ライダー(クラス/サーヴァント)
 騎乗兵。
 何らかの乗り物と関係の深い伝説を持つ者が該当する。三騎士と比べるとライダー自身の能力値は低い傾向にあるが、伝説に描かれる乗騎の性能で補われる。サーヴァント自身よりも所有する武器が強力なクラスといえる。
 クラス固有の能力は“対魔力”と“騎乗”。


ライダー(人名/サーヴァント)
 身長172p。体重57s。B88 W56 H84。
 第五回聖杯戦争において間桐桜と契約し、令呪によって間桐慎二に貸し与えられるサーヴァント。エトルリアの神殿から発掘された、ギリシャの古い地母神に縁のある鏡を触媒に召還された。嗜虐的。自らの長身を可愛くないと気にしている。素顔を見せるのが嫌いなことと魔眼の制御を兼ねて目隠しをしている。大地に関わる神性なので地脈の乱れに敏感。
 真名は『支配する女』の意味を持つゴルゴン三姉妹の末女、ギリシャ神話の女怪メドゥーサ。英霊というよりは神霊で、多種多様な能力は女神として扱われていた頃の名残。負の想念によって祭り上げられた魔物一歩手前の反英雄。しかし英霊はその全盛期の姿で召還されるため、ライダーはまだ怪物として成長していない。
 生前は二人の姉にいびられ、こき使われていた。洗濯物は神殿の石と化した戦士たちに鎖を引っ掛けて干していた。ライダーが武装したときの服は姉たちの余りもの。石像を片付けろと言われたときには騎英の手綱で一掃したことも。ステンノとエウリュアレに躾と称して血を吸われていた。
 エウリュアレに高いところから飛びつかれていたので、小さな女の子に同様のことをされるといびられていたころのメドゥーサとおなじ反応をする。
 ゴルゴン三姉妹の『神核』は『愛されるだけの偶像』だが、末女メドゥーサだけはそれを持ちえず、姉をおいて成長してしまった。三人はともに同じ自然現象が神格化されたものだが、メドゥーサだけは不老不死を持たぬ代わりに石化の魔眼、高度な自然干渉能力、卓越した身体機能などのさまざまな能力を持つ。メドゥーサは特殊な英霊で、その保有スキル・宝具数はサーヴァントの中でも一、二を争う。
 アテナにより『形なき島』に追われてからも姉たちとともにそれまでどおりの生活をしていたが、後に形のない島に攻めてくる人間たちを殺すことに歓喜を覚えるようになり、怪物として成長していった。そしてメドゥーサではなく怪物になってしまったときにステンノとエウリュアレは自ら怪物に身を捧げ、命を絶った。その後、ペルセウスにより退治された。
 無口で自己主張をしないが、周りに無関心なのではなく色々考えすぎる性格なのでポーカーフェイスで隠している。性格はマスターである桜と似ているが、桜が庶民派なのに対してライダーはお嬢様タイプ。物腰や口調も上流階級らしい厳しさがある。藤村組の若い衆に怖がられている。興味のないことをやるときには作業と割り切って機械に徹する。敵味方の判別に容赦がなく、そのスピードがとても速い。
 他者によって歪められていく桜の生き様を神に貶められた自分自身に重ねているため桜の身を真剣に案じており、どんな方法だろうと桜を守ることを最優先に行動する。
 彼女の魔力の補給に最も効率がよく甘美な方法が吸血行為であるために、吸血鬼ではないが吸血種。第五次聖杯戦争中に美綴綾子から吸血した。
 乗馬、軽業、ストーカー行為が得意。酒、読書、蛇が好きで鏡、身長測定が苦手。セイバー、佐々木小次郎、葛木宗一郎が天敵。神経は細かいが不器用なため洗い物は苦手。寒さに弱い。どんな料理を作るのか、どの種類を買えばいいのかがよく分からないため食品関係の買い物が不得手。大抵のことには動じないが、姉二人を前にするとぶるぶると震えだす。500kgの物を投げつけることはできるが、トスはできない。
 食事に関してはほとんど好き嫌いがないが、蛇と馬、それと納豆に梅干はだめ。食事にはオリーヴオイルをよく使う。湯飲みは備前の大きめのもの。酒に関しては底なし。アクションゲームが苦手で、ビジュアルノベルと相性がいい。規律には厳しいが、守らなくていい状況になるとトコトンさぼる。このだらしなさが姉たちにいじめられていた原因。
 自分は可愛くないと頑なに信じており、可愛くなりたいと思っている。そのくせ服はサイズが合えばそれでいい、という考え方。
 普段から『自己封印・暗黒神殿』で目を封じており、視覚は完全に遮断されている。その代わり聴覚、嗅覚、触覚、魔力探査などで外界を認識しており、視覚で見るよりも正確な情報を得ている。
 魔眼殺しは眼鏡のほかに衣装合わせ用として遠坂凛がエメラルドから試作したハードコンタクトもあるが、二十四時間しかもたない。桜ルートで使用する魔眼殺しの眼鏡は蒼崎橙子が作ったもの、らしい。これは石化の効果を封じている程度で、『自己封印・暗黒神殿』のように魔性を全て封じることはできない。魔眼持ちの眼鏡同士、遠野志貴とは気が合うのかもしれない。
 バイクを使用した場合、ワイン・ミシェル・ガードナーと同等の腕前。愛車はママチャリの自転車二号だが、こぎっぱなしドリフトターンのようなアグレッシヴな走りをするうえ際限なくスピードを上げていき、しかも魔力付与ができないため、最終的には自転車が崩壊する。自転車やバイクを購入するために働いているらしい。
 時間をきっかりと守るので、午後七時半までは読書三昧。特定のジャンルではなく読書という行為そのものが好きで、あてがわれた私室をあっという間に本で埋め尽くしたほど。読書は生活の一部、テレビは純粋な趣味とのこと。休日の午前は骨董屋でアルバイト、午後はフィットネスジムに通い、夕方からはマンハントをしている。
 対魔力スキルはBとライダーのクラス固有能力としては高いものだが、これは元々女神から怪物へ転じたメドゥーサの対魔力が高いため。さらに彼女自身が魔術に長けているうえ高い敏捷性を誇るため、対魔術師戦闘において彼女は非常に有利。
 単独行動スキルはCだが、吸血による魔力補充ができるため場合によってはスキルの限界を超えた期間の限界も可能。
 もとは女神だっただけに高い神性を持っていたのだが、後に怪物に転じたためほとんど退化してしまっている。ただし僅かながら残されてはいる。このため、女神としての騎乗などのスキルと、怪物としての魔眼や怪力といったスキルを併せ持つこととなった。
 作中で校内に桜がいるにもかかわらず『他者封印・鮮血神殿』を発動したのは、桜は魔力量が多いため昏睡するだけで済むのでライダーとしては問題ないという判断をしたためで、桜には何の相談もしていなかった。
 アーチャーと戦った場合には近距離戦においてはアーチャー有利、遠距離戦においてはライダー有利と彼との相性はよくなく、彼がロー・アイアス単体でベルレフォーンを防ぎきれるかどうかが勝敗の分かれ目となる。
 ランサーと戦った場合には、ランサーはルーン魔術による加護で万全の魔眼対策をしているうえ怪物退治はお手の物であるため、魔物としての属性を持つライダーは苦戦を強いられる。
 力比べにおいては怪力スキルを全開にしてもバーサーカーには敵わない。彼女の怪力スキルはロードローラーを持ち上げるほどのものだが、長続きしないうえ使うほどにゴルゴン化が進むためである。同じくギリシャ出身なのでバーサーカーの真名がヘラクレスであることを看破しており、そのためバーサーカーとの戦闘を避けて逃走した。『騎英の手綱』を使えばバーサーカーを殺しえるが、一回や二回殺したところでその間に『十二の試練』で復活したバーサーカーに殺されてしまうためである。
 美綴綾子を気に入っており、出会うと笑顔を振りまいて奇妙な調子で迫っていく。衛宮士郎の血も吸っているようだ。無軌道な品揃えの魔窟チックなマウント深山商店街の骨董屋で一ヶ月前からアルバイトをしている。
 hollow ataraxiaでは週に二回、深山町の美容院で時間をかけてトリートメントしている。サーヴァントなので髪は伸びることはなく、乱れたところで一旦霊体になってから実体化すれば元に戻るのだが、桜に負担をかけたくないとのこと。ただし鏡があるので美容室は苦手。もっとも鏡を見たところで彼女は石化しないのだが。髪には意志があるようで、勝手に動くこともある。
 シャンプーにこだわりがあるかと思いきや、体の手入れはすべてボディソープひとつで済ませている。
 宝具は『他者封印・鮮血神殿(ブラッドフォート・アンドロメダ)』『自己封印・暗黒神殿(ブレーカー・ゴルゴーン)』『騎英の手綱(ベルレフォーン)』。
 ちなみに同じく敏捷Aのランサーには瞬間的な速度では劣るが平均的な速度では勝る。
 AATMではアーネンエルベに来ていたウェイバー・ベルベットのことを気にしており、腕力に物を言わせてお茶をおごらせた。両儀式は彼女の好みであり、AATMでは攻略対象でないことを惜しんでいた。なおひたすらウェイバーに粘着して彼の払いで注文をしていたが(実際はウェイバーを自身の体でできた死角に入れて翡翠の料理から守っていた)、彼の『でか女』発言とステンノとエウリュアレが現れる予感のためとりあえずウェイバーをボロクソに言い負かしてから退店した。
 unlimited codesでは聖杯に飲まれかけた桜が最後の令呪を消費して自身との契約を解除し、士郎を守ってくれという願いを受ける。しかし桜との契約が解除されたものの魔力供給はそのまま続いており、戦いを続ける。しかしその戦いで打倒したサーヴァントの魂は自己封印・暗黒神殿と他者封印・鮮血神殿を最大限に活用して桜に流れないようにしており、限界を超えたせいであと数分しか持たないであろう身体で桜が聖杯になる前に桜を打倒した。
 その真意は全てのサーヴァントの魂がくべられることで聖杯が完成するならば、全てのサーヴァントの魂を聖杯の器に与えず全てのサーヴァントが消滅するならば、聖杯の器は壊れることなく聖杯を降ろす儀式は終わると考えたから。この計画は成功し、ライダーは救われた桜に看取られて消滅した。
 TYPE-MOON Fes.ではコハエースまで出番がなかったためずっと楽屋の隅で読書をしていた。ハッピーロビンのぬいぐるみストラップが爆弾であることが判明した際は『持ち帰るなら定価100010円を現金一括で支払うこと、返品するなら3分以内にステージに投げつけること』という旨のアナウンスでそれを回収し、アルクェイド・ブリュンスタッドと協力してそれを屋外へ搬出した。

 クラス別能力は以下のとおり。
 対魔力:B…詠唱が三節以下の魔術を無効化。大魔術、儀礼呪法等を以ってしても傷つけるのは難しい。
 騎乗:A+…獣であるならば幻獣・神獣まで乗りこなせる。ただし竜種は該当しない。
 保有スキルは以下のとおり。
 魔眼:A+…最高レベルの魔眼・キュベレイを所有。
 単独行動:C…マスターを失っても一日間現界可能。
 怪力:B…使用することで筋力を一時的にワンランク向上させる。ただし使用するごとにゴルゴン化が進む。
 神性:E−…ほとんど退化している。


ライダー(人名・クラス/サーヴァント:Zero)
 身長212cm。体重130kg。
 第四次聖杯戦争におけるサーヴァント。そのマントの切れ端を触媒に召還され、ウェイバー・ベルベットと契約した。真名は征服王イスカンダル。宝具は『遥かなる蹂躙制覇(ヴィア・エクスプグナティオ)』と『王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)』。なお遥かなる蹂躙制覇は正確には宝具『神威の車輪(ゴルディアス・ホイール)』による蹂躙走法である。
 髭が似合うナイスダンディ。出鱈目な論破とリーダーシップを執ることが得意。冒険と目新しさが好きで既成概念と既得権益が苦手。天敵は母親。
 豪放磊落な性格で、召喚されるや否や再び世界征服を企て、そのために市民図書館から地図帳と生前に片時も離さなかったイリアスを強奪する。世界征服に当たってはB2爆撃機を十機ほど購入したがったり、クリントンをダレイオス王以来の難敵とみなしたりしていた。世界征服のためセイバーとランサーを配下に誘った。他を省みない暴君ではあるが、その欲望が結果的に民を幸せにする奔放な王。人間の理想像であるアルトリアとも人間を超越したギルガメッシュとも違う、人間のまま君臨者となった征服王。
 魔力消費を抑えるためウェイバーが霊体化していろと命じても、身体がある方が心地よいとしてずっと実体化していた。実体化して何をしているかといえば、煎餅を齧りながらレンタルビデオを観たり読書をしたりするなど、取り立てて何をするでもなかった。サーヴァントとしてのイスカンダルは生粋の魂喰らいであるため、全開の魔力消費にウェイバーを巻き込めばその命すら危うくしかねない。
 大雑把で、通信販売の宛名を『征服王イスカンダル』としたうえ、鎧姿で受け取りに出た。またウェイバーの友人のアレクセイとしてマッケンジー夫妻と打ち解けた。
 聖杯にかける願いは受肉。願いが世界征服でないのは、それは己自身に託す夢であり、聖杯に託すのはあくまでその基点である受肉であるから。生前に侵略し続けた理由は、世界の終端に至りたかったがため。伝承には小柄だったとあるが、それは比較対象のダレイオス王がとんでもなく大柄だったため。後世に長く伝わる伝承よりも生前の寿命がほしかった。
 第四次聖杯戦争中にアインツベルン城に乗り込み、セイバー、アーチャーとともに酒宴を開いた。そこでどこをどう間違ったか竹の柄杓を日本の由緒正しい酒器だと勘違いしていた。
 聖杯問答に持ち込んだ樽ワインはコペンハーゲンから強奪したもの。聖杯問答からの帰り道にワイン強奪犯を探していた藤村大河と出会っている。この時、日本語が話せないウェイバーと大河の通訳をしていたが、徐々に通訳に脚色を加えていった。大河に付き合って下着泥棒の摘発と子犬を飼い主に返した後、進路などに悩んでいると言う大河に『教師となるなら余の家庭教師(アリストテレスのことか)を超える模範の教師となるであろう』と言った。その後もワイン強奪犯を探すと言う大河にいつかは確約できないが酒樽は返すと約束して犯人捜しをやめさせた。なおこれは別の所から略奪してコペンハーゲンに返すつもりだった。
 キャスター戦でかなり消耗し、その程度は実体化していることを好んだ彼をして霊体のままでいることを選択させるほど。その消耗に丸一日経って気付いたウェイバーが栄養ドリンクや鰻玉丼弁当を摂って召喚場所でひたすら寝るという方法で魔力を与えて回復させた。
 言峰綺礼の策略によりセイバーと戦い、神威の車輪を失う。
 ウェイバーはそれから『最後まで勝ち抜け』『聖杯を掴め』『世界を掴め』と令呪で命じてマスターとサーヴァントの関係を破棄した。だがライダーはその行き過ぎた卑下を『マスターでなくとも朋友に違いない』と一蹴し、ともに決戦に臨む。
 アーチャーとの決戦の時には神威の車輪を失っていたものの、ウェイバーが無駄に使い潰そうとした三画の令呪は『勝利を志す限り普段の供給量よりも多い魔力量をもたらす』という効果を発揮し、魔力が充溢していたため、完璧以上のコンディションだった。決戦の直前に神代の銘酒の残りを酌み交わした際に自分と組んで星々の果てまで征服しようと持ちかけるが、二人目の友など要らぬと拒絶され、互いの王道をぶつけ合う。
 王の軍勢を展開するも、乖離剣・エアによって壊滅。ウェイバー・ベルベットを臣として王の夢を後世に伝える務めを課し、単騎でアーチャーに突撃。王の財宝を受け、ブケファラスが果てて後は己が脚で走り、アーチャーの目前まで到達するも、エルキドゥで捕縛され、エアで貫かれて敗北した。
 ライダーの消滅は、マッケンジー夫妻には突然の帰国として伝えられた。

 クラス別能力は以下の通り。
 対魔力:D…一工程による魔術行使を無効化する。魔力除けのアミュレット程度の対魔力。
 騎乗:A+…獣であるならば幻獣・神獣のものまで乗りこなせる。ただし竜種は該当しない。
 保有スキルは以下の通り。
 カリスマ:A…Aランクはおよそ人間として獲得しうる最高峰の人望といえる。
 軍略:B
 神性:C…明確な証拠はないが、多くの伝承によって最高神ゼウスの息子であると伝えられている。


ライダー(人名/サーヴァント:旧Fate)
 旧Fateにおけるライダー。真名はテセウス。マスターは病院で不治の病に苦しんだ末に既に他界した女性。


雷電爲右エ門(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の頃の文化祭の2年A組の出し物の一つ、最強偉人にラインナップされた。
 信濃国小県郡大石村出身の力士。現役生活21年、江戸本場所在籍三十六場所、通算黒星10、勝率九割六分二厘という史上未曽有の最強力士とされる。
 必殺技は『禁じ手』。これは真偽は定かではないが、あまりの強さから突っ張り、閂、張手、鯖折りが禁じ手とされたことから来ている。


