があるため、成功はしやすくなる。


ブロンズリンク・マニピュレーター(用語/魔術)
 →接続強化型魔術礼装



  


ヘヴンフレイル(用語/魔術)
 →天の槌腕


ペーソダス(用語)
 赤のライダーの宝具『疾風怒濤の不死戦車』を曳く三頭の軍馬のうちの一頭。エーエティオンを陥落させた際に手に入れた名馬。俊足であるが他の二頭と違って不死ではないため、黒のアーチャーに脳天の霊核を貫かれて消失した。


ペメトレキス(人名/魔術師)
 魔術協会に属する魔術師。女性。フィオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニアと同じ学部に在籍した。
 諜報に特化した魔術師で、使い魔たちの戦闘能力も含めれば並の魔術師では太刀打ちできない程度の実力を持つが、ルーマニアで黒のアサシンに殺害された。


ペンテル兄弟(人名/魔術師)
 通称『結合した双子(ガムブラザーズ)』。
 魔術協会によって聖杯大戦に派遣された魔術師。戦闘に特化している。獅子劫界離と一緒に仕事をしたことがある。
 サーヴァントを召喚する前に赤のアサシンによって毒を飲まされ、正気のまま狂気の世界にいざなわれた。その後サーヴァントを召喚したが他の赤のマスターたちと共にシロウ・コトミネに軟禁されており、赤の陣営が勝利したという虚偽の報告を信じ込まされて令呪とマスター権をシロウ・コトミネに譲渡させられた。
 しかし赤のランサーだけは頑としてマスター替えに同意しなかったため、もし元のマスターが正気に戻って命じればその瞬間に赤のランサーが裏切るという危険性が残っていた。そのためある時点から赤のアサシンは用済みになった5人の元マスターを殺そうとしていたのだが、赤のランサーが守護していたために命を奪われることはなかった。その後、黒の陣営が『虚栄の空中庭園』に攻め込んだ際に赤のランサーによって救助され、転移魔術によってフィオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニアと他の赤のマスターらと共に地上に脱出させられた。
 彼ら赤のマスター5名のうち一名(一級講師であるフィーンド・ヴォル・センベルンか)が魔術協会時代のエースと目されており、堂々と出陣した彼が聖杯大戦に参加する前に敗退していたという汚点は彼の家にとって恥ずかしい事であったため、戦争そのものを無かった事にしてほしいという提案があった。
 Fate/strange Fakeでロード・エルメロイU世の弟子とされるラディア・ペンテルとナジカ・ペンテルのペンテル姉妹との関係は不明(そもそも世界が別である)。



  


ポイボス・カタストロフェ(宝具)
 →訴状の矢文


ホムンクルス(用語)
 ユグドミレニア一族によってアインツベルンの錬金術で鋳造されたホムンクルス。
 ユグドミレニアの陣営のサーヴァントはサーヴァントを現界させるという最低限の部分のみを保険としてマスターに残し、残りをホムンクルスに担わせている。これらの魔力供給用ホムンクルスは魔力を供給することを第一義としているため、歩行することさえ設計に想定されていない。戦闘用ホムンクルスはホムンクルスに付き物の肉体的欠陥を補強した結果、彼らの生命は保って二か月ほどという極めて短命なものになっているが、その反面、戦闘や破壊に特化している。
 感情は希薄だが、完全に無感情というわけではない。後にジークとなるホムンクルスが脱出した際には他のホムンクルスらは喜び、そしてイデアル森林での戦闘で死亡した際は悲しんだ。意図したものではないらしいが、ユグドミレニアのホムンクルス同士は微弱ながらマスターとサーヴァントの因果線に似たもので結ばれており、念話などをしなくても死のような重要な情報ならばどこにいても伝わる。
 基本的にアインツベルンの技術で鋳造されているため、サーヴァントの様な膨大な魂を受け入れる余剰がないというだけで構造的には聖杯の器になり得る設計はされている。実際には聖杯の器としての機能はダーニックから要求されていなかったため組み込まれていないが、その設計段階での限定的な器としての機能により後にジークとなるホムンクルスは黒のセイバーの心臓を受け入れる事が出来た。
 黒の陣営のマスターとなったジークがミレニア城塞に戻った後は、ジークと共に負傷したホムンクルスの救護と魔力供給用のホムンクルスの解放を行った。この解放は事後承認ではあるが、ユグドミレニアの生き残ったマスターも『今更ホムンクルスに何をさせるでもない』と承認している。
 聖杯大戦終結後はそれぞれユグドミレニアを離れる者、もとユグドミレニアの魔術師に雇用される者に別れた。


梵天よ、我を呪え(対国宝具)
 ブラフマーストラ・クンダーラ。
 赤のランサー(カルナ)の宝具。ランクA+、対国宝具。不滅の刃。
 カルナがバラモンのパラシュラーマから授けられた武器。アーチャーならば弓、他のクラスで召喚された場合はそれ以外の飛び道具として顕現する。ランサーとして召喚された聖杯大戦では投擲槍として顕現した。カルナの属性である炎熱の効果を付与された一撃は核兵器に例えられるほど強力。
 黒の陣営が『虚栄の空中庭園』を襲撃した際にジークフリートに対して使用した。



  


