(用語)
 自然の法則にありながら、その流れを歪めるモノとして必要とされなかった力。歪み。自然の一部であるために自然と繋がり外界を変質させる。さまざまな種と類があり、総じて正当な流れにあるものには邪に映るモノのこと。たとえば、鬼は始まりからして正当な流れになく、生粋の魔である。
 これはキリスト教の教義でいう神と表裏一体であるために教会は認めている。聖堂教会でいう『受肉した魔』は生物である以前に『魔』として創造されたため、人間より高度な魔術を使う。人間のような後付の魔術回路はなく、その生体機能のすべてが『魔』を呼び込むための機能である。教会ではそれを『真性悪魔』と呼ぶ。人間の想念を被って『固体名』になる偽物とはちがう、主が遣わした、人が名付ける前からそうであった本当の『悪魔』だと。


マーケット中山(地名:魔法使いの夜)
 三咲町の商店街にある商店と思われる。


マーサ・マッケンジー(人名:Zero)
 グレン・マッケンジーの妻。耳が遠い。高いところが苦手。
 第四次聖杯戦争においてウェイバー・ベルベットによりウェイバーが孫であると暗示をかけられ、第四次聖杯戦争終結までウェイバー・ベルベットが実の孫だと思い込んだままだった。


マーブルマ・ランドセルー(用語/武装:ネコアルク)
 空想具現化による強化体操服。
 グレートキャッツビレッジと、これを殲滅するために侵攻してくるであろう某軍事大国への対策として日本が独立小国アインツベルンに開発を依頼した夢の体操服。コストの削減が最大のテーマであり、武装そのものはほぼ下着と同じくらいコンパクト。
 マーブルマ・ランドセルーは強力なマイナスイオンとアルファー波を放出して履いた兵士の脳をクロックアップ、無敵の超兵士へと生まれ変わらせる。弾丸を避けるぐらいのことは朝飯前。
 こうして多くのマーブルマ兵士が戦場に送り出されて優勢であったウェアキャットたちを押し返すのだが、大戦末期には敵側にもマーブルマ・ランドセルーが渡ってしまい、マーブルマ姿の兵士とマーブルマ姿のネコアルクが激突することになった。まさに地獄。


マーリン(人名/魔術師)
 花の魔術師。アーサー王付きの魔術師。ウェールズ王妃と夢魔の間に生まれた子。最高位の魔術師の証である千里眼を持つ。マーリンの千里眼は『世界を見通す眼』である。知性体に寄生する高次元生命である夢魔の子であるが、半分は人間であるため他者の夢に寄生せずとも自分の夢を養分にして活動できる。
 性格は悪く、悪戯好きで女好き。セイバー曰く「悪戯好きさえなければもう少しまともな時代になった」。幻想種ではなく人間の方に肩入れし、多くの王を育ててきた。ウーサー・ペンドラゴンと図って概念受胎によって竜の因子を持つアルトリア・ペンドラゴンを作り、それを老騎士エクターに預けて自らも夢の中で教育を施していた。また、岩に刺さった『勝利すべき黄金の剣』を用意して王の選定をした。
 モードレッドの反逆の前に女性関係のもつれからアヴァロンに逃げ込み、そこに仕掛けられた罠にかかって小さな塔に幽閉される。彼ほどの魔術師ならば簡単脱出できた様子だが、敢えてその塔を強固に作り替え、自分を世界から切り離して世界を傍観し続ける事を選んだ。よって現代でも生き続けており、英霊になることはない。
 アルトリアが聖杯を否定し、抑止力の呪縛から脱したことを見届けると、使い魔キャスパリーグさえ塔の外に出して本当に一人ぼっちで世界を見つめ続けることにした。


マイオ・ブリシサン・クライネルス(人名/魔術師:事件簿)
 伝承科に属する魔術師。薬師。
 イゼルマ御用達の薬師で、幼いころからイスロー・セブナンとともにバイロン・バリュエレータ・イゼルマの黄金姫と白銀姫の制作に協力している。月の塔に部屋があるほか、その地下にマイオと共用の臨時工房を用意されている。吃音がある。
 黄金姫・白銀姫のお披露目の際には険悪な雰囲気になった貴族主義と新世代の魔術師の間に一瞬で酔える薬を服用して割り込み、抗争を未然に防いだ。
 ディアドラに強い執着を抱いているが、それはディアドラという一人の女性に対してではなく、『黄金姫』という存在が体現した美に対してであった。お披露目の後にカリーナからディアドラが死亡していることを打ち明けられ、亡命に力を貸してほしいと頼まれるが、『黄金姫』の美を引き留めるためにカリーナを殺害した。その際には現場である泉に追跡して来たトリムマウを機能停止させ、その手に血を付着させることで犯人がライネスであると偽装した。なおトリムマウを停止させられたのはお披露目の際に念入りに調べていたためである。
 ディアドラの死に強く動揺しており、人格を無意味な断片に分解して再構築してしまいたいとさえ望んだ。
 アトラム・ガリアスタが双貌塔を襲撃した際にはイノライ・バリュエレータ・アトロホルムこそがディアドラを殺したと推測したエステラに連れられてイスローと共にイノライのもとに向かう。そこに駆け付けたロード・エルメロイU世に協力させられ、エステラに黄金姫の姿を投影する魔術に参加した。その後のロード・エルメロイU世による一連の事件の解体によってカリーナを殺した犯人であることを暴露されると、蒼崎橙子に飲ませておいた毒薬を発動して彼女を人質にバイロンに対して黄金姫を再現するよう強制する。しかし魔術刻印を持たないためマイオの想定よりも致命的な傷を負っていた橙子の体から魔物が出現し、下半身を食われる。以後はその場にいた魔術師らの奮戦のおかげで一命は取り留めたが、完全に廃人となった。マイオの殺人はブリシサン家とかかわりのない個人の暴挙とされた。


埋葬機関(組織)
 教会の切り札といえる吸血鬼専門の異端審問機関。信仰は二の次で、ただ異端を抹殺する力さえあればよいという部署。
 メンバーは形式だけでもアデプトで扱いは司祭級、さらに特別権限を持つ異端審問員。ただし彼らが異端審問をすることなどないので、単に代行者、または殺し屋とも呼ばれる。メンバーの証として普段は見えない羽の生えた十字架(剣)の刺青を施す。そこに刻まれている数字が機関でのナンバー。
 完全な実力主義制で、能力があり教会にとって都合の悪いモノを始末するのなら誰でも一員になれる。ただしメンバーとしては年功序列が根強い。メンバーは揃って味覚がおかしい。
 1位から7位の構成員と1名の補欠で構成される。1位は代々ナルバレックで5位がメレム・ソロモン、6位がミスター・ダウンとその相棒(ミスター・ダウン単独では暫定6位)、7位がシエル。補欠は教会から優れた者をスカウトするが、審問のたびに死亡する為にめまぐるしく交代する。シエル曰く、メンバーは火薬庫みたいな連中。教会では表向きは禁忌とされる魔術を好む者、捕らえてきた異端者を奴隷として扱う者、近代兵器マニアや殺人快楽性となかなか飽きさせない人材が集まっている。埋葬機関のメンバーはサーヴァントと渡り合うことができる(シエルは防戦レベル)。埋葬機関の1位と2位が胃界教典を持って動くと、事実上最強とされる。
 騎士団でも手に負えない場合に出動し、彼らの行いが事後承諾でないときなどない。時には教会の意向に逆らっても異端を排除する。たとえ大司教でも悪魔憑き、異端ならば処刑する権限と実力を持っているために、教会でも厄介者扱いされている。この機関こそ教会における異端と囁かれるのも当然だろう。
 全吸血鬼の排除と因となる二十七祖の封印を目的とするが、もとは聖遺物の収集をしていた。
 他国の退魔組織と協力することは絶対になく、常に単体で行動する。アルクェイド・ブリュンスタッドは教会側の要請を受けて時折教会と手を組んで死徒を滅ぼしたが、それを埋葬機関は快く思っていないらしく、リスト外であるアルクェイドを隙あらば封印しようと企んでいるらしい。
 また二十七祖であるメレム・ソロモン、エル・ナハトの両名が埋葬機関に協力しており、ともに無理強いされているように見えるがその真意は定かではない。
 現在、とある代行者見習が『どこぞの魔術師がこさえた』という噂の、実在するかしないかさえ不明な『教会に都合が悪い物』を始末してくるよう命を受けて途方に暮れているとか。


埋葬教室(組織)
 埋葬機関の原型。12世紀に当時のナルバレックと死徒になる前のミハイル・ロア・バルダムヨォンによって作られた。


マインスター(用語:魔法使いの夜)
 純血の魔女。
 人間社会のしがらみに関心を持たないという在り方を持っている。現代の魔術世界においても異端とされている。マインスターの魔女は先代から受け継いだプロイキッシャーを自分なりにチューンナップする。また生涯に一つ、至高のプロイキッシャーを遺す決まりがある。


マインスターの使い魔(用語/魔術:魔法使いの夜)
 →プロイキッシャー


マインスターの薔薇の猟犬(用語/魔術:魔法使いの夜)
 →濃霧の怪物


マウスパッド投げ(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の年の穂群原学園の体育祭での特別三枠に、2年A組の生徒が提案した競技。2006年に始まった。
 マウスパッドを投擲して飛距離を競う競技。投げ方に制限はないが、投擲の際に必ず「マー!」と叫ぶ必要がある。マウスパッドの素材はウレタン製のものを使用するが、形状や大きさに制限はない。
 着地する前のマウスパッドを散歩中の犬がキャッチして持っていった場合、犬が止まった場所までを飛距離とし、犬の右前脚までの距離を計測する。ただし記録上の選手名はその犬の名前に差し替える。


マウント深山商店街(地名)
 冬木市の深山町にある昔気質の商店街。新都のショッピングセンターが遠いためか、今もって深山町住民に愛されている。裏路地に名物的な質屋があり、遠坂凛はそこで質流れの宝石を購入している。
 食糧事情に関しては完璧だが、娯楽施設は皆無。


魔眼(用語)
 邪視、邪眼とも。
 技術ではなく体質。人間にとって最古の魔術。魔術師が持つ一工程の魔術行使。受動機能である眼球を外界に働きかける能動機能に変えたもの。広義には異能を持つ眼球全般を指すが、狭義の魔眼は炎焼や魅惑といった外部に対する術式投射を行うものであり、未来視や過去視などの感受型のものは除く。
 術者の視界にいる者に問答無用で魔術をかけるものだが、標的にされた対象が魔眼を見返してしまえば効果は飛躍的に増大する。要するに見てはいけないもの、見られるだけで相手の術中に嵌るという魔術特性。その効果と隠匿性から一流の魔術師の証とされる。効果は『魅惑』『暗示』『束縛』『幻惑』『魅了』『強制』『氷結』『屍蝋』『石化』『淨眼』『千里眼』『直死』『契約』『炎焼』『幻覚』『凶運』など様々。
 魔眼は魔術師の肉体に付属した器官でありながらそれ自体が半ば独立した魔術回路、あるいは血筋に関係なく適応できる特殊な魔術刻印と言える。魔眼は単体で魔力を生み出して術式を起動できるので、魔術とは縁のない一般人にも稀に魔眼の使い手が現れる事がある。魔眼は複雑すぎてよほどの魔術師でも十全に使いこなせないことがある。また老齢などで制御が難しくなる事もある。なお魔眼が生み出す魔力は必ずしも魔眼の術式を起動するのに必要充分というわけではないので、特に酷い場合には魔眼が勝手に術式を起動した挙句、魔術師本人の魔術回路からもオドを強引に絞り出す事がある。
 生まれついての魔眼は、親の肉体の特徴を遺伝させる人体改造的な遺伝。自身の目を魔術回路に作り変える技法は魔術刻印に近い。『生まれつき』と『超能力』は明確に違うので、生まれ持った魔眼であっても超能力としての『眼』ではない。魔術師は霊的な手術で認識能力を向上させるが、その場合は『魅惑』『暗示』『束縛』程度の力しか持ちえない。平均的なものは『束縛』。なお魔術師には眼球そのものを猫目石と入れ替える者もいる。
 もう一つは眼球と脳の認識能力が向上することで得られる能力。これは『石化』『直死』など強力な能力で、こういったものは魔術で再現できない生まれついてのもの、つまりヒトという種が阿頼耶識から生み出した“超能力”。こちらは術者が視るだけでいい。またこれら超能力は『〜の眼』と呼ばれる。超能力としての眼には本来見えないものを視る『淨眼』、遠隔視・透視の『千里眼』、吸血鬼が多く持つ『魅了』、モノの死を視る『直死』モノを石に変える『石化』などがある。
 魔眼のランクは色分けができ、通常の魔眼は赤や緑色に光る。強力なものは黄金に輝き、神域の魔眼は宝石の如く虹の如く多彩に偏光するとか。黄金、宝石、虹はノウブルカラー、つまり超能力である。
 『直死』『束縛』『強制』『契約』『炎焼』『幻覚』『凶運』などの他者の運命に介入する強力なものを特例(ノウブルカラー)といい、これの最高位とされるものが『石化の魔眼』である。第五次聖杯戦争におけるライダーのものは最上級の吸血種が持つという『黄金』の上をいく『宝石』。宝石の位階の魔眼は時計塔の君主の何人かが辛うじて保有しているかどうかというほど稀少性が高い。その上に七色が万華鏡の如く混同した『虹』があり、月の王の証であるという。
 強力な吸血鬼の魔眼は眼球を通して他者の脳に自分の意志を叩きつけて完全に思考を掌握するが、死徒の魔眼にそれだけの力はない。『黄金』は強力な吸血種ならば当然のように持っており、『宝石』『虹』を持つ存在も稀少ではあるが現存する。
 ごく簡易なものであれば制作できる造形師がいるが、それも高価であり確実に成功するわけではない。魔眼の複製品は低位の劣化品しか作れないが、宝石の加工は例外で、レーマン家は宝石を用いて魔眼を複製する秘儀を持っている。
 生来の魔眼の中でもとりわけ強力なノウブルカラーの移植は稀少さと移植手術の成功率の低さからバルトメロイやトランベリオでさえ二の足を踏む。通常は摘出するだけでも至難の業とされるが、魔眼蒐集列車においてはノウブルカラーの移植さえ可能である。ただし魔眼蒐集列車でもロダンやレアンドラといったスタッフにも可能なのは移植までであり、摘出は支配人代行のみが行える。
 ノウブルカラーとはその魔術回路の働きが天体運営に近く、先天的で特殊なものであることを表す。なお通常の魔術回路の働きは地殻流動に近い。


魔眼(技能:Fate)
 サーヴァントの能力。魔眼の所持。
 A+:最高レベルの魔眼・キュベレイを所有。魔力がC以下の者は無条件で石化。Bの者でもセーブ判定次第で石化を受ける。Aの者には石化判定はないが、全能力をワンランク下げる“重圧”をかけられる。


魔眼オークション(用語:事件簿)
 魔眼蒐集列車で年に一度開催されるオークション。魔眼を取引するものだが、通常なら非常に困難な魔眼の移植も可能。魔眼オークションの招待状は本人のほか二名の同行が認められている。招待状には客を指名したもののほか、新しい客を招くためにフリー枠のものが何通かある。フリー枠の招待状は相手を指名していないので、魔眼蒐集列車の方でもそれがもともと誰が受け取った物かわからない。殺人程度の諍いならば五年に一度くらいは起きている。魔眼蒐集列車が欧州全土を運行しているため、オークションの決済通貨はドルとなっている。各国通貨のドルへの両替は魔眼蒐集列車内で対応されており、融資の確認を取るための外部への通信は可能。
 もともとは支配人と呼ばれる死徒のロズィーアン(死徒二十七祖の15位リタ・ロズィーアンか)が集めた魔眼を自慢するために始めたものだが、トラブル(蒼崎橙子による事件か)を契機に支配人は列車を離れ、支配人代行に委ねられている。魔眼オークションの催行はロズィーアンに指示されているわけではないらしく、スタッフたちは主がやっていたことをただ続けているだけであるらしい。
 商品は眼球として魔眼蒐集列車に保管されているもののほか、出品者の眼窩に入ったままのものもある。出品者には代替品としてより低位の魔眼や普通の眼球の提供を受ける事が出来るため、魔眼を持て余した所有者にとっては売り得となる。通常、宝石の位階の魔眼を扱う事はない。
 商品は一度に発表されるのではなく、オークション開催までの数日間に分けて発表される。目玉商品については誰がその持ち主であるかは支配人と支配人代行しか知らず、列車を運行するロダンとオークショナーのレアンドラも知らされない。例外的に目玉商品の持ち主がオークション開始直前になっても出てこない場合にのみ支配人または支配人代行がロダンらにその相手を教える。魔眼蒐集列車から出品を持ちかけられた場合は魔眼所有者に拒否権は事実上なく、出品を拒否した場合は拉致されたり両目をくりぬかれた死体になって発見されたりする。ただし魔眼の代金は所定の手数料は差し引かれるが、しっかりと出品者に支払われる
 1987年に蒼崎橙子によって台無しにされた事がある。
 2003年11月末頃に開催されたものはロンドンを出発し、三泊四日でイギリスを一周する予定だったが、途中ドクター・ハートレスの介入によりトリシャ・フェローズの殺人事件が発生し、腑海林アインナッシュの仔をかすめることになった。この時に出品されたのは泡影の魔眼、炎焼の魔眼、掠取の魔眼と不明のノウブルカラーではない魔眼二つの計五つ。


魔眼殺し(武装)
 魔眼の力を抑えることのできる魔術品。眼ということもあり大抵は眼鏡として作られる。
 遠野志貴が使っている物は蒼崎橙子の魔眼殺しに蒼崎青子が手を加えて作ったもので、現在はフレームを交換している。
 第五回聖杯戦争におけるライダーことメドゥーサはあまりに強力な『キュベレイ』を抑えるためにひとつの結界(世界)である『自己封印・暗黒神殿』をぶつけている。
 形状は眼鏡だけではなくコンタクトレンズでも可。遠坂凛が試作したライダーのハードコンタクトの素材はブルージュの研磨師に預けてあった癖のあるエメラルドだが、二十四時間で効果がなくなる使い捨て品。