ライネス・エルメロイ・アーチゾルテ(人名・魔術師)
 ロード・エルメロイU世の義妹。アーチボルトの分家であるアーチゾルテ家の娘にしてエルメロイ派の次代当主。小学生の頃からエルメロイ派を運営してきた。
 アーチゾルテ家はエルメロイ派の中ではかなり下位の家だったが、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトの死後に上位の家が残らず離反したり遠ざかったりしたため、血縁の指定でまだ魔術刻印の移植を受けておらず、エルメロイの源流刻印の適応率が突出して高かったライネスが後継者に選ばれた。
 性格が悪いことは自覚している。月霊髄液に手を加えたトリムマウという水銀メイドを連れている。魔力量はケイネスに及ぶべくもないが、精密操作には卓越した腕を持つ。彼女の眼は一種の魔眼で、地の色は青だが魔力に触れると赤く染まる。エルメロイ家を受け継ぐまでは頻繁に逃亡生活をしていたため、保存食料を持ち歩くのが癖になっている。酒にはかなり強い。
 第四次聖杯戦争後に没落寸前までになったエルメロイ学派の教室を三年間存続させた三級講師ウェイバー・ベルベットを拉致し、半ば強制的にロード・エルメロイU世を襲名させた。この時にアーチゾルテ家が背負わされたエルメロイ学派の借金の肩代わりとエルメロイの源流刻印の修復、ライネスの家庭教師になることも約束させている。修得している魔術のほとんどは研究用に調整されたもので、戦闘用の物はほとんどなく、精々があまり威力のない魔弾程度。
 剥離城アドラの件に手を挙げ、ロード・エルメロイU世を送り出した。
 出資者であるノーリッジ卿からバイロン・バリュエレータ・イゼルマが作り上げた黄金姫・白銀姫のお披露目の社交会に招待され、ボディガードとしてグレイを伴って出席する。お披露目の後に黄金姫ディアドラ・バリュエレータ・イゼルマ(の姿になっていたカリーナ)から白銀姫エステラともどもの貴族主義派閥への亡命を申し出るが、派閥の移動は抗争に直結するため慎重に回答を保留する。とはいえ、この状況はカリーナらが周到に計画したもので、もしライネスが拒否してもいずれ別の機会にバルトメロイ派に亡命を申し出るだろうし、そうなれば派閥に繋ぎを取らなかったライネスが責められ、かといってバルトメロイ派に属するライネスがトランベリオ派に属するバイロンに密告するには立場が悪いという、逃げ場を潰された状態であった。この後、携帯電話を使ってロード・エルメロイU世に亡命の話を伝えて双貌塔イゼルマに呼び寄せた。
 その翌日、約束に従いディアドラの私室を訪れた際に彼女のバラバラ死体を発見した。黄金姫殺害の犯人と疑われたためその真犯人を探す事を申し出る。お披露目の後の足跡をトリムマウに追跡させて泉に向かうが、その途上で自動人形と交戦する。追いついた時にはトリムマウはカリーナの死体が浮かぶ泉の前で手に血が付着した状態になっており、黄金姫殺しに加えてカリーナ殺しの容疑者とされてしまう。その際にイノライ・バリュエレータ・アトロホルムによってトリムマウを拘束された。
 予め呼び寄せておいたロード・エルメロイU世が到着すると、彼に従って対峙していたイノライとエステラのもとに駆け付け、イゼルマとアトラムの戦闘を止めるためにマイオ・ブリシサン・クライネルス及びイスロー・セブナンの協力を得てロード・エルメロイU世が構築した術式を用いてエステラに黄金姫の姿を投影した。その後にマイオによって引き起こされた橙子の魔物との戦いでは、グレイに月霊髄液の鎧を纏わせることと全体の援護を担当した。
 2003年11月末ごろにロード・エルメロイU世が魔眼蒐集列車に赴く際には同伴するグレイにブラックカードと思われる黒いクレジットカードと携帯電話を提供した。携帯電話の方はグレイへのサービスだが、クレジットカードの方は返済されつつあるロード・エルメロイU世の借金を増額させるためでもあった。その後は盗まれたイスカンダルの聖遺物の捜索に当たった。
 魔眼オークションの三日目にロード・エルメロイU世から連絡を受けて本物のカウレス・フォルヴェッジを捜索し、深夜にトーコ・トラベルを用いて本物のカウレスを連れて魔眼蒐集列車に乗り込んだ。この時はメルヴィン・ウェインズが設定用の目印を持っており、一応はメルヴィンの同行者として扱われた模様。


ライノール・グシオン(人名/魔術師:2015年の時計塔)
 時計塔の考古学部に属する魔術師。フラロウスの人格の一つ。属性は虚数。アーリア系人種、ドイツ国籍の背が高い男性。2014年の時点で40代。
 金にがめつく、ばらまく出費は多く、しかし自分に向けた贅沢はほとんどしない。過去と現在を犠牲にしても魔術を繁栄させることが目標で、そのために未来を観測し、未来では失われている物資や情報を遺すことと後進の育成に心血を注いでいる。彼が未来に遺産を送る方法は、通常の時空に囚われない虚数空間をタイムカプセルとして利用し、未来にいると測定した虚数属性の魔術師に取り出させるというものである。
 蒼崎姉妹と会ったことがあり、未来を志向する青子に恋愛感情はないものの純然たる情欲と好意を抱いている。対して歴史が積み上げたエピローグだと断言する橙子は毛嫌いしている。
 2014年の夏にフラロウスからの手紙を受け取ってロクスロートを訪れた橙子と会い、橙子にガソリン代を融通した。


螺湮城教本(宝具:Zero)
 プレラーティーズ・スペルブック。
 第四次聖杯戦争におけるキャスターの宝具。人間の皮膚で装丁された書物。表紙には目隠しをされたデスマスクがあしらわれており、裏表紙に磔にされた美少年の銀細工が施されている。自律召還魔力炉。深海の水魔の類を召喚し使役できる。
 呪文が記されているだけの紙の束ではなく、それ自体が大容量の魔力炉を備え、術者の魔力に関係なく大魔術・儀礼呪法レベルの術行使を可能にする。キャスターはこれから呪文を読み取って行使するのではなく、魔力の発動源であるこれを自在に使役する。
 召喚した海魔の制御をしないという条件ならば恐ろしく強力なものを召喚できるが、そのときに放出される呪的波動は数十人がかりでなければ為しえぬほどの魔力を動員した儀礼呪法クラスの多重節詠唱に相当する。そのため、第四次聖杯戦争において大海魔を召喚したときには冬木市にいるすべての魔術師がこれを感知した。
 クトゥルー神話におけるルルイエ異本。人類発祥以前の太古の邪神に関する禁断の知識が書き記されている。ジル・ド・レェが持つのは魔術師フランソワ・プレラーティによるイタリア語写本で、底本は中国・夏王朝時代の漢文(螺湮城本伝)だった。さらにそれ以前の原典は人類以外の言語(ルルイエ語)で記述されていたという。これによって召喚された異形が水棲生物のような形状をしていたのも当然と言える。


ラッキー・マザー(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の頃の文化祭の2年A組の出し物の一つ、最強偉人にラインナップされた。
 ミトコンドリアDNAを遡ることで辿り着く、人類共通の母の一人。全人類の母系を辿ると15〜30万年前に生きた一人の女性に行きつくというだけで、全人類が一人の女性から始まったという意味ではない。そのため全人類の母という誤解を受けたミトコンドリア・イヴではなく、長い歴史の中で女系が絶えなかった幸運な女性=ラッキー・マザーと呼ばれる。
 必殺技は『ミトコンドリア・イヴ』。これは彼女から『子孫』への攻撃はできるが、子孫が『人類の祖先』を攻撃することはヒトである以上不可能というもの。
 投票の結果、最強存在賞に輝く。


LOVE関ヶ原(用語:氷室の天地)
 蒔寺楓が2年生の時の文化祭の出し物に考えていたバンド名。


ラ・フルール(地名)
 冬木市にあるクレープ屋。単にフルールとも。ベリーベリーベリー(トリプルベリーパイ)はなんと500円。ラフレシアアンブレラなどという末期的な新製品を発売している。ベリーベリーベリーもラフレシアアンブレラも見た目は赤色の競演。


ラフレシアアンブレラ(用語)
 ラ・フルールの新製品。ラフレシアをモチーフにしたモンスターでデッドリーなケーキ。腐った香りを出すために本物のラフレシアの花を使っている。見た目は真っ赤なパンケーキにラズベリーをたっぷり乗せて、まるで人体解剖のよう。食感はステーキ似。


ランサー(クラス/サーヴァント)
 槍兵。槍を主装とする三騎士の一角。
 セイバーに次いで該当条件が多く、すべての能力値にセカンドランクが求められ、その中でも“敏捷”が特に高い者が該当する。出自が騎士の英霊が多く該当する。必然的に槍のリーチと素早さを活かした一撃離脱の戦法が得意になる。
 クラス固有の能力は“対魔力”。


ランサー(人名/サーヴァント)
 身長185p。体重70s。
 第五次聖杯戦争のおり、バゼット・フラガ・マクレミッツにより1月23日にクー・フーリンが記したオリジナル・ルーンを刻んだ宝石(ピアスまたはイヤリングに加工されていた)を触媒に召還された。しかし言峰綺礼に襲撃され、バゼットから剥奪された令呪によって主換えさせられる。なおアニメ版UBWでは召喚された時期が原作より早くなっており、キャスターが葛木と出会う前にボロボロになるまで追いつめたことになっている。勝つことではなく『生き残ること』に特化したサーヴァント。バーサーカーの条件も備えている。
 真名はアイルランドの英雄クー・フーリンで、聖杯ではなく、生前にできなかった死力を尽くした戦いを求めてサーヴァントになった。聖杯戦争の舞台が日本ではなければ、アーサー王やヘラクレスに並ぶ光り輝く存在になっていただろう。
 かつてエリン(ゲール語で緑の意)と呼ばれていたアイルランドで太陽神ルーとコノア王の妹デビテラの間に生まれた。幼名をセタンタという。ある時鍛冶の名匠クランの家を守る十人力の番犬を誤って一人で縊り殺してしまい、その償いとして暫くの間自分が番犬の役を果たすと誓った。このことからクランの猛犬を意味するクー・フーリンと呼ばれるようになる。
 長じてさらに力を増した彼は赤枝騎士団の一員に迎えられる。恋の成就のため影の国に赴き、そこでスカサハに付いて十八の原初のルーンと魔術、魔槍術ゲイ・ボルクを修得した。しかし若き日に親しいドルイドが教えた『輝かしい武勲と引き換えの短命』という予言の通り、最後の戦いで獅子奮迅の活躍を見せるが己の槍に貫かれて絶命する。
 本人が白兵戦を好むためにあまり使われないが、影の国において十八の原初のルーンを修得したためキャスターのクラスにも該当しうる魔術の知識と腕前を持っており、ライダーの他者封印・鮮血神殿が仕掛けられていることを一目で見抜いた。さらに十八の原初のルーンのすべてを使った結界は上級宝具の一撃をも防ぐ。またルーンの加護(コンプティークの質問コーナーによればそれに加えて宝具の組み合わせ)により一時的にパラメーターをBからAに上昇させることができ、そのためバーサーカーと戦った場合でもかなり不利にしろ僅かながら勝算がある。
 主換えの際に『主換えに賛同しろ』と『諜報活動に徹しろ』の二つの令呪をかけられている。そのために全てのサーヴァントと戦い、かつ引き分けることになった。
 粗暴で暴力的な性格だが、根は正義の人で人懐こい好青年。魚釣り、素潜り、山登りが得意。気の強い女と無茶な約束が好きで、回りくどい方針と裏切りが嫌い。好き嫌いと敵味方はまったく別物と考えている。ギルガメッシュとアーチャーが天敵。寒さには強い。ゲームに関してはレバーやパッドを持つこと自体にいらいらする。Fateの登場人物のなかではセイバー、バーサーカーに次ぐ大食い。
 東に戦いがあると知れば戦車で乗り込み、西で祭りがあると聞けばエールをタルごと抱えて乗り込んでいく。せっかくの催しもの、一緒になって盛り上がれないようじゃあ男がすたる。そんな兄貴属性のランサーにとって、文化の違いなど些細なコト。ともすれば藤村組にまじって屋台を開いてもおかしくはない。しかしどんなに稼いでも、結局はどこぞの陰険シスターに巻き上げられるオチなのだが。
 第三次聖杯戦争の再現たる四日間ではカレン・オルテンシアと契約している。マウント深山商店街の魚屋で働いていたおりに間桐桜をナンパしようとしたところ、通りがかったキャスターに黒コゲにされた。なおよくクビになるようだ。その後はマウント深山商店街の花屋でも働いており、なかなか花束作りのセンスがいい。花屋をクビになってからは新都の紅茶専門の喫茶店で働いている。
 ナンパが大好きだがほとんど成功しない。どのサーヴァントよりも現代になじんでいる。根っからのバトラー(執事)であるアーチャーに対し、ランサーは名ウェイター。
 同居人を養うため、アーネンエルベでウェイターのアルバイトをしている。勤務時間は開店から昼過ぎと週末。ランチタイムにはランサー目当てに来店するご婦人も多いとか。その後は学校帰りのひびきと千鍵と交代して、次のアルバイトに向かったり釣りに行ったりしている。
 『狙われたアーネンエルベ』では用事で出かけたジョージ店長に店を任されており、出勤途中に拾ったチラシで突然店の向かいにできたメイド喫茶アーネンエノレべの存在を知る。それに驚愕し、その日はアルバイトの予定が入っていなかった日比乃ひびきと桂木千鍵を呼び出す。
 ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトからアーネンエルベの買収を持ちかけられるが、きっぱりと断った。
 ケータイさんが『ひびきと千鍵はコスプレが大好きだから』とどこからか持ってきたミニスカメイド服を二人の制服とすり替えておいた。もっとも本気で着てくるとは思っておらず、実際に着てきても感想は『ああ、似合ってる似合ってる、可愛い』というお座なりなものだった。なぜケータイさんの言に乗ったかというと、メイド喫茶アーネンエノレベに対抗して二人にメイド服で客寄せをさせるため。
 人手が足りなくなったら客として来ている須方スナオを使えと言って店を出てアーネンエノレベに潜入するが、ギルガメッシュのエルキドゥで捕縛され、ルヴィアゼリッタのバックドロップで気絶させられた。後にアーネンエルベ側に付くことに決めたギルガメッシュに解放され、アーネンエルベを廃墟にしようとしていたルヴィアゼリッタを無力化した。カレンがジャイアントアンリでアーネンエルベを破壊しようとしたときはギルガメッシュとともに戦いを挑むがあっさり捕縛されるも、カレイドオレンジに救出されて戦列に復帰。
 カレイドグリーンとカレイドオレンジによって撃破されたカレンの許に須方スナオが代行者として現れ、アーネンエルベから手を引けばよし、そうでなければ本部に引き渡して処分を待つと交渉を持ちかけ、シスター・カレンはこの騒動で殉教したことにするのが一番手っ取り早いと脅迫した際には隠れてカレンを守っていた。ただしスナオが本気でカレンを殺害する気がないこともまた見抜いていた。
 それからスナオとともにアーネンエルベの後始末を引き受け、ひびきと千鍵をデートに送り出した。
 対魔力はCランクであり、大魔術や儀礼呪法は防げないのだが、俊敏がAランクである彼と相対して大掛かりな魔術を行ったり、仮に実行できたとしても命中させることも困難であるため、このランクで必要にして充分と言える。
 飛び道具への耐性があり、風切り音と敵の殺気で軌道を読む。ルーンの加護により魔眼の対策はできている。一対一の白兵戦では屈指のねばり強さを誇り、『生き残る』ことこそが戦いの絶対条件なら、彼に並ぶのはバーサーカーくらい。ランサーの戦闘続行スキルは往生際の悪さを表す。
 ライダーと戦った場合には、ルーン魔術による加護で万全の魔眼対策をしているうえ怪物退治はお手の物であるため、魔物としての属性を持つライダーに対して有利に戦いを進められる。
 第四次聖杯戦争のランサーであるディルムッド・オディナと戦った場合には、ディルムッドの方がマスターからのバックアップ(魔力提供量)が優れているため単純な火力勝負ならばディルムッドが勝つ。日本では両者ともに地形効果はないが、舞台がアイルランドならばクー・フーリンが勝つ。
 セイバールートでは冬木教会で半日もの間ギルガメッシュを足止めした挙句敗死した。
 エミヤが生前に経験した聖杯戦争でランサーとして召喚されたのもクー・フーリンで、その際にエミヤと因縁ができた。エミヤが守護者となった後も何度か顔を合わせていて、エミヤはランサーに対する苦手意識を持っている。ランサー側としても戦うたびに嫌な戦法を繰り出すエミヤに対して不快感を抱いている。
 宝具はゲイ・ボルクのみだが、対人宝具の『刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)』と、その本来の使い方である対軍宝具の『突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)』がある。
 ちなみに同じく敏捷Aのライダーには平均的な速度では劣るが瞬間的な速度では勝る。
 unlimited codesでは本編と同様にバゼットから言峰に主替えを余儀なくされる。だがキャスターを打倒した際にそのマスターである葛木総一郎の命を助ける代わりに破戒すべき全ての符によって言峰との契約を破棄し、マスター不在のまま聖杯戦争を戦い抜いた。それはバゼットが信じて召喚した英霊の最強を証明するためであり、バゼットの敵である言峰を殺すためであった。