魔猿の手首(用語/魔術)
 屍蝋化した魔猿の手首。獅子劫界離が使用する魔術品。
 自律して這い回り、人払いの結界を張る。獅子劫は試したことこそないが、これにニューヨークや渋谷の交差点でさえ完全に人を払う自信を持っている。


マキリ(家名/魔術師)
 魔術師の家系。冬木でアインツベルン、遠坂とともに聖杯戦争を創始した。
 第三次聖杯戦争で冬木の大聖杯がダーニック・プレストーン・ユグドミレニアに強奪されてからは消息不明だが、第三次聖杯戦争の時点で衰退が始まっていたため零落して聖杯の情報が口伝で残っているだけになっている。そのため、シロウ・コトミネに大聖杯の情報を金で売った。


魔術協会(組織)
 赤の陣営のサポートのため、シギショアラに多くの魔術師たちを派遣していた。
 冬木の大聖杯を再現するプロジェクトがあり、これには普通は対立している複数の学部が参加している。


魔術師の心臓(武装)
 獅子劫界離が使う礼装の一つ。正式名称は不明。
 魔術師の心臓を加工したもので、中に魔術師の歯や爪が詰められている。詰め込まれた歯や爪には怨念じみた魔力が込められており、命中すればガンドに似た作用を及ぼす。ただし効果は死んでいるせいかこちらの方が格段に強力。おおよそ手榴弾と同じ使い方をされ、破裂すると中の歯や爪が対象に食い込み、対象は苦悶して死に至る。
 ピンにも似た筋繊維を引き抜くことで停止していた心臓が脈動を始め、その状態で投擲して破裂させる。


魔術万能攻略書(対人宝具)
 ルナ・ブレイク・マニュアル。
 黒のライダーが持つ宝具。ランクC。対人宝具。真名は『破却宣言(キャッサー・デ・ロジェスティラ)』。アストルフォ本人がこの書の真名を完璧に忘却しているため、思い出すまで適当に付けた『魔術万能攻略書』と呼んでいた。


魔弾(武装)
 獅子劫界離が使う銃弾。
 ガンドと死霊魔術を組み合わせて人の指を加工したもの。飛翔速度は亜音速程度だが、進行方向にある体温を察知して軌道を修正し、体内に潜り込んだら心臓に達すると同時に呪いを破裂させる。一発で一人を殺すのではなく、一発で数人を殺せる模様。


Maria the Ripper(宝具)
 →解体聖母


魔力放出(技能)
 サーヴァントが持つ技能。武器ないし自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出することによって能力を向上させる。いわば魔力によるジェット噴射。
 A:赤のセイバー。騎士王と同等の力量を持つ。


魔力放出(炎)(技能)
 赤のランサー(カルナ)の技能。
 武器ないし自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出することによって能力を向上させる。赤のセイバーのスキルと同名であるが、こちらは炎に特化しており、魔力を膨大な炎・熱量として放出するスキルである。
 A:カルナ


マルス(用語/魔術)
 →戦火の鉄腕



  


三池典太(武装)
 平安時代末期、筑後国の刀工。名は光世で、典太、伝太と称し、三池に住んでいたことから三池典太、三池典太光世とも呼ばれる。天下五剣の『大典太』が光世の作で、徳川家康の愛刀であった『ソハヤノツルギ』も無銘ながら光世の作と言われる。
 シロウ・コトミネが佩用する刀もこの刀工の作。豪放磊落な作風で、もとはある剣豪が愛用していたおぞましいほどの名刀。大業物と記載されているが、光世は『懐宝剣尺』に記載されていないため、単に優れた刀という意味である。さらに赤のキャスターの固有スキル『エンチャント』によってCランクの宝具に相当する力を付与されている。
 天草四郎時貞は剣豪ではないため、別人が佩用していた物と思われる。時代劇ではしばしば柳生十兵衛三厳の愛刀とされているため、柳生十兵衛のものの可能性がある。