魔眼蒐集列車(用語/魔術)
 レール・ツェッペリン。
 魔法使いの夜では魔眼「収集」列車と表記されていたが、ロード・エルメロイU世の事件簿では魔眼「蒐集」列車に改められている。この改定に文字の見栄え以上の意味はなく、両者は同一のものである。
 1987年頃の旅で蒼崎橙子とルゥ・ベオウルフが出会った。
 ほとんどの魔術師は噂でしか聞いたことがない存在。死徒のロズィーアン(死徒二十七祖の15位リタ・ロズィーアンか)によって作られたもの。
 ありとあらゆる魔眼を収集してヨーロッパの森を走り続ける列車。見た目は時代がかった蒸気機関車で、2003年11月末頃の編成は機関車とそれに続く二両、食堂車、ロビー車、五両の客車、二両の貨車の12両編成。客車には一両あたり3部屋の客室が設けられている。動力の大半は魔力で賄われているが、石炭を燃焼させる蒸気機関も併用されている。走行中の列車は霧に包まれ、半ば異界化している。霊脈に線路を形成しており、運行中は魔力の補給のため時折ある種のパワースポットに停車する。線路は現実に敷設されている物ではなく、走行する際に現れるものだが、都度形成されるのか世界の裏側から浮かび上がるのかは不明。
 年に一度オークションを開催する。このオークションでは単純な魔眼の売買だけでなく、通常は摘出するだけでも至難の業とされる魔眼の移植さえ可能。適切な保存がされているならば死体の首から魔眼を摘出する事も可能。
 従来は北欧のみを走っていたが、おそらく1987年に蒼崎橙子にオークションを台無しにされてからはヨーロッパのあちこちに現れるようになった。
 2003年11月末頃に開催されたオークションはロンドンを出発し、三泊四日でイギリスを一周する予定だったが、途中何者かの介入により腑海林アインナッシュの仔をかすめることになり、その影響で霊脈を見失って停車した。カラボー・フランプトン、グレイ、イヴェット・L・レーマン、メルヴィン・ウェインズが霊脈に道標を打ち込んだため脱出できたが、その際にグレイをアインナッシュの仔に置き去りにした。


魔眼大投射(用語:事件簿)
 魔眼蒐集列車の基幹車両リルカペローと魔眼を接続し、魔眼の効果を極度に増大させて放つもの。威力は極めて大きいが、使用する魔眼は一回で焼き切れてしまう。使用には支配人代行の許可が必要。発動すると魔眼蒐集列車の先頭に巨大な魔眼が現れる。


マギカ・ディスクロージャー(俗称:事件簿)
 ロード・エルメロイU世の渾名の一つ。


まききゅーX(用語:MELTY BLOOD)
 タタリの影響下にあった琥珀が作り上げた生物を拡大する薬。ニガヨモギとブランデーとホタテとエビ、過去五年に渡る余り物のケミカル物質を足して二で割ったら偶然できたレアアイテム。効果は反永久的。つまりすぐ元に戻る。
 これによって遠野秋葉はG秋葉として10倍ものパワーアップを果たした。
 解毒薬は『となみんZ』だが、未開発。


まききゅーXAA(用語:MBAA)
 まききゅーXの発展型と思われる。即効ではなく経口摂取による遅効で、効果時間は半永久のためワクチンを接種しない限り巨大なまま。


蒔寺(人名:氷室の天地)
 蒔寺楓の父にして詠鳥庵の店主。蒔寺楓の父だけに暴力的。
 楓が2年生の年の校内マラソン大会で拾得した悪徳市議の不正プール金の取得権利を全額市に譲渡した。


蒔寺楓(人名)
 身長163p。体重49s。B72 W56 H78。
 穂群原学園2年A組(hollow ataraxiaの時期は3年A組)。遠坂凛のクラスメイトにして悪友。通称マキジ。陸上部に所属しており、中距離のエース。『穂群の黒豹』の異名を持ちたがっている。陸上の次に水泳が得意。和と歴史を愛する。ギリギリまで追い込んで絶望させるのが彼女の指導方針。美綴綾子を『みつづりん』、氷室鐘を『メ鐘(めがね)』と呼ぶ。先祖は瀬戸内海の海賊。海賊の末裔だけあって釣りには自信があるようだが、川釣りはからっきし駄目。
 老舗の呉服問屋である詠鳥庵の一人娘で、口が悪いが和服の似合う日本美人。老舗だけあって家は古く、本人は飽き飽きしているが家では高級和服を着て過ごしている。着物姿の彼女は普段とは別人、生き別れの双子がいて学園のは活発な妹なのでは、と言われるほど艶やかな和服美人に見える。しかし口をあけた時点で壊れる。それが美綴綾子に言わせると『イヤイヤ着ているクセに似合っているのが許せない』とか。本人は和服が似合うことを嫌がっているが、そのくせ自分の着物姿に絶大な自信を持っている。屋号の『詠鳥庵』がエイドリアンと読めることを気にしている。詠鳥庵の名を落とすことがないよう、得意客の前では完璧な娘として振舞っている。
 家柄ゆえか、骨董品の目利きができる。中でも日本の陶磁器に造詣が深いため、洋食器にもかなり詳しい。骨董の知識を活かし、骨董市で自分が欲しいものを購入するほか転売目的でも購入している。骨董を転売して減額された陸上部の部費を補填しようとしたことがあるが、価値が上がるまで2〜3年かかることに気付いて頓挫した。趣味は風鈴集めでガラス細工が大好き。無意識に事実を改竄する癖がある。彼女にすればフルールの500円のクレープも江戸前屋の80円のタイヤキも味は同じ。下戸。露天風呂では必ず泳ぎだすタイプ。ものすごいお祭り好きのように見えるが、彼女自身は割と大人しめで、一人でぼやっと時間を過ごす事を苦にしないタイプ。しかしあれで周りに気をつかう性格なので、傍に誰かがいると場を盛り上げようとして暴走する。
 ムーを読んでいる様子。怪談の意味を履き違えているようで、ホラーではなくコズミックな話を要求する。怪談やホラーには至極弱く、修学旅行で千葉ディスティニーランドのホーンテッドユニウス7に行ったときには、一人で立てないほどに衰弱した。怖がりはかなりのもので、文化祭のお化け屋敷レベルでも恐怖のあまり窓から飛び出して逃げるほど。怪奇現象が起きるため、詠鳥庵の蔵には近付かない。チャクラを知っているが鬼門を知らず、故事成語にも疎い。少林寺木人拳の使い手?
 健康的なバカ。馴れてくると実に乙女チックなことに気付く、こともあるかも。将来は宝塚歌劇団入団を狙っている。サディスティックに見えるが、氷室鐘の見立てではマゾヒスティックな気があるらしい。なかなかに細かいたちで、尽くす相手ができれば大抵のことは努力する。現在彼氏はおらず、恋愛には非常に弱い。料理は和食が得意。和裁が得意で直垂や狩衣装束を含め、和服ならば仕立てられる。しかし洋裁はその存在さえ知らなかった。
 短距離走、早とちり、思い込み、日本舞踊が得意で、ゴージャスな気分にさせてくれるもの全般が好き。ホラー映画と料理が苦手で、美綴綾子が天敵。優等生の凛を友人にしておいしい目に与ろうと目論み、その友人の美綴綾子をライバル視している。そのため遠坂凛に利となるか害となるかが彼女の判断基準のなかで大きな割合を占める。学園での凛が猫を被っていることを見抜いている。怖いもの知らずだが、氷室鐘だけは恐れている。『壊す』を『おかしくする』と言い換え、衛宮士郎に自宅の炊飯器の修理をさせたことがある。
 メートル法の換算ができないことを始めとして満遍なく成績が悪いが、歴史だけは常に5。その歴史知識は並大抵ではない。だが新幹線のイメージが0系こだまで最高速度がパーマンを情報源として119km/hと勘違いしていたり(実際に乗っていたのは500系のぞみと思われる)、2000年3月10日に全廃された新幹線の食堂車がまだあると思い込んでいたりと、ニュースソースはかなり古い。調子が悪いと歴史の問題が解けなくなり、その他の科目が優秀になる。
 社会科は得意だがそれ以外の学科はからっきし駄目。社会科が得意ならば国語もそれなりかと思いきや、彼女は作者や作品のバックボーンといった歴史には相当詳しいが、作品そのものには全く疎いため国語も苦手。2年生の1学期期末試験では氷室の協力によって国語の赤点は免れたが、数学や理科、英語などの教科で赤点を取ってしまったため夏休みに補習を受けた。
 二年生のときの球技大会ではチュックボールに参加したが、あまりにも超紳士的で平和的な競技だったために嗜好に合わず、初戦で敗退した。なお最初は美綴綾子と組もうと企んでいたが、その方法が意味不明な手紙を下駄箱に忍ばせておくというものであったため、美綴は直後に誘った氷室と組むことになった。
 氷室鐘を猫を持って追い掛け回すという嫌がらせをしたが、そのお詫びとしてスケスケネグリジェを買わされ、修学旅行の夜はそれを着て寝ろと命じられた。ネグリジェはちゃんと持っていったが、実際に着用したかは不明。なお修学旅行前日にネグリジェを見た父にぶっとばされた。
 2年生のときのインターハイでは、その数日前に弓道部の部室に放置されていたためにカビで覆われてトリュフチョコに見えたチョコレートを盗み食いし、入院。インターハイ当日までに体調が回復せず、予選一回戦を一着でゴールするも二回戦でレースの途中でトイレに駆け込み、失格。その時にコースからトイレに向けて直角に方向転換したため、「お●は直角」「ビッグベンエッジ」という異名が付けられた。
 なおinter highschoolの略であるインターハイを望めば地位・名声・権力が手に入るホーリーグレイル『インター杯』であると勘違いし、その獲得に熱意をあげていた。しかし後に美綴綾子にその誤りを訂正されて激しく落ち込んだ。
 神社での縁日では毎年射的の景品に並んでいるアンティークの巨大テディベアを狙いガン=カタさえ修得したが、目の前で凛に取られて激昂し、汚い手を使いまくれる金魚すくいで勝負を挑む。様々ないかさまを使って勝ちを狙うが、凛は更なるいかさま(魔術でもなかポイを強化)で蒔寺を圧倒した。
 夏休みは補習に明け暮れたためベストタイムから1.5秒も後退してしまう。そのため氷室はインターハイの際の教訓を生かして腹を壊すことでタイムを縮めることを提案するも、インターハイでビッグベンエッジと呼ばれたことがトラウマとなっており断固拒否。そこで氷室は由紀香の栄養学を重視する意見を取り入れて蛋白質と糖分、炭水化物を兼ね備えたおはぎを勧めるが、蒔寺は針等の危険物が入れられていると疑って食べなかった。
 11月の文化祭の出し物を氷室、三枝と相談した際には劇を提案し、芸名は吉永小百合かグレース・ケリー、最終的にはオードリー・ヘップバーン2世と言っていたが、その時のポーズはゴージャス・アイリン。
 その後の陸上部の出し物の相談では粉物でがっぽり稼ぐことを提案するも、大量生産型の料理を得意とする美綴の存在や他の部活も飲食系に参入するであろう事から氷室に下策と切り捨てられる。氷室が示したコスプレありのコンセプト店というものにおいては三枝をコスプレ役にして『映画のような衣装』には映画泥棒、『ジェームズ・キャメロン監督的なもの』にはデビュー作の殺人魚フライングキラーの着ぐるみを提案する。また『大地』を使ったメニューについてはキビヤックを提案。
 9月の台風が接近している頃に大雨の中氷室とともに三枝家を訪問し、台風でテンションが上がり屋外に飛び出して壊れていた雨樋を修理する。その直後の地震で脚立が倒れかけ、何とかバランスを取るも、地震で誤作動したボウリング球とカートを利用した対ゾンビ用トラップが脚立に衝突して泥水に落ち、その有様をゾンビと勘違いされて窓越しに物を投げつけられた。
 氷室が三枝に貸した『WAR WORLD Z』を次に貸してもらおうとしたが、三枝家を昭和のボロ家という典型的な型に嵌めた発言をして三枝の怒りを買い、読了したらそのまま氷室に返すと言われてしまった。
 氷室と三枝に陸上部次期部長選に立候補すると表明した際には氷室に言葉尻を捉えて色々と追い詰められたが、基本的には応援されて、十一票を得て当選する。なお部長としてのビジョンは大豪院邪鬼であり、所信表明では『苦労に苦労を重ねて苦労した結果また苦労がある感じ』、指導方針は『とにかく追い込んで追い込んでその先に絶望が待ってるぐらいに』というものだった。
 級友から猫探しを頼まれた氷室に呼び出されてケージ持ちを頼まれる。しかし氷室が仕掛けたケージには猫ではなくアライグマがかかっており、本来は一般人が捕獲してはいけないうえ害獣であるため氷室は殺処分を検討する。殺処分はやりすぎではないかと氷室を宥めるが、アライグマによって歴史的文化財が破壊されていると教えられ殺処分に同意。最終的には考え直して市役所に持っていくのだが、市役所の職員はアライグマの危険性を認識しておらず気軽にアライグマをケージから出してしまって脱走し、6時のニュースで報じられるほどの騒ぎになった。なお、捜索を依頼された猫は自主的に帰宅した。
 体育祭ではどの種目に出るか迷っているうちに遠坂凛に丸め込まれて一般種目に出場することになる。100メートル走では見事一位を獲得するが、大玉転がしでは暴走してコースアウトし、失格。さらにマグロ投げの選手が怪我をしたため代理出場したが、ライン外に投擲してしまい失格。
 体育祭の翌日にjonafulで美綴と会食し、恋愛感情に起因するものかはわからないものの不自然なほど柳洞一成を避ける氷室をどうにかしようと相談し、頼られれば努力は惜しまないという結論に至った。
 体育祭で投擲競技が苦手なことが判明してからは、陸上部長たるもの陸上マスターでなくてどうすると部活動で円盤投げを練習する。しかし無駄に力を入れてなぜか下向きに投擲してみたり、無闇矢鱈に回転した挙句目を回して転倒して頭を打ってみたりと指導に当たった円盤投げのエースが匙を投げるほどの有様だった。
 秋になって文化祭の出し物を決める際には、以前に提案していた歌劇ではなく軽音部を提案したが、それはあからさまにバック・トゥ・ザ・フューチャーを意識したものであった。提案したバンド名は『LOVE関ヶ原』と『ランナウェイ☆五丈原』と『マジノ☆ライン』。しかし楽器演奏はできず、歌も踊りも得意ではなく、普通の演技力さえも怪しいと美綴綾子に軽音楽、歌劇、演劇の三つをすべて否定される。結果、2年C組の出し物は研究発表になった。
 文化祭の出し物が研究発表に決定した後、氷室がそのテーマを歴史IFにすることを提案し、美綴が歴史上どの偉人が最も強いのかという『全偉人大戦』を提案した際にはそれを子供っぽいと笑っていたが、凛がこれに賛同したためあっさり掌を反して賛同する。
 生徒会役員選挙の投票日は部活の練習後にjonafulと思われる喫茶店でくつろいでいたため投票を忘れていた。
 円盤投げのエースとの特訓で陸上力を鍛えるためには回転が必要だと思い、正しい回転を身体に染み込ませるためにドラム缶に入って河川敷の坂を転がっていたら止まれずに川に転落し、流される。そこを通りがかった凛に救助され、その場で持ち合わせていたスイーツを与えられたことで恩返しとして凛のミス穂群原の二冠獲得に向けての協力を申し出る。その協力とは詠鳥庵の高級和服を貸与するというものだったが、これは純粋な好意ではなく、遠坂凛という美人が和服を着るというインパクトをコンテスト会場にいる人たちに与えることで詠鳥庵の新規顧客開拓につなげるため、また陸上部の出店の宣伝につなげるためであった。もっとも凛の方も一生に一度着られるかどうかという高級和服を選り取り見取りできるという利点を考えてこの申し出を受けていた。こうしてニュー・マシンガンズが結成されたのであった。
 この作戦は奏功し、陸上部は売り上げトップを達成、凛もミス穂群原の二冠を達成した。
 また凛に誘われて2年B組の『ボーリィ牧師館』に入るが、教室が二階あるにもかかわらず恐怖のあまり暗幕ごと窓を突き破って逃げ出した。その際に木を伝って滑り落ち、屋台の客席として使われていたテントの天幕を突き破って陸上部の屋台『冬木温泉』に言いがかりをつけていたクレーマーが座っていたベンチに着地。そのベンチでクレーマーの股間を強打して悶絶させた。
 11月の休日に何をするか相談していた時に沙条が提案して実現した詠鳥庵での泊まり込みでの闇鍋パーティではネタ食材としてサルミアッキを投入した。その後で有り合わせの粘土で始めたバルバロッサのような遊びではダグラムに登場するロボットや骨董品などを作った。
 校内マラソン大会では氷室をリードして走っていたが、飛び出してきたアライグマに激突されて崖から転落し、悪徳市議が捨てた不正プール金を見付けたためともに大会を離れ、記録なしに終わった。この不正プール金の取得権利は蒔寺家から市に譲渡されたため、発見者の蒔寺には一円も入っていない。
 冬木市民マラソンに向けて三枝のコスプレ衣装の材料を買いに行った際は裁縫役として同行したが、和裁の技術はともかく洋裁の技術は基礎知識さえない事が判明し、仕立てるのではなく既成の部品を組み合わせる方式に転換せざるを得なくなった。冬木市民マラソンではドリンクに三倍濃縮めんつゆを持ち込んだが先行する藤村大河が間違ってそれを飲んだため難を逃れ、6位に入賞して温泉旅行を獲得した。
 部費の原資が枯渇した件について美綴や遠坂らと相談した際にははなから戦力外扱いされていたが、意外にも蒔寺が『前政権の信奉者である会計が前政権のノリで気前よくばら撒いて枯渇させた』という真相に辿り着いた。
 美綴家での勉強会の際に沙条綾香が用意した手製の青汁を飲み、一般人には見えないがオーラ状のものが噴き出すようになった。なお、この勉強会に参加したメンバーの中で蒔寺だけは成績が伸びなかった。
 三枝家でのクリスマス会の準備では盛り上げるために電飾などの飾りを大量に持ち込んだが、それが中途半端に壊れていて、トナカイの代用としてヤギのマスクを被った蒔寺本人と相まってまるで黒ミサのような惨状になってしまった。クリスマス会本番では番頭に頼んで蔵から持ち出してもらったトナカイの首の剥製をプレゼントとして持ち込み、交換の結果それは三枝が引き当ててしまった。なお蒔寺が引き当てたプレゼントは凛が持ち込んだ物だったが、凛のプレゼントは蒔寺、氷室、三枝のそれぞれに対する宝石の護符だったため、特に蒔寺だけにというプレゼントはなかった。
 蒔寺がデガラシ温泉にかけた『生まれ変わるような刺激が欲しい、いっそ別人みたいな由紀香とか見てみたい』という願いにより穂群原にゃーにゃー団が誕生した。
 AATMでアーネンエルベに来店した際に翡翠が作った『クラブサンド粗塩ライム風味』を食べて死にかけた。
 彼女のパラメータには体力、知力のほかに甘味ゲージがあり、摂取できる甘味の量が具体的に分かる。ただし少しでもそれを超えると暴走する。