 クラス別能力は以下のとおり。
 対魔力:C…第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。大魔術、儀礼呪法などは防げない。
 保有スキルは以下のとおり。
 戦闘続行:A…瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。
 仕切り直し:C…戦闘から離脱する能力。また、不利になった戦闘を戦闘開始ターンに戻す。
 ルーン:B
 矢除けの加護:B…飛び道具に対する防御。狙撃手を視界に納めているかぎりどのような投擲武装だろうと肉眼で捉えて対処できる。ただし超遠距離からの直接攻撃、広範囲の全体攻撃は該当しない。
 神性:B


ランサー(人名・クラス/サーヴァント:Zero)
 身長184cm。体重85kg。
 第四次聖杯戦争におけるサーヴァント。ケイネス・エルメロイ・アーチボルトと契約した。真名はケルトの英雄でフィオナ騎士団随一の戦士、輝く貌のディルムッド・オディナ。宝具は『破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)』と『必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)』の長短二本の槍。
 魔眼ならぬいわば魔貌を持ち、彼の顔を見ただけで魅了の魔術が発動して普通の女性ならば一目で彼の虜になる。左目に泣き黒子がある。
 アウトドア料理と接客対応が得意。友情と仁義が好きで恋する乙女と嫉妬深い男が苦手。ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリとケイネス・エルメロイ・アーチボルトが天敵。
 誰よりも高潔な忠臣たらんとし、聖杯ではなく、生前に叶わなかった騎士としての面目を果たすために召喚に応じた。そのため、アインツベルンの森における対キャスター戦においても自分との戦いで傷を負ったセイバーの左腕となって戦い、その後に令呪によって窮地を察知してケイネスを救出する際も騎士道精神により簡単に殺せたはずの衛宮切嗣に手を出さなかった。
 ケイネスが切嗣の起源弾を受けて魔術回路が壊滅し、魔術の行使ができなくなった後でソラウが主替えの提案をしたが、騎士として忠誠を誓った主はケイネスだからと断った。だがソラウがあくまでケイネスの妻として夫のために聖杯を求めるという誓いにより、主替えは承諾しなかったがともに聖杯を求めることには同意した。
 キャスターが召還した大海魔との戦いの折に必滅の呪いを解いてセイバーに約束された勝利の剣を使わせるため、必滅の黄薔薇を自ら折った。
 その後ケイネスの拠点である廃工場を訪ねてきたセイバーと戦っている最中に、衛宮切嗣の策略にはまったケイネスにより令呪を用いて自害させられ、騎士と認めていたセイバーにすら怨嗟の絶叫を残して消えた。
 基本能力はさほど高くはないが、優位に立った敵の足元を掬う戦術に長けている。とりわけ宝具能力を頼みとする英霊にとっては天敵とも言える。戦術次第では確実に第四次聖杯戦争を制していたか、アサシン相手にあっさりと不覚を取っていたと思われる。
 破魔の紅薔薇と必滅の黄薔薇を携える槍兵として具現化したが、モラルタとベガルタの伝承によってセイバーのクラスで召喚される可能性も充分にあった。むしろケイネスはそちらを期待していたのかもしれない。モラルタとベガルタは『ランサーのクラスで剣を使うのはどうか』と空気を読んで持っていなかった。
 生前はフィオナ騎士団最強の騎士だった。だが主君フィン・マックールの妻となるはずだったグラニア姫が彼の魔貌に魅入られてしまい、フィンとグラニアの婚約の宴の日に駆け落ちをする。その逃避行において騎士団にいた頃以上の武勇を打ち立てた。後に許され騎士団に戻るが、フィンとともに狩りをしていたときに猪の牙で重傷を負い、手当てをされずに死んだ。
 多くの礼装を持つケイネスにとって英霊を使役するサーヴァントでさえ数ある礼装の一つ程度の認識でしかなかったようだ。彼は英霊の人格を認める気が毛頭なかったが故にディルムッド・オディナの忠義に最後まで理解を示すことが出来ず、結果として自滅同然の敗退を遂げる。尤もディルムッドにもマスターとして自分の忠義を受け止めてくれる相手なら誰でもよかった節があり、ケイネスの人柄と向き合っての相互理解を怠っていたのは事実。
 第五次聖杯戦争のランサーであるクー・フーリンと戦った場合には、ディルムッドの方がマスターからのバックアップ(魔力提供量)が優れているため単純な火力勝負ならばディルムッドが勝つ。日本では両者ともに地形効果はないが、舞台がアイルランドならばクー・フーリンが勝つ。

 クラス別能力は以下の通り。
 対魔力:B…詠唱が三節以下の魔術を無効化。大魔術、儀礼呪法等を以ってしても傷つけるのは難しい。
 保有スキルは以下の通り。
 心眼(真):B…逆転の可能性が1パーセントでもあるならその作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。
 愛の黒子:C…魔力を帯びた黒子による異性の魅惑。ディルムッドと対峙した女性は彼に対する強烈な恋愛感情を抱く。対魔力スキルで回避可能。


ランサー(人名/サーヴァント:旧Fate)
 旧Fateにおけるランサーのサーヴァント。マスターは沙条綾香のライバルであるルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトのようなお嬢様。物語中盤においてセイバーを失った綾香と仮契約する。


ランスロット(人名:GoA)
 円卓の騎士の一人。フランスの領主でもある。アーサー王の妃ギネヴィアと不貞に及び、キャメロットから離反した。
 死後に英霊となり、冬木の第四次聖杯戦争でバーサーカーとして召喚された。


ランスロット(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 武:10または9、防:5。


ランダ(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 固有能力は『物理反射』。ビジュアルは真・女神転生シリーズのランダのそれ。


ランナウェイ☆五丈原(用語:氷室の天地)
 蒔寺楓が2年生の時の文化祭の出し物に考えていたバンド名。


爛漫なエウリュアレ(用語)
 ネコ二十七キャットの第十五位。



  


リーズバイフェ・ストリンドヴァリ(人名/異端審問官)
 Riesbyfe Stridberg。
 聖堂教会が擁する異端審問騎士団、ヴェステル弦楯騎士団の団長。聖堂騎士。城塞の聖女。聖盾の騎士。正式外典ガマリエルに選ばれた法の奏者。正式外典ガマリエルを再現する者。音と法律の調停者。音に強い関心を持つ。信徒の中の信徒。ゲッセバルネ枢機卿の寵児とまで言われた。シエルが教会で唯一真っ向から競ってみたい相手で、リーズバイフェのほうもシエルと競ってみたかった。吸血鬼掃討の記録はシエルとほぼ同数で、ドラクルアンカーの使い手としての名声も同格。パンチ力は1t以上16t未満。あくまで自称ではあるが、3tくらいとのこと。
 スウェーデンに住んでいたらしい。教会では演奏練習用の部屋を持っていた。暑さ寒さには強い。
 七夜志貴曰く、性別すら剥いてみないとわからない。メカヒスイも性別がよく判別できないためとりあえず剥こうとし、蒼崎青子には『お兄さん』とまで言われた。お兄さん扱いされることが多いが、体つきは女性らしい。ただし本人は人前で薄着になる機会が無かったので、人に体を見られると非常に恥ずかしがる。
 周囲からは真面目で迷いがなく、達観していると思われているが、その実何も考えていない、ずぼらで、面倒くさがりで、未来のことを考えるのが苦手で、後先考えない、今があればいいという人。できれば何もしたくないが、何も考えなくていいので労働は嫌いではない。日本語を流暢に操るが、漢字の読み書きはできない。ネコアルクに『並のメンヘルじゃない』と称された。路地裏同盟に加盟したいと願っている。健気に努力する女の子が好き。毎日一時間エステをしている。
 育ちが良いとは言えず、枢機卿に引き取られるまでどうやって生きていたのか本人にもわからないほど。
 一つ前のワラキア討伐に参加し、シオン・エルトナム・アトラシアとともにワラキアに挑むが敗死し、正式外典も砕かれた。シオンは彼女を頼りにしていたようだが、お互い友情を確かめ合う前に死別してしまった。
 Vシオンのラストアーク・ブラッドバイブルではシオンがタタリとして彼女の情報を再現するが、それは彼女がタタリに飲み込まれたためで、タタリと化したVシオンの中にワラキアの夜から引き継いだ彼女が捕らわれているから。
 本来ならば取り込まれた存在は全て等価値の情報として再構成されるため、彼女のようにタタリとは別に再現されるモノは珍しい。正式外典ガマリエルが護りとなってタタリに取り込まれた彼女の消化を遅らせたためである。とはいってもそれは情報が消化されなかったというだけで、実際にはタタリによって殺されている。
 オシリスの砂による三咲町の二度目のタタリではオシリスの砂によって一年前のタタリの結末を変更する要因及び防衛機構の一端として再構成された。再構成当初は自分がどういう状態なのかわからず、通常の吸血鬼討伐任務だと思っていた。なお、本体である演算機に近づいてはならないとプログラムされていたのだが、オシリスの砂に成り果てる前のシオンの意思か、そのプログラムは破綻していた。それどころか再演算の妨げにさえなっている。構成要素は分割思考と魔力、リーズバイフェの魂。
 美的感覚が一般とは乖離しており、ネコアルクと遭遇した際には一目でネコと看破しながらも『キモい』『これは倒さないと』と問答無用で戦闘に突入した。その後正気に戻り、ネコアルクを『キモ可愛い』『とても幸福な生き物』、グレートキャッツビレッジを『楽園』と称した。が、その一切を夢と信じようと努めている。メカヒスイに剥かれそうになったときには反撃して破壊するが、メカヒスイを芸術的な造形と評し、できれば一台欲しいと漏らした。
 得意技はハイアングルギロチンフラッグ。吸血鬼さっちんの首がパイルバンカーによって串刺しにされ、天空に掲げられた旗のようにブラブラしたことからそう言われる。ばい民面書房刊。
 グレートキャッツビレッジを発見し、以後は仕事の合間にネコアルクたちをかわいがりに行っている。しかし力加減がまったくできておらず、撫でると言っては首を折り、つねると言っては頬を削ぎ、愛でると言っては顔面をアンパンチするという有様。
 Actress Again弓塚さつきルート後は路地裏同盟に加入し、護衛とアルバイトをしている。路地裏同盟加入後はヴァイオリンの腕を生かした仕事をしている。
 Actress Again Current Codeではネコアルクの言に乗せられてネコアルクたちのストーカーを撃退しに行った。しかしそのストーカーというのは琥珀やシエルといった、ネコアルクにとって都合の悪い人物達のことであった。最終的にそのネコアルクに裏切られるが、『怪猫・天を揺るがす』で強化されてネコアルクを宇宙に打ち上げてしまった。
 礼園女学院院長のマザー・リーズバイフェと同一人物かどうかは不明。ただしマザーも院長室に正式外典らしき盾を飾っている。


リーゼリット(人名/ホムンクルス)
 Leysritt。
 身長162cm。体重52kg。B92 W58 H84。
 イリヤスフィール・フォン・アインツベルンのメイドの一人。聖杯のカラ。ホムンクルスとして基本的な性能が欠けている。普段は頭巾に隠れているが髪はショートカット。
 イリヤスフィールの体を守るのが役目。イリヤスフィールを泣かせた衛宮切嗣のことを嫌っている。アインツベルン城の料理担当。
 アインツベルンだけの神秘でhollow ataraxiaのおよそ二年前に鋳造された。聖杯の失敗作のホムンクルスで、本来は廃棄されるのだがイリヤスフィールのメイドとして延命されている。主従関係を気にしない性格からイリヤスフィールとは話し友達となって、大の仲良しである。だがイリヤスフィールを平気で呼び捨てにするためセラにたびたび怒られている。セラとともに人間としての機能不全を起こしたイリヤスフィールに天のドレスを着せて儀式を行う役目を持つ。
 セラと同じ雛形から作られたが、こちらは純粋なホムンクルスではなくイリヤスフィールのための魔術礼装として作られたもの。文字通りイリヤスフィールの一部(予備部品)であり、肉体がイリヤスフィールと同調しているためイリヤスフィールの死が即ちリーゼリットの死となる。イリヤスフィールに天のドレスを着せる役であり、天のドレスの部品でもあるため、イリヤスフィールが天のドレスを装着する時に役目を終える。本来は天のドレスを具現化するためのエーテル塊。アインツベルンの擬似サーヴァントのようなもの。
 身体特化型で、純粋な力勝負ならサーヴァントと打ち合えるほど優れた運動性を持つが、反面活動時間が一日に十二時間までと明確に決まっている。それを超えると彼女の余命を確実に削ってしまうため、アインツベルン城の夜の見回りはセラと交代で三日に一度やっている。ホムンクルスにある生命としての弱さを克服しており使い魔として優れた戦闘能力を持つが、それと引き換えに五感の多くが備わっておらず、自我そのものも希薄。しかしイリヤスフィールと同調することで自我の希薄な彼女は理性を得た。
 無口で大人しい。言葉遣いは片言だが、それは日本語に慣れていないのではなくもともとの喋り方。
 なお、イリヤスフィールがワインセラーで見たというお化けの正体は彼女の得物である巨大なハルバードを持った彼女。そのハルバードはリーゼンアルムという名前。
 力持ちで動物的直感がある。イリヤとセラ、バーサーカー、衛宮士郎が好きで、セラが苦手かつ天敵。セラとは同型機だが、なぜかバストサイズに大きな隔たりがある。腕相撲では怪力スキルを使用したライダーと互角くらい。数値で表すとB-程度。
 別にお正月が好きというわけではなく、ただお雑煮が好きなだけ。感情に乏しい彼女にとって、新年の祝いなんてどうでもいいことであり、次の日が来てくれるコトへの感謝と変わりはない。そんなことより珍しい料理の方が大事。しかし悲しいかな、雑煮のような簡単な料理をセラが許可する筈もなく、リズはイリヤと一緒に衛宮邸に向かうのであった。
 メイド服は魔術礼装。下着はセラと同じくキャミソールと膝丈のドロワーズ。
 unlimited codesでは黒化した間桐桜に襲われ、イリヤスフィールの命を救うため消滅したバーサーカーの代わりに聖杯戦争を戦う。見事に桜を打倒して大聖杯を停止させるが、力を使いすぎたために寿命が尽きてしまう。


リーゼリット(人名/ホムンクルス:unlimited codes)
 大聖杯を停止させて寿命が尽きたリーゼリットと同型の雛形を用いた後継機。リーゼリットが機能停止した一月後に起動した。


リーゼンアルム(武装)
 リーゼリットが使用するハルバード。


リィゾ=バール・シュトラウト(人名/死徒)
 死徒二十七祖の6位。黒騎士シュトラウト。真性悪魔ニアダーク。魔剣ニアダークを持つ。最古参の三人の死徒のうちの一人。アルトルージュ・ブリュンスタッドの護衛の一人。
 時の呪いを患っているために不老不死。これは死徒としての不老不死ではない。


陸上部(組織)
 私立穂群原学園陸上部。
 氷室鐘、蒔寺楓、三枝由紀香らが在籍する。特に目立った成績は残していない。
 文化祭の出し物は飲食店が恒例らしく、氷室鐘らが2年生の頃の文化祭ではグラウンドに穴を掘ってタロイモを蒸し焼きにするタロイモ蒸し屋に決定する。しかし文化祭の直近になってタロイモの大量確保に失敗し、グラウンドに穴を掘る許可も出なかったため再度相談し温泉卵屋『冬木温泉』になる。
 特に目立った成績を残してはいなかったが、柳洞一成の先代の生徒会長の時代は運動部優遇政策により多額の部費を獲得していた。しかし柳洞一成が生徒会長に就任すると運動部優遇政策撤廃のため、部費が大幅にカットされた。そのため冬木市民マラソンでの入賞を評価に繋げて部費を獲得すべくそれに参加。長距離が苦手な部員と三枝はコスプレ部門での入賞狙いでテーマを魔法少女に統一したコスプレで参加した。結果は蒔寺が6位、短距離の選手が7位、三枝と円盤投子がコスプレ部門の『おしかったで賞』を獲得するという立派な実績を上げた。しかし殺到した文化系部活からの申告に生徒会会計が気前よくばら撒いたためあっという間に枯渇してしまい、部費の追加獲得はできなかった。