MiG-21(武装)
 『虚栄の空中庭園』に攻撃をかける際に赤のセイバーと獅子劫界離が搭乗した航空機。
 魔術協会を通じて調達されたもので、射出座席の作動が後席のみに設定されていたり、魔力探知を避けるための魔術改装を施されていたりと、魔術協会によって手を加えられている。搭載された誘導爆弾にも魔術回路による熱を探知・追尾するための改造が加えられている。『ランサー』という名前が気に入らないという赤のセイバーによって機体にスプレーで『SABER』と書かれ、『セイバー』と呼ばれた。
 下記の通り、MiG-21の練習機用の複座型の近代化改修型であることからMiG-21UMを改修したランサーTBであると思われる。
 MiG-21は旧ソ連のミコヤン・グレビッチ設計局(略してMiG。1990年にグレビッチの名が外されて「及び」を表すiが大文字に改められ、MIGと表記される。1995年に生産工場のMAPOに吸収されてMAPO-MIG、1996年に民営化されてRAC MiGとなるが、以降も名称は度々変更されている)で設計された戦闘機で、ソ連における製造機数は10158機に上る。この数字には正確な数が不明な原型機やテスト機、及びライセンス生産や中国でのコピー機(殲撃7型)は含まないため実際に製造された数は不明。
 MiG-21Uは練習機型の初期型でMiG-21F-13をベースに開発された。コクピット後方に教官席を設置したが30mm機関砲を撤去したため燃料搭載量は若干増えた。前方のエアブレーキの形状が変更されており、原型機では左右一枚ずつだったものを大型のもの一枚に改めている。
 MiG-21USは末尾のSが表すようにSPSシステム(吹き出しフラップ。エンジンから抽出した圧縮空気を翼後縁の上方に吹き出す事で気流の淀みや渦をなくし、揚力係数を高めるとともに失速迎え角を遅らせる機構)を追加したモデル。主翼のフラップほぼ中央にヒンジのカバーが追加されていることが外見上の識別点になる。射出座席がKV-1に変更されており、主翼下パイロンが各二個に増やされている。また、USの製造途中から後席にペリスコープが追加されている。これは前席と後席に段差がほぼ無いので、そのままでは教官の視界が劣悪なため。
 MiG-21UMはUSの装備を近代化したもの。垂直尾翼の前方にUHF/VHF通信機用のブレードアンテナが追加されている。
 MiG-21U、MiG-21US、MiG-21UMは主にグルジアのトビリシ工場で製造されており(トビリシ工場での製造数は合計1660機。1964年から1968年まではU型をモスクワ工場で生産していたが、製造数は不明)、中でもMiG21UMはグルジアで改修型が製造されているため、これである可能性が高いと思われる。なおMiG-21UMにはルーマニア軍のMiG-21UMをLANCER I規格に改修したMiG-21UM LANCER I/LANCER B、クロアチア軍のMiG-21UMをルーマニアで改修したMiG-21UMDも存在する。
 なおMiG-21のNATOコードは『フィッシュベッド』であるが、複座練習機型『モンゴル』である。『ランサー』はイスラエルのイスラエル航空工業とルーマニアのルーマニア航空工業で製造されてルーマニア軍に配備されている機体の近代化改修型の事である。ランサーの中でもMiG-21MFを改修した対地攻撃型の『ランサーTA』、MiG-21UMを改修した機種転換訓練用の『ランサーTB』、MiG-21MFを改修した制空用の『ランサーU』、輸出用の『ランサーV』が存在する。
 また『ランサー』の愛称を持つ航空機は米軍のロックウェルB-1が、『セイバー』の愛称を持つ航空機はF-86(F-86Dはセイバードッグと呼ばれる)がある。
 この代金は時計塔の法政科に回された。


ミハイル・コガルニチャヌ空軍基地(地名)
 ルーマニア南部、黒海を望むコンスタンツァ県にある基地。ブカレストから約300km離れている。
 ここに赤のセイバーが搭乗するために魔術協会を通して調達したMiG21ランサー近代化改修型が届けられた。
 2009年から拡張が始まり、アメリカ海兵隊の駐屯地となった。


ミレニア城塞(地名)
 ルーマニア、トランシルヴァニア地方の外れの都市トゥリファス最古の建築物。トゥリファスの北東にあり、周囲を3ヘクタールの森林に囲まれている。トゥリファスは西から東へ上り坂となった大地にあるため、このミレニア城塞が一番の高台になっている。
 ユグドミレニア一族の本拠地で、ダーニック・プレストーン・ユグドミレニアが冬木から強奪した大聖杯(第七百二十六号聖杯)が設置・隠匿されている。中世から現代まで一貫してユグドミレニア一族が所有している。トゥリファスの住民たちはミレニア城塞に明かりが灯っている間は夜間の外出さえ戒めている。
 カウレスの私室にはインターネット回線が引かれているが、城塞に固定電話は引かれていないので、フィオレやカウレスは携帯電話を使用している。
 城壁には強烈な妨害と探知の魔術がかけられており、無数の魔術防御によってサーヴァントでも陥落させるには相当の破壊力が必要になる。
 魔術協会は聖杯大戦に先立って狩猟に特化した魔術師50人を送り込んだが、生還したのはたった1人だった。



  


無冠の武芸(技能)
 赤のランサー(カルナ)の技能。様々な理由から他者に認められなかった武具の技量。相手からは剣、槍、騎乗、神性のランクが実際より一段階低く見える。真名が明らかになるとこの効果は消滅する。
 ランクなし:カルナ


ムジーク(家名)
 ゴルド・ムジーク・ユグドミレニアの家系。
 かつてはアインツベルンに並ぶ錬金術の名門で、アインツベルンにあと一歩のところまで至ったことがあったが、その後は転落するように衰退してユグドミレニア一族に組み込まれた。ユグドミレニアに吸収されてから初めて生まれた子がゴルド・ムジーク・ユグドミレニアで、彼の両親はムジーク家がいかに優れた錬金術の大家だったかを教え込んだ。
 現在ではムジーク家がアインツベルンに追い付くにはゴルドの後で奇跡的な天才が三代続けて生まれなければあり得ないほどの差がついている。


(地名)
 ミレニア城塞からおよそ一夜歩いて山を越えたところに位置する村。
 黒のセイバーの心臓を与えられて蘇生したジークがその近くで出会ったルーラーとともにこの村で一泊した。


村野(人名)
 株式会社赤上ファイナンスに借金をしている人物。苛酷な取立てを受けていた。



  


女神の寵愛(技能)
 赤のライダー(アキレウス)の技能。
 B:赤のライダー。母である女神テティスからの寵愛を受けている。魔力と幸運を除く全ステータスがランクアップする。