 所有スキルは以下のとおり。
 心霊耐性:E…超ニガテ


マキリ(家名)
 聖杯戦争を始めた三家の一。長い歴史を持つ名門で使い魔に関しては優れた技法を持っており、サーヴァントを縛る令呪を作り上げた。
 聖杯戦争のために二百年前に冬木に移り住み、現在は間桐と名乗っている。
 その魔術は吸収で、必ず成果が自らの肉体に返るもの。


マキリ臓硯(人名/魔術師・死徒)
→間桐臓硯。


マキリ・ゾォルゲン(人名/魔術師・死徒)
 →間桐臓硯


マグダラの聖骸布(武装:hollow)
 カレン・オルテンシアが使用する、相手を拘束することに特化した礼装。男性には破ることができない。第五次聖杯戦争におけるバーサーカーでさえも拘束できるが、桁外れの力によっていずれ破られる。
 あくまで拘束するものなので、拘束によるダメージは与えられない。また外部から拘束者に対する攻撃があった場合には聖骸布の効果はなくなる。
 マグダラとはおそらくマグダラのマリアを意味するのだろう。マグダラのマリアとはガリラヤ湖西岸のマグダラという町出身の女性で、取り付いた七つの悪霊をイエスに除いてもらってからはイエスを慕い、彼ら一行に従ったとされている。復活したイエスに最初に立ち会った者の一人で、プロヴァンスとマルセイユの守護聖人。なおかつては七つの悪霊を七つの大罪と結びつけて罪の女とされてきた(六世紀末の教皇グレゴリウス一世による)が、1969年にカトリック教会はマグダラのマリアと罪の女を区別すべきであると正式に発表し、汚名は晴らされている。


MaCookingDo(地名:氷室の天地)
 冬木市にあるハンバーガー店。


真黒カルカン(人名:ネコアルク)
 まぐろ かるかん。
 黒人。ネコアルクの師匠にして数々の猫奥義を修得した猫浪人。なんとなくモーガン・フリーマンに似ている。
 偶然にも行き倒れていたネコアルクを助けたことがきっかけとなり、彼女に数々の猫奥義を伝授した伝説の猫浪人。現在は宇宙の猫力と一体化し、ネコアルクに度々助言を授ける存在となっている。
 ネコアルクに人の心の大切さを教えてくれた人物で、ネコアルクが人類のために戦うのは彼のおかげかもしれない。
 ものすごく可愛い娘がいる。ネコアルクが唯一『あたしのミリキを以てしても相討ちにもっていけるかどうか』と畏れるほどの萌えパワーだという。


マグロ投げ(用語:氷室の天地)
 Tuna Toss。
 衛宮士郎らが二年生の年の穂群原学園の体育祭での特別三枠に採用された競技。2年A組の選手が怪我をしたため蒔寺楓が代理出場したが、ライン外に投擲してしまい失格。そのマグロは男子リレーに出場しようとしていた間桐慎二に命中した。
 インドマグロ水揚げ量世界一を誇る南オーストラリア州南部エアー半島にあるポート・リンカーンで行われるツナラマ・フェスティバルで行われる競技。
 ツナラマ・フェスティバルは1960年に始まり、オーストラリア建国記念日である1月26日にかかる週末に開催され、マグロにちなんだ様々な出店が並び、パレードやロデオ、アートや工芸など盛りだくさんの行事が開催される。
 マグロ投げは1962年から行われている。予選では作り物のマグロを使用するが、決勝戦では本物のマグロを使用するらしい。


マジカル共同作業ケーキ入刀スラッシュ(用語:狙われたアーネンエルベ)
 カレイドオレンジとカレイドグリーンの合体技。暗黒剣エビルパケシソード(またはジャスティスパケシソード、ホーリーグローリーパケシソード)による一撃。ジャイアントアンリとそれを駆るカレン・オルテンシアを撃破した。


マジカル攻撃(用語)
 琥珀が使う数々のあやしい技につく呼称。
 マジカルアタック、マジカルミサイルなどと名付けられているが、明らかに化学薬品によるケミカルウェポンである。MELTY BLOODにおいてマジカルと名の付くものにろくなものはないという証明。
 シリーズが続けば更なるマジカル兵装が飛び出すだろう。最近では物騒かつ悪辣な人工知能を持った万能杖があるとか。


マジカルサファイア(人名/精霊)
 プリズマ☆イリヤに登場するカレイドステッキ。
 青を基調としたカレイドステッキ。またそれに宿る人工天然精霊。ステッキのデザインは杖の先に六芒星と円、リボンのような装飾を組み合わせたもので、柄頭には房がついている。携帯モードでは上端部分のみの形状になる。性格は冷静だが、言葉が的確すぎて棘がある感じ。マジカルルビーの妹。
 クラスカードの回収任務のためキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグからルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトに貸与されたが、ルヴィアがいきなり遠坂凛と仲間割れをしたため愛想をつかして逃亡し、独自に新たなマスターとして美遊・エーデルフェルトを獲得した。
 『沈黙のルビー アルマゲインパクト』の前日、次元の狭間に飲み込まれた。こういうことはカレイドステッキとしては割とよくあることらしい。異次元に遷移したマジカルルビーと再会したのだが、珍しい紅茶を買ってくるとかで帰還はもう少し先になるとのこと。


マジカル星(用語:hollow)
 マジカルルビーの心象世界。景色は荒れ果てた大地、赤く曇った空、そして空に浮かぶ巨大なカレイドステッキが特徴的。
 カレイドステッキから放たれるカレイドビームを浴びることで引きずり込まれる。固有結界のたたき売りである。


マジカルルビー(人名/精霊:hollow)
 マジカルアンバーとも。カレイドステッキに宿る割烹着が似合いそうな人工天然精霊。自称正義の魔法少女。声だけは可愛らしい。外見は割烹着を着て大きなリボンをつけた燃え上がる骸骨。分かりやすく言えばゴーストライダーと化した琥珀。
 その言葉はドイツ語のようだが、意味は日本語で理解できる。根底に刻まれた命令は『愛と正義(ラブアンドパワー)』。彼女にとっての正義とは世の中を等しく、(自分にとって)面白おかしくすることで、悪とは彼女に逆らうもの。当然ながら友達はいない。
 しつこく凛に契約を迫る。キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグをクソじじい呼ばわりする。
 月姫、Fate、空の境界、DDDの不思議系の中で最強。


マジカル・モットー(用語:事件簿)
 →魔術名


マジカルルビー(人名/精霊)
 プリズマ☆イリヤに登場するカレイドステッキ。
 『沈黙のルビー アルマゲインパクト』では、プリズマ☆イリヤの世界のイリヤスフィール・フォン・アインツベルンと美遊・エーデルフェルトと一緒にアーネンエルベに訪れる。平然と日比乃ひびきや桂木千鍵の前に姿を現し、あまつさえ喋ったり飛んだりもしたが、イリヤスフィールが携帯電話だと言って誤魔化した。読唇術と声真似で衛宮士郎の言葉をイリヤスフィールらに伝えた。ただし途中からキャラ崩壊した。
 マジカルルビーによるキャラ崩壊のせいで士郎が凛をアダルティに口説いていると信じ込んだイリヤスフィールが望んだ世界の滅びが隕石の落下として成就しそうになった際は、次元の狭間に飲み込まれたマジカルサファイアの分もカバーするため仮契約の並列処理によってイリヤスフィール、美遊、ひびき、千鍵の四人を同時に魔法少女にした。ただしその際のコスチュームは一人分を四人で分け合ったものであるため、非常に布地面積が小さなものとなった。
 隕石の軌道修正のため、イリヤスフィールへの魔力供給を行う際にはマジカルルビーの性質から愛する人のことを想う必要があったのだが、ひびきだけは恋愛の愛ではなく、隣人愛的な愛しか考えられず、そのせいで軌道修正は失敗した。
 そのため、イリヤスフィールらを地上に降下させるだけの魔力を残して四人から離脱し、危機的状況によるリミッター解除を行って自分ごと隕石を異次元に遷移させた。その後は運がよければ10年後20年後にまた会えるかもしれないと言い残したのだが、この時間はマジカルルビーの主観時間であり、イリヤスフィールらの主観時間ではその後すぐに戻ってきた。ちなみにマジカルルビーの主観時間では12年が経過している。
 その後、イリヤスフィールと美遊と一緒に再びアーネンエルベに来店した。


マジックサーキット(用語/魔術)
 →魔術回路


マジノ☆ライン(用語:氷室の天地)
 蒔寺楓が2年生の時の文化祭の出し物に考えていたバンド名。


魔獣(用語)
 生態系に属さない獣の総称。転じて幻想種のほぼ全般を指す語としても使われるようである。
 この場合における獣とは魔術的な用語で、四足の哺乳動物という意味ではない。魔獣は研究が未成熟だとか、突然変異といった理由で説明できる存在ではなく、本当に生物学から、場合によっては生物という字義からも外れている。
 魔獣の多くは神代より存在する、様々な動物が入り混じったキメラ(合成獣)であり、現代も人間が寄り付かない未開の地に生息している。
 幻想種の種別としては野獣の上、幻獣の下。使い魔として使役できるのは魔獣までとされている。幻獣はほとんどが世界の裏側に移り住んでいる。
 種類としては鬼や竜が魔獣に該当する。ただし竜を模したモノは分類に関係なく最優種とされ、魔獣、幻獣、神獣の全てに竜種、または竜種を模したものが存在する。
 天馬はそう強力ではなく、成長しても魔獣クラス。第五次聖杯戦争におけるライダーが召還する天馬は分類としては魔獣ながら、誕生から長い年月が経過しているため幻獣に近くなっている。


魔術(用語)
 魔力を以って行う秘儀、禁忌の類ではあるが奇跡ではないもののこと。魔を操る術。人為的に神秘・奇跡を再現する行為の総称。常識から乖離した現象だが資金と時間に制約をつけなければ現代の技術で再現可能な神秘を指す。根本は『歪曲』『逆行』。
 もとは魔法で、根源から引いている決められた力。よって、それを知っている人間が増えれば増えるほど力が弱くなる(十のものを一人で使うか二人で使うかの違い)。
 上級の魔術の戦いは概念と概念の戦いであり、どちらが強者かではなくどちらが綻びのない秩序を有しているかの計りあいになる。
 門派ごとに違いはあるが、基本は『術者の体内あるいは外界に満ちた魔力を変換する』機構。魔力を以って『既に世界に定められたルール』を起動、安定させることで自然干渉を起こす術式。各門派が取り仕切る基盤(システム)に従って術者が命令(コマンド)を送り、あらかじめ作られていた機能(プログラム)が実行されるというもので、命令を送るのに必要な電流が魔力。車という『ルール』にガソリンに当たる『魔力』を注ぎ込むことで走らせるようなもの。
 魔術の起動に必要なものはその起動に必要な魔力量とエンジンを回すためのキー(パス、呪文、コード)、そして魔力をエンジンに注ぎ込むための魔術回路の三つ。
 魔術は万能ではなく、等価交換を基本とする。出来る事を起こすのであって出来ない事は起こせないということ。だがその『無』、あり得ない事に挑むことが魔術という学問の本質であり、大魔術、大儀式と呼ばれる大掛かりな魔術は「 」、魔法に至る為の挑戦に他ならない。
 魔術師としての血筋が希薄な魔術師は“すでに形式あるもの”を以って魔力と成す。つまり古くから確立している儀式、供物を使って神秘と接触する。こちらは自身の力では足りないために代価を用意して取引をするという魔術形式で、使用する魔力はマナから借り受けるため術者は儀式を行うだけでいい。
 どちらにしろマナを使う魔術は個人で行う魔術を容易く凌駕する。大自然に干渉するほどの魔術はやはり大自然に満ちるほどの魔力(マナ)でなければ発動できない。
 魔術そのものの性能は決まっていて誰が使用しても変わることはないが、詠唱で(どれだけ深く自己に刻んだ魔術を引き出すかによって)威力が変わる。
 基本的には五大元素魔術で、それに特性を与えることで意味合いを付与していく。単純なものでは五大元素魔術に強化を付与すると、火属性ならば火がより強く燃え、水属性ならばより勢いよく水量を増して流れる。強化は最も単純な例で、もう少し高度な特性になると傍目には属性よりも特性のほうが明白になり、もととなった属性は分かりにくくなる。例えばイリヤスフィール・フォン・アインツベルンが使った視覚の転移は『転移』という特性を付与した魔術だということは分かるがもととなった属性はもはや不明である。
 他者の精神に干渉し、思考の方向性を変える魔術等は物質的な代償は必要としないが、術者の精神をも変えてしまった方向性に引っ張ってしまう。魔術協会では呪術は学問ではないと蔑視されており、中東圏のソレに大きく遅れをとっている。
 完成した魔術を無効化するには式に干渉するか膨大な魔力を以て洗い流すしかない。
 魔術で他人の魔力の影響を受けた物に干渉するのは難しい。例えば同じ壊れた物を修復する事でも、単に物理的な衝撃で破壊された物を修復するのは容易で、他人の魔力に耐えきれずに破壊された物を修復するのは難しい、といった具合。
 文明が未発達な時代は現代で言う魔術はほぼすべて魔法であり、魔術師のほぼすべてが魔法使いだった。現代では不可能になった神秘が神代においてはさほど難しいものではなかったのは、自転や月との位置関係、星の巡りによる相克が世界にエーテルを満たしていたことと、統一言語と呼ばれる根源の渦を通した言語を使用していたため。
 魔術の採算性のなさは、市販の栄養ドリンクや使い捨てカイロと同等のアイテムを魔術的に作成する場合にはそれらを購入する数十倍のコストがかかるということからも窺える。
 魔術師は魔術を隠匿し、もし一般人に目撃された場合はその目撃者を殺すことも含めて情報を守る。魔術は知られると力が薄れるためだが、これはあくまで全体の、しかも随分と未来の事であり、個人単位では全く関係ない。かつて魔術師は一般に知られていたが、それでもその魔術そのものは秘されるものだったのだが、これが現代では拡大解釈され、『魔術師はこれ、その御業をすべて隠匿すべし』という魔術協会の十箇条にあるように魔術師といういわば職業そのものも秘されなければならないとされてしまっただけである。とはいえ、この魔術の秘匿の原則は絶対であり、これを破った魔術師は魔術世界で生きていくことが困難になる。
 パラメータールールに照らすと、魔法陣や瞬間契約を用いた大魔術がランクAに相当する。


魔術(技能:Fate)
 サーヴァントの能力。
 C-:オーソドックスな魔術を習得。


魔術回路(用語/魔術)
 マジックサーキット。
 魔術師が体内に持つ擬似神経。魔術を構成する為の二種類の基盤のうち、人間の体内にあるもの。魔術師としての資質。教会では『秘蹟を再現する資格』と呼ばれている模様。
 幽体と物質を繋げる為の回路。魔力を精製する道具であり、マナを汲み上げて人間に使えるモノにする変換機であり、システムを動かすためのパイプライン。生命力を魔力に変換するための路であり、基盤となる大魔術式につながる路である。通常の魔術回路の働きは地殻流動に近く、ノウブルカラーと呼ばれる魔術回路の働きは天体運営に近い。
 普段は神経として体内に張り巡らされているが、核となるポイントとそのポイント同士を結ぶバイパスとに分けられる。核を結ぶバイパスは脳内のシナプスのようなもので切れたり結ばれたりするが、核は決して変動しない。厳密にはこの核こそが魔術回路と呼べるもの。
 これの運営には生命活動が不可欠であるため、魔術師の体=魔術回路と誤解されがちであるが、稀に術者が生命活動を停止しても自律して回転する魔術回路も存在する。こういった場合は魔術回路を統括する脳を真っ先に破壊するに限る。個人の魔力(オド)を使い切ってもゼロから回復するのは魔術回路が動いているからであり、逆に魔術回路がなければオドは生成されない。
 魔術回路を使用するとヒトである肉体がそれを拒んで苦痛が訪れる。魔術回路の発動によって術者の体温が変化する。衛宮切嗣は研究と鍛錬を重ねてサーマル映像から魔術回路の状態を読み取れるようになっていた。外部からの魔力を弾く働きがある。
 計算にしろ通信にしろ、2014年の時点の携帯端末でできる処理は魔術回路で行える。魔術師が電子機器に頼るのは自分が未熟者だと公言しているようなものであり、それが高位の魔術師ほど電子機器を軽視・軽蔑する理由である。
 生まれながらに持てる数が決まっており、増えることも減ることもない“内臓”。増やすこと、減らすことは無論できるが内臓に例えている以上、実際の臓器移植と同じことが言える。魔術回路は肉体ではなく魂にあり、魔術回路の移植は精神と体の融合である。
 魔術回路を通すことは、背骨を丸ごと人工の背骨に移植するほど困難かつ危険を伴う。一度開いてしまえばその後は術者の意思でオンオフの切り替えができるが、そのスイッチになるイメージは最初の“開き”に関係していて、自傷行為によってのみ開く者、撃鉄を落としたり心臓を突き刺したりするイメージをする者など様々だが、性的興奮を必要とする者が案外多く、性的興奮を必要とする者はドラッグを必要とする場合が多い。
 魔術師は魔術回路を接続する事ができるが、この際の主導権は干渉された側にあり、一定以上の技量をもつ魔術師ならば接続してきた側の魔術回路を好き勝手に弄る事も焼き切ることも可能。
 移植する方法はあるが成功率が低いため行われることは少ない。魔術師同士で魔術回路を移植することで確実な魔力のパスを通すことができる。だがこれは魔術回路を使いながらその回路の数を減らすという不安定なものであり、また使い魔の契約ほど形式化していないため共倒れになる可能性がある。
 減った魔術回路は決して自然に元に戻ることはない。そのため魔術師の家系は自分たちに手を加えて一本でも魔術回路が多い後継ぎを誕生させようとする。それゆえ古い家系の魔術師ほど強力。一般の人間にはほとんどない。