リズライヒ・ユスティーツァ・フォン・アインツベルン(人名/ホムンクルス)
 →ユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルン。
 本編ではリズライヒ・ユスティーツァ、side materialではユスティーツァ・リズライヒと表記される。


リタ・ロズィーアン(人名/死徒)
 死徒二十七祖の15位。エンハウンスと異なり、正式に城と領地を継承した2代目。自称芸術家。貴族の吸血鬼の典型。ふたなり好き。
 やりたい放題やっている快楽主義者だが、根がひん曲がっているために満たされることはなく、たえず退屈しているお嬢様。死徒の中でも特出した趣味の持ち主。今日も今日とて酒池肉林の地獄で甘美な堕落にふけっている。
 スミレとは仲がよく、『自分かスミレが死ぬことがあったなら、それどちらかが殺す時だ』と思っているほど。


リデルリドル(人名:魔法使いの夜)
 →メイ・リデル・アーシェロット


リビングデッド(用語)
 生きる死体。食屍鬼が他の遺体を喰らい、欠けた肉体を補って、数年かけて幽体としての脳を形成したモノ。戦闘力では死者に劣るが、れっきとした自我を持った吸血鬼。


リブ(人名:花札)
 恐らくブルマの世界でのリーゼリットのこと。


掠取の魔眼(用語)
 視界に入った者の生命力を直接奪う魔眼。クラスは黄金。その性質上、所有者に牙を剥く可能性がある。
 2003年11月末頃に開かれた魔眼蒐集列車の魔眼オークションに出品されたが、それは過去二名の被移植者が3年以内に瀕死に至ったため魔眼蒐集列車のスタッフにより摘出されたものである。これはイヴェット・L・レーマンが四千万ドルで落札したが、アインナッシュの仔の再出現に当たって魔眼大投射に使用されて焼き切れたため、オークション自体がお流れとなってしまった。


略奪(用語/能力)
 遠野秋葉の能力。射程・視界による略奪呪界。秋葉は視認した生物から熱(生命力)を奪う“略奪”の混血で、その最大出力時の状態を檻髪と呼ぶ。
 秋葉の略奪は視認することで発動するが、霊視を可能とする者にはその過程は赤い糸のようなものが巻きつき、赤く焦がしているように視える。これを最大限――対象のみならず対象を含む地域全体を赤い糸で覆い、脱出不可能にした状態が檻髪。
 髪が紅く反転して伸びるのだが普通の目には視えず、また触れることもできない。いわば秋葉の力がその髪の延長の形をしているだけであり、能力者である秋葉も魔眼憑きでないために視認することは不可能。『略奪』の触媒としてだけではなく、本来の髪とともに自在に操ることができる。
 霊的な防御力を持たない一般人には絶対的な攻撃法だが、アルクェイド・ブリュンスタッドのように霊格が桁違いの相手には『世界中に蜘蛛の巣が張っていてうざい』程度の妨害にしかならない。しかし感応者のバックアップがあればアルクェイドを縛り付ける程度の束縛はできるかもしれない。


竜牙兵(魔術)
 キャスターの道具作成スキルによって竜の歯から作り出された使い魔。コルキス王の魔術。大地に歯を蒔き、竜種の魔力と大地からの知識を得て使い捨ての雑兵となる。
 メディアが得意とする魔術で、元々はコルキス王が伝えていたもの。一体の戦闘力はサーヴァントに及ぶべくもなく、人間のマスターでも対処できるが、一度に大量に召還されると厄介。全ての個体が同じというわけではなく、使用する武器に若干の違いがある。
 本当はすごく強い。


リュウケイ先生(人名:MBAA)
 隆慶一郎のこと。筆名の区切りは隆慶・一郎ではなく、隆・慶一郎。
 大正十二年九月、東京都に生まれる。同志社中学卒業後、昭和十六年四月に第三高等学校文科丙類に入学、自由寮に起居する。半年繰上げで昭和十八年九月に三高文丙卒業、十月に東京大学文学部フランス文学科に入学。十九世紀フランスの象徴主義を学ぶが、僅か二月余後の十二月には徴兵され、学徒出陣。戦地に赴く際にも中原達也の詩集『山羊の歌』と『在りし日の歌』を手ずから写したノートと、アルチュール・ランボオの『地獄の季節』を当時陸軍将校が愛読していたとされる『葉隠』の途中を切り取って差し替えたものを隠し持っていった。復員後は大学に戻り卒業、創元社で編集者の職に就く。創元社退社後は中央大学文学部フランス文学科助教授として教壇に立ち、その傍ら昭和二十九年に本名の池田一朗名義でシナリオライターに転じ『にあんちゃん』『梟の城』『城取り』などを手がけている。
 昭和五十九年、六十歳にして『吉原御免状』で小説家としてデビューし、次々に話題作を発表。『一夢庵風流記』で柴田錬三郎賞を受賞するが、授賞式を待たず平成元年十一月四日急逝。享年六十六。
 逝去により『見知らぬ海へ』『かぶいて候』『夜叉神の翁』『死ぬことと見つけたり』『花と火の帝』が未完となったほか、『吉原御免状』は本来四部作構想であったとのことであるが第二部の『かくれさと苦界行』が完成したところで終わっている。
 『虎は生まれつき強いもの』という言葉は著書『一夢庵風流記』における前田慶次郎の『虎や狼が日々練磨などするかね』『そんな真似はしなくても、強い者は強いんだ』という言葉がもと。
 なお歌月十夜の起動メッセージでシステム担当の清兵衛氏がお勧め小説の一つに『死ぬことと見つけたり』を挙げている。


竜種(用語)
 幻想種の頂点。種別は魔獣。神秘・超越の具現。竜を模したモノは分類に関係なく最優種とされる。竜種(あるいは竜種を模したもの)は三類の属性を備えている(魔獣、幻獣、神獣の全てに存在する)ため、人と交わることも多かったようで、魔術の分野にも多くの伝説が残る。
 竜の巣穴の財宝譚があるからこそ幻想種たりえる。
 西暦になった頃に地下に潜って眠りについた。彼らの魂は肉体を離れて世界の裏側に移動し、残された肉体は石になり、やがて油や鉱物となって地層に浸みこんでいった。


流体操作(魔術)
 水属性と風属性に共通する術。


龍洞(地名)
 円蔵山にある天然の大洞窟。ここにユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルンを基盤とする大聖杯が設置されている。第五次聖杯戦争時に龍洞に溜まっていた魔力(大源)は1000程度。
 第四次聖杯戦争終結後、衛宮切嗣が聖杯戦争から持ち越した爆薬をやりくりして数年がかりで数箇所の地脈に手を加え、円蔵山に流れ込むレイラインの一部に『瘤』が発生するよう細工を施した。これはマナが堆積し、30年から40年の間には破裂してごく局地的な大地震を円蔵山直下に引き起こし、大聖杯が設置されている龍洞を崩落させるというもの。これは第五次聖杯戦争を防ぐための措置だったが、切嗣の目論見とは違い、第四次聖杯戦争が中途半端に終結したため僅か10年で第五次聖杯戦争が勃発してしまった。どのルートでも第六次聖杯戦争は勃発しないが、龍洞が崩落するためか崩落せずにロード・エルメロイU世が解体するためかは不明。


柳洞一成(人名)
 りゅうどう いっせい。
 身長170p。体重58s。
 穂群原学園2年C組。hollow ataraxiaの頃は3年C組。生徒会長。柳洞寺の末っ子で、ゆくゆくは僧侶になりたいというが、現在は跡取りといえど下っ端中の下っ端。本人の言うとおり霊力は弱い。人見知りが激しく、キャスターとは少々他人行儀な関係。2年前に衛宮士郎と出会い、友人になった。葛木宗一郎を兄と仰ぎ、休日は組み手をしていた。寺に伝わる武道を修めているため実力は相当なもので、空手は黒帯。冬木空手道場に組手をしに行くこともある。毎日二時間の道程を踏破して登校している。校則厳守のため廊下を走ることはないが、徒歩で走りよりも速いスピードを出せる。
 座禅と空手が得意で詰め碁、詰め将棋とクロスワードが好き。女性と流行ものが苦手で遠坂凛が天敵。寺の息子だけあって怪談がうまい。怪談を語るときは口調が変わるが、それは柳洞家の決まりらしい。
 堅物で遊びのない性格だが、融通が利かないわけではない。弁当があまりにも質素なため、衛宮士郎から肉類を分けてもらうことがある。ヴェルデの地下食品売り場の隅の軽食スペースがお気に入りで、とくに大判焼が好きだが、好みはなかなか厳しく、大判焼でも漉し餡が最上としている。士郎にはよく備品修理を手伝ってもらっており感謝しているのだが、好き勝手に使っているという後ろめたさも抱いている。
 穂群原学園入学前に通っていた学校は遠坂凛と同じところで、士郎と間桐桜が通っていた学校とは別の学校。そこで生徒会長を務め、凛は副会長だった。凛を『人類の天敵』と喩えるほどの犬猿の仲だが、人間としては認めている。彼の女嫌いは二年に亘る凛との暗闘が原因と思われる。その凛を女狐、妖怪、女怪、仏敵と呼ぶ。
 一年生の後半から二年生の前半にかけて生徒会書記長を務めた。なおその頃のふざけた生徒会を球技大会の開会式で堂々と批判した。
 二年生のときの球技大会では衛宮士郎、間桐慎二と組んでセパタクローに参加した。決勝に進出したが、氷室鐘、沙条綾香、美綴綾子の2年A組チームと対戦した際に嫌がらせじみた集中攻撃を受けたことで乱闘を起こし、A組チームとともに失格になった。
 2年生の夏休みに氷室鐘から勝者は敗者に一つ命令できるという条件の英雄史大戦での対戦を申し込まれ、これを受ける。申し込まれた時点では英雄史大戦をプレイしたことはなかったようだが、佐々木小次郎、柳生十兵衛、成田長親、忠犬ハチ公、森宗意軒などからなる日本デッキを構築し、氷室を破る。勝利後、氷室の首にかけられた指輪を見て『俺のことはこのまま嫌い続けてくれ』と命令した。この命令は一見して実利がないものだが、一成にとっては実利があるものとのこと。
 氷室との英雄史大戦対決に際しては間桐慎二に氷室の戦術を教わったことに加え、事前に氷室の参謀になる可能性が高い蒔寺が補習をさぼって行きそうな場所を藤村大河に教えて氷室との合流を防ぐ、充分にゲームを研究しつつも素人を装って油断を誘うなどかなりの準備を整えていた。
 体育祭では特別三枠のうち将棋ボクシングに出場し、準決勝で美綴と対戦した。武では敵わないが美綴は将棋が苦手なため、ボクシングでは防御に徹して『負けない』戦い方をし、得意な将棋で攻めるという戦略を取られたため美綴は将棋ラウンドで投了。
 氷室が英雄史大戦で再戦を望んだ際には自分への苦手意識を克服するためなら喜んで手を貸そうと言ったが、花を持たせる気はなく全力で叩き潰すつもりだった。その再戦の際には氷室の対戦前の挙動や中盤までの戦術から無策の策と思っていたが、終盤で自分が使った吉田松陰の固有能力を見上げ入道の固有能力で1.5倍にして使われ、ランダの固有能力の物理反射によって敗北した。この際には柳生十兵衛、佐々木小次郎、吉田松陰、加藤段蔵、松尾芭蕉の日本デッキを使った。
 生徒会長に就任する際に打ち出した政策はそれまでの体育会系優遇を撤廃し部費を大幅に見直すというもの。いわば改革路線であったが、悪く言えば印象で当選したためそれをしっかりと見ている者は少ない。彼自身は改革を断行することを望んでいるが、遠坂凛との対立もあり一期では完全に決着はつけられなかったようだ。生徒会モードになると普段の寛容さとは打って変わり、鬼の生徒会長と化す。生徒会長として非常によくやっているのだが、腐れ縁じみた遠坂凛とのライバル関係が強いためその情熱の傾け方が少しおかしいことがある。
 彼の生徒会長オーラが強すぎて穂群原学園次期生徒会長選は立候補も推薦もなく、会長選のみ次学期に持ち越しという異例の事態になった。彼は卒業したら進学せずに修行に入るため、三年生で生徒会長に留任するという事態も平気であった。
 第三次聖杯戦争の再現たる四日間の中ではキャスターに対してはいちいち衛宮士郎を引き合いに出して小姑のようなことをしているらしいが、これはキャスターの言である。


柳洞寺(地名)
 深山町の外れにある円蔵山中腹に建つ、五十人からなる修行僧が生活する山寺。昔から法力の持ち主は少なかったらしく、現在でも加持祈祷や退魔祈伏は不得手。伝承にある未遠川の龍神調伏の前から開山していた。佐々木小次郎は生前にも柳洞寺を訪れたことがある。
 開基は現在の柳洞一族の祖ではなく、伝承によれば旅の僧であった柳洞の祖が未遠川の龍神を鎮めたあと既にあった柳洞寺に住んだということのようである。なおその龍神を鎮めたという伝承も、実際には戦ったのではなく口八丁で丸め込んだらしい。その後、柳洞寺の者は龍神の暇つぶしとして龍神から武道を教わっており、それは現代でも柳洞寺に伝わっている。
 長い石段を抜け山門をくぐると広い境内と立派な伽藍が見渡せる。裏の深い林の中の裏参道を行くと、林の中に深山町屈指の面積の墓地がある。そこに衛宮切嗣の墓がある。なお、そこには郊外の森を一望できる高台がある。
 柳洞零観や柳洞一成の家で、三年ほど前から葛木宗一郎が同居している。西の建物が住職一家の住居で、一番奥の離れが葛木夫妻の部屋。住職は小坊主に食わす贅沢は無いと言って一成の食事は質素にしている。
 藤村組とはつきあいがあり、住職と藤村雷画が刎頸の仲であるほか、藤村大河と柳洞零観、蛍塚ネコは同級生の友人。修行僧を抱える寺であるが実際にはなまぐさで、コペンハーゲンから酒類を大量に購入している。奉仕活動(主に清掃)をすることを条件に穂群原学園の生徒に気前よく大部屋(講堂)を貸すので、ここで合宿が開かれることもある。
 龍脈に対する要石としての役割を持ち、冬木市の心臓といえる。落ちた霊脈に建っていて、山門以外には自然霊以外を排除しようとする法術結界が働いている。
 そのうえ第五次聖杯戦争ではキャスターが作り上げた対魔術の防御結界により魔術、宝具は大幅に削減される。また山門はキャスターが召還したアサシン(佐々木小次郎)が門番となって守護している。キャスターの神殿になっていて、冬木市中から集められた魔力が流れ込んでいる。ここでならキャスターは魔法の域の魔術も使える。
 ここで暮らす人間はキャスターに人工的な令呪を組み込まれていて、キャスターが決めた“三か条”を破る者を見つけると、それを排除するためだけの人間になる。
 この地下には龍洞と呼ばれる大空洞があり、そこに大聖杯がある。裏手の池は古くから竜が棲むといわれ、柳洞寺内で最も霊的価値が高く、表向きの聖杯召還場所となっている。第一回聖杯戦争の聖杯召喚場所である。なお桜ルートの後に大陥没し、復興に数年を要したのだが、その原因はアンリ・マユの消滅ではなく遠坂凛が好き勝手に暴れたからである。
 hollowにつながるルートでは大聖杯は崩壊したものの大空洞は崩れていない。またキャスターによる防御のための仕掛けが一月ごとに増えている。


柳洞寺の住職(人名)
 柳洞零観と一成の父親で柳洞寺の住職。位は権僧正。バリバリの現役で、よく修行と称して他山に出掛ける。剛毅な人物で、よく酒宴を開く。少し金銭欲が強い。藤村雷画とは刎頸の仲。


柳洞零観(人名)
 りゅうどう れいかん。
 柳洞一成の兄。穂群原学園のOB。
 豪放磊落でさわやかな性格のガテン系。柔道で全国まで行った腕前で、警察に指導員として招かれている。その捕縛術は未遠川に鎮まった龍神から暇つぶしに柳洞寺の者に伝えられたものらしい。葛木宗一郎とはたまに組み手をしていた。
 藤村大河、蛍塚音子たちと穂群原学園の同級生で、生徒会長と現在はない応援団長を兼任していた。在学中に藤村大河に交際を申し込んだが、そのせいで藤村組の若い衆に取り囲まれてのされた。ちなみにそのときも「はっはっは」と笑っており、因縁をつけられたのが自分であることに気付いたのは大河の介抱を受けているときだったという。
 酒好きで、『悟りたければ各々かってに悟ればよい。酒を飲むときは酒を楽しまねばバチがあたる』とは彼の言。年末年始は寺のことを父と弟に任せてマウント深山商店街の自衛団の一員として新年会の準備を進めていた。なお新年会の会場は柳洞寺であり、子供たちを帰したら博打の悪の華・手本引きが開かれる。
 衛宮士郎らが2年生の年の冬木市民マラソンに商品の原付バイク狙いで参加したが、ドリンクを蒔寺楓の三倍濃縮めんつゆと間違えてリタイアした大河を連れて音子と一緒に酒を飲みに行ってしまった。
 住職がいない間、柳洞寺を任されている。