  


ユーピター(用語/魔術)
 →守護の錫腕


ユグドミレニア(用語/家名)
 千年樹を称する魔術師の一族。ルーマニアのトランシルヴァニア地方の都市トゥリファスにあるミレニア城塞を本拠地としている。中世までに北欧からルーマニアに移った。
 決して歴史が浅いわけではないが貴族ではなく、魔術協会の大貴族ともその一族とも繋がりはない。その理由は権力闘争に敗北したからとも、貴族三家との不和とも、魔術回路の質が悪く敬遠されているからとも言われているが実際のところは不明。
 代を重ねて血を濃くし、初代が選んだ魔術系統を極めるという一般的な魔術師の在り方を捨て、広く浅く一族に連なる魔術師をかき集める道を選んだ。その対象となったのは歴史が浅く魔術回路が貧弱な一族、衰退を始めた一族、魔術協会からペナルティを受けた一族といった類で、彼らをユグドミレニア一族に吸収していった。ユグドミレニアの魔術師のミドルネームはこうして吸収されてきた一族の名である。彼らは魔術刻印すら統一しておらず、かつての一族の刻印をそのまま継承している。わかりやすく言ってしまえば、力が弱い一族の連合のようなものである。
 彼らが学ぶ魔術系統は幅広く、西洋型錬金術、黒魔術、ウィッチクラフト、占星術、カバラ、ルーン、陰陽道に至るまで一族の誰かがそれを学んでいる。しかし歴史が浅かったり衰退が始まっていたりする一族であるため、平均として二流、稀に一流が出ることがあるが多くはそこ止まりで、ダーニックの政治手腕もあるが、数は多くても脅威にはならないと貴族たちから笑って見逃されてきた。
 本拠地であるミレニア城塞に第三次聖杯戦争の折に冬木市から強奪した大聖杯を設置していることを明かし、ユグドミレニアが中心となった新たな協会を結成すると表明して一族を挙げて魔術協会から離反する。
 魔術協会や聖堂教会にも血族を紛れ込ませており、彼らからの情報は魔術協会からの離反後も途切れていない。
 奇しくも獅子劫界離が赤のセイバーを召還したのと同じ日に黒のセイバー、黒のアーチャー、黒のライダー、黒のバーサーカーを同時召還する。この際に使用した魔法陣は一斉召還のために編み出された特殊なもので、常温保持の術式を組み込んで液状を保たせた金と銀の混合物で描いていた。
 ユグドミレニアのマスターたちはサーヴァントへの魔力供給の経路をバイパスさせることで、サーヴァントを現界させるという最低限の部分のみを保険としてマスターに残し、残りの魔力供給をホムンクルスに担わせている。



  


ライトハンド・イヴィルイーター(対人宝具)
 →右腕・悪逆捕食


ライネス・エルメロイ・アーチゾルテ(人名/魔術師)
 アーチボルト家の後継者である少女。白い肌に金髪、焔色の瞳を持つ。年齢は15歳ほど。毒舌家で尊大な性格。女性型マネキンを模したようなメイド型魔術礼装である月霊髄液を従えている。
 ウェイバー・ベルベットにロード・エルメロイU世の名を与えて縛り付けた人物。ロード・エルメロイU世に奉仕させるが、自分がエルメロイU世のために何かすることはないと考えている。
 聖杯大戦の最中に行われたエルメロイU世とロッコ・ベルフェバン、ブラム・ヌァザレ・ソフィアリの会議の後に月霊髄液に好ましからざる影響を与えた原因を知るためエルメロイU世を訪ねた。


ラクスター(人名)
 アルマ・ペトレシアの教会の神父。聖杯大戦の五年前に死去し、彼の後任は決まっていないため教会はアルマが一人で預かっている。


ラ・ブラック・ルナ(宝具)
 →恐慌呼び起こせし魔笛



  


六導玲霞(人名)
 りくどう れいか。
 身長164cm。体重53kg。B90 W62 H89。血液型B。1月9日生まれ。
 23歳(短編版での年齢。本編では短編版よりも少し年齢が高くなっている)。新宿で生活する娼婦。もともと生きるという自覚が希薄だった。
 両親が生きていた頃はよくピアノを演奏していた。幼い頃に家族を亡くし、養子に出された先では虐待を受けていた。
 相良豹馬に暗示を掛けられて彼が新宿に潜り込むために同棲相手として利用され、さらにはアサシンのサーヴァント召喚のための儀式の一環として殺害されそうになる。しかしあと少しで死ぬという時に豹馬が召喚したアサシンが玲霞の『死にたくない』という強い願いに反応して玲霞のサーヴァントとして現界し、彼女の治療を受けることで一命を取り留める。
 豹馬が死んだら消えてしまう令呪を『もったいないから』という理由で自分に移植する。それからアサシンと対話し、自分の『死にたくない』という願いは既に叶っていたのだが、アサシンの『母親の胎内に還りたい』という願いを叶えるために聖杯戦争への参加を承諾する。しかし魔術師ではないため自分からアサシンへの魔力供給が行えず、そのためアサシンが糧とするために人を殺すことを承諾する。黒のアサシンを娘のように愛している。
 自分の命にも他人の命にも価値を見出せていない。彼女は罪にならず、自分以外の誰も悲しまないのならば人を殺すことにまったく躊躇がない。人としての倫理観は持ち合わせてはいるもののそれも破綻気味で、精神汚染ランクCのアサシンと意思疎通ができるため、Cランク相当の精神汚染を保有していると思われる。魔術師としての才能は皆無だが、アサシンとの相性は最高。
 黒のアサシンとの出会いは上記の短編として発表された通りのことが起きているが、短編では第四次聖杯戦争に言及されているため完全に同じというわけではない。魔術師ではないが、聖杯を欲する黒のアサシンのために聖杯大戦に参加する。黒のアサシンと契約した後、ルーマニアに渡る。ブカレストでは魔力補給のためか、黒のアサシンにストリートギャングを多数殺させている。
 シギショアラで潜伏していた家の住人は心臓を抉り出して解体し、地下室に埋めたのだが、マナーとして使用した食器などの後片付けはしっかりと行っている。トゥリファスでは旧市街地区の奥のスラムのような場所に潜んでいた。
 黒のアサシンのミレニア城塞襲撃が失敗した後、トゥリファス全体を『暗黒霧都』で包むことを提案してそれを実行。自分は化粧をして一般市民に化け、助けに駆けつけたジークの心臓を銃撃した。