魔術基盤(用語/魔術)
 魔術師の各門派が世界に刻みつけた魔術理論。既に世界に定められたルール。大魔術式。魔術を構成する為の二種類の基盤のうち、世界に刻まれたもの。学問や宗教といった形をとる。
 魔術基盤は地脈にも密接に溶け込んでいるため、その魔術基盤を使う魔術師は地球上のどこでも魔術を行使できる。ただし自身の魔術基盤が刻まれた土地から離れると土地のバックアップが薄くなり、威力は確実に劣化する。
 魔術基盤が個人の口伝や一族の限定継承の場合は上記の土地のバックアップが薄くなることによる弊害はなく、基盤のルールさえ合っていれば地球上のどこであっても基本通りの効果を発揮することができる。
 最も広い基盤を持つ魔術理論が教会による『神の教え』。


魔術協会(用語)
 国籍・ジャンルを問わず、魔術を学ぶ者たちによって作られた(名目上は)自衛団体。往々にして魔術協会の本部であるロンドンの魔術協会(時計塔)のことを指す場合が多い。
 自らを脅かすモノたち(教会、自分たち以外の魔術団体、禁忌に触れる人間を罰する怪異)から身を守るために武力を持ち、魔術の更なる発展(衰退とも言う)のための研究機関を持ち、魔術による犯罪を抑止するための法律を敷く。ただし魔術の研究過程で人間社会の法を犯したとしても処罰せず、それによって魔術の存在が露呈する事態を引き起こす場合にのみ処罰をする。
 また呪術は学問ではないという見地を取っているために、呪術にかけてはイスラム圏のソレに大きく遅れをとっている。大陸の思想魔術とイスラム圏の魔術基盤とは相容れず、互いに不可侵を装っている。
 大きく三大の部門に分かれていて、大英博物館の裏にある『時計塔』と呼ばれるロンドンの魔術協会が本部で、錬金術を研究する『巨人の穴倉』と呼ばれるエジプトのアトラス学院、北欧に根を張る複合協会である『彷徨海』と呼ばれる原協会がある。
 この三大の部門が協力して魔術協会を運営しているというのが建前であるが、実際には時計塔が本部になってから三部門は没交渉気味で、敵対してこそいないが思惑は三者三様である。また日本、中国、中東などにも神秘を扱う組織があるが、思想の違いから表立った交流はない。
 本部はイギリスの首都ロンドンにある『時計塔』。アトラス院と彷徨海は紀元前から存在する。時計塔は他の部門よりも新しく、西暦元年を境に創立されて最新の研究機関として成長を遂げた。
 時計塔の源流は中世ヨーロッパで発足した魔術師の互助会。魔術協会創立者の中には彷徨海やアトラス院を追放されて行き場を失った異端の魔術師が多くいた。神秘が俗世に漏れることを警戒するため秘密主義を貫く。そのため外部への警戒心はもとより、協会内部も猜疑心と策謀の巣と化している。同じ協会に所属する魔術師でも、派閥が違えば相手を殺すことも厭わない。
 策謀渦巻く権力闘争の場で、外部にアピールするための威光は欲されるが、内部で輝きすぎる新参者は疎んじられる。魔術協会を束ねるのは貴族(ロード)たち。
 魔術協会の厄ネタの一位は悪霊ガザミィ、二位が封印指定、三位が封印指定の実行者。
 奇跡は選ばれた聖人のみが学ぶものという聖堂教会とは当然のことながら折り合いが悪く、いままで幾度となく刃を交えてきた。現在は協定が結ばれ、仮初めの平穏を謳っているが、記録に残さないことを前提に現在でも聖堂教会とは殺し合いをしている。聖堂教会にとって最大の敵は吸血種であり、彼らとは時に協力もする。
 教会のように吸血鬼と敵対してはおらず、ある種の協定を結んでいる。
 魔術師だからといって必ずしも所属しなければいけないわけではないが、魔術に関するあらゆるものが揃っているために所属したほうが研究をしやすい。蒼崎橙子のように研究をしてから脱退するものもいる。
 蒼崎青子は時計塔に所属している。
 最高位の術者には色の名を冠した称号(色の位階)を与えており、中でも原色の称号はその時代最高の証である。聖遺物や魔術に関する書物、地脈が歪んだ霊地はほぼすべて魔術協会が制圧している。聖杯戦争の主催。魔術協会には魔術刻印を抜き出して保存しておく技術が存在する。魔術師が保有する魔術の特許を魔術協会が取得した場合、それはオープンソースになる。
 秋葉原支部がある。


魔術協会の十箇条(用語/魔術)
 魔術師に対する魔術協会からの心得のようなものと思われる。
 その第一条は『魔術師はこれ、その御業をすべて隠匿すべし』。


魔術刻印(用語)
 簡潔に言えば後継者の証。一族の魔術を凝縮した入れ墨のようなモノ。一族に伝わる魔導書。魔術師の家系が持つ遺産。形になった魔術回路。
 魔力を通すことで形成されるもう一つの魔術回路。術者を補助するために独自に詠唱をする。記されている魔術ならば持ち主が修得していなくても魔力を流すだけ(一工程)で使える。使っていない(魔力を通していない)時は浮かび上がらない。個人差はあるが、基本的にはフル稼働すると発光する。
 ある魔術を極めるとその魔術を“手に取る”ことができるようになる。つまり、扱われる式という領域を超えて自分自身となった魔術をカタチに残せるようになる。それを死ぬ間際に刻印として後継者に譲るのがこれ。つまり固定化(安定化)した神秘を刻印にしたもの。臓器のようなもので、肉親以外には拒否反応が出、分割・写本をしても機能しなくなる。臓器に例えられる以上、寿命も存在する。通常の生物のスケールを超えて数百年、場合によっては千年以上を生き続ける魔術刻印もあるが、どのくらいもつかは特質によって変わる。
 初代の魔術刻印は失われた幻想種や魔術礼装の欠片などを核として体に埋め込み、それを何代もかけて自らの魔術に染めていくことによって完成する。初代の魔術刻印を作る事は異物を埋め込む事になるため、普通に親から魔術刻印を移植される場合よりもはるかに拒絶反応が強い。
 現代では最初から魔術刻印を作る事はほとんどなく、有力な家系から魔術刻印を株分けしてもらう事で魔術刻印を作るのが主流になっている。この場合は他人からの移植であるため魔術刻印本来の固定された神秘としての機能はほぼ切り捨てることになるが、一から魔術刻印を作るよりずっと若い世代で使い物になるし、方向性もコントロールしやすい。株分けをすれば親となる魔術刻印に傷が付くが、調律師の施術を受ければ数か月から一年ほどで回復でき、株分けされた家からは絶大な忠誠を期待できるため、多くの派閥では株分けによる分家設立が主流となっている。この大本となる本家の魔術刻印を源流刻印と呼ぶ。
 魔術回路なのでほんの少し体に刻むだけで人間の肉体から拒否反応が出て凄く痛む。そのため子供の頃から少しずつ移植し、ついでに中身も無理が利くように薬草とか怪しげな骨を砕いたものを飲み続けて耐性を作る。魔術刻印の移植は後継者の第二次性徴が完了するまでに段階的に行われるのが好ましい。魔術協会には魔術刻印を抜き出して保存しておく技術が存在する。
 魔術刻印の移植のためには高度な共感状態になることが必要。そのため、移植する側もされる側も衣服を脱ぐなどして体温を伝えやすくすることで移植の難度を下げることができる。他人に移植した場合には刻印化した魔術は使えなくなるが、魔力の受信装置程度になら作り変えることができる。
 刻印の移植後は違和感があるが、刻印のほうが肉体に擬態していくためしばらくすれば違和感は無くなる。
 成長すれば慣れるが、結局は他人の肉体である。そのためこれを制御するための薬があり、五百年や六百年も続いて血統操作している家系ならばともかく、二百年程度の歴史で族外の血が混じった家系ではこれに頼らざるを得ない。遠坂凛はこの調合を小学生の頃に仕込まれた。なお、味はとんでもなくまずいうえ副作用として体臭が変質する。
 魔術刻印には術者(魔術刻印の後継者)が大怪我などで意識を失ってもその生命を維持しようとする性質がある。魔術刻印が正常に稼働している場合は、たとえ肉体が炭化するほどの炎に焼かれようとも持ち主の魔術師を延命させる。逆説的ではあるが、魔術師が死亡した(殺害された)場合は魔術刻印が破損していると考えてよい。かなり高度な魔術刻印を持っていても、心臓を破壊すれば大抵は死亡する。


魔術刻印の修復(用語/魔術:事件簿)
 アッシュボーンの秘法。
 魔術刻印は臓器に例えられるように長い時間を経ると劣化してゆく。それを修復するのがアッシュボーンの秘法である。
 欠損した魔術刻印を修復するには同じく魔術刻印が必要になるが、他人の魔術刻印を移植したところで正常に動作する事はない。そこでゲリュオン・アッシュボーンは『身体をどろどろに溶かして全く別の生物に作り変えてしまう』蝶に着目した蝶魔術の大家であるオルロック・シザームンドと共同で研究をし、剥離した他人の魔術刻印(あるいは魔術回路)を材料にして混ぜ合わせ、魔術刻印を修復する事を可能にした。
 ただし、この施術を受けた者は材料となった者と人格や記憶が混ざり合ってしまう。
 多くの魔術師たちが施術を受けたらしいが、成功例はかなり少なく、多数の魔術師は修復の材料にされたらしい。時計塔の法政科はこれに目を付け、邪魔な魔術師を剥離城アドラに送り込むことで処分し、アッシュボーンは素材を入手するという関係にあったとロード・エルメロイU世は推測した。
 なお、魔術刻印の修復というか調整程度ならば調律師が行うのが一般的だが、大規模な修復となると非常に長い時間がかかってしまう。


魔術師(用語)
 魔術を用いる者のこと。衛宮士郎曰く、魔術師としての才能は記憶力、適性は再現力。
 魔術を研究することが最優先で、めったに魔術を行使しない。魔術師にとって魔術はあくまでも研究対象であり、そのため研究をしない魔術師のことを魔術使いと呼んで区別することがある。また日常生活で魔術を行使することも少なく、これは日常的に使用するには魔術はコストが高すぎることもあるが何よりも魔術の秘匿のためである。加えて目立つ魔術の使い方をすると魔術協会による粛清の対象となるのである。
 基本的に自己の研究成果は他人に公開せず、死ぬ前に子孫に継承するときだけに開示する。よほどの大家でない限りは一子相伝で、子が複数いた場合は一人を後継者に選んでそのほかの者には魔術師の家系であることすら明かさずにごく普通に育てる。また、他の魔術師の家系に養子に出すこともある。
 基本的には一代ではなれず、血と歴史を積み重ねることで知識と魔力を高めていく。ただし、遺伝的突然変異で魔術師になれる者もいる。代々の魔術の成果である魔術刻印と魔術回路の数は代を重ねるごとに強力になってゆくものであるため、出自によって優劣がおおむね決定されるというのが通説。
 魔術師としての修行は生まれたときから始まり、過酷な鍛錬で耐性をつけていく。修行においては洗脳や肉体改造といった非人道的な手法さえ珍しくはない。そうしないと魔術行使をしたときに死ぬなどの危険があるのである。廃人になってもいいなら限界を軽く超えられる。たとえるなら魔術師はエンジンであり、どんな小さなエンジンでもアクセルを踏み続ければ限界以上のスピードが出るのと同じこと。
 ほとんどの者は根源の渦にたどり着くために研究をしているが、根源には中身が詰まっていないほうが到達できるためにどうしても研究は報われない。蒼崎橙子は人間の肉体を通して、荒耶宗蓮は人間の魂を通して、遠坂永人は無の境地を経て根源の渦にたどり着こうとした。神代の魔術師は根源と共に在り根源から魔力を得ていたようなものなので、根源があまりに身近に感じられるため『根源に至る』という意識を持てない。魔女メディアは能力的には魔法使いだが、根源に至る事がないため魔術師とされる。
 女の魔術師にとって髪と髪留めは最後の切り札。また魔術的な力の象徴でもあり、髪を奪われると呪詛の依代として使われることもある。
 研究以外で魔術を行使する(例えば魔術を使用して労働を行い、対価を得る)者は少ないが、薬を作ることを副業にしている者は多い。二世代ほど前ならば鎌倉の文士に混じっていた。金に困った魔術師は魔術協会に魔力の塊である精液を売ることがある。
 宗教においてはどの宗派にも受け入れられないが、無宗教だと吹聴するのは疑惑を呼ぶので目立たないようにしている。が、時折正体を察してしまう霊感や法力の強い宗教者もいる。
 一般人との大きな違いは魔力を生成できること。一般人でも魔力を保持できるが、生成することはできない。なお魔術師にとって己の体内を流れる魔力をイメージするのは大事なことであり、遠坂凛の場合は清流を舞うように泳ぐ魚のイメージ。
 魔術師同士の対立が殺し合いに発展するケースはままあるが、それは純然たる魔術勝負であり、決闘じみた形式で解決される。
 己を神秘と人智の中間に位置する者と信じ、己を脅かすのは神以外には魔術師以外にはいないと疑わない。よって一般的に戦闘においてはひたすら魔術の気配に過敏になり、物理的な攻撃を二次的な脅威として軽視する。『魔術師殺し』衛宮切嗣はそこに付け入り、魔術によらない攻撃で魔術師を殺していた。魔術師は魔術を道具として用いる魔術使いを軽蔑している。
 延命の魔術を用いれば数百、数千年を生きることができる。極論すれば魔術師と死徒は神秘への在り方が同類であり、死徒のほうがより純度が高い。
 魔術師は魔術を隠匿し、もし一般人に目撃された場合はその目撃者を殺すことも含めて情報を守る。魔術は知られると力が薄れるためだが、これはあくまで全体の、しかも随分と未来の事であり、個人単位では全く関係ない。かつて魔術師は一般に知られていたが、それでもその魔術そのものは秘されるものだったのだが、これが現代では拡大解釈され、『魔術師はこれ、その御業をすべて隠匿すべし』という魔術協会の十箇条にあるように魔術師といういわば職業そのものも秘されなければならないとされてしまっただけである。とはいえ、この魔術の秘匿の原則は絶対であり、これを破った魔術師は魔術世界で生きていくことが困難になる。
 ロンドンの名門ともなると魔術と表の事業を完全に割り切っていて、金融専門の弟子を取っていることもある。


魔術式(用語/魔術)
 魔術基盤に含まれる、魔術の機能を記したもの。
 魔術の行使とは各門派が取り仕切る基盤(システム)に従って術者が魔術式に命令(コマンド)を送り、あらかじめ作られていた機能(プログラム)が実行されるというもの。そのため、魔術式の数だけ魔術は存在する。


魔術錠(用語:事件簿)
 ミスティック・ロック。
 魔術による錠前。様々な形式があるが、おおよそは魔術師個人の魔力の波長そのものを鍵とする魔術礼装。かなり高価で魔術師にしか使えず、使用者を柔軟に変更できないという欠陥はあるが、堅牢性の高さから広く用いられている。


魔術使い(用語・俗称)
 根源に至るための研究対象としてではなく、道具として魔術を行使する者。そのためある意味では魔術師よりも効率的に魔術を運用することができ、たとえば衛宮切嗣は正攻法ならば一年かかっても突破できないであろう遠坂邸の結界を三時間弱で突破した。
 魔術師は魔術使いを軽蔑している。


魔術名(用語:事件簿)
 マジカル・モットー。
 一部の結社で用いられる、魔術師の世俗とは別の名前。魔術と向き合う際にそれ専用の名前を持った方がより純粋に臨めるために用いられる。必ずしも自分自身の名前としてではなく、信じる摂理や座右の銘のようなものとして使う事もある。


魔術卵(用語/魔術:魔法使いの夜)
 エンブリオ。
 詳細不明。
 午睡の鏡はもとは内側に異世界を内包した魔術卵だった。


魔術理論・世界卵(用語/魔術)
 固有結界を用いるために必要なもの。
 自己と世界を、境界をそのままにして入れ替えるもの。普通は世界の中に自己や他者が存在しているのだが、魔術理論・世界卵を用いると自己と世界が入れ替わり、術者の自己の中に世界と他者が取り込まれる(術者の中にある世界の中に他者がいるのではなく、術者の中には世界と他者が同列に取り込まれる)。
 固有結界(魔術理論・世界卵)を発動すると自己と世界の大きさが入れ替わり、世界は小さな入れ物に閉じ込められるのだが、この閉じ込められた世界のことを世界卵という。転じてそれを為す魔術理論のことを世界卵と呼ぶ。
 この世界が術者によって完成されると、卵の内側と外側が入れ替わる。これが『空想が現実に侵食する』のではなく、『現実が空想に封じ込められる』という大禁呪である。