両儀(家名:月姫)
 浅神・巫浄・七夜と並ぶ退魔の一族。空の境界の世界では二重人格者の一族だが、月姫の世界の両儀は退魔の一族。大昔は両儀と七夜の仲は良かった。
 時代が下るにつれて退魔稼業は必要とされなくなっていったが、混血退治以外に使い道のある能力があったためそちらをメインにして生き残った。


両儀式(人名:空の境界)
 身長160cm。体重47kg。
 両儀(月姫における退魔の一族である両儀ではなく、空の境界における二重人格者の一族の両儀)の家系が作り上げた『根源』に繋がったもの。
 AATMではあまりに不味い料理にキレて当時店長をしていた荒耶宗蓮たちを殺害。そのため店長を引き継いだのだが、ふざけたメニューを破棄して新たにメニューを作成するなど徹底していた。
 TYPE-MOON Fes.に招待されていたが、参加を拒否した。


リライト(魔術)
 →暗示。


リルカペロー(用語:事件簿)
 魔眼蒐集列車の基幹車両。おそらくは通常の列車における機関車に相当すると思われる。
 これと魔眼を接続する事で魔眼大投射が可能となる。


凛のペンダント(用語)
 遠坂時臣が遺した強力な宝石魔術。死に瀕した人間を蘇らせるほどの魔力が篭もっていた。凛がこれを使用してランサーに襲われて死にかけていた衛宮士郎を無理やり蘇生させた。
 蘇った士郎は朦朧とした頭で近くに落ちていたこれを拾って持ち帰り、その後死ぬまで持ち続けた。その時点では少しだけ魔力が残っていた。
 凛が触媒もなしに英霊エミヤを召還できたのは、エミヤの方がこれを持っていたから。士郎を蘇生させた後に凛の元に戻ったペンダントはアーチャーが持っていたもので、桜ルートのラストに類する状況で使用したためにこちらには魔力は残っていない。



  


ルー(神霊)
 クー・フーリンの父であるケルトの光神。轟く五星(ブリューナグ)という槍を持つ。祖父である巨人族フォウォールの王にして暗黒神バロールを倒したとされる。


ルゥ・ベオウルフ(人名:魔法使いの夜)
 LUGH BEOWULF。
 1月1日生まれ。身長134cm。体重35kg。(少年の姿の状態)
 神代回帰の質はA、量はC、編成は18世紀までの系統樹。身に纏った神秘は三千年以上と推測され、現在の魔術基盤に生きる魔術師である限りベオを倒す魔術は理論上編み出すことができない。基本が狼の姿であるだけで、状況に応じて姿を変える。橋の巨人の攻撃を受け止めた際は大猿の様な姿になっていた。地球上の生物なら何にでも変身することができるらしい。
 最初に自分を負かした人が好きでうるさいものが嫌い。彼にとっての善悪の基準は格好いいか格好悪いかの二つしかない。メンタリティは子供のそれであるが、王者としてのプライドは高く、橙子がいなければ自分を無視した者はただそのためだけに殺害するほど。ロッテリャーのハンバーガーが好物。食事はするが排泄はしない。彼の『燃料』は肉食動物の命であり、それ以外は栄養摂取という点でまったく意味を持たない。ハンバーガーの選り好みにしても味というよりも噛み心地の良し悪しである。
 もともとアストラル体のようなもの(魔術的に言えば魂が物質化した高次生命体)で、状況に応じて形態を変化させることができる。しかし人間の姿を取ることは彼にとってストレスであるため、人間の姿を取らざるを得ない状況では最低限のラインとしてヒトの形で一番楽しい姿である白人の子供の姿しか取ろうとしない。変身は人間が箸を使う際に指をどう動かすか意識しないのと同じように、基本的には走ろうと思えば四足獣に、何かを捕まえようと思えば手にと無意識に変身する。勿論意識的にコントロールすることも可能。なお変身が素早く、完全な狼形態に変身できるのはルゥならではで、普通の人狼の変身はルゥより遅く、完全な狼形態になることはできない。ルゥに性別の概念はあまりなく、まず無いことであろうがもしつがいの相手を見付けたらそれに合わせて性別を決める。
 美しい黄金の狼。純血の人狼。魔獣でも幻獣でも聖獣でもない、絶滅した神代の生命。本当の魔術の天敵。北欧の人狼の一族の中に生まれた、先祖返りという言葉では表せない生粋の原種。彼の故郷はヨーロッパ深部の荒野。人狼の里に零れ落ちたのが18世紀というだけで、発生自体は大昔の二千年級の幻想種。西暦以降の魔術師にとっては天敵で、純粋な魔力勝負ならばまだ攻撃が通るが、魔術となると片っ端から無効化される。
 人狼であるが、人狼の一族から生まれたのではなく、人狼の一族が暮らす村外れの洞窟に忽然と現れたのを発見された。故郷では太陽を意味するルゥと呼ばれていた。ルゥは発見された時から今の姿であり、何十年経っても成長しなかった。金の獣性を具えたルゥはしかし、人狼たちの期待とは裏腹に何も救うことはなく、人狼たちは理解できないルゥを敬うが関わり合いになることを避けていた。またルゥもそうした閉塞した現状に不満を抱いていたが、発見された洞窟に居を構えて一人で暮らすことを余儀なくされていた。
 そうした状況に蒼崎橙子が現れ、人狼の一族と橙子の話し合いにより橙子がルゥを洞から出す権利を高額で買い取り、それまで長かった髪を使い切ってルゥと契約した。その際に橙子はルゥに対しては『最高の神秘と戦わせてやる』と約束していた。こうして故郷を出て、橙子からベオウルフと呼ばれるようになった。橙子が彼を縛る契約は彼にとってはさして強力なものではなく、少し本気を出せば簡単に噛み千切れる程度のものであるが、橙子を気に入っていることと人間社会で気ままに生きるために必要であることから橙子に従っている。
 1986年に蒼崎橙子と契約する。1988年11月頃に橙子に従って三咲市を訪れ、橙子が襲撃の準備をしている間はほとんど工房で留守番をしていた。しかしある日から橙子が妙に浮ついていたことを不審に思い、犬に化けて橙子を尾行する。そこで周瀬唯架から蜂蜜を餌付けされて甘味を覚えた。
 12月24日に容易く橋の巨人を打倒して久遠寺有珠を襲った。翌25日には橙子と青子・有珠の戦いに際して逃走した有珠と青子に再び重傷を負わせる。そこに駆け付けた静希草十郎に「犬」と罵倒され、激昂して獣化。草十郎を殺そうとするが、逆にわずか二打で心臓を破裂させられて倒されてしまった。その損傷自体はすぐに復元を終え、敗北を認めずに草十郎を改めて殺そうとしたが、自分を見下ろすあまりにも機械的で生きていないとさえ感じさせる草十郎に生まれて初めて恐怖を覚えた。その恐怖のあまり肉体は完治しているのに強い幻肢痛に襲われ、呼吸は荒くなり、獣化さえも解けてしまった。
 その後は橙子との契約が切れて、旧校舎に住み着いている。この頃には以前は好まなかった人間の姿を平常時の姿にしていた。
 1989年の秋にはすっかり街に溶け込んでおり、商店街の座敷童としてあちこちでたかっていた。また草十郎にはとても懐いている。1989年秋に久遠寺邸で催された土桔由里彦の誕生会に出席しており、屋敷の外で犬のぬいぐるみになって死亡した。なおこの時までにメイ・リデル・アーシェロットと戦い、本気を出していなかったにしろ彼女に敗北している。


ルールブレイカー(対魔術宝具)
 →破戒すべき全ての符


ルーン(用語)
 蒼崎橙子やバゼット・フラガ・マクレミッツが使う北欧の魔術系統。固有の意味を持つルーン文字を書くことでその奇跡を実現する。遠隔的にしろ『書く』ことが必要なので戦闘には向かないが、橙子は自身が戦わずに使い魔に任せるので問題はない。
 遠くから文字を重ねるという間接的な魔力の働きは直接魔力を体に張り巡らせている魔術師には通用しないので、魔術師との戦闘の際には文字を直接書き込む必要がある。
 ルーンは文字それぞれにいくつかの固有の意味を持つが、意味の特定は魔術師それぞれである。蒼崎橙子はアンサズを発火に用いたが、アンサズの最大の効用は『知らしめる』こと。他に火系だとサガズとエイワズがポピュラー。
 ルーン魔術自体は有名で、古くから活用・研究されていたものの多くは失われて久しかった。橙子は魔術協会でコレを専攻する者が少なかったために待遇の面で有利になると考えて学び、共通(フサルク)ルーン24文字の魔術的再生と神代に消えたはずの原初のルーン数文字の解析を成し遂げている。ただし前者の利権は時計塔に売り払われ、後者は橙子が封印指定を受けた際に時計塔によって厳重に秘匿された。オリジナルのルーンについてはトゥーレ協会にも存在するらしいが、こちらも死蔵したまま魔術基盤が衰退するに任せていた。コルネリウス・アルバは橙子よりも先にコレを専攻していたが、橙子の実力の前に株を奪われてしまった。
 第五次聖杯戦争におけるランサーことクー・フーリンは、白兵戦を好むためにあまり使用しないが原初の十八のルーンを修得している。
 バゼットは秘爪で刻む。


ルーン(技能)
 サーヴァントの能力。第五次聖杯戦争のランサーことクー・フーリンの技能。
 B:北欧の魔術刻印・ルーンの所持。原初の十八のルーンを持つ。


ルーン石(魔術)
 原初のルーンのレプリカ。刻まれたルーンを一千万規模にまで増幅する巨大な水晶の膜もしくはレンズのようなもので、失われていたものだが蒼崎橙子が魔術協会で復元・分生させた。


ルヴァレ(人名/死徒)
 湖の死徒。ノルウェイの霧に潜む、齢五百を超える吸血鬼。空席となった二十七祖の十位をじきに受け継ごうという大貴族。祖に準じる歴史を持つ古い死徒。親と娘と息子の三人。トラフィム・オーテンロッゼの子飼いだった。
 血を搾取した人間の数はおよそ五千、感染による被害を入れればその数倍となる。
 彼自身は愛玩目的で真祖に汲み上げられた美しいだけの人間であったため、超抜能力はない。数百年前に教会の代行者によって湖に追い込まれて死滅したものとされていたが、奇跡的な生還を果たす。以後はそれまで関心のなかった親族作りに傾倒し、死徒最大の派閥である白翼公トラフィム・オーテンロッゼの傘下に入った。
 彼自身いまだ自力で二十七祖に足るとは思っておらず、あと二百年は必要と感じていた。その二百年を埋めるために百年をかけて魔術師たちから名のある魔術礼装や概念武装を奪いに奪っていた。その成果はメレム・ソロモンすら羨むほど。
 バルトメロイが現れる三時間前に薔薇の予言が届き、その通りに三人とも殺人貴に殺された。なおその直前には息子は復讐騎エンハウンスと、娘はバルトメロイ・ローレライと交戦していた。


ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト(人名/魔術師)
 Luviagelita Edelfelt。
 リングの狩猟犬、淑女のフォークリフト。魔道の名門エーデルフェルト家のご令嬢。一族の誇りと謳われる若当主。時計塔の今期主席候補の一人。彼女の前に遠坂凛が現れるまでは優雅な物腰、気品溢れる言葉遣い、白鳥の如き美貌と非の打ち所のない人物だった。もちろんそれは猫かぶりで、負けず嫌いで潔癖症。オレンジまじりの金髪がコンプレックス。双子の妹がおり、姉妹仲は良好であるらしい。
 属性は地。フィンランド人の(間違った)嗜みとしてガンド撃ちも達人レベル。体術ではイングランドの捕縛術ランカシャースタイルを使う。プロレスは精神的な拠り所であるとともにかなりの腕前で、戦闘スタイル、精神性、考え方のどれをとっても立派なプロレス馬鹿。投げ技を主体とし、どれほど攻撃を受けようとも正面から掴みに行く。
 服装は青で統一している。そのドレスは袖がアタッチメントでノースリーブに早変わりするというもので、理由はケンカのたびにいちいち破っていたら仕立て代がもったいないから。つまりよく破いていた。
 第三次聖杯戦争が原因で遠坂家を嫌い、日本の土は踏まないと決めており、日本人は神秘を学ぶには足りない劣等人種と蔑んでいる。嫌いなものは日本人、好きなことは日本人いじめ。将来の伴侶は上流階級の宿命として貴い血を引く殿方と、と受け入れているが、本当は素朴で飾らない男性が好き。
 金持ちであるが、無駄な出費は許せない守銭奴でもある。だが貴族が貴族である為に散布するのは有意義な事としている。庶民には冷たくあたるお貴族だが、庶民あっての自分たちだと理解しているので彼らのことを強く愛している。移動には基本的に自家用のカーゴヘリかジェット機を使用しており、最低限の家具はいつも運搬させている。
 似たもの同士の遠坂凛とはライバル関係で、顔を合わせるたびに衝突の度合いは激しくなっていった。一年後には魔術協会の鉱石学科で『トオサカとエーデルフェルトがかちあう授業には出席するな』という暗黙の了解ができたほど。十数年間かぶってきた化けの皮を剥がされて不機嫌ではあるが、凛との日々は充実している。
 一目見ただけでイリヤスフィール・フォン・アインツベルンをホムンクルスで看破するなど、魔術師としての実力は本物。でありながら馬鹿っぽいので、イリヤスフィールは彼女と遠坂凛を血のつながっていない姉妹ではないかと評した。
 剥離城アドラの事件の翌年(2004年)から時計塔に通う予定でいた。フラット・エスカルドスとは時計塔で顔を合わせる前からの旧知。
 第五次聖杯戦争の直前の9月に招かれて剥離城アドラを訪れる。与えられた天使名はMichael。ロード・エルメロイU世が部屋を間違えたことをきっかけに協力関係を結び、少しずつ距離が縮まってゆく。自分を雇うよう持ちかけたフリューガーに対してはその試験として魔弾を浴びせて実力を計った。その後、フリューガーにはロード・エルメロイU世が無能であることを証明し業界的に抹殺するよう依頼した。
 フリューガーに結界を解かせて剥離城アドラの基礎術式がある隠し部屋を探し出し、ハイネ・イスタリの死体が発見された日にはそこを起点に剥離城アドラの工房としての機能を丸ごと奪い取ろうとした。この試みは途中まではうまくいくかに見えたが、剥離城アドラの防衛機構である闇の結界に取り込まれてしまう。この時はロード・エルメロイU世が咄嗟に張った結界に守られたが、闇の結界が圧力を増すと冷静さを失いガンドと魔弾を乱射して強引に脱出を図る。ただしそれはうまくいかず、ロード・エルメロイU世が魔術回路を接続して彼女を導き、魔力を流動させて強大な魔弾を撃つことで脱出に成功した。脱出後にロード・エルメロイU世に彼の死であるケイネス・エルメロイ・アーチボルトが死んだ時にどう思ったかを訊ね、その答えを聞いてロード・エルメロイU世に自分の指導役になることを命じた。
 双貌塔イゼルマの事件の後で正式な入学の前の見学として教義の時計塔にあるロード・エルメロイU世の私室を訪れ、双貌塔の事件のあらましを聞いた。
 時計塔に入門した後、まずは全体基礎学部で5年ほど学んでから移籍するという慣例を破ってすぐに三つの学部に志望届を提出した。
 hollowにおける200X年8月8日に魔術協会のノーリッジ学生寮の最上階の二十八部屋をすべて使用したいと申し出たが、遠坂凛が入寮を申し込んだことでできなくなった。その直後に遠坂凛が持っていたロードからの推薦文を破り捨てて大喧嘩に発展し、受付が崩壊。二人とも入寮どころか立ち入り禁止になった。で、寄宿舎は狭いとの理由で洋館を買い取って住んでいる。
 ゼルレッチの宝箱の中から藤村組に電話をかけたときにつながった三年後の並行世界では、もとの時間の一年後に決死の思いで書き綴った会心の作を遠坂凛に預け、遠坂凛に悪意はなかったのだが、ロンドン塔から飛び降りた挙句に七月のメアリというあだ名をつけられた。そのときに衛宮士郎と知り合った(知り合う?)ようだ。士郎を呼ぶときは『シェロ』と呼ぶ。
 unlimited codesではマスターでもないのに第五次聖杯戦争に乱入し、バーサーカーを投げ、彼女の目的は聖杯ではなく、遠坂より優れた戦績を残して遠坂凛を直接倒すことで遠坂に遅れを取った先代党首の雪辱を果たすことだった。
 『狙われたアーネンエルベ』では、アーネンエルベの向かいに一晩のうちにメイド喫茶アーネンエノレベを建て、のみならずランサーにアーネンエルベの買収を持ちかけた。
 サイドビジネスとして始めようとしたホテルの建設は予定地の地盤沈下によって計画段階で頓挫、キャビアの先物取引には失敗、遠坂凛に因縁を吹っかけられたことで魔術協会から小言を言われ、お気に入りのコーヒーカップは割れ、トーストがバターを塗った面を下に落ちるといったことを呪いの兆候と考えていた。それで悩んでいる時にカレン・オルテンシアにキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグが作った『あらゆる呪いを解く魔術礼装』の存在を教えられ、その獲得に動く。
 アーネンエルベの向かいにアーネンエノレベを作り、客を奪うことでアーネンエルベを乗っ取ろうと計画する。アーネンエノレベに潜入しギルガメッシュに捕縛されたランサーに、出会い頭にいきなりバックドロップを見舞って気絶させた。しかし店をほっぽっていたため客が悉くアーネンエルベに流れてしまったため、自分も客としてアーネンエルベに入って『あらゆる呪いを解く魔術礼装』を探す。そこでひびきから礼装の所在を聞き出すためメニューに駄目出しをしまくることで精神的優位に立とうとするが、注文したカフェラテとブルーベリーのパイの美味しさに感動してしまいその作戦を放棄。アーネンエルベを廃墟に変えてから礼装を探そうとするが、そこにケータイさんが自ら現れたこととランサーによって無力化されたため、その計画は実行されなかった。
 それからしばらくは気絶していたが、騒動の後で呪いはそもそも存在しなかったと悟り、日本を離れロンドンに戻る。その時にひびきと千鍵に自分に仕えたくなったらロンドンに来るよう言い残した。


ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトの妹(人名/魔術師)
 ルヴィアゼリッタと違って大人しい性質で、ルヴィアゼリッタが時計塔に入学を決めた2003年にも故郷に引っ込んだままだった。姉妹仲は良好らしい。


ル・シアン(俗称)
 →スヴィン・グラシュエート


ルネ・デカルト(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の頃の文化祭の2年A組の出し物の一つ、最強偉人にラインナップされた。
 必殺技は『我思う故に我あり(コギト・エルゴ・スム)』。これは『自分が思考している以上自分は存在する』という真理により、思考した地点であればいかなる空間、時間にでも自分を存在させることができる能力。


ルノー・メガーヌ(用語:氷室の天地)
 冬木市長の氷室が所有する自動車。
 フランスのルノー社が製造する小型乗用車。同社を代表する小型前輪駆動車であり、現行型は二代目。二代ともにパトリック・ル・ケモンがデザインを担当した。
 初代は1995年にルノー・19の代替として1400ccから2000ccのエンジンを搭載し登場。それまでのルノー車とは一線を画したデザインと豊富なボディバリエーションをセールスポイントとした。1999年に行われたマイナーチェンジでは、ドイツのコーチビルダー、カルマン社が架装を手掛けたカブリオレとトルコ工場製の5ドアワゴンが追加された。
 日本仕様ではクーペ(普及版2.0は右、高性能16Vは左ハンドル。後年16Vのみの輸入となる)と5ドア、セニックが導入され、マイナーチェンジ後にはクーペに替わりカブリオレが導入された。全幅は本国仕様では1699mmであったが、日本ではサイドウインカーも全幅に含める関係で1700mmを僅かに超え、ごく初期の5ナンバー登録車を除き3ナンバー登録となった。
 2002年に生産終了。
 現行モデルの二代目は2002年にデビューし、日本市場には2003年から導入された。鋭角的な独特のデザインが特徴。このモデルも豊富なバリエーション展開を行っている。
 ヨーロッパの自動車衝突安全性テスト「ユーロNCAP」において最高の5つ星の評価を得るなど、デザインだけでなく高い安全性と実用性、信頼性がヨーロッパで高い評価を受けており、ヨーロッパ市場における同クラスのベストセラーである。
 日本市場においては3ドアハッチバック(ルノー・スポールのみ)、5ドアハッチバック、4ドアワゴン、クーペ・カブリオレ、グラン・セニックの5タイプのボディが用意されている。ルノー・スポール以外は1.6Lまたは 2.0Lのガソリンエンジンを搭載する。変速機は5速および6速のマニュアル・トランスミッションと4速のマニュアルモードつきオートマチックが用意されており、いずれも右ハンドルが用意されている。


るぶぶ(用語:まほうつかいの箱)
 旅行雑誌と思われる。



  


レアンドラ(人名:事件簿)
 魔眼蒐集列車の魔眼オークショナー。両目を革のベルトのようなもので覆っている。ロダンに対して敬語を使いロダン卿と呼んでいるため、立場はロダンより下と思われる。


礼園女学院(地名)
 久遠寺有珠が通う女学園。


霊核(用語)
 英霊が現界する際の核。まず霊核を得て、それが魔力でできた肉体を纏うことで実体化する。
 大きな魔力を消費したり、魔力で構成された肉体を損傷することで次第に弱体化していき、その状態でさらに魔力を消費したり強力な魔力や呪い、宝具などによるダメージを受けると霊核が破壊されて現界できなくなる。
 心臓と首が霊核に直結した部位であり、ここに受けたダメージは霊核を大きく弱体化させるため、心臓と首は英霊の弱点とされる。


霊器盤(用語:Zero)
 聖杯戦争の監督役が持つ魔導器。召喚されたサーヴァントの属性を表示する機能がある。


霊糸(用語:魔法使いの夜)
 周瀬唯架が重篤な傷を負った蒼崎青子を縫合するために使った糸。


霊子(用語)
 詳細不明。
 ヘルメスが人間を賢者の石に変換する時はまず人間を霊子に変換するのだが、その霊子は血液とされている。この血液がただの液体としての血液を指すのかは不明。


霊子演算機(用語:MBAA)
 →ヘルメス


霊子ハッカー(用語)
 エルトナムの錬金術師の通称。エーテライトにより他人の脳髄から強制的に情報を引き出すためこう呼ばれる。


令呪(用語)
 コマンドスペルとも。サーヴァントを召還した際にマスターの体の一部に現れる印。大聖杯によってもたらされた聖痕がサーヴァントを召還することで変化したマスターの証。色は赤もしくは黒。
 マキリが作り出した、人の手には到底負えないサーヴァントを律する道具。3回までのサーヴァントに対する絶対命令権がある。術者によって形が違う3画の図形。魔術回路と一体化しているが魔術回路とは別系統の魔術であり、魔術回路がなくても行使できる。令呪の形状は魔術回路の特性によって決定され(例外もある)、一度決まった形状は他のマスターに奪われるなどしても変わることはない。
 第一次聖杯戦争の時には存在しなかったため、サーヴァントがマスターに従わないことがあった。その失敗を踏まえ、第二次聖杯戦争から導入された。
 もともとはサーヴァントの能力以上の奇跡を起こすためのもの。よって肉体の限界を超えることであっても、マスターとサーヴァントの魔力が届く範囲内ならば実行可能にする大魔術の結晶。そのため、確固たる内容の単一の命令はほぼ絶対に実行させることができる。だが曖昧で効果が広く長いものでは効き目が弱くなり、強制は長く続くものの苦痛が小さくなるために逆らえるサーヴァントも出てくる。マスターが自分の意志で使わなくても、令呪を以ってしか不可能な命令を下した場合には自動的に消費される。
 だが治療スキルを持たないサーヴァントが瀕死の傷を負ったときに『一瞬で傷を完治しろ』と令呪を用いて命令した場合はとりあえず傷を魔力の糸で縛って『とりあえず動く』状態にして活動させることになる。これも令呪の効力が尽きた途端に使用前以上のダメージがかかるうえ、治療されるわけでもないので活動中は痛みもあり、能力も低下する。いわば一時的なゾンビ状態となる。このように令呪であってもどんな命令でも実行させられるというわけではない。
 令呪で移動を命じた場合、因果律を崩壊させる一歩手前の極限速度である、光速の数%に及ぶ瞬時のうちに移動が完了する。
 これを失う(3回分を使い切る)とサーヴァントを従えることができなくなる。ただしそれは契約が切れるだけであり、関係が良好ならば問題ない。契約を強制的に断ち切られると残りの数にかかわらずすべて消滅する(あるいは効力を失うだけか)。なおサーヴァントを失った場合には令呪は消えないが、マスターの資格を失うと消える。(※セイバーが黒い影に飲まれても衛宮士郎の令呪が消えなかったのは、セイバーが消えたのではなく現界したまま黒化したためと思われる。この場合には令呪は消えなかったが、その色が失せてただの痣のようになった。)
 たとえサーヴァントを失っても、聖杯戦争が終結しようとも令呪は使い切るまで残る。また、令呪の移植はマスターかサーヴァントでなければ不可能。
 本来は段階を踏んで少しずつ浮かび上がるため違和感程度しか感じないが、一気に浮かび上がると焼き鏝を当てられたような激痛を伴う。令呪を宿す現象は奇跡であっても、顕現した後の刻印自体は消費型フィジカル・エンチャントの一種に過ぎない。よって魔術回路を引き抜くことや心霊手術といった呪的手段によって移植や譲渡が可能。また所有者の死後も令呪は死体に残り、然るべき手段によって抜き出すことができる。サーヴァントに対する強制や強化ではなく単なる魔力の塊としての使用もでき、人間でも令呪を10画近く消費すれば英霊にダメージを与えることができる。
 使用されずに消えた令呪は聖杯の元に還り、仮にマスターを失ったサーヴァントが出た場合に回収した未使用の令呪を新たな契約者候補に再配布する。しかし聖杯に選ばれる適格者がざらにいるはずはなく、結局は新たなマスターを探すにしても以前にマスターとして見込んだ人間を優先的に選ぶ傾向がある。これにも例外があり、第四次聖杯戦争における言峰綺礼はマスターを失ったサーヴァントがいないにもかかわらず、彼が使用しなかった二画の令呪が再配布された。
 そして最終的に未使用のまま残った令呪は全て監督役の手に委ねられる。これは監督役の自由に行使でき、汎用性の高い無属性の魔力を練りだすことに転用することも、通常の身体強化や簡易的な魔術刻印のように使用することも、令呪として他者に移譲することも可能。
 通常の令呪と異なり監督役の預託令呪は聖言によって保護されており、本人の許諾なしに魔術によって抜き取ることは不可能。その聖言とはヨハネ福音書4章24節である。言峰綺礼は第四次聖杯戦争中にケイネス・エルメロイ・アーチボルトに殺害された言峰璃正の死体から預託令呪を引き継いだ。
 第五回聖杯戦争の聖杯であり最強のマスターであるイリヤスフィール・フォン・アインツベルンは、その令呪も特別。


礼装(武装)
 ミスティックコード。魔術師が身につける魔術行使をサポートする武装。
 大きく二系統があり、術者の魔力を増幅、補充し、魔術そのものを強化する予備燃料である増幅機能と、術者の魔力を燃料にして起動し、定められた神秘を実行する限定機能がある。前者は補助礼装とされ、魔術師ならば一つは保有する。後者は応用は利かないがその効果は絶大で、サーヴァントの宝具も大部分は後者に属する。


霊体(用語)
 肉体を具えない存在。魂。
 これの蘇生、復元は魔術では扱えない神秘。
 肉体に霊体をつなげること(異なる霊体同士の接合)は必ず失敗するので禁呪とされる。つなげるだけならばできないこともないようだが、形だけ成功したあとでショック死するらしい。衛宮士郎と第五回聖杯戦争におけるアーチャーは同一の存在であるために助からないことはないが、封印のための聖骸布を解いたり腕の魔術回路を使用したりすると衛宮士郎が英霊であるエミヤの腕に侵食され、自滅する。この場合は使用するたびに寿命が縮むのではなく、自滅までの時限爆弾のスイッチが入る。


霊地(用語)
 地脈が集合する土地のこと。
 膨大なマナが集合する土地であり、重要なものは魔術協会が派遣した管理者により管理されるほか、柳洞寺のように土着の宗教施設がおかれている場合もある。


霊的感覚を強化すると思しき加工魔眼(用語/魔術:事件簿)
 イヴェット・L・レーマンが魔眼蒐集列車で用いていた、宝石で模造した加工魔眼。霊的感覚を強化する霊石であるアイオライトで作られているが、魔眼としての効果は不明。アインナッシュの仔の中で霊脈を捜索する際に使った。


例の所(用語:まほうつかいの箱)
 とある電話会社。おそらくやわらか銀行。犬派なのでネコアルクの就職先としては相応しくないとして却下された。


霊媒医師(用語)
 霊体を繕うことで肉体を癒す特殊な魔術師。これは未開の地で使われる外法、呪術で、魔術協会、聖堂教会にも言峰綺礼ほどの使い手は数えるほどしかいない。


霊脈(用語)
 →地脈


黎明(地名:魔法使いの夜)
 蒼崎青子のお気に入りの喫茶店。三咲市のおそらく三咲町にあると思われる。


レーマン(家名/魔術師:事件簿)
 イヴェット・L・レーマンの家系。
 魔眼の大家。宝石を用いて魔眼を模造する魔術の持ち主で、限定的ながらノウブルカラーさえ再現できるといわれる。そのため、魔眼蒐集列車の魔眼オークションの常連である。


レーマンの加工魔眼(用語/魔術:事件簿)
 レーマン家が作る魔眼を模造したもの。宝石を用いて魔眼を模造したもので、限定的ながらノウブルカラーさえ再現できる。感情視と炎焼が確認されている。


レール・ツェッペリン(用語/魔術:魔法使いの夜)
 →魔眼収集列車


レオーネ・アバッキオのような人物(人名:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生のときの体育祭の翌日、jonafulにいた客。お茶を飲んでいるが、この時は一人の様子。


レオ3世(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の頃の文化祭の2年A組の出し物の一つ、最強偉人にラインナップされた。
 ギリシャ語ではレオーン三世といい、東ローマ帝国イサウリア朝初代皇帝。
 必殺技は『ギリシャ火』。
 ビジュアルは女性化されている。


レジーナ(人名:事件簿)
 エステラ・バリュエレータ・イゼルマ付きのメイド。三つ子の真中の妹で、ディアドラ・バリュエレータ・イゼルマ付きのカリーナの他に故郷に妹がいる。カリーナとある程度は感情と意思を伝達する事が出来る。
 カリーナが黄金姫になってライネス・エルメロイ・アーチゾルテを訪れた時、レジーナはカリーナの振りをしていた。アトラム・ガリアスタの襲撃に際しては、蒼崎橙子に対して『黄金姫の美貌の正体を教える』という条件でエルメロイ教室の排除を依頼した。
 事件の後はバイロン、エステラ、イスロー・セブナンとともに時計塔によって取り調べられている。


レフ・ウヴァル(人名/魔術師:2015年の時計塔)
 時計塔の考古学部に属する魔術師。フラロウスの人格の一つ。アーリア系人種、ドイツ国籍の背が高い男性。2014年の時点で40代。
 徹底した研究魔術師で、過去の魔術体系の解読=過去に通用した魔術体系を現代でも通用するように再定義することに心血を注いでいる。この研究には自分の一生を費やしても絶対に時間が足りないと理解していながらも、他人や子孫にその研究を任せることを良しとせずすべて自分で行わんとしている。20歳で祭位に到達した神童として脚光を浴びたが、その後20年間はロクスロートカレッジに籠って自分の研究を進めてきた。
 蒼崎姉妹と会ったことがあり、自分に類似した精神性と高い技術を持つ蒼崎橙子に恋愛感情ではないにしろ親近感を抱いている。対して未来を志向する青子を毛嫌いしている。
 2014年の夏にフラロウスからの手紙を受け取ってロクスロートを訪れた青子と会い、青子に食事代を融通した。


レプリカントコーディネイター(用語)
 ワラキアの夜の技の一つ。魔力をもって悪性情報から悪質なコピーを捏造して操るもの。


レプリカントコンダクター(用語)
 吸血鬼シオンの技の一つ。魔力をもって悪性情報から悪質なコピーを捏造して操るもの。


レン(人名/使い魔)
 9月9日生まれ。身長132p。体重33s。B63 W48 H61。
 猫の死骸に少女の死霊を降ろして作られた夢魔。心象世界は真夏の雪原。
 精神干渉に特化した使い魔。その優秀さはロアをして『優れた術式でくくられた夢魔』と言わしめるほどで、アルクェイドほどの魔力量があれば頭だけになっても復元できる。
 八百年前、アルクェイド・ブリュンスタッドが初代アインナッシュを倒したときに協力を頼んだ魔術師が作り、協力の代償にアルクェイドが預かっていた。とても長い期間生きており、すでに魔として独立できるほどの実力を持っているが、依然として使い魔のままでいる。しかし、そのために生半可な魔術師と契約すると逆に魔術師を食ってしまう。
 普段は黒猫の姿だが人間の形をとることもできる。そのときの姿は黒い服を着た10歳くらいの少女。ちょっと甘さ控えめなケーキが大好物。風呂嫌いだが温泉は別。
 受肉した自然霊のアルクェイドとは契約できずに死にかけていたが、歌月十夜では遠野志貴と契約する。MELTY BLOODでは志貴と契約こそしていないがかなり親しい様子。MELTY BLOODではアルクェイドを契約上の主人、志貴を自分が選んであげた主人と区別しており、普段は黒猫の姿でアルクェイドのそばにいる。住処は遠野の屋敷とアルクェイドの部屋。
 滅多に喋ることはないが、発声器官はあるし人語を理解してもいる。言葉を持っていないのではなく使わないだけ。
 喋らないので性格をつかみにくいが、基本的に一人で静かに過ごすタイプ。その中に猫特有の気位の高さと移り気、唐突に甘えてくる突拍子の無さをもっている。動物的ではあるが、もとが少女の魂なのでちゃんと物事を考えている。