理性蒸発(技能)
 黒のライダーが保有するスキル。理性が蒸発しており、あらゆる秘密を堪えることができない。
 D:味方の真名や弱点をうっかり喋る、大切な物を忘れるなど、もはや呪いの類。このスキルは「直感」を兼ねており、自身にとって最適な展開をある程度感じ取ることが可能。


竜牙兵(用語・魔術)
 赤のアサシンが使う雑兵。戦闘力では戦闘用に製造されたホムンクルスやゴーレムに劣るが、大量に製造できる。


竜告令呪(用語)
 デッドカウント・シェイプシフター。
 赤のセイバーに斬り伏せられ、黒のバーサーカーの『磔刑の雷樹』の余波を受けて蘇生したジークが得た特殊な令呪。通常の令呪が赤であるのに対してこれは黒い。また通常の令呪が消費すれば微かな痣となって消失するのに対し、これは輪郭が曖昧になった程度で残り、消えた令呪を中心に肉体が黒ずんでいく。
 一画につき一回、一回に180秒だけ黒のセイバーになることができる。令呪を以て自分の身体に命じることで発動する。
 黒のセイバーへの変身は正確には憑依に近い。黒のセイバーの心臓を媒介にして令呪の膨大な魔力で黒のセイバーを召喚し、自らの肉体に憑依させることで変質させる。これはジークの魂がホムンクルスであるがゆえに幼く純粋であるからこそ耐えられることである。


竜翼兵(用語/魔術)
 竜牙兵と妖鳥を組み合わせたもの。簡単に言えば空を飛ぶ竜牙兵。


リュミノジテ・エテルネッル(宝具)
 →我が神はここにありて



  


ルーラー(クラス/サーヴァント)
 審判のサーヴァント。聖杯戦争の絶対管理者。本来は八番目のサーヴァントとして召還される。
 システムを管轄する聖杯を歪めるほどの異常事態になった際に、聖杯が独自の論理で聖杯戦争の審判をするルーラーを召還する。そのためルーラーにマスターはなく、一勢力に加担することなく聖杯戦争という概念そのものを守るために動く。
 あくまで審判であるためルーラー自身が聖杯戦争に参加するわけではないが、ルールに背くマスターやサーヴァントに審判を下す必要があるため、それなりの戦闘力を具えている。各サーヴァントに対するそれぞれ二画の令呪を始めとする様々な特権を有しており、スキル『真名看破』でサーヴァントの真名を看破することができる。
 ルーラーに与えられる令呪は各サーヴァントに応じた鍵のような状態に変質しており、あるサーヴァントに対する令呪を他のサーヴァントに対して行使することはできない。これはルーラーが特定のサーヴァントに肩入れして令呪を与える事を防ぐための措置である。
 現世に何の望みもない事がルーラーとして召還される条件。公平無私な裁断を行うため、ルーラーに選ばれるのは聖人が多い。
 ルーラーが召還される事態は大きく分けて二つ。一つはその聖杯戦争の形式が非常に特殊な形式であり、結果が未知数であるために召還されるケース。もう一つは聖杯戦争の影響で世界に歪みが出る可能性があるケース。