魔術礼装(用語)
 →礼装


魔術炉心(用語:Fate)
 第四次及び第五次聖杯戦争におけるセイバーの魔術回路のことだが、その膨大な容量ゆえに炉心と表現される。線や回路で表現される通常の魔術師の魔術回路とは根本から異なり、そもそも人を凌駕している。黄金に燃え、七色に輝く魔術回路で、その中心には竜が在る。


魔術を簡略化する魔術式(用語・魔術)
 遠坂時臣がこれの特許を時計塔に登録している。しかし現代では時代遅れになりつつある。


魔女の軟膏(用語/魔術)
 女性魔術師が箒に乗って飛行する際に併用される「大地から追放される」効果を高める薬品。箒とこれを組み合わせることで引力が六分の一になると言われる。ただしこれだけでは単にふわふわ浮くだけで、推進方法は魔術師ごとに異なる。また魔女の軟膏は一種の麻薬であるため、鮮明な意識を保ったまま飛行するのは困難。


マスター(用語)
 サーヴァントを従えて聖杯戦争に参加する魔術師のこと。魔術師の位ではなく、単に令呪を宿してサーヴァントを従えることができればこう呼ばれる。英霊であるサーヴァントを呼び出してこの時代に留めるための依り代。聖杯ではなく、大聖杯に選ばれる。
 マスターの座は早い者勝ちであり、マスター候補者が8名以上いた場合でもサーヴァントが7騎召還された時点でそれ以外の候補者からは参加資格が剥奪される。始まりの御三家であるアインツベルン、間桐、遠坂の魔術師は、その三家が聖杯戦争を創始したということでより真摯に聖杯を求めていると看做され、優先的に令呪が授けられる(ただしマスターとなるに相応しい実力を持つ者でなければならない)。
 一人のマスターが同時に契約できるサーヴァントは必ずしも一人ではない。個人の向き不向きもあるが、魔術回路を多く保有していてマルチタスクに向いた精神構造をした者なら三人くらいとの同時契約も可能。
 マスターの特性や魔力の量、生き様がサーヴァントのパラメータに影響を与えることがある。たとえば魔術師として未熟な衛宮士郎の場合は契約したセイバーのパラメータが軒並み低く、魔術使いとして優秀であった衛宮切嗣の場合はその生き様により幸運の値が極めて低くなっていた。
 サーヴァント召還と同時に魔力供給及び令呪による束縛のパスがサーヴァントとの間に成立し、このパスによってお互いの場所や状況をある程度認識することができるようになる。マキリが完成させた契約システムは魔力供給のパスと令呪による束縛のパスが一つになっており、魔力供給のパスをある程度の指向性とともに認識することが可能。ただし第四次聖杯戦争におけるランサーのように令呪のパスと魔力供給のパスを分けた場合には供給される魔力に対する知覚力が著しく劣り、魔力の供給もとである魔術師の生死こそ判別できるが、魔力がどこから流入してくるかはまったく判別できない。
 サーヴァントが霊体になっているときでもレイラインで繋がっているマスターとは会話程度なら可能。遠く離れたサーヴァントとの通信には念話などの交信手段が必要となるが、どちらか一方が生命に関わるほどの窮地にある場合には気配の乱れですぐに察することができる。
 マスターにはサーヴァントのパラメータを透視する能力を与えられるが、それは人によって異なり、色で識別する者や獣に例えて識別する者もいる。
 聖杯戦争が終わっても令呪を宿し、サーヴァントが残っているならばマスターであり続ける。令呪は死後も死体に残り、然るべき手段によって抜き出すことができる。
 マスターを失ったサーヴァントが出た場合には聖杯が回収した未使用の令呪を新たな契約者候補に再配布するが、聖杯に選ばれる適格者がざらにいるはずはなく、結局は新たなマスターを探すにしても以前にマスターとして見込んだ人間を優先的に選ぶ傾向がある。とりわけ始まりの御三家のマスターたちは別格で、サーヴァントを失ってもその時点で他に未契約状態のサーヴァントがいれば令呪を失うことすらなく継続してマスター権を維持できる。これが脱落したマスターを聖堂教会が保護する理由であり、聖杯戦争参加者が敵対するマスターを無力化するのみならず殺そうとする理由である。
 サーヴァントにとってマスターは現世に留まるための要石のようなもの。そのため、マスターとの契約が切れるとサーヴァントはその要石の分も自分で捻出しなければならなくなるので、結果的にすぐに現界できなくなり消滅する。召喚に使われる触媒が概念ではなく遺物であった場合はこの遺物も要石となる。
 聖杯戦争のシステムから見ればその目的、つまり根源への門を開くためにはサーヴァント7騎の魂さえあればよく、マスターはサーヴァントの召還が成った時点で既に用済みである。


マスター(俗称)
 →ジョージ


マスター・V(俗称)
 →ロード・エルメロイU世。


マソップ(地名:氷室の天地)
 おそらく家電や音楽・映像メディア、ゲームなどの総合販売店と思われる。美綴綾子がここでDC3版の英雄史大戦DXパックを購入した。
 ソフマップのものに酷似した紙袋を使用している。


マタタビ麻酔(用語:MBAA)
 ネコアルクに用いる麻酔。


マタマタ(用語:氷室の天地)
 南米原産の亀。肉食性で、枯葉に擬態した姿をしている。
 バブル期に放たれたため、円蔵山の池にも生息している。


魔弾(用語/武装:Zero)
 起源弾とも。衛宮切嗣が礼装であるトンプソン・コンテンダーで使用する切り札。衛宮切嗣の『切断』と『結合』という特異な起源を最大限に活用した弾丸。切嗣の両脇腹の第十二肋骨を摘出して擂り潰し、霊的工程で凝縮して66発の銃弾に芯材として封入したもの。弾種は.30-06スプリングフィールド弾。
 物理的な威力だけでも大型軍用ライフル弾である.308ウィンチェスター弾の一割増を誇り、拳銃として携行する銃から発射するには過剰極まりない。しかも魔力を込めて撃ち出されると、これは切嗣の『起源』そのものを対象に叩き付ける。いわば擬似的な概念武装である。
 これで撃たれた対象には切嗣の起源が具現化する。生物に命中したならばそこには傷口も開かず出血もなく、ただ被弾した部位のみが壊死した古傷のようになる。しかし表層的には癒着しているように見えるが、内部の神経や毛細血管は元通りの再生をせずもとの機能を失う。
 そして魔術師に命中した場合はさらに深刻なダメージを与える。これに魔術で干渉した場合、起源による影響は術者の魔術回路にまでフィードバックされる。魔術回路を高圧電流の回路に例えると、魔弾は一滴の水である。つまり魔術回路をショートさせて破壊するのだが、電流にたとえた以上魔術回路に流れる魔力が多ければ多いほど(魔術回路を励起していればしているだけ)破壊の度合いがひどくなる。
 RPG的に単純化するのなら、この魔弾を受けた者はMPの数値がそのまま肉体へのダメージになる。HP100/MP3000のケイネス・エルメロイ・アーチボルトにとっては致命的だが、HP50/MP5のウェイバー・ベルベットにとってはさほどのダメージにはならない。もっともこの『MP』は、成熟した魔術師一人分の魔力量が25程度、第五次聖杯戦争当時に龍洞に溜まった魔力が1000程度ということを考えれば、単純に魔力量とイコールではないと思われる。
 よってこれを防ぐには魔術的な手段によらず、純粋に物理的な手段によって防御しなければならない。だがこの.30-06スプリングフィールド弾という弾丸は装甲車にでも乗っていないかぎり負傷を免れない貫通力を持っている。実戦には不向きなトンプソン・コンテンダーという銃を選択したのは、物理的手段による最大火力を拳銃として携行するため。
 第四次聖杯戦争勃発までに37発を消費し、過たず37人の魔術師を完全に破壊してきた。第四次聖杯戦争の九年前に、コンテンダーもろとも12発を久宇舞弥に預けてあった。


魔弾(魔術)
 蒼崎青子が得意とする魔術。
 もっとも単純な魔術回路でのみ可能とされる、第五架空要素を熱量として撃ち出す魔弾。遠坂時臣の言葉によれば魔法の一端であるらしい。
 自身の魔術回路を銃身として魔力を放つ、ごく簡単な魔術式。魔力を熱量として撃ち出すだけというシンプルさゆえ、術者が扱える魔力量がそのまま破壊力になる。青子のものは鮮やかな青色をしている。
 少なくとも青子が使用する物には三種類あり、詠唱を必要としない一工程のもの、魔術回路を起動し簡略化詠唱を用いる二工程のもの、大詠唱を用いるものがある。二詠唱のものは一発で4tの破壊力があり、大詠唱のものは20tの破壊力と3000度に匹敵する火炎温度の架空要素を持つ。蒼崎橙子との戦闘で使用した四小節の大魔術はエーテルを単純に打ち出すだけでも10tに及び、これを魔術刻印で加工して掃射すれば三咲高校の旧校舎さえ粉砕可能。
 TYPE-MOON Fes.ではこれで空に打ち上げられたハッピーロビンのぬいぐるみストラップを爆破処分した。この時のものは一工程、二工程、大詠唱のいずれかは不明。これを撃ったのは高校生時代の蒼崎青子。


松尾芭蕉(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 固有能力は味方全軍の移動力強化。


マッケンジー邸(地名:Zero)
 第四次聖杯戦争においてウェイバー・ベルベットが拠点とした家。
 住所は冬木市深山町中越2-2-8。


マッケンジー夫妻(用語/人名:Zero)
 グレン・マッケンジーとマーサ・マッケンジーの老夫婦。第四次聖杯戦争の時点でカナダから移住して二十年余り経つが、日本の暮らしに馴染めなかった息子は生国に戻って家庭を持ち、十歳まで日本で育てた孫も便りもないまま七年が経っていた。
 ウェイバー・ベルベットはそこに付け込み、魔術的な暗示によって夫妻の孫『ウェイバー・マッケンジー』に成り済まして彼らの家に寄生した。


末子(用語)
 フレーム。
 魔術協会における魔術師の階級の一つ。最低位である第七階梯。


全く簡素な試練(宝具?)
 ブルワーカー。ギルガメッシュがこれで体を鍛えるという。


まっどべあ(地名:魔法使いの夜)
 略して単にベアとも。
 三咲町商店街にある中華飯店で久万梨金鹿の家。エプロンはオレンジ一色の地にデフォルメされた白熊が中華鍋を爆砕している図柄が配されている。『QKS(クイックキラーサービス)・森のくまさん』と銘打った出前も行っている。
 静希草十郎と木乃美芳助がアルバイトをしており、金鹿が実質的な経理を担っている。


魔天の車輪(宝具:事件簿)
 ヘカティック・ホイール。
 フェイカー(ヘファイスティオン)の宝具。対軍宝具。紫電を纏う二頭立ての戦車。戦車を牽くのは骨と化した竜。戦車自体はイスカンダルが使う『神威の車輪(ゴルディアス・ホイール)』と同じ物だが、イスカンダルがゼウスの神威によって操ったのに対し、ヘファイスティオンは魔術によって操っていた。戦車を牽く骨の竜はデュオニュソス信仰の蛇崇拝によるものであるらしい。


間桐(家名)
 もとの家名をゾォルゲンといい、ロシア方面から冬木市に移住した際に当時の当主マキリ・ゾォルゲンの名であるマキリを間桐と読み替えて姓とした。
 使い魔の創造に長けた魔術の名家。冬木市に根を張るもう一つの魔術師の家系。属性は水。一族に伝わる魔術特性は吸収。この吸収という特性は他者を律する束縛、戒め、強制に通じるもので、間桐の魔術は必ず成果が自らの肉体に返るもの。禁呪として“制約”がある。
 聖杯戦争のために二百年前に冬木に移り住み、協力者として遠坂と同盟を結んでいるが、互いに不可侵で無闇に関わってはならないと盟約に縛られている。
 魔術師の家系といっても子孫の魔術回路が減少していき、先代で魔道の伝承は絶え、魔術刻印の継承も数代前から止まっているため現在は知識のみが残っているにすぎない。今代の慎二には魔術回路がなく、そのために古くから盟約を結んでいた遠坂を頼り、11年前に遠坂凛の妹の桜を養子として貰い受けた。実際は異国の土が合わなかったのではなくマキリの祖から三百年、間桐と名を変えた臓硯の代で衰退が始まっていた。
 魔道の伝承のためならば外部から弟子を取ればいいのだが、名門の意地からそれを良しとせずに落ちぶれていった。完全に魔力が尽きてから弟子を取ろうとしたが、落ちぶれた名門に来る魔術師などいなかった。
 魔道の伝承方法は術者を地下埋葬所の蟲によって調教・教育する、脳への学習ではなく肉体に刻み込む拷問という方法をとっている。それはマキリ臓硯の嗜好でもある。故に間桐の後継者に選ばれることは、即ち終わりのない責め苦を負わされることである。
 間桐慎二の母親はどこぞの保菌者だったといい、出産後は用済みになったらしい。地下埋葬所にはおそらく母親だったモノがある。慎二の父・鶴野には弟の雁夜がいたが、縁は切れている。
 資金源は遠坂と同じく過去の遺産で、魔術特性の関係上研究にはあまり資金がかからず、遺産だけでやりくりできる。遺産とは各地に保有している土地(霊地)で、それを魔術師に貸与することで収入を得ているため財政は安定している。
 聖杯戦争においてはサーヴァントシステムの発案と令呪によって束縛する技法を編み出した。なおサーヴァントを降霊する技法は遠坂が完成した。


間桐雁夜(人名・魔術師:Zero)
 まとう かりや。
 身長173cm。体重55kg。血液型AB。3月22日生まれ。
 第四次聖杯戦争におけるバーサーカーのマスター。文書作成が特技。小旅行と写真撮影が好きで豪奢なものが苦手。間桐臓硯と遠坂時臣が天敵。
 歴代の間桐一族において屈指のガッツと反骨精神を備えた男。間桐臓硯を相手に一度は家督の継承を拒み出奔しただけでも快挙である。しかし臓硯からしてみればいかに雁夜の魔術回路が鶴野に勝っていようと自由意志を奪ってまで次代頭首に仕立て上げる手間には釣り合わない程度の素養でしかなかった。
 幼少期から禅城家と交流を持ち、幼馴染の禅城葵に想いを寄せたのも、実は遠坂より先に禅城の優秀な遺伝特質に気づいていた臓硯の手回しによる。しかし雁夜が魔導そのものを嫌悪したことと遠坂時臣こそ彼女を幸せにできると信じて敗北を受け入れたことによってこの企ても水泡に帰した。ただ、雁夜としても葵を蟲蔵に連れ込むことは断固として拒否しただろうし、せめて間桐の魔術形態がもう少しまともであったら雁夜もおとなしく継承者になって時臣と葵を奪い合っていたかもしれない。
 間桐慎二の父である鶴野の弟で、鶴野よりは魔術師としての素質があったため家督の継承を期待されるが、魔術の忌まわしさから第四次聖杯戦争の11年前に間桐から逃げた。しかし桜が間桐の養子に出されたことで彼女を救うため、また葵、凛、桜を不幸にした遠坂時臣への復讐のため間桐の魔術師として第四次聖杯戦争に出場する。
 もちろん魔術師としては相当劣っていたため、修行は肉体に刻印虫を植えつけるという強引な手法により、肉体は第四次聖杯戦争を前に生物としては死亡に近い状態になっていた。
 具体的には三ヶ月目には頭髪がすべて白髪になり、肌にはいたるところに瘢痕が浮かび、それ以外の場所は土気色になった。そうして肉体の崩壊は予想以上の速度で進行し、魔力が循環する静脈は肌の下から透けて見えるほどに膨張して全身に青黒い罅が走っているかのようになった。特に左半身の神経への打撃は深刻で、一時期は片手片足が完全に麻痺した。急場凌ぎのリハビリで機能は取り戻したが、左手の感覚は右より遅れ、早足で歩く際には左足を引きずってしまう。不整脈も日常茶飯事となり、固形物を食べられないため栄養補給はブドウ糖の点滴に頼った。第四次聖杯戦争の直前には左目を失明し、壊死した眼球ともどもその周囲の顔筋まで麻痺してしまった。
 このように生体として機能しているのがおかしいほどの状態であったが、それでも雁夜が立って歩けるのは皮肉にも彼をこのような状態にした刻印虫の力だった。一年の修行を経た頃には魔術回路の数だけならばそれなりの術師として通用するだけになっており、その右手には令呪が刻まれていた。だがこの状態での余命は、臓硯の見立てではあと一月程度までに縮んでいた。
 その後のサーヴァント召喚に際しては臓硯の指図により召喚呪文に二節を加え、バーサーカーを召喚した。召喚の場所は間桐邸の蟲倉と思われる。ただしバーサーカーを支配下に置いているとは言い難く、ひとたび戦闘を開始してしまえば雁夜からの魔力供給が絶えるまで戦い続ける。
 戦闘においては臓硯に与えられた翅刃虫を使う。
 キャスターが召還した大海魔とセイバーらが戦っているときには時臣と戦ったが、まるで歯が立たず、マンションの屋上から転落した。時臣は勝利を確信してその死体を確認しなかったが、言峰綺礼によって発見された時点ではまだ息があった。アーチャーとの対話で揺らいでいた言峰は時臣に隠れて応急処置の治癒魔術を施して間桐邸の門前に置き去りにした。
 その後、臓硯により桜の純潔を最初に啜った淫虫を飲まされて復帰する。
 言峰綺礼の策略によって遠坂葵が雁夜が時臣を殺したと思い込んで雁夜を詰ったために逆上し、彼女を殺しかける。すんでのところで葵は死を免れていたのだが、冷静な判断力を失った雁夜は自分が想い人を殺したと思い込み、以後は自由意志を失くして綺礼の手駒となる。
 冬木市民会館でのバーサーカーの暴走によって魔力を吸い尽くされ、刻印虫も全て死滅。本来ならば死亡するところを奇跡的に瀕死の状態ながら一命を取り留める。刻印虫が死滅した時点で臓硯は雁夜が死亡したものと認識しており、雁夜が間桐邸へ戻ったときには臓硯は何か拾い物がないものかと臓硯が出かけていた隙で、ちょうど入れ違いになって桜のもとにたどり着くことができた。精神が破綻しながらも桜を助けるため戻った蟲蔵の中の桜の目の前で死亡。死の直前に雁夜は葵と桜、凛と一緒に幸せに暮らすという幻を見るが、その死を目の当たりにした桜は『臓硯に逆らうとこうなる』と納得したに過ぎなかった。
 俄仕立ての魔術師としては雁夜のマスター適性は大したもので、狂化したランスロットの法外な魔力消費に第四次聖杯戦争終盤まで耐え抜いたことは賞賛にすら値する。雁夜がバーサーカーの召還を強要されたのは臓硯による制裁であり、狂化させていなければ自滅することもなかっただろう。だがランスロットがギルガメッシュを相手にあそこまで健闘できたのはやはり狂化による能力増幅の賜物であったし、脇目も振らずに時臣に突っかかって行ったであろう雁夜にしても強豪を避けて勝ち残るという思慮は期待できず、要するに恨みを万事に優先させてしまう間桐の精神がある限り敗北は必定だっただろう。