錬金術(魔術)
 万物、物質の流転を共通のテーマとする学問。
 時計塔でも錬金術を扱っているが、こちらは中世に西洋に流入した系統の錬金術であり、物質の変換を扱う。こちらの方がアトラス院の錬金術よりもよく知られている。時計塔の錬金術師は西洋魔術と融合することにより、アインツベルンのホムンクルスのような成果を生み出した。
 プラハの協会でも研究している。


錬金術(魔術)
 万物、物質の流転を共通のテーマとする学問。
 アトラス院では事象の変換を研究しており、この錬金術は西洋魔術に傾倒した錬金術とは別物。
 アトラス院の錬金術は源流である古代エジプトの冶金術を高度に発展させたものであり、時計塔の魔術師たちの錬金術のような西洋魔術の影響はほとんど受けていない。そのためより原義に近いもので、西洋魔術と融合した錬金術の『物質の変換』ではなく『事象の変換』を目的としている。アトラスの錬金術師にとって卑金属から貴金属を生み出すことなど理想から遥かに遠い稚拙な技術に過ぎない。


連続殺人事件(用語:事件簿)
 2003年11月から見て7年前に発生した連続殺人事件。多くの魔眼憑きが殺され、その首が全て持ち去られていたというもので、法政科によって情報統制が敷かれていたため一般社会での報道はされていない。この操作には魔術協会のほか聖堂教会の介入もあり、捜査官としてカラボー・フランプトンが派遣されていた。
 アニムスフィアが外部の協力者に第四次聖杯戦争の調査を依頼したために発生した事件で、依頼者のマリスビリー・アニムスフィアも手段までは知らされていなかったと思われる。その外部の協力者がカラボー・フランプトンを操って連続殺人を行わせ、頭部ごと持ち去った魔眼を用いて調査を行っていた。操られていたカラボーはこの事件の犯人が自分であるとは知らなかった。
 2003年11月の魔眼蒐集列車の事件を通して黒幕と実行犯が判明したが、ドクター・ハートレスが元学部長であるが現在は時計塔に籍を置いていない事と、実行犯のカラボーが聖堂教会から派遣された捜査官であった事から不問に付された。


連続通り魔殺人事件(用語:月姫)
 ミハイル・ロア・バルダムヨォンによる連続通り魔殺人のこと。被害者は決まって若い女性で、体液が吸い取られている。10月20日の時点で被害者は9人。
 もっとも発見された被害者だけがロアの被害者ではなく、むしろ発見されたのは死者にならなかったごく一部に過ぎない。



  


ロア(人名/死徒)
 死徒二十七祖の番外位、転生無限者ミハイル・ロア・バルダムヨォンのこと。アカシャの蛇。


老婆(人名:魔法使いの夜)
 静希草十郎がホームヘルパーのアルバイトをした独居老人。
 アルバイトの最初にその月だけという約束で料金の10万円は全額支払ったのだが、その後すぐに草十郎を孫と同一視するようになり、別れ際にこの金で孫のように振る舞ってくれと大金を渡すようになった。老婆は善意や愛情を信じられなくなっており、金銭だけを信じるようになっていた。だからこそその金で孫の代わりの草十郎を繋ぎとめようとしていたのだ。ただ、この老婆にはもともと孫はいない。


ロー・アイアス(結界宝具)
 熾天覆う七つの円環。ギリシャ神話における一大戦争、トロイア戦争で使用された英雄アイアスの盾。英霊エミヤが唯一得意とする防御用の兵装。
 青銅の盾に牛皮を七枚重ねたもので、何人たりとも防げなかったというギリシャの大英雄ヘクトールの投槍を防いだ(この折、六枚の牛皮を貫かれたが七枚目で防ぎきった)。以後、投擲兵器に対する絶対の防御力を誇る概念武装として広まり、存在を昇華した。
 七枚の花弁の如き守りはその一枚一枚が古代の城壁に匹敵する。
 英霊エミヤが投影した場合は花弁が七枚だが、衛宮士郎が投影した場合は花弁が四枚である。


ローズアイ(用語:事件簿)
 霊質回帰型レンズ・ローズアイ。魔眼大投射に関連するもの。


ローズマリー・ブラウン(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の頃の文化祭の2年A組の出し物の一つ、最強偉人にラインナップされた。
 死んだ作曲家に口述筆記で新作を託されていると主張した霊媒師。
 必殺技は『霊媒ピアニスト』。


ロード(用語)
 貴族、または君主を意味する。
 魔術協会、というか時計塔における支配階級のこと。
 狭義のロード(貴族)はバルトメロイ、バリュエレータ、トランベリオの三家の事で、さらにその親族が20家ほど存在し、これらの家系は表の社会でも名の知れた名門である。貴族家の歴史は最短で500年、最長では2000年を超える。狭義のロードは時計塔の君主制度が固まる前からの慣例的なものであるが、非常に強い権威を持っている。
 広義のロード(君主)は時計塔の12学部のトップを意味する。こちらは僅か三代の歴史しかなく魔術の腕も凡庸なロード・エルメロイU世が就任できるなど、君主と言いながらも役職的な面も強い。君主の中には飛び切りの例外がいるが、ロード・エルメロイU世は君主の中でも最も若い者の一人。
 広義・狭義を含め、バルトメロイ、エルメロイ、ガイウスリンク、トランベリオ、バリュエレータ、エーデルフェルト、メルアステア、ブリシサン、ジグマリエ、ソロネア等が存在する。大まかに貴族主義のバルトメロイ派、民主主義のトランベリオ派、中立のメルアステア派の三つの派閥に別れている。


ロード・エルメロイ(俗称)
 →ケイネス・アーチボルト・エルメロイ。


ロード・エルメロイU世(人名・俗称/魔術師)
 Load El-Melloi U。
 本名ウェイバー・ベルベット。プロフェッサー・カリスマ、マスター・V、グレートビッグベン☆ロンドンスター、女生徒が選ぶ時計塔で一番抱かれたい男……などなど、様々な異名を持つ時計塔の名物講師。冬木市の聖杯戦争を解体した男。ロード・エルメロイU世となってからは何者にも本名で呼ぶことを許していない(ただしメルヴィン・ウェインズは頑なに本名で呼び続けている)。
 ベルベット家の歴史が浅く、魔術刻印を形成するに至っていないため魔術刻印は持っていない。魔術師としての階梯は第四階位である祭位。寝起きが悪い。魔女術に用いる薬液を充填した試験管を携行している。簡易な魔術を付与した使い捨ての魔術礼装である葉巻を愛飲している。男性にしてはかなり長く髪を伸ばしているが、これは一般には女性魔術師がするように髪に魔力を貯めて切り札にしているため。
 いつも不機嫌そうな顔をしており、実際に不機嫌。弟子たちへの悪態は尽きないが非常に面倒見がよく、「デレ期のないツンデレ先生」と言われている。遠坂凛は時計塔でエルメロイ教室に入らざるを得なくなり、半年間はその悪態指導にうんざりしていたが、そのうちエルメロイU世は超生真面目で実力主義者で厭世家で正義の人なだけだと気付く。
 現代魔術学部の君主だが、他の様々な学部でも助っ人のように講義をやらされているため、エルメロイ教室は現代魔術学部に留まらない影響力を持っている。エルメロイ学派はバルトメロイ派に属しているが、ロード・エルメロイU世自身のスタンスはバルトメロイの保守にもトランベリオの革新にも偏っていない。
 階位は祭位であるが、これは教え子の能力が評価されたためであり、個人の能力だけを評価するならば開位のかなり下の方になる。しかしながら君主でありながら生徒の評価を含めてなんとか祭位というのは前代未聞である。蒼崎橙子の評価では魔術師としては凡庸、研究者としては一流、他人の魔術を見極めることに関しては超一流。講師としての手腕はずば抜けており、他人の埋もれた才能を見抜いて育てることにかけては時計塔随一の人物。当初は『彼の生徒になって王冠(グランド)の階位を得なかった魔術師はいない』とされていたが、Fate/strange Fake刊行に合わせて『彼の教室を卒業して10年以内に典位以上の階位を取得しなかった者はいない。うち数名は王冠の称号を手に入れるのではないかと噂されている』に変更されている。
 他人をプロデュースすることに関しては当代一の傑物だが、彼にとってはそんなことはどうでもよく、本人は魔術師として大成することを諦めていない。なので講師として大人気の自分には全く興味がなく、それどころかその事実にイライラしているため、ここ数年は常に不機嫌そうに院内を歩いている。彼が教え子たちを集めれば時計塔の勢力図が変わるとまで言われているが、彼にそんな野心などなく、「笑い話にもならん。いまだ四階級どまりのこの私が、何で他人の面倒を見てやらなきゃいかんのだ」という感じで教え子たちとは関わりたくもないらしい。長く生徒の面倒を見ていたくないため、一定の水準に達した生徒は基本的に卒業させている。
 エルメロイ家が所有する集合住宅に住んでおり、家賃も納めている。その部屋は凄まじいまでに散らかり放題。しかし仕事場である学術棟の部屋は家庭用ゲーム機が置かれている他はきちんと整理整頓されている。征服王イスカンダルの聖遺物は全体基礎学部の校舎に設けられた君主の私室に保管している。
 魔術師見習いだった頃の彼は絵に描いたような『自分を天才と疑わないナルシスト』だったのだが、第四次聖杯戦争をきっかけに改心し、以後彼なりに努力を重ねた結果プロフェッサーなどと呼ばれるまでになった。
 ロード・エルメロイU世というのは本名ではなく、数々の異名同様不本意にも襲名したものである。もともとはロンドンにおけるロードの一人、ケイネス・アーチボルト・エルメロイ門派の魔術師見習いだった彼は、ケイネス卿の死後いろいろあって没落しかけたエルメロイ派(アーチボルト家)の復興に尽力した。事が落ち着いたあと、『アーチボルトを持ち直した男』『新なるエルメロイ』としてエルメロイU世などと呼ばれることになった。無論正式なエルメロイの跡継ぎは彼ではなく、エルメロイの分家のライネス・エルメロイ・アーチゾルテである。彼女はアーチボルト家を立て直した功績と、もとを正せばお前が悪いんだから一生私に仕えよ、ということで彼にエルメロイU世という名を与えて縛りつけた。
 剥離城アドラの事件のおよそ二か月前(7月頃か)にグレイを引き取って内弟子とした。しかしグレイの顔が師であるケイネスを殺したアーサー王(アルトリア・ペンドラゴン)に生き写しであるため、彼女の顔を見たがらず、常にフードを被らせている。
 第五次聖杯戦争に(おそらくは征服王イスカンダルを召喚して)自ら参加するつもりで2枠ある魔術協会枠に志願したが、ガリアスタと封印指定局で埋まっておりエルメロイU世の志願は却下された。
 ライネス・エルメロイ・アーチゾルテが手を挙げた剥離城アドラの件では、第五次聖杯戦争の直前(第五次聖杯戦争が2004年の1月なので2003年と思われる)の9月にライネスに代わってグレイを連れて参加した。これは魔術刻印の修復師として名高いアッシュボーンの遺産を使って損傷したエルメロイ家の魔術刻印を修復するため。この目的のため、オルロック・シザームンドと同盟を結ぶ。与えられた天使名はMihael。
 グレイが部屋に振られた天使名を見間違えたことでルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトの部屋に闖入してしまい、それを機に彼女と知り合うが他者の魔術を暴くという性質のため敵対視される。ルヴィアゼリッタが剥離城アドラの工房としての機能を奪い取ろうと試みて防衛機構が発動した際には咄嗟に結界を張ってグレイとルヴィアゼリッタを闇の結界から守った。闇の結界からの脱出の際にはルヴィアゼリッタに自身の魔術回路を接続し、彼女を導いて魔力を流動させ、強大な魔弾を撃たせて脱出を成功させた。
 グレイが時任次郎坊清玄とアッシュボーンの獣を倒した後、瀕死のアッシュボーンの獣から精神に干渉する呪い(『二流のお前は栄誉を受ける事はない』という旨を言い聞かせるもの)を受けたが、既に栄誉は受けているとしてこれを打ち払った。
 ライネスが黄金姫と白銀姫のお披露目のために双貌塔イゼルマに向かった際にはライネスが黄金姫から亡命を持ちかけられた件の連絡を受けて駆け付け、黄金姫とカリーナ殺しの事件をロードとして預かった。さすがに状況からライネスが二人を殺したという疑いが濃厚だったためバイロン・バリュエレータ・イゼルマはこれを渋るが、黄金姫の術式を解体してみせることで強引に承諾させた。その後状況を検討し、エステラ・バリュエレータ・イゼルマが双貌塔を去ろうとしていたイノライ・バリュエレータ・アトロホルムを詰問している場に割って入った。双方を止めるためアトラム・ガリアスタの襲撃をやめさせることを提案し、ライネス、マイオ・ブリシサン・クライネルス、イスロー・セブナンの協力を得てエステラの体に黄金姫を投影する事に成功する。この投影を実施したのはライネスだが、術式を構築したのはロード・エルメロイU世である。これによって発動しかけていた『最果てにて輝ける槍』が停止し、それに興味を示しつつあった蒼崎橙子の匣の魔物も引っ込んだばかりか、ガリアスタの天候魔術までも霧散し、蒼崎橙子も2〜3時間は開位レベルの魔術しか使えない状況にせしめた。この投影はロード・バリュエレータに『ある種の不可能を可能にしたという意味で』魔法と評された。
 その後、アトラムが求める聖遺物の所在についての推理が当たっていたらスヴィンを返還し、外れていたら征服王イスカンダルの聖遺物を譲渡するという条件をアトラムに呑ませてディアドラの死からの一連の事件を解き明かす。これによりディアドラの死は殺人ではなく魔術を研究する上でのありふれた死であったこと、カリーナがバイロン・バリュエレータ・イゼルマの依頼を受けた蒼崎橙子の手で黄金姫の姿に整形されていた事、カリーナを殺したのがマイオである事などが解き明かされた。この推理の開陳に先立つ黄金姫の投影は、蒼崎橙子がシンデレラよろしくカリーナを一時的に黄金姫に仕立てた事に対する回答でもあった。一連の事件の解体の後にマイオによって引き起こされた橙子の魔物との戦いでは全体の指揮を担当し、魔物にその出入り口である橙子の鞄を叩き込むという機転を見せた。
 後日、ルヴィアゼリッタとの会談の席でバイロンにアトラムと競り合ったオークション近辺の出来事についての記憶がない事、その莫大な資金の出所も不明である事、黄金姫の術式が『偶然』完成した事の不自然さから、ロード・エルメロイU世は背後に法政科の作為があったのではないかと仄めかしている。その後、フラットが解析していたアトラムの原始電池を理論化し、適性があると見込んだカウレス・フォルベッジに与えている。
 2003年11月末に秘蔵していた征服王イスカンダルの聖遺物を何者かに盗まれ、代わりに置かれていた招待状に応じる形でグレイとカウレス・フォルヴェッジを連れて魔眼蒐集列車レール・ツェッペリンに赴く。
 魔眼蒐集列車に乗り込んでから二日目の夕方にトリシャ・フェローズの首なし死体が発見された際にはカラボー・フランプトンとともに検視を請け負った。その後ヘファイスティオンが現れた際にはその戦車の突撃に伴う電撃を髪に貯めた魔力によって増幅した原始電池の制御術式を使って逃がしたため命こそ助かったが、重傷を負い意識不明となる。その後しばらくは治療を受けながら眠り続けていたが、化野菱理がトリシャの殺人と7年前の連続殺人事件の犯人であると断定して幕引きを図っている所に駆け付け、カラボーの魔眼に過去を再現する事が可能であるか、可能であるとしても他の魔術師に出来ないとは限らない、カラボーには犯行の理由がない、の三点を突きつけて制止する。
 カラボーとの会見時に同伴していたグレイがトリシャが卑猥な物を持っていたという証言を得て、それが魔眼対策ではあるものの魔眼殺しほどの安定性は無い物であるため別の使い方があるのだと思い至り、事件の黒幕が自分の敵であると判断した。その後はオルガマリー・アースミレイト・アニムスフィアを説得し協力を取り付ける。魔眼オークションではメルヴィン・ウェインズの協力を得て泡影の魔眼のオークションを長引かせ、メルヴィンが遥かに予算を超過した五億ドルで落札する寸前に本物のカウレス・フォルヴェッジが到着したことを知って中断させ、七年前の事件とトリシャ殺害の謎解きを始めた。その席上で、予め手筈を整えていた化野菱理とともに黒幕であるカウレスに化けたドクター・ハートレスを捕縛する。
 ヘファイスティオンの戦いでは彼女が『王の軍勢』を憎んでいる事を突きつけて動揺させる。
 魔眼蒐集列車での事件の後、第四次聖杯戦争で敗退したのは自分が劣っていたからで、イスカンダルこそが勝利すべきサーヴァントであったと証明したいという未練を乗り越え、第五次聖杯戦争への参戦を諦めた。それにはもう一人のイスカンダルであるヘファイスティオンに一矢報いたためもある。
 遠坂凛がロンドンに留学した後、彼女の後見人となる。その条件は「私は君にいっさい魔術の指導はしない。まあ、他の学課への推薦状ぐらいは書いてやる」というもの。
 日本も日本人も大嫌いだが、唯一の娯楽が日本製のゲーム。ゲームオンチの凛に「君はアレかな。ほら、あの街には詳しいのかな。ウエノとかアサクサとか、そのあたりに近い街の話なんだが……」と内心ワクワクしながら話を振るも、秋葉原どころか日本橋にすら興味がないと即答され、「ファック! オマエは最悪の日本人だ!」と逆ギレするのだった。