ルーラー(人名/サーヴァント)
 身長159cm。体重44kg。B85 W59 H86。
 聖杯戦争を監視するために大聖杯によって召還された統治の英霊。真名はジャンヌ・ダルク。宝具は『我が神はここにありて(リュミノジテ・エテルネッル)』。特に明白な弱点がなく、知られたところで問題はなく、また真名を開示した方がマスターやサーヴァントの信頼を得られると考えて真名を明かしている。
 当初は14組のマスターとサーヴァントという最大規模の聖杯戦争を滞りなく運営するために召還されたと考えていたが、軈て聖杯戦争の裏に存在するシロウ・コトミネの陰謀に気付く。シロウ・コトミネは彼女を断固として潰さねばならないと考えている。
 過去に例がないほど現世との繋がりが弱く、しかも現代のフランス人少女レティシアの肉体に宿るというイレギュラーな方法で召還された。そのためサーヴァントとしてのスペックは問題なく持ち合わせているが、霊体化は不可能。レティシアの記憶の大部分も保持したままであり、人格はレティシアとルーラーの二つが一つの肉体に宿っているというよりは、二人の人格が統合されていると言った方が良い。レティシアのバックアップは保存されているので、ルーラーが目的を果たすか殺されるかした場合はその瞬間にレティシアの肉体は情報通りの姿を取り戻し、状況によっては安全な場所まで強制転移を行うため、レティシアという少女が死亡することはない。この召還方法はイレギュラーなもので、本来は通常のサーヴァントと同じ形で戦場となる土地で召還される。
 サーヴァントであるため食事をしなくても餓死するということはないが、サーヴァントとして活動している間は大量のカロリーを消費し、肉体の餓えに引き摺られて調子が悪くなるため食事は必要。なお生前から健啖家である。睡眠もジャンヌ・ダルクにとっては不要だが、レティシアの肉体には必要であるため、長時間の不眠に耐えることはできるのだが限界を超えるとスイッチを切ったように眠ってしまう。
 生前は自分の署名くらいしかできなかったのだが、サーヴァントとして現界するに当たり大聖杯から与えられた知識によって読み書きができるようになっている。敬虔なキリスト教徒であり、頻繁に祈りを捧げている。彼女は神が人を救わないことについて、神は人々を見捨てているのではなく、悲しんでいるが何もできないのだと信じている。黒のライダーを女性扱いしているらしく、『貴女』『彼女』と呼んでいる。
 ルーラーの言葉にはそれを第三者に信じさせる力がある。ルーラーには聖杯戦争の運営者として様々な特権が付与されているのだが、既に第三次聖杯戦争から現界を続けているルーラーがいるために大聖杯の認識が混乱したせいで、ルーラーとしての機能のいくつかが正しく起動していない。知覚能力は並のサーヴァントの数十倍あり、霊器盤を上回っている。索敵能力も極めて強力で、アサシンの気配遮断スキルさえ無効化できる。水で立体地図を描いてサーヴァントの探索をすることもできる。
 彼女の対魔力は規格外であるEX。そのため、『虚栄の空中庭園』にいる状態の赤のアサシンが放つEXランクの神代の魔術でさえ彼女を傷付けることはできない。といってもこれは魔術を無効化するのではなく、例えるなら彼女を狙った魔術から悪意が消え去って逸れるように見える。
 ルーラーとして現界した後、同室の学友に長期の旅行に出なければならないと告げて深夜バスと飛行機とヒッチハイクでトゥリファスに向かった。トゥリファスに向かう際に携えた荷物にはレティシアの教科書も含まれている。
 イデアル森林での最初の戦いの後その舞台となった森林を検分し、聖水で各サーヴァントの居場所を探知した際に黒のセイバーが脱落したわけではないのに見当たらないという異常を見出し、正面からミレニア城塞を訪ねてその理由を問うことにした。そこで黒のランサーに黒のセイバーの脱落は無意味なものであったため、戦力を補充するために黒の陣営に加わるよう説得を受けるが、それを拒否した。その後、詳細を訊くため地下牢に幽閉された黒のライダーと話して黒のセイバーの心臓を与えられたホムンクルスの行方を知り、それを追いかける。この際にジークに警戒されないように知覚されない程度まで魔力を絞っていたため体力を消耗し、ジークに追い付く頃には極度の空腹と疲労で動けないほどになっていた。
 ジークと出会って対話し、彼がサーヴァントではないことを確認すると自由に生きるよう促す。それによって『仲間のホムンクルスを救いたい』という願いを明確にしたジークと、ジークに自由になってほしいという黒のライダーの願いを尊重するためジークの身柄を預かり、以後行動を共にする。その後は近在の農家セルジュの家で食事と寝床を提供してもらい、仲間のホムンクルスを救うというジークとともにミレニア城塞に戻る。その途上、イデアル森林で赤と黒の陣営が戦っている所に出くわし、そこに自分が合うべき誰かがいるという啓示を受けて戦場を突っ切ってシロウ・コトミネの許に向かう。その途中で赤のアーチャーと赤のバーサーカーの戦いに出くわすが、赤のアーチャーは膨れ上がった赤のバーサーカーを残して撤退してしまう。さらに赤のバーサーカーが赤のアサシンの魔術で攻撃される。そのため自爆寸前の赤のバーサーカーを引き受けることになってしまったが、赤のセイバーと黒のセイバーに変身したジークが宝具を撃ち合ったためにそれを察知した赤のバーサーカーがそちらに向かったため、負傷したジークと黒のライダーを『我が神はここにありて』で守った。
 ジークと黒のライダーと別れて『虚栄の空中庭園』に至り、赤のアサシンと対話して彼女とそのマスターを明確な敵と認識する。しかし黒のランサーとダーニック・プレストーン・ユグドミレニアが吸血鬼に成り果てたため、令呪によって赤のアーチャー、赤のランサー、赤のライダー、黒のアーチャー、黒のキャスターに吸血鬼の打倒を命じて共闘する。その後は吊り上げられた大聖杯と共に『虚栄の空中庭園』に乗り込み、シロウと対峙する。そこでシロウの『全人類の救済』という目的を教えられ、黒のアーチャー諸共謀殺されそうになるが、突入してきた赤のセイバーと共に脱出した。脱出の後、黒のランサーとダーニックが死亡したことで黒と赤の対立構造が崩壊したと判断し、シロウ・コトミネを止めるために黒の陣営への協力を申し出た。
 ミレニア城塞に攻め寄せた『王冠・叡智の光』との戦いでは攻撃を凌ぎ隙を作り出す役割を負うとともに赤のセイバーを呼び出し、協力を要請した。赤のセイバーとの交渉では二画の令呪を要求されて一画ならば譲るという言質を取られてしまい、交渉下手を露呈した。
 イデアル森林での戦いの後、獅子劫に約束の令呪を一画譲渡するとともに、残り一画となった竜告令呪を補充するために黒のセイバーへの二画の令呪をジークに譲渡した。この際に通常の令呪とは異なる竜告令呪に不安を覚え、最期の一画は絶対に使わないよう釘を刺した。その日は教会に戻って宿泊し、翌日に自分が聖堂教会の監視者であることを明かしたアルマ・ペトレシアと話した後で教会を辞した。黒のアサシン対策の会議ではレティシアからの提案でジークと二人で囮役を務める事になった。