魔導元帥(用語)
 おそらく時計塔において与えられる称号。かつてキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグが与えられていたと思われ、現在はバルトメロイ・ローレライが名乗っている。
 死徒二十七祖の四位キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグの二つ名でもある。


間桐桜(人名/魔術師)
 まとう さくら。
 3月2日生まれ(Zero material以前は4月2日生まれとされていたが、これは誤り)。身長156p。体重46s。B85 W56 H87。血液型O。Eカップ。一年でまさかの13センチ増。第四次聖杯戦争当時は身長120cm。体重25kg。
 第五回聖杯戦争におけるライダーのマスター。穂群原学園1年生。弓道部員で、2年生になってからは弓道部部長の座を美綴綾子から引き継いでいる。弓道は衛宮士郎の影響で始めた。
 間桐慎二の義妹。今代(最後)の間桐の魔術師(候補)。マキリの聖杯の実験作。母性本能が強く、とことん甘えさせてくれる魔性の女。鬼子母神のよう。聖杯の器であるイリヤスフィール・フォン・アインツベルンとは仲が悪い。
 遠坂凛の妹だが、十一年前に後継者がいない間桐に養子に出された。髪を結んでいるリボンは凛が最初に作ったもの。
 江戸前屋のたい焼きが大好物で、生の果物がだめ。酒に弱いが酒好きで、からみ酒になる。物語ではちょっと昔のコバルト文庫が好き。下着はつけて寝る派。甘いものと怪談が好きで、体育と体重計が苦手。イリヤスフィールと遠坂凛、間桐慎二が天敵。衛宮邸に通い始めたときはまったくできなかったものの、今では家事全般とマッサージが得意。だが下手をするとマッサージ中に経絡秘孔を突かれる。特技は我慢比べ。新聞勧誘に対しては思わせぶりな笑顔で契約特典を根こそぎもらい、最後にばっさり斬り捨てるという恐ろしいことをする。
 衛宮家のなかで唯一パン系が得意。湯飲みはファンシーなもの。酒飲みの素質あり。洋酒はいい香り付けになるというが、本人はフランベの炎に驚く。Fateの登場人物のなかではセイバー、バーサーカー、ランサー、衛宮士郎に次ぐ大食い。
 カナヅチというわけではないのだが、潜水以外の水泳は下手。弓以外の運動全般が苦手。ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトから脳天直下バックドロップを伝授されている。
 本来の属性(起源)は架空元素(虚数)で遠坂の魔術師としてならば大成しただろうが、間桐の属性である水に変えられたために魔術師としては衛宮士郎なみ。ただ、架空元素を起源とするために『黒い影』の具現化ができる。また魔術回路の数は遠坂凛と同じくらいあるが、魔力は真っ先に刻印虫に食われるので魔術は組み立てられない。魔術回路からの魔力の瞬間放出量は一千弱。
 目も髪も遠坂の色ではなくなるほど初期(五歳くらい)に身体をいじられており、その心臓にはマキリ臓硯の魂の器である脳虫が寄生している。その脳虫は10年前に監視用および聖杯の器にするために、第四次聖杯戦争の最後で破壊された聖杯の欠片を触媒として生み出された刻印虫である。
 また、魔道の伝承のために十一年前から性的虐待を受け、魔道とは関係なしにたびたび間桐慎二に暴行を受け、犯されている。だが何をされようと隠そうとする。間桐の魔術師にされたために魔術師の精がないと体が火照っておかしくなってしまう。耳飾りには媚薬が仕込まれていて、それをかけられると過剰反応して暴走する。
 ライダーの本当のマスターだが、『間桐慎二の指示に従う』という令呪で命令権を慎二に譲渡していた。だが魔力供給は桜がしなければならないのでライダーが行使されると桜の魔力が消費され、負担がかかる。
 穂群原学園入学前に通っていた学校は衛宮士郎と同じところで、凛と柳洞一成が通っていた学校とは別の学校。そこで四年前の四月頃に飛べるはずもない高跳びをしている衛宮士郎を目撃、その後間桐邸に遊びに来た士郎と対面、間桐邸に来たときだけ頑張って挨拶をしていた。一年半前からマキリ臓硯が衛宮を監視するという名目で衛宮邸に送り込まれたが、そのまま家事手伝いをしている。それからは藤村大河に影響されて明るく元気になっていった。また衛宮邸に通い始めた頃は痩せていたが、それからどんどん成長した。
 第五次聖杯戦争の一年前の夏に一度だけ士郎の魔術の鍛錬の場を目撃し、怖くなってそれっきり見ないようにしている。
 一年生の時の文化祭では弓道部の応援を受けてミスコンテストに出場する。しかし豪華なドレスと弓道部のお好み焼き屋台というミスマッチと、陸上部の温泉卵の屋台と高級和服を着た凛の見事な組み合わせの対比があってか、優勝を逃す。
 基本的に誰かを恨むことがなく、自責ばかりを溜め込んでいく。唯一遠坂凛に反応したのは自分に近い存在だから。
 マキリの聖杯の器の失敗作であるために、サーヴァントが倒されて体内に収納されるたびに人間としての機能がカットされてゆく。その効率は本来の器であるイリヤスフィール・フォン・アインツベルンに比べて悪い。桜ルート以外ではマキリの聖杯として完成することはない。これは士郎という『なくしたくないもの』に選ばれたときに鬱屈していたネガティヴな感情が噴出することで『この世全ての悪』の成長を促すため。
 また黒化した場合はまさに無尽蔵ともいえる魔力を聖杯から汲み出すが、一度に放てる魔力は一千ほど。黒い影に取り込んだサーヴァントはそのまま殺すことも出来るが、黒化させて使役することも出来る。纏っている黒い服は純粋な彼女の魔力であり、実際は裸である。黒化した彼女にとって大気は猛毒となり、呼吸ができない。
 桜ルートで黒化した時点ではまだアラヤの怪物は発生していないらしい。
 間桐邸の彼女の私室にはライダー仕込みの結界が張られていて、その発動条件は日記帳を取り出してから逃げること、効果はトリップ。部屋の中にも呪眼の模様を混ぜて目を開けているだけで術中にはまるようになっている。
 その本棚にある本は『楽しい家庭科・初級編』『簡単三分ポエリング』『誰にも言えない!貴方のストレス発散法!』『中華料理百の罠!中華料理人はこう倒せ!』『終末の老人介護。首をぎゅっとね』など、可愛らしくも恐ろしい品揃え。
 日記帳は壁にかけられた絵の裏に隠されている。そのノートはワカメが描かれた『ジャプニカ暗殺帳』横罫22行。内容はちょっとした覚え書き程度……かと思いきやだんだんと恐ろしい内容になってくる。日付の横の☆の意味は不明だが、後のほうになると異様に多くなって不気味。
 第五次聖杯戦争後は慎二に怯えて竦むこともなくなり、ずいぶんと明るくなった。どころか慎二に恐れられるほど。
 キャスターの評によると素質は充分あり、溜めている力はちょっと信じられないくらいある。ライダーに魔術を教わっている。
 第五次聖杯戦争後は魔術師として成長したようで、虚数の属性を生かして魔力そのものをぶつける魔術を使う。が、単身で魔術を行えるだけの魔術回路の下地はできておらず、自らの影を放つ魔術回路を表層に押し出すことで魔術師として機能している。その状態は無意識領域をさらけ出しているようなものであり、簡単に負の心に飲まれてしまう危険性を伴う。影を放つだけの魔術回路、とはその際に腕に纏っている黒い袖のことだろうか。また自由に黒化できる。魔術の修行も淫虫を使ったものではなく、真っ当なものになっているようだ。
 カレン・オルテンシアと戦った場合、桜の影を放つ魔術が『神秘によって括られた存在』専用であるため勝ち目は薄い。土地そのものを汚染するため、イリヤスフィールと戦った場合には勝ちが見込めるらしい。
 AATMでは遠坂凛とともに言峰綺礼を殺害したため(実際にはカレン・オルテンシアによる毒殺だが)、言峰の後釜としてウェイトレスになる。後に凛をルヴィア直伝脳天直下バックドロップで始末して店長代理を引き継ぐ。
 unlimited codesでは黒化して間桐臓硯を殺め、聖杯として完成した場合に邪魔になる『間桐桜の意識』を消去するために訪れた言峰綺礼も打倒する。その後、大聖杯の番をしていた同位の分身と殺し合い、生き残ったほうが『この世全ての悪』の母体となる。なお、言峰と戦った時点では記憶がややあやふやになった程度だったが、自分と殺しあった後は記憶も動機も抜け落ちて、ただ外の世界に生れ落ちたいという『この世全ての悪』の願いのみが残った状態だった。


間桐慎二(人名)
 身長167p。体重57s。
 弓道部副主将。間桐鶴野の息子で間桐桜の義兄。穂群原学園2年C組。第五次聖杯戦争後は無事進級して3年C組。弓道部副主将。ナルシストで天才肌。極めて自己中心的で自意識過剰な性格で他人を見下す。弓の腕前はなかなか上手なのだが、本人は暇つぶしと言ってはばからない。第四次聖杯戦争中は遊学の名目で国外に出されていた。
 第五次聖杯戦争における、偽臣の書によるライダーの偽りのマスター。そのために自力での魔力の補給はできず、本当のマスターである桜からの魔力供給に依存している。ライダーには彼女を従える理由は自らの身を守るためと言っていた。
 魔術師の家系に生まれたことで自分は選ばれた人間だと思い、かつ魔術回路がないために生まれつき劣っていると思っている。そのため聖杯の力で魔術師になろうと思い聖杯戦争に参加した。また理想と現実のギャップで性格が歪んでいる。そのため、桜によく八つ当たりで暴力を振るい、犯す。普段から桜に暴行を働いているため、女性に対して暴力を振るうことに抵抗がない。
 桜が養子に来たときは多少は苛めながらもかわいがっていた。しかし間桐の後継者が自分ではなく桜だと知った時、『生まれを憐れんでいたのは自分ではなく桜の方だった』と思い手酷い暴行を働くようになった。これは『こいつを抑えておかないとどこの誰とも知れないやつに自分の居場所を奪われ間桐家を乗っ取られる』という危機感があったためでもある。
 魔術師としての才能はないが、一般の人間としての才能は多分にある。それだけに魔術師としての才能がないことを気に病み、鬱屈していき、周囲の人間を見下すようになった。
 桜がライダーを召還したときは落ち込んでいたが、桜が聖杯戦争に参加することを嫌がっているのを見て臓硯に『やる気のない桜ではなく自分にやらせてほしい』とだめもとで頼み、それを許される。しかし魔術師でもない慎二にライダーが従うわけがないので桜に偽臣の書を作らせ、晴れてライダーの仮マスターとなった。これによって気が大きくなり、第五次聖杯戦争のときは普段より二割増で横柄になっている。なお士郎とは割りと本気で共闘してもいいと考えていた。慎二の「おまえを利用してやる」というのはつまり相手を認めているということだからである。
 規律を重んじ(自分はあまり守らない)、不公平を嫌い(自分は度外視)、女の子には優しい(落とした女の子は例外)という校内で1,2を争ういい男。任された事はどんなカタチであろうとこなし、一応の筋は通す。成績は常に上から五位に入っており、金回りもいいので取り巻きの女子が多い。そのルックスから女子にはもてるが大半の男子からは嫌われている。
 名推理と捜し物が得意で子犬と特権が好き。無条件で幸せな空気が苦手で遠坂凛と美綴綾子が天敵。遠坂凛に片思いをしているが、凛が気付かないのでいちいちちょっかいを出す。ちなみに子犬が好きな理由はしつけなくても尻尾を振ってすり寄ってくる哀れさがたまらないかららしい。だが世話をするのは嫌。最近のマイブームはわんわん王国で犬と戯れること。彼にとって円周率とは『およそ3』。
 味にうるさい。飲み物はコーヒー派で、ミルクも砂糖も入れる。ケチャップはデルモンテに決めており、桜が買ってきた生協のケチャップの味を見直したが認めようとしない。
 第五回聖杯戦争の後は美綴綾子と同じ病院に入院していた。その後は怒って間桐桜に手を上げることがなくなり、かなりまともになった。嫌われ役である事は変わりないが、本来はツンデレ系の困ったちゃん。
 卒業後に間桐の家と縁を切って上京する予定があり、新都の喜多邑茶家でアルバイトをしている。喜多邑茶家の噂にある愛想のない新人とはおそらく慎二のことだろう。
 衛宮士郎と出会ったのは中学二年生(と明確に定義していいのか)の十月ごろで、士郎が文化祭の看板を三年生の設計通りに一晩で作り直す羽目になったとき。それを一晩中眺めていた慎二が「ふーん。おまえ馬鹿だけど、いい仕事するじゃん」と笑ったのが始まり。士郎が弓道を始めた頃から疎遠になっていたが、穂群原の三年生になった頃からはまた元の鞘に納まりつつある。
 二年生のときの球技大会では柳洞一成、衛宮士郎と組んでセパタクローに参加した。決勝に進出したが、氷室鐘、沙条綾香、美綴綾子の2年A組チームと対戦した際に一成が嫌がらせじみた集中攻撃を受けたことで乱闘を起こし、A組チームとともに失格になった。
 修学旅行で訪れた科学未来館ではBMIマシンを体験し、伝達率100%をマークしたが、『ワカメ頭』『ミネラル』『海草』『(擬似BMIマシンが)磯くさくなって台なし』などと散々に中傷されている。
 GAME CLUB SAGEで連コインをしたり、カードショップで買い漁った英雄史大戦のカードを使って小学生を相手にプレイするなど、実に大人気ない。
 2年生のときの体育祭では騎馬戦と100メートル走に出場するが、ともにその競技直前に蒔寺楓が暴走させた大玉と蒔寺が暴投したマグロが当たった。その年の冬木市民マラソンにベルゼブブの扮装をして参加し、コスプレ部門で優勝した。
 港の埠頭の一番端っこが彼の定位置。カレン・オルテンシアと戦った場合、心身ともにズタボロにされる。
 『恐怖・人類未踏の〜』では、桜に「お前、最近丸くなった?見た目的な意味で」と言って激怒されて山に逃げ込み、穴に落ちて洞窟を彷徨うことになる。灯りにしていた百円ライターも消え、大いに取り乱していたところアーネンエルベの地下から洞窟に入ってきたセイバーに出遭って助かったと喜ぶが、セイバーが奥に向かおうとしたことで再び取り乱してセイバーのアホ毛を掴んでしまい、黒化させる。
 その後セイバーの『約束された勝利の剣』によって引き起こされた崩落とともに最深部まで転落し、シエルが投げ捨てた妄想具現化装置ファーブル・マンタズムによって『自分が主人公で大活躍する超絶かっこいいスピンオフ』という妄想が具現化され、キラキラした王子様のようなキモイ姿になる。そしてその力を使って慎二の慎二による慎二のためのハーレム『神聖モテモテ慎二王国』を建設しようとする。ただしシエルはカレー臭がしそう、セイバーはゴロゴロしてるだけという理由でハーレムから除外し、桂木千鍵と日比乃ひびきに狙いを定めて言い寄る。そして怒り狂った第七聖典装備のシエルとセイバーに戦いを挑まれるが、互角以上の戦いを繰り広げており、実際にそのときの戦力はサーヴァントに匹敵するか上回るものになっていた。しかしファーブル・マンタズムの効果が切れたことで戦況は一転、第七聖典と『約束された勝利の剣』によってぶっ飛ばされた。その後は再び地底を彷徨い、ネコアルクがたくさんいる毒々しい世界(グレートキャッツビレッジか)に辿り着く。


間桐慎二の母(人名)
 なんらかの保菌者であった。特別な特性はなく、間桐臓硯曰く『路傍の三流魔術師の娘』。
 間桐慎二の出産後は用済みになり、間桐邸の地下埋葬所には母親だったモノがあるらしい。