ロード・エルメロイU世のアパート(地名:事件簿)
 エルメロイ家が所有する集合住宅。学生寮街の外にあり、魔術的な結界などは張られていない。
 三階建てで、比較的広い吹き抜けのロビーの中央に螺旋階段があり、それぞれ一階から三階の扉の向こうが貸し部屋になっている。ロード・エルメロイU世は二階に住んでいる。


ロード・エルメロイU世の葉巻(礼装・魔術)
 ロード・エルメロイU世が常に持ち歩き、愛飲している葉巻。簡易な魔術が付与された使い捨ての魔術礼装だが、その事は内弟子のグレイにも教えていない。


ロード・オブ・バビロン(用語)
 →王の凱旋。


ロード・ケイネス秘術大全(用語)
 ケイネス・エルメロイ・アーチボルトの突然の死によって散逸しかけた彼の貴重な研究を、ウェイバー・ベルベットがまとめたもの。


ローランド・ペルジンスキー(魔術師:事件簿)
 2003年11月頃にエルメロイ教室に所属していた学生。教室内ではペンテル姉妹とともにフラット・エスカルドスとスヴィン・グラシュエートに次ぐ実力を持つと見られる。


ロクスロート(地名:2015年の時計塔)
 時計塔の考古学部が構成する学生寮街のこと。


6ペンスの唄(用語/魔術:魔法使いの夜)
 →シックス・スィング・チョコレイト。


ロゴス(用語/魔術)
 →真理


ロザリンド・イスタリ(人名/魔術師:事件簿)
 錬金術の名門イスタリ家の魔術師。剥離城アドラを訪れた時点では8歳ほどの少女。
 兄ハイネ・イスタリが聖堂教会の修道士となったため第二子であるロザリンドにイスタリの魔術刻印が移植されたが、過剰適合を起こして生命力のほとんどを魔術刻印に奪われるようになる。そこでハイネが聖堂教会から呼び戻されて魔術刻印を再移植したため一命を取り留めた。
 剥離城アドラにはハイネに随伴して訪れたが、化野菱理が死亡してからは兄の言いつけで客間から出ないようにしていた。四日目の朝にハイネの死体が発見された時は非常に取り乱し、ロード・エルメロイU世による検視も拒否したが、グレイがハイネを弔うと落ち着きを取り戻した。
 ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトが剥離城アドラの工房としての機能を乗っ取ろうとした際に発動した防衛機構の衝撃に乗じてアッシュボーンの獣と時任次郎坊清玄によって拉致されたが、後に剥離城アドラの工房中枢で発見された。


路地裏同盟(用語:Re:ACT)
 弓塚さつきとシオン・エルトナム・アトラシアが結成した同盟。結構仲良し。路地裏での生活を余儀なくされたヒロインの会だが、今のところ会員は弓塚さつきとシオンの二名で、たまに白レンが混ざることもある。オシリスの砂による二度目のタタリの後は白レンとリーズバイフェ・ストリンドヴァリが加入した。
 月姫では物騒で恐ろしい場所だった路地裏だが、彼女たちが住み着いてからは安全度が上がった。
 だがRe:ACT自体がMELTY BLOODの正当な続編ではなく、またお祭りゲームであるために実際に月姫の後までさつきが生存し、来日したシオンとメル友になっているという確率はかなり低い。


ロジャー・ベーコン(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 固有能力はメイドロボを作ること。


ロズィーアン(人名/死徒:事件簿)
 死徒。魔眼蒐集列車の支配人にして魔眼オークションの創始者。
 集めた魔眼を自慢するために魔眼オークションを始めたが、トラブル(蒼崎橙子による事件か)を契機に支配人は列車を離れ、以後のオークションは支配人代行に委ねている。
 ロズィーアンを名乗る死徒は少なくとも二人おり、一人は月姫の時代の死徒二十七祖の15位リタ・ロズィーアン、もう一人はその先代である。魔眼蒐集列車の支配人がどちらのロズィーアンかは不明。


ロスト・ロビン・ロンド(用語/魔術:魔法使いの夜)
 久遠寺有珠のプロイキッシャーの一つ。『誰が駒鳥を殺したか?』がモチーフの青いコマドリ。四つの神秘の一つで、第一の神秘とされる。高い追跡能力を持ち、主に偵察や伝令に使われるが、本来は術者の身代わりになって殺されるプロイキッシャーである。ただし『誰が駒鳥を殺したか?』の歌の通り、一度しか身代わりになれない。
 12月24日の社木の公園での有珠と蒼崎橙子の戦いでは、橙子の積重魔眼に囚われた有珠の身代わりになって殺された。
 有珠からは酷い扱いを受けているが、それでもアリスを『マイ天使』と呼び慕っている。なお有珠の母は『マイ女神』と呼ぶ。
 人語を発音することはできないが、静希草十郎は喋っていることがなんとなくわかる。草十郎が久遠寺邸内で危険なことに近付いたら助けるようにと有珠に命じられており、頻繁に助けている。
 TYPE-MOON Fes.では有珠の出番がない事に憤慨し、会場爆破計画を立案する。脅迫状は文面を考えたものの字が書けないため、賛同したカレン・オルテンシアに代筆してもらった。開演中に舞台上のキャットウォークでアーチャーに射殺されたが、これも彼の計算の内の事だった。彼が仕掛けたハッピーロビンのぬいぐるみストラップに偽装した爆弾は全て起爆すれば関東平野を消し飛ばして海にするほどの威力があるもので、賛同者のカレンにも計画の詳細を教えていない。ただし10周年記念ということで『会場のモニタを見ろ』というヒントも残していた。


ロダン(人名:事件簿)
 魔眼蒐集列車の車掌。魔眼蒐集列車の運行に全てを捧げている。
 魔眼オークショナーのレアンドラからはロダン卿と呼ばれて敬語を使われているため、立場はロダンの方が上と思われる。
 「冷え切った赤い血」という描写があるが、吸血鬼であるかは不明。


ロックドルーム・ディティクティブ(用語・能力)
 密室探偵。洗脳探偵が持つ能力。
 これは密室専門の探偵ではなく、密室で事件を解決する探偵という意味。
 洗脳探偵に目をつけられた……ではなく選抜された容疑者は気がつくと密室の中におり、洗脳探偵と二人きりになってしまう。その数分後に密室から出てきた容疑者は人が変わったように犯行を認め、事件は解決する。
 なお密室の中で何が行われているか知るよしはないが、ロックドルーム・ディティクティブ中は椅子に腰掛けて理の支配者の如き姿を見せるとか。


ロッコ・ベルフェバン(人名/魔術師:事件簿)
 召喚科の学部長。


ロッテリャー(地名:魔法使いの夜)
 外国発祥のハンバーガーチェーン店。1988年当時は日本の店舗は少なかった。
 ルゥ・ベオウルフはこの店のハンバーガーが好物。


ロドニアラボ(地名:氷室の天地)
 千葉ディスティニーランドにあるアトラクションの一つ。キャッチコピーは「あなたの能力判定します」。
 内容はESPカード当てや目隠し走破といった超能力判定で、ランクは『ナチュラル』『ブーステッド』『エクステンデッド』『コーディネイター』『スーパーコーディネイター』の五つ。


ロレンツ・トレンデル(人名:スターリット・マーマレード)
 両親を失ったハリエット・フリーゼの保護者。大柄で精悍な顔立ちに似合わず、フランクな人格の持ち主。
 偽典ミラビリスを作った者達の一人、というか既に亡きその者達の遺志を継いでいる。ガルゲンメンラインを作ったのも彼で、おそらく更科洗礼名にそれを与えた魔法使いも彼。ケータイさんを『マスター・アルカトラス』と呼ぶが、師弟関係ではなく聖典トライテンの模倣をしようとした者たちの遺志を継ぐといった意味である。コーバック・アルカトラスの方はこの呼び方を拒否している。聖典トライテンを神の愛と表現している。
 10年前までは神父であったが、現在は道を違えている。しかし今でも神父服を着用し、十字架を掛けるなど神父の真似事をしている。かつては異端とされた研究機関が潜伏していた小さな村の神父だったが、この研究機関が村ごと消滅させられたときに記録上は死亡したことになっている。


ロビン(用語/魔術:魔法使いの夜)
 →ロスト・ロビン・ロンド


ロンゴミニアド(宝具)
 →最果てにて輝ける槍
 Fate/apocryphaではモードレッドを貫いた槍はロンゴミアントとされている。


ロンディニウム(地名)
 ローマ人が1世紀頃に建設した要塞都市。後のロンドンである。
 卑王ヴォーティガーンによって落とされ、その根拠地となっていたが、後にアーサー王とガウェインによって奪還された。


ロンドン☆スター(人名:氷室の天地)
 イギリス在住の英雄史大戦ユーザー。スペルは『London☆STAR』。アイコンは使用していない。ユーザー名のロンドン☆スターで呼ぶと怒る。
 沙条綾香とは知り合いで、英雄史大戦で氷室鐘を柳洞一成に勝たせるための練習相手として美綴綾子と氷室と対戦した。
 使っているデッキは国籍もばらばらで士気値初期ボーナスもつかず、強いと言えるカードは征服王『アレキサンダー』のみ。他のカードは能力値が平凡な『厳白虎』と『建築王ラムセス2世』、何が起こるかわからないランダム効果の固有能力『皇帝勅令』を持つ『ノートン1世』、毒・ウイルス状態のユニットにのみ使用可能な回復・士気向上能力を持つ(ただし毒・ウイルス状態を治療するわけではない)『ナイチンゲール』という構成。
 アレキサンダーについては『もっと豪快ででっかい男なんだよ日本人め!』とまるで実物を見てきたかのように優男風のキャラクターデザインに対して怒りを露にしていた。
 ロンドン☆スターというユーザー名やイギリス在住であること、ゲーマーであること、アレキサンダーに対して強い思い入れがあることからウェイバー・ベルベットであると思われる。
 別の世界の事ではあるが、Fate/strange Fakeではこのアカウント名はフラット・エスカルドスに勝手に設定されたものである。


ロンドンの魔術協会(用語/地名・組織)
 →時計塔


  


別れても好きな人(用語:hollow後日談)
 とにかくランサーを返せと求めるバゼット・フラガ・マクレミッツの言葉をさらりと受け流しつつカレン・オルテンシアと衛宮士郎がデュエットした曲。作中では歌詞の『別れても』が『貫かれても』に変えられていた。
 アーティストはシルビア。


わくわくざぶーん(地名)
 第五次聖杯戦争があった年の7月にオープンした全天候型屋内ウォーターレジャーランド。冬木市が建設した。所在地は冬木市の新都の駅前パークから徒歩十分ほどのところ。年中無休で営業している。
 ウォータースライダーから波のプールを前面ガラス張りの巨大屋内ドームに収納し、いつでも常夏気分、という触れ込み。看板のコピーは『ヨーロッパの本格リゾート地を思わせる、ゆったりした空間が魅力的。水温は体温に近い三十三〜三十四度に保たれ、一年を通じて楽しめるプールリゾート』。
 プールサイドはビーチの水際のように浅瀬のマリン感覚を楽しめる水遊びエリアで、きのこの滑り台はちびっ子に大人気らしい。ウォータースライダーは二人一緒に滑ることができ、高低差18メートル、全長180メートル、最高速度時速40キロ。
 そのほかには流れるプール、波のプール、練習用プール、途轍もなく高い飛び込み台、競技用プール、名前では判別できないようなアトラクション的なプールまである。
 中には出店があり、そこでは夏の定番メニューが勢ぞろいしている。お土産にはマカデミアンナッツやハワイアン饅頭などがある。
 第三次聖杯戦争の再現たる四日間の中でギルガメッシュがここのオーナーになっているが、これは彼が作ったというわけではなく、出来上がったものを強引に買い取ったのである。
 建設時の名称は『冬木アクアリゾート(仮)』。氷室邸での夕食の席で蒔寺楓、三枝由紀香、美綴綾子の会話からわくわくざぶーんと命名された。


和食処・飯庵(地名)
 インドカレーショップ・メシアンが入っているビルの一階にある飲食店。


わたしの大すきなおねえちゃん(用語:スターリット・マーマレード)
 桂木千鍵が小学校二年生の時に書いた作文。大好きな姉の千鳥について書かれている。千鳥は大学生になった現在でもそれを肌身離さず持っている。


渡辺綱(人名:氷室の天地)
 平安時代中期の武将。源融の子孫、源宛の子。正式な名乗りは源綱。頼光四天王の筆頭であり、剛勇で知られる。酒呑童子退治や、一条戻り橋の上で茨木童子の腕を髭切りの太刀で切り落とした逸話で有名。なお、髭切りの太刀は茨木童子の腕を切り落としてから鬼切の太刀と名を改めた。
 蒔寺楓がマグロ投げに出場するのに際して祈ったが、名がツナだからといって決してマグロ投げの英霊ではない。


ワニガメ(用語:氷室の天地)
 北米原産の亀。雑食性。2000年以降は特定動物に指定されたため、飼育には地方自治体の許可が必要となった。
 バブル期に放流されたため、円蔵山の池にも生息する。


ワニ園(地名:ネコアルク)
 ワニが咲き乱れ、(ネコたちを)踊り食うという人外魔境。第三次ネコミミ革命のおり、次元の狭間に飛ばされる。伊豆・熱川にこの魔境のレプリカが存在するという噂がある。
 テレビシリーズでは第一部と第二部の合間に小休止として組み込まれた『黒ワニ編』だが、そのエキセントリックな演出と脚本から『ネコアルクまったく関係ないけど面白い』とコアなファンを集めている。


ワラキアの夜(人名・現象/死徒・錬金術師・魔術師)
 →タタリ


わるい由紀香(用語)
 ネコ二十七キャットの第八位。


ワルクェイド(俗称)
 悪クェイド。逆上して暴走したアルクェイド・ブリュンスタッドのこと。
 単純に暴走しただけであり、朱い月ではない。


ワルサーWA2000(用語/武装:Zero)
 ドイツ・ワルサー社製の警察向けに開発された狙撃銃。狙撃銃には珍しくブルパップ式(弾倉と薬室をグリップの後ろに配置した構造)のため、全長905mmと短いが銃身の長さは650mmに及ぶ。使用弾薬は.300ウィンチェスター・マグナム。装弾数6発。発射形式はセミオートマチック。重量6.95kg。有効射程1000メートル以上。本体上部に吊り下げ式のバイポッド(二脚)が装備されている。
 H&K社のPSG-1に匹敵するほど高性能だが価格もそれと同等に高価(7000ドル。作中では12000ドル)なため、1985年から1989年までに前期型と後期型を合わせてもわずか154挺しか生産されなかった幻の銃。後期型にはフラッシュハイダーが装備され、グリップが多少肉厚になって銃の最後尾に下方に向けた突起が追加されている。
 第四次聖杯戦争において衛宮切嗣が使用したものは標準装備のシュミット&ベンダー社製照準器を外し、二つの照準装置を使用できる構造のスコープマウントを介してAN/PVS04暗視スコープを本体の直上に、スペクターIR熱感知スコープを左斜め側面に装備する。これは夜間戦闘のみならず、魔術回路の状態をサーマル映像から読み取ることができる切嗣の対魔術師戦闘を意識したものである。これによって総重量は10kgを上回る。
 おそらくアインツベルン城に電話線を引くよりも安い買い物だった。


ワンダースナッチ(用語/魔術:魔法使いの夜)
 →薔薇の猟犬




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