 クラス別能力は以下の通り。
 対魔力:EX…神代の魔術でさえ傷付けることはできない。
 保有スキルは以下の通り。
 聖人…聖骸布の作製が可能。


ルナ・ブレイク・マニュアル(宝具)
 →魔法万能攻略書



  


霊器盤(用語)
 召還されたサーヴァントの属性を表示する機能がある魔導器。本来の聖杯戦争ならば監督役だけが持つ物だったが、聖杯戦争が拡散した現在では広く用いられている。黒の陣営もシロウ・コトミネも双方所有している。


レジェンド・オブ・ドラキュリア(宝具)
 →鮮血の伝承


レティシア(人名)
 ルーラーの現界のための素体になったフランス人の少女。学生で、ルームメイトとフランスにある学生寮で眠っている間にルーラー召還の素体となった。ジャンヌ・ダルクと肉体、性格、出自が似通っており、魂の色さえもほぼ同質である。感受性が強く信仰心に篤いため、己の内に宿ったジャンヌ・ダルクを認めて完全に受け入れた。男性が苦手。
 ルーラーがトゥリファスに向かうために使った旅費はレティシアの財布から出した。レティシアの意識は普段はジャンヌ・ダルクを立ててルーラーの中で眠っているが、自分の意見を出すこともある。ルーラーとジークが二人で黒のアサシンに対する囮になるというのはレティシアの提案である。


レフトハンド・キサナドゥマトリクス(対人宝具)
 →左腕・天恵基盤



  


老人(人名)
 本名不明。
 ルーラーがブカレストのアンリ・コアンダ国際空港からトゥリファスに向かうためにしたヒッチハイクに応じた老人。痩身で鳥打帽を被っている。割れ物を運んでいたため、ルーラーは助手席ではなく露天の荷台に乗せた。
 トランシルヴァニア高速道の途中でルーラーが赤のランサーの待ち伏せを察知したため、道の途中で朝まで待ってから行程を再開するよう言い含められてルーラーと別れた。


ロード・エルメロイU世(人名/魔術師)
 本名はウェイバー・ベルベット。
 魔術協会に所属する魔術師。10年前に起こった戦いが原因でロード・エルメロイU世と呼ばれることになった。ライネス・エルメロイ・アーチゾルテの見立てでは魔術師としての腕前はどう贔屓目に見ても40点というところ。
 ミレニア城塞に派遣した50名の魔術師が49人まで殺害されたことで、聖杯大戦に際しロッコ・ベルフェバンとともに赤のマスターを選定する。
 聖杯大戦の10年前に起こった亜種聖杯戦争に征服王を召還して参加した。私室の物理的・魔術的に施錠した戸棚にはその際に征服王召喚の触媒として使った朱い布が樫のケースに入れられて収められている。これを聖杯大戦のために提供しなかったのはブラム・ヌァザレ・ソフィアリが触媒集めを一任されていたことと、これで召喚された征服王が他のサーヴァントを従えて世界征服に乗り出しかねないことを心配したため。しかし実際には征服王の触媒があると知られれば、征服王は英霊への尊敬もなく亜種聖杯戦争のためひたすら召喚され続けるだろうと予測し、それが我慢できなかったためである。