間桐臓硯(人名/魔術師・死徒)
 身長145p。体重43s。
 間桐の六代前の魔術師にして間桐家初代当主。際立った虫使い。マキリにおける最悪の魔術翁。五百年を生きる大妖術師。ヨーロッパ出身。間桐家の相談役のようなもの。言峰の言葉から吸血鬼と思われる。戸籍上は間桐鶴野、雁夜兄弟の父親ということになっている。町内会長を務めている。
 本名はマキリ・ゾォルゲン。1790年頃にロシア方面から日本に移る。日本に移った際に名であるマキリを間桐と読み替えて姓とし、家名であったゾォルゲンを臓硯と読み替えて名とした。
 もとの肉体を捨て、蟲に人の肉を食わせて、その蟲で肉体を形作ることで不死を実現しようとした。だが時間の蓄積が魂をも劣化させてしまい、魂をもとに形作られるその肉体もすぐに腐り果ててしまう。そのために頻繁に肉体の交換を行うのだが、その肉体はどんなものでも一人分の肉があれば蟲が間桐臓硯の肉体に作り変える。首の挿げ替えは数分で済み、その速さは卓越した魔術師としても異常である。
 魂の容れ物である本体の蟲は聖杯の破片から作った脳虫と呼ばれる刻印虫で、間桐桜の心臓に寄生している。蟲を触媒に干渉する霊体なので、殺すためには本体を叩くか魂そのものを浄化するしかない。
 第三次聖杯戦争の時点で聖杯に異常があることに感付いていたため、元より第四次聖杯戦争は勝つつもりがなく観戦に徹するつもりだった。間桐雁夜が帰参しなければどこかから魔術師を雇って観戦していただろう。
 間桐雁夜は兄の鶴野より魔術師としての素養が勝っていたが、自由意志を奪ってまで次代頭首に仕立て上げる手間には釣り合わない程度の素養でしかなく、出奔を許した。臓硯としては鶴野が妻に孕ませる次代の子供に賭けていたのだが、生まれた慎二には魔術回路が皆無であり、賭けは見事に裏目に出てしまった。
 雁夜が禅城葵と幼馴染になったのも、遠坂より先に禅城の優秀な遺伝特質に気づいていた臓硯の手回しによるもの。しかし雁夜が魔導そのものを嫌悪したことと横から割り込んだ遠坂時臣によってこの企ても水泡に帰した。ただ、雁夜としても葵を蟲蔵に連れ込むことは断固として拒否しただろうし、せめて間桐の魔術形態がもう少しまともであったら雁夜もおとなしく継承者になって時臣と葵を奪い合っていたかもしれない。
 雁夜にバーサーカーを召還させたこともサーヴァント戦も雁夜に対する制裁の意味合いが強かった。雁夜については逃亡者として日々怯えながら惨めに暮らしている分には看過するつもりであったが、彼が英雄的自己犠牲を払おうとしたことによって「間桐の血筋の癖に生意気な」と臓硯の激憤を買った。
 第四次聖杯戦争において間桐が払った犠牲は屋敷の防衛結界を荒らされたのと鶴野の右手がなくなったことくらいで、砕けた聖杯の破片が手に入ったことに比べれば安いものであった。
 第五次聖杯戦争においては佐々木小次郎を媒介にして真アサシンを召還したが、それは完全な外法である。令呪についても、偽りの令呪であるにしても既にキャスターに刻まれていたため臓硯には令呪が刻まれていない。
 真の不老不死たる第三法、魂の物質化のために桜を聖杯にしたが、聖杯戦争を創始し、不老不死を求めた本来の目的は『この世すべての悪の根絶』、つまり人類が抱える業の滅却のため。これは根源に至る事でのみ成されると考えたのである。とはいえ悪をよしとする外道であることに変わりはない。
 ユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルンに想いを寄せていた。
 虫、鳥などの飼育と株式投資が得意でできの悪い孫たちと悪だくみが好き。太陽の日差しが苦手で教会の代行者が天敵。すっかり日本文化に染まっているが、もとは西欧の出身。普通の食事もできるが、直接生気を吸ったほうが効率がいい。カレン・オルテンシアと戦った場合、卓越した魔術師であるが日光という教会が熟知した弱点を持つため勝ち目は薄い。
 日光に弱いため、普段は奥の院に篭っているか間桐家が各地に所有する霊地を回っているかのどちらか。近年は冬木市から離れていたが、第五次聖杯戦争にあわせて戻ってきた。
 間桐雁夜を第四次聖杯戦争に出場させたが、それは聖杯を得る見込みがあるからではなく、裏切り者の雁夜が悶え苦しむのを見るため。
 hollow ataraxiaでは間桐邸に普通に住んでおり、間桐桜に恐れをなしている。新しい家政婦を雇っては悪戯をして泣かせている。
 ちょっとボケ気味。


魔導通信機(用語/魔術:Zero)
 →宝石通信機。


間桐邸(地名)
 深山町の洋館が立ち並ぶ丘の中腹に建つ洋館。衛宮邸から全力疾走でおよそ三十分の場所にある。レンガによる組積造で、建物のほとんどの部分を外国から運び込んだという豪壮な造り。地下には後継者に間桐の魔術を叩き込み、虫を育てるための広大な地下埋葬所(修練場)がある。
 魔術施錠のため桜は鍵をなくしても困らないが、慎二は魔術を使えないため玄関・居間・トイレ・自室の鍵を持っている。
 間桐慎二の祖母によって桜が植えられているが、土が合わなかったのか成長こそすれ花をつけることはなかった。それが桜の地道な治療によって初咲きを迎えることができた。
 家政婦がいたが、間桐桜が自分たちはもう子供ではないので必要ない、と辞めさせた。食事は家政婦が用意していたが、慎二はほとんど外食で済ませていた。
 桜は衛宮邸に通う前までは家事をすべて家政婦に任せていたが、今では家事の腕は相当なものになっており、間桐邸でも二日に一度の割合で家事全般をこなしている。もちろん桜が作る料理の味は素晴しいのだが、その食卓の恐ろしさといったら。hollow ataraxiaでは間桐臓硯は「チンせぬレトルトの方がマシじゃのう」と部屋に引きこもっている。
 桜の部屋には四月ごろからライダー仕込みの結界が張られており、臓硯曰く慎二程度では生きて帰れない。それは扉を開ければ侵入者がいると桜に知れる。


間桐鶴野(人名・魔術師:Zero)
 まとう びゃくや。
 間桐雁夜の兄で慎二の父。魔術師の素質は乏しく、始まりの御三家でありながら第四次聖杯戦争の一年前になっても令呪が宿らなかった。
 聖杯戦争に強い恐怖を覚えていたために第四次聖杯戦争中は間桐邸に籠ってひたすら酒を呷り続けていた。間桐邸から離れなかったのは、臓硯から桜を蟲倉で調教することを命じられたため。
 魔術師としての素養は弟の雁夜に劣っていたものの、雁夜が魔道の継承を拒否して出奔したため仕方なく彼が家督を継いだ。といっても臓硯は元から鶴野の素養を諦め切っており、何の教導もされず、せいぜい助手程度の雑用を任されたに過ぎない。実質的な後継者としての重責は養子の桜に課されていた。
 自分より才能に秀でていたのに逐電した雁夜に対しては肉親の情を持ち合わせていなかった。名目だけの頭首という屈辱も魔道に対する嫌悪も、間桐家の資産と何不自由ない暮らしの対価と考えれば悪い取引ではなかった、というのが彼の感慨だった。しかしそれでも酒に逃げる羽目になるようなストレスに日々苛まれていたらしい。
 バーサーカーが拉致したアイリスフィール・フォン・アインツベルンが間桐邸にいると思い込んで侵入した衛宮切嗣によって右手を吹き飛ばされた。


窓辺の幽霊(用語:hollow)
 冬木市の怪談。第三次聖杯戦争の再現たる四日間が発生した年(おそらく2002年)の二学期ごろから広まった噂。冬木市のどこかに使われていない洋館があり、夜中に近付くと二階の窓から女がじっと見つめてくるというもの。
 この洋館がどこかは明らかにされておらず、道に迷った人がたまたま見つけた。周囲は木ばかりで人気がないという。


マナ(用語/魔術)
 大源。魔力のうち、世界に満ちるものを指す。祭りにおいて土地の魔力は大きく増大する。


マネジメント(用語:氷室の天地)
 ピーター・ファーディナンド・ドラッカーの著書。氷室鐘が読んでいた。


魔法(用語)
 魔術とは違う神秘。魔術師達の最終到達地点。現代の技術ではどうしても再現不可能な神秘、つまり奇跡を指す。その時代で実現不可能な出来事を可能とするのが『魔法』であり、時間と資金をかければ実現できる“結果”は魔術であり魔法とは呼ばれない。発動には根源につながる霊地が必要。
 文明が未熟だった頃は現代における魔術のほとんどが魔法であったが、文明の発展とともに不可能は可能となり、魔法は魔術に価値を落とすにいたった。
 現代における魔法は5つであり魔法使いも5人だが、第一魔法を扱った魔法使いは死亡しているので実際は4人である。人によって5人と4人とに人数が分かれるのは、既に存在しない人間はカウントしないか、死んでいようが消えていようがその痕跡が生きているのなら存命中とカウントするのかの違いである。
 明らかになっている魔法使いは蒼崎青子とキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ。残りの二人は姿を眩ましているが、この二人は頻繁に現れてはトラブルを巻き起こして立ち去る迷惑な人物。
 はじめの一つは世界を変え、つぎの二つは多くを認め、受けて三つは未来を示し、繋ぐ四つは姿を隠し、終わりの五つ目はとっくに意義を失っていた、という。また第一魔法と第五魔法がある場所に到達したためにできてしまったものであり、第二から第四魔法はその場所を目指すために必要とされたもの。
 第一魔法が『無の否定』と思われ、第二魔法がキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグの『並行世界の運営』、第三魔法がアインツベルンから失われた『魂の物質化(天の杯)』、第五魔法が蒼崎青子の魔法・青(どんなものかは不明)。他に魔法とされるものは『純粋な空間転移』と『時間旅行』。第一魔法、第二魔法は魔術協会でも一部の人間にしか知らされていない。
 死者の蘇生には『無の否定』『並行世界の運営』『時間旅行』のいずれかが絡む。
 魔法は根源の渦に辿り着いた魔術師に与えられるご褒美のようなもので、術者に魔法を使うだけの肉体性能がなくても根源への路が出来ただけで魔術的にはやりたい放題になる。同じ理論、同じ方法で根源の渦に辿り着いても、一番乗りでなければ魔法には辿り着けない。という事は、逆に言えば魔法使いでなくとも根源に辿り着くことはできる、という事でもある。
 魔術のような汎用性はなく、ただ一つの事しかできないが、誰にも出来ないことを可能とするという時点で魔術世界では万能とされる。
 魔術は人の手による業と星の元に巡る命だが、魔法とは天の外の神の摂理であり、人にも星にも含まれない業である。魔法とは人類の敵そのものであり、故に新たに魔法を宿した者は赤い影に殺されるという。
 科学技術や魔術の進歩によって魔法は単なる技術(あるいは魔術)に堕ちて失われてきた。しかし魔法は減るばかりではなく、魔術師が既存の魔法を継承したり、全く新しい魔法に到達することで数を増やす可能性はある。『みんなを幸せにする』ということは未だ実現されていない魔法の一つで、最後に残るとされている。


魔法・青(用語)
 蒼崎青子が使う第五魔法。30年程度の魔法だが、またとないレアもの。破壊に関するものであること以外不明。
 時間旅行に端を発し、時間もしくはエネルギーを制御する魔法と思われるが、魔法・青による時間旅行は魔法の副産物であるらしい。なぜなら、記録の改竄や事象の書き換えといった時間旅行の概念は第二魔法である並行世界の運営に含まれるため。
 1988年12月25日に発動した際には静希草十郎の時間を5分間巻き戻して死を回避させ、同時に草十郎から10年分の時間を借りて自分に上乗せした。時間を借りるだけなら帳尻が合うので問題はないのだが、5分間巻き戻した方は大問題である。単に巻き戻しただけなら魔法が切れれば5分間が戻って草十郎は死体に戻るだけだが、この時に青子はその5分間をはるか未来に置いてきたのである。無い物を創造する事に莫大なエネルギーが必要であるのと同様に、有る物を無くす事にも莫大なエネルギーが必要であり、要するに「未来に置いてきた」というのは「5分間を無かった事にするためのエネルギーを未来から持ってきた」という事である。これは熱的死(均等になって熱の移動が行われない状態)、つまり滅びを早める行為である。
 自分の時間を使うのであれば時間軸の矛盾も含めて青子自身の経験になるが、他者の時間を使う場合は時間の交換が終わった時点でその魔法が発動していた間の記憶は青子と時間を使われた者の記憶から消える。ただしその場に居合わせた第三者の記憶はそのまま残る。


魔法少女カレイドルビー(人名?:hollow)
 Kareido-Ruby。
 カレイドステッキによって遠坂凛が多元転身した姿。噂の辻斬りアイドル、街のみんなに愛と頭痛を送る絶滅天使。赤いコスチュームにネコミミ、ネコ尻尾という痛々しい格好。
 話の流れで、この姿で文化祭のミスコンに参加することになってしまった。
 後に異なるジャンルの魔法少女、ファンタズムーンと出会ってオンリーワンを賭けて戦うことになる。夢と希望のファンタズムーンと、力と策謀のカレイドルビー。不思議系魔法少女と軍事系魔法少女の意地と人気を賭けた大激突である。
「これだから電波(不思議)系は!」
「ミリオタにつける薬はないわね!」


魔法少女ファンタズムーン(人名?:TAKE MOON)
 Phantas-Moon。
 アニメ作品『白き月姫ファンタズムーン』シリーズの主人公。
 白き月姫。その正体は誰も分かってはいけない。ジャンル・不思議系の魔法少女。まあギリギリ少女……?
 自然干渉を得意とする魔法少女で、天候操作、地層変動、果ては星の自転逆行による秩序崩壊系魔法『あ、ちょい今のナシ』まで使いこなす。また空中飛行一歩手前のジャンプ力とか熊も一撃の格闘能力とかを持つも、本人は「しっつれーい! これも魔法の力だもーん!」などと可愛コぶっている。しかしどう見ても只の力技で、本当に魔法関係ありません。
 コスチュームはアルクェイド・ブリュンスタッドのドレスをもとにしたもので、スカートはミニのプリーツスカート。二期ではスカートの前部分がなくなっており、ネコミミが追加されている。衣装についてはファンから『前の方がよかった』『下品』『ぱんつを隠してください』などといった不満の声が上がっている。なおネコミミはカレイドルビーに対抗するためらしい。
 魔法の杖であるファンタズムロッドは一期のものが先端にハートの意匠が施された40cmほどのもので、二期のものはF市在住の新妻モデラーMさん(仮名)から強引に奪い取ってきたものらしい。つまりキャスターの杖。
 後に異なるジャンルの魔法少女、カレイドルビーと出会ってオンリーワンを賭けて戦うことになる。夢と希望のファンタズムーンと、力と策謀のカレイドルビー。不思議系魔法少女と軍事系魔法少女の意地と人気を賭けた大激突である。
「これだから電波(不思議)系は!」
「ミリオタにつける薬はないわね!」


魔法少女マジカルアンバー(不明)
 琥珀色の魔法使い(偽)。フードを被った謎の女性。ケミカル!マジカル!メディカル!が合言葉。なんか飛ぶらしい。
 今日も今日とて怪しげなドラッグを作ることに余念がない、遠野家地下王国の参謀。愛とか夢とか白い粉で周りの人々に笑顔を振りまく。火炎瓶も振りまく。
 本当はホウキ少女マジカルアンバー。


魔法使いの匣(用語)
 キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグが世界のどこかに建てさせたという特異点を備えた建築物の俗称。三箇所あるといわれる。聖堂教会でも噂程度で、存在自体が推測の域を出ない。地下に行くほど巨大で高度な術式が敷かれており、この場所を通過する事で色々と面倒な工程を省略できるとは本人の弁。ただしその代わりに周辺の次元が滅茶苦茶になって余計な面倒事が頻発しているとか。
 カレン・オルテンシアはアーネンエルベがその一つと考えており、聖堂教会にも内密にルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトを唆して乗っ取りを企んだ。


魔法使い(用語)
 魔術ではない神秘、ありえない事を可能とする人間の俗称。秩序と対峙する域にある者。かつて文明が未熟だった頃は魔術師の大部分が魔法使いだった。しかし文明の発展とともに不可能は可能となり、魔法は魔術として価値を落とすにいたった。
 現代における魔法は5つであり魔法使いも5人だが、第一魔法を扱った魔法使いは死亡しているので実際は4人である。数える人によって5人と4人とに人数が分かれるのは、既に存在しない人間はカウントしないか、死んでいようが消えていようがその痕跡が生きているのなら存命中とカウントするのかの違いである。
 明らかになっている魔法使いは蒼崎青子とキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ。残りの二人は姿を眩ましているが、青子とゼルレッチの二人は頻繁に現れてはトラブルを巻き起こして立ち去る迷惑な人物。
 蒼崎青子以外の魔法使いは生き物をやめているらしい。時間を超越していると思われる。かなりの長命を誇るが、不死ではない。


魔蜂使い(用語/俗称:Zero)
 →オッド・ボルザーク。


魔法のお手伝いさんマジカルアンバー(人名?)
 Magical-Amber。
 白き月姫ファンタズムーンに登場する魔法少女。ある時は味方のような敵、ある時は頼れるいい人っぽい敵、またある時はどこからどう見ても敵という、いつもほがらかで笑顔がキュートなお手伝いさん。ホウキに乗って空を飛ぶオールドスタイルの魔法少女。ミニ丈の着物に割烹着、狐耳と尻尾、ピンクのサイハイソックス、黒いフードという出で立ちにひまわりが付いたホウキを持っている。
 全身を覆う黒フードがトレードマーク。町内を騒がせる魔法少女を撮影すると決まって背景に黒いフード姿が写るが、なんだかんだとにこやかにアリバイを提出する。
 キャラ的にはファンタズムーンと同じタイプだが、分かり合えることはたぶん一生ない。出会えば楽しげな会話が繰り広げられるが、言っていることは全くかみ合っていない。
 魔法少女属性(ジャンル)/黒幕。相手が真面目であればあるほど強くなるという魔術系統。そのため真剣に正気じゃない相手には効果が薄い。言葉巧みな言語療法と力技とも言える投薬治療が得意技。数々の怪人たちのスキルを研究していたのか、黒鍵を模した注射器やすごい中国拳法も使いこなす。ただしメカは作れないため、善意の協力者(住所不定の錬金術師)を無理やり働かせて作る。
 ちなみに当主には常に弱いが最後の一線では強く、長男相手には常に強いが最後の一押しで弱くなる。なお本当の長男相手には常時最高に鬼。