ロシェ・フレイン・ユグドミレニア(人名/魔術師)
 Roche Frain Yggdmillennia。
 身長152cm。体重45kg。血液型O。9月15日生まれ。
 ユグドミレニア一族の魔術師で、黒のキャスターのマスター。13歳ながら人形工学ではそれなりに名の通ったゴーレム使いの魔術師。近代の魔術師の中でもトップクラスにゴーレムとの相性が良い。黒のキャスターを尊敬の念を込めて『先生』と呼び、師事している。黒のキャスターにより多くの教えを乞うため、聖杯に懸ける願いを黒のキャスターの受肉と定めた。
 フレイン家がユグドミレニア一族に組み込まれて以来の最高傑作と呼べる子供で、その才能は先祖伝来の数々の秘伝書をいともたやすく読み解き、逆にこんな簡単なことをなぜ長々と説明するのかと首を捻るほど。フレイン家の魔術師の例に漏れず、肉親を含めた人間に興味を持っていない。言葉を交わすことも取引や殺し合いをすることもあるが、だからといって人間同士、魔術師同士の心の交歓めいたものはない。彼にとって尊敬や信頼の基準となるのはゴーレム製造術の腕前のみである。そのため、尊敬している黒のキャスターについても興味があるのはゴーレム鋳造の腕前だけであり、最期まで彼の人となりを知ろうとはしなかった。
 黒の陣営のサーヴァント4騎同時召還の2か月前、黒のランサーとほぼ同時に黒のキャスターを召還し、以降はミレニア城塞の中に設けた工房で黒のキャスターとともにゴーレムの生産に明け暮れている。また、ホムンクルスの魔術回路を組み込んで魔術を行使できるようにしたゴーレムの製造を試みている。ほとんど工房にこもりっきりだが、サーヴァント4騎を同時に召還した際は黒のキャスターとともに見物に訪れた。
 聖杯大戦では表立った戦闘などはせず、ミレニア城塞に籠ってゴーレム製造の補佐をしていた。後に黒のキャスターがシロウ・コトミネの側に寝返ると、黒のキャスターから『王冠・叡智の光』を起動するので炉心を持って来るようにと命じられ、彼を心から信じたまま以前に製造していた円筒形の炉心を持ってイデアル森林最北端の湖を訪れる。そこで黒のキャスターによって『王冠・叡智の光』に投げ込まれ、文字通りそれに溶け込んだ。その状態でも厳密にはロシェの命そのものは現世に残っていたものの、『王冠・叡智の光』が打倒されたことで死亡した。


炉心(用語/魔術)
 黒のキャスターの宝具『王冠・叡智の光(ゴーレム・ケテルマルクト)』の炉心。
 『王冠・叡智の光』を完成させるためには優秀な魔術師を炉心にしなければならない。
 当初は後にジークになる魔力供給用ホムンクルスがこの炉心に使えると思われていたが、それが脱走したためサーヴァントを失ったゴルド・ムジーク・ユグドミレニアが候補になり、最終的にはマスター替えによって不要となった元マスターのロシェ・フレイン・ユグドミレニアが炉心として使われた。
 なお、ロシェが持ち運べる程度の大きさの円筒状の巨大な鍵が炉心として製造されていたが、これは『王冠・叡智の光』の起動前に無造作に地面に突き立てられただけであるため、『王冠・叡智の光』の起動に必要な部品だったのか、それともただの代用品だったのかは不明。


ロッコ・ベルフェバン(人名/魔術師)
 魔術協会の召喚科学部長。
 矮躯の老人。学部長の在任期間は50年を超えると言われているが定かではない。科学技術を好まないようで、単純な映像の記録さえも羊皮紙を使った魔術を用いる。獅子劫界離が万能の願望機に願わねば叶わぬ願いを抱いていることを知っている。
 ミレニア城塞に派遣した50名の魔術師が49人まで殺害されたことで、聖杯大戦に際しロード・エルメロイU世とともに赤のマスターを選定する。


ロットウェル・ベルジンスキー(人名/魔術師)
 通称『銀蜥蜴(シルバーリザード)』。
 魔術協会によって聖杯大戦に派遣された魔術師。戦闘に特化している。獅子劫界離と一緒に仕事をしたことがある。
 他の四人の赤のマスターとともにシロウ・コトミネに囚われており、おそらくは紅茶に混ぜられた何らかの薬物などを用いて正常な判断力を奪われ、赤の陣営が勝利したという虚偽の報告を信じ込まされて令呪とマスター権をシロウに譲渡させられた。


ロンゴミアント(武装)
 アーサー王が持つ聖槍。カムランの丘でモードレッドの胸を貫いた槍。



  


我が麗しき父への叛逆(対軍宝具)
 クラレント・ブラッドアーサー。
 赤のセイバーの宝具。種別は対軍宝具。燦然と輝く王剣。華麗な装飾を施した白銀の剣。開放すると血の極光を放ち奇怪な音を立てて変化する。本来は清廉にして華麗な聖剣だったが、赤のセイバーの有り余る憎悪によって邪剣に変貌している。
 宝具を解放した際の効果は剣の切っ先から直線状に赤雷を放つもの。
 『不貞隠しの兜』の効果がある状態では『我が麗しき父への叛逆』の真名を解放することができない。
 もとはアーサー王が入手して武器庫に保管していた王位の象徴とでもいうべき剣だったが、モードレッドがこれを奪い、王を僭称してアーサー王への叛逆を起こし、アーサー王にこの剣で致命傷を与えた。父の名を冠したこの宝具は赤のセイバーにとって誇りを超えて怨念と化している。そのため、父に致命傷を与えたこの剣が誰かを殺しきれないことが許せない。


我が神はここにありて(宝具)
 リュミノジテ・エテルネッル。
 ルーラー(ジャンヌ・ダルク)の宝具。聖女が掲げる旗の宝具。極上の洗礼武装。
 ジャンヌ・ダルクが持つEXランクの対魔力を物理的・霊的問わずありとあらゆる守りに変換するもの。



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