黛まゆ子(人名)
 加々美崎高校1年4組。
 桂木千鍵と日比乃ひびきのクラスメイト。派手ではないが整った容姿と、よくできた性格から教師やクラスメイトからの評判は高い。バストサイズは80台で、クラス内で一番スタイルが良いらしい。制服はオーソドックスなもので、常盤緑のリボンタイを着けている。中学は栗枝クララと同じ。成績は学年上位。栗枝クララからはまゆまゆと呼ばれている。
 気が弱く引っ込み思案。暴走しがちな周囲に対しては苦笑で誤魔化している。千鍵と仲良くしたいと思っていたが、スターリット・マーマレードの頃は千鍵が周囲と一線を画したがっていたため中々うまくいかずにいた。
 視力が悪く、眼鏡がないと手が届く距離にいる人の顔さえよく見えない。しかし入学直後の部活勧誘の際に更科洗礼名とぶつかった際に眼鏡が壊れてしまい、コンタクトレンズに変えた。
 入学直後の部活勧誘の際に眼鏡が壊れて困っていた所を千鍵に助けられ、そのお礼に運動部の熱烈な勧誘に追い回されていた千鍵とひびきを匿う。
 スターリット・マーマレードでは栗枝クララ、ひびき、千鍵と一緒にスイートフォートレスのケーキバイキングに出掛けた。しかしその帰り道で更科洗礼名に拉致される。変身したひびきによって解放された。
 アーネンエルベへの初入店は廃校舎の事件の2か月後で、アーネンエルベの評判を聞きつけたまゆ子が発案して須方スナオ、栗枝クララと一緒に訪れ、店の前でハリエット・フリーゼと合流した。
 DJCDアーネンエルベの放課後Vol.2のジャケットでは水着は不明だがその上に白のパーカーを着用していた。


マリア・トンプソン(人名:zero)
 MARIA THOMPSON。
 アニメ版Fate/zeroでアイリスフィール・フォン・アインツベルンが使用したパスポートに記載されていた名前。
 1967年11月19日生まれ、女性、アメリカ国籍、出生地はロサンゼルス州ニューオーリンズとなっている。パスポートの発行年月は1995年8月で、有効期限は2005年7月まで。


マリー・ミュラー(人名:スターリット・マーマレード)
 加々美崎高校の生徒。瞳は左目が青、右目が赤で瞳孔はともに四角。
 正体は聖典トライテンを模して造られた偽典ミラビリス。日比乃ひびきを目指して作られた存在であるため、姉と称している。
 夏場でも冬服を着ている。制服のスカートの下には紫のペチコートと黒タイツを着用しており、首元にはボーラ―タイを着用している。制服のシャツは他の生徒の物とは違うデザインで、スカートのラインも黒ではなく紫であり、一般生徒の制服とは微妙に異なる。
 聖典トライテンについて調査をしている。ロレンツ・トレンデルかから指示を受けており、ハリエット・フリーゼの世話役として付き従っているが、常時一緒というわけではない。ハリエットが喧嘩をしそうになると暴力で黙らせる。マリーが作るサンドイッチはプラスチックのような食感だと言ってハリエットはあまり好きではないが、日比乃ひびきは美味しいと評した。
 ハリエットらがアーネンエルベに初入店した後は市民公園のハリエットと須方スナオが戦っている逆側で結界を張り、『迷宮の扉を開く鍵』である桂木千鍵を拉致しようとするが、変身したひびきに阻止された。
 変身すると好戦的になり、一人称が僕になる。肉体は作り物で、本体は胸に収められている。聖典トライテンに変身したひびきと戦い、自分がそれに並び立つ存在であると感じたが、トライテンとの戦闘、結界、ハリエットへの魔力供給により体を動かすだけの魔力さえ枯渇するほど消耗しており、ロレンツは「贋作は所詮贋作」とその自信を切って捨てた。


マリスビリー・アニムスフィア(人名/魔術師:事件簿)
 2003年頃の天体科の君主。アニムスフィア家当主。
 第四次聖杯戦争の後でそれの調査をドクター・ハートレスに依頼したが、その結果から冬木の大聖杯が自分の望む物ではないと判断して聖杯戦争から手を引いた。


魔力(用語/魔術)
 エーテルとも。
 魔術師にとってのガソリンのようなもの。魔術を発動させる為の要素。神秘を起こすための燃料。生命力と言い換えてもいい。原初の生命力とも、命そのものともいわれる。風の流れや潮の満ち引きでも微細な魔力の動きがある。魔力の素は生命力で、魔術師は魔術回路を用いて生命力を魔力に変換する。
 世界、自然に満ちる星の息吹たる大魔力、大源(マナ)と魔術師(生物)の体内で作られる小源(オド)がある。両者の質にほとんど差はなく、単純にマナの量がオドの量よりも絶対的に多いというだけである。
 マナは大気に満ちる『その空間』が持つ魔力なので、魔術師であるのなら自由に行使することができるが、その行使量は魔術師のキャパシティ、魔術回路の数に見合ったものである。
 大抵の魔術師はオドを使って魔術を発動するが、歴史が浅い魔術師は古くから確立されている儀式を行い、自然界から汲み上げたマナを使って魔術を行使する。
 基本的に魔術を発動するための燃料だが、魔力そのものが魔術に近い特性を持っている場合に限ってカタチとして残る。
 一般人でも微弱な魔力を持つ者はいるが、魔術回路がなければ魔力の生成はできず、ただ保持するだけにとどまる。よって魔術師は一定以上の魔力を帯びた者のみを魔術師と認める。なお魔術師にとって己の体内を流れる魔力をイメージするのは大事なことであり、遠坂凛の場合は清流を舞うように泳ぐ魚のイメージ。
 魔術師の血液には魔力がよく溶けるため、これを飲むことで魔力の補給をすることも出来る。
 成熟した魔術師一人分の魔力量は25程度、第五次聖杯戦争当時に龍洞に溜まっていた魔力(大源)は1000程度。


魔力殺し(武装)
 魔力を遮断する効果があるアーティファクト。


魔力針(用語:Zero)
 形状も構造も手の平サイズの方位磁針にそっくりで、常により強い魔力を発している方角を示すという魔道器としては簡素極まりないもの。


魔力放出(技能:Fate)
 武器ないし自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出することによって能力を向上させる。いわば魔力によるジェット噴射。
 第四回および第五回聖杯戦争におけるセイバーは剣戟はもとより防御や移動にも魔力を働かせている。少女の身でバーサーカーと打ち合えるのは膨大な魔力ゆえである。
 A:強力な加護のない通常の武器では一撃の下に破壊されるだろう。


マリリン・モンロー(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の頃の文化祭の2年A組の出し物の一つ、最強偉人にラインナップされた。
 20世紀を代表するアメリカ合衆国の女優。本名ノーマ・ジーン・モーテンセン。モンローは母親の姓。
 必殺技は『モンローウォーク』。これは彼女の腰を振って歩く独特な仕草の名前である。


マルセル・デュシャン(人名:氷室の天地)
 1887年7月28日〜1968年10月2日。
 アメリカで活躍したフランス出身の美術家。
 当初は画家であったが、油彩画の制作は1912年頃に放棄。チェスの腕前はセミプロレベルであり、絵画の放棄後はたまにレディ・メイドの作品を発表する他はチェスに没頭していた。
 油絵の放棄後は1913年制作の『自転車の車輪』を皮切りに、既成品をそのまま、もしくは少しだけ手を加えたものをオブジェとするレディ・メイドを数多く発表した。中でも普通の男子用小便器に『リチャード・マット』という署名をしただけの1917年制作の『泉』は特に有名。今日において『泉』を含む多くのレディ・メイド作品のオリジナルは紛失している。
 なおレディ・メイドとは、当初の目的とは違った使われ方をされた既製品、つまり芸術作品として展示された既製品を指している。
 デュシャンは芸術作品に既製品をそのまま用いることで『芸術作品は手仕事によるもの』『真作は一点限り』という概念を否定した。レディ・メイドは既製品へ美術的意味合いを見出そうとするものではなく、根底にあるのは『それが美しいかどうか』ではなく『観る人の思考を促すかどうか』ということであるらしい。


マンゴーラッシュ&クリーム(用語:Realta Nua)
 凛ルートのデートの際に小休憩のために入った喫茶店でセイバーが衛宮士郎に勧めたもの。というよりセイバーが食べたがったもの。


万年筆(用語:事件簿)
 ロード・エルメロイU世が愛用している、グリフォンの意匠が凝らされた漆軸の万年筆。もとは先々代(ケイネス・アーチボルト・エルメロイのさらに先代)からの愛用品で、エルメロイの遺産のほとんどを拒絶したロード・エルメロイU世が珍しく受け取ったほどには気に入っている。



  


見上げ入道(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 武:3防:5。固有能力は敵の強化系計略に反応しその1.5倍の効果を自軍に付与する『見越し』。


三重県代表(用語/組織:氷室の天地)
 陸上競技の大会の三重県代表。狡猾さ溢れるテクが持ち味で、薬師寺天膳などの忍者キャラクターのイメージ。


未遠大橋(地名)
 冬木大橋の別名、または設定変更後の名称。
 アニメ版Fateの原作者実況において『未遠大橋』であると記述された。


未遠川(地名)
 みおんがわ。冬木市を深山町と新都に二分し、海にそそぐ川。冬木大橋がかかっている。第四回聖杯戦争でセイバーがエクスカリバーを使用し、川が干上がった。
 昔は荒ぶる龍神が棲んでおり、柳洞寺の僧が法力をもって三日三晩の加持祈祷の末にこれを調伏したという伝承がある。が、柳洞零観らが語るには旅の僧が口八丁手八丁で純朴な龍神を騙して鎮めたという話。柳洞寺に伝わる柔術は静まった龍神が暇つぶしに寺の者に教えたものらしい。
 その僧が亡くなってから深山の民によって高僧の徳を慕い龍神を鎮めるために祭儀が行われていた。藤村大河らが子供の頃までは夏と秋にそのための龍神祭が行われていたが、現在では夏のみ行われている。現在の秋祭りとは関係ない。


右足の悪魔(用語)
 クラス:陸の王者。
 ユーザー願望:神罰、大海嘯の具現。
 デザイン参考:聖堂を飾っていた動物たちの彫像や剥製、または聖堂自体。
 メレム・ソロモンの四大魔獣のうちの一体。破壊の黒犬。終末の鐘。神の獣。鯨犬。メレムが好んで引き連れる、制圧・破壊専用の悪魔。これといった特殊能力はないが、全長200メートル近い巨体だけで充分すぎるほど悪魔として成立する。
 本当はもっと可愛い犬にしたかったらしいが、メレムの画力は偏っているようだ。メレムは犬好きなのか、左足よりは右足のほうが言うことを聞いてくれる。
 鯨と犬を掛け合わせたような姿をしており、腹と足の指(爪?)がメレム柄。


右腕の悪魔(用語)
 クラス:機巧令嬢。
 ユーザー願望:銃剣、戦争の具現……を建前にした人形萌えの具現。もしくは、天使を騙る悪魔。
 デザイン参考:聖堂の女神像、葬式。
 メレム・ソロモンの四大魔獣のうちの一体。巨大ガラクタ擬人化少女ソードちゃん。全長10メートル前後のリビングギアスタチュー。四大魔獣の中で唯一積極的にモデルチェンジをするオシャレさん。基本的にはダウナー系のやる気のない女神像さま。
 通常はマスクで顔を隠しており、滅多なことでは取らない。移動聖堂でもあり、腹部の王冠マークの付いた部分が開いて階段と入り口が現れる。
 偶像であるため最低限の知性しか持っておらず、あまり融通が利かない。命令されたコマンドをなかなかデリートできない。
 武器を象徴する悪魔だが、原則として個人が所有できる武装に限られる。兵器の発展とともにデザインは細かく変化していったが、百年ほど前から現在の形状に落ち着いている。武器を随所に組み込んだ少女像。前髪と腹部、フードと膝に王冠マークが刻まれており、様々な部分にメレム柄があしらわれている。


右歯噛咬(武装:hollow)
 ザリチェ。日本語読みではみぎししがみ。
 アヴェンジャーが使う歪な短剣のうちの右手用のもの。これで敵の身を断つ。獣の牙を模している。あるいはその時代にまだ実在した悪魔の牙を御神体としたものかもしれない。


ミゲル・デ・セルバンテス・サーベドラ(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の頃の文化祭の2年A組の出し物の一つ、最強偉人にラインナップされた。
 16世紀から17世紀のスペインの作家で『ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ』の作者。
 必殺技は『ドン・キホーテ召喚』。


三毛レン(用語)
 ネコ二十七キャットの第二十二位。


(人名:Fate)
 穂群原学園弓道部員。


三咲丘(地名:魔法使いの夜)
 三咲町の隣町。1980年代後半の時点では三咲町よりも上品な町並みを持っていた。
 三咲丘の公園は有名な怪奇スポット。


三咲市(地名)
 三咲町がある市。首都圏にあり、南社木市と隣接している。冬木市とは関東と九州くらい離れている。
 蒼崎の祖先によって市内には外部からの来訪者を監視するための魔力・魔術の動きを測定する大結界と、市内5か所に刻まれた支点によってそのサークルの内側を守り、人為的に大源の流れを変えてその終点を久遠寺邸にする為の結界が張られている。後者の結界の支点は久遠寺邸を中心にして陶川、鈴穂、社木と他1か所から成る。この支点が全て退去させられた場合、蒼崎の管理者という事実はただの肩書に成り下がることになる。


三咲中央公園(地名:魔法使いの夜)
 三咲市にある公園。
 この一体には久遠寺有珠の結界と魔術式が敷設されている。この結界が発動している時は結界内は有珠の森になり、童話の中の出来事のように例え1メートル以内にいようとも人物像の認識や声の確認はあやふやになる。


三咲町(地名)
 月姫、歌月十夜、魔法使いの夜の舞台となる町。三咲市にある閑静な住宅地。首都圏にあり、南社木市と隣接している。冬木市とは関東と九州くらい離れている。町内に空港とプール施設がある。
 三咲町にある霊地は代々蒼崎が管理しており、魔術協会の管理を受けていない。
 もとは山中の宿場町で、かつては畑と森ばかりだったが、高度経済成長期に立てられた長期計画に従って計画的かつ長期的に整備が進められた。それによって僅か十年で三咲市を代表する町になった。といっても近代化されたのは駅周辺の平坦な地域ばかりで、丘や山の部分はあまり整備されていなかった。
 かつては高い土地に住居を構えることは良くないこととされてきたため、一定の高さから上に住む人はいなかった。
 1980年代後半頃はあまり治安が良くなく、年間で10人ほどが通り魔の被害に遭っている。
 遠野志貴らが通う学校から見ると遠野の屋敷は正門方向、有間の家は裏門方向にある。


三澤羽居(人名:歌月十夜)
 みさわ はねい。
 6月7日生まれ。O型。身長162p。体重46s。B90 W59 H87。
 私立浅上女学院高等部の生徒。出席番号十番。遠野秋葉と月姫蒼香のルームメイト。通称羽ピン。部活動はしていない。
 おっとりした性格で、常にぽやぽやしてアルファー波を放出しているよう。どんな相手に対しても素直に対応し、相手の毒気を抜いてしまう。健忘症のごとく物忘れが激しい。まるで整理整頓が出来ないたちで自分の机の上が散らかっているので、時おり遠野秋葉や月姫蒼香の机の上を占拠する。ハンダやハサミなどの七つ道具が詰まった巾着袋を持っている。
 手先がなかなかに器用で丁寧な性格なので小物作りはなかなかのもの。そのため先輩方や教師から一つ返事でアルバイト(といっても金銭は絡まないが)を引き受けている。頼まれると断れない性格で、依頼された仕事はどんなものでもこなす。なのでいつも何か忙しそう。
 その執念はすさまじいもので、投函された宛名のない白紙の手紙を投函者の元に返すほど。
 本人は恋愛をしたいらしい。ぼんやりしているため周りからは夢見がちな子だと思われているが、「夢は幸せなお嫁さんだよー」というくらいしっかりした恋愛観を持っている。
 わりと大柄で、小柄な月姫蒼香とはデコボココンビだが“お似合いすぎて死ぬ”とは周りの生徒の言葉。蒼香は否定しているが、羽居と蒼香はベストカップルと認知されているらしい。


(用語・魔術)
 魔術師の属性(五大元素)の一つ。
 間桐家の属性。


Mr.痛まない成分(人名:MBACC)
 ミスター・インドメタシン。
 ネコアルクの独占を企む悪の組織のリーダー。
 ……と、ネコアルクがリーズバイフェ・ストリンドヴァリに吹き込んだ。その正体はシエル。


ミスター・ダウン(人名/エクソシスト:the dark six)
 Mr. Dawn。
 聖堂教会のエクソシスト。30t級のトレーラー『悪魔を哀れむ歌(Sympathy for the Devil)』を移動手段にするドライバー。埋葬機関の第六位(暫定)。埋葬機関の穀潰し。彼ともう一人の悪魔祓い師の二人で正式の六位となる。元V&Vインダストリィ第六開発部主任。
 彼自身に悪魔祓いの力はなく、主な役割は“道から外れやすい”もう一人の悪魔祓い師の輸送とされる。彼には攻撃手段も自衛手段もないので、悪魔祓いの仕事はもっぱら輸送しているもう一人の悪魔祓い師が行っている。
 険のある顔つきだが温和で人当たりのいい性格をしている。エクソシストというよりは学校の教師といった風貌だが、本人曰く人にものを教える資格がないそうで、一人でのんびり生きる方が誰にとっても幸福なことらしい。
 静かな平和主義者。アルズベリという戦場に赴くことを承諾しながらも自衛のためですら銃器は持たない。血や暴力に弱く、ホラームービーにも弱い。異端者による殺戮現場を見ると途端にパニクって足を引っ張ることから、代行者たちには『一緒に任務につきたくない男・ぶっちぎりで第一位』と恐れられている。
 貴重なタイプのエクソシストで、今のところある条件下において彼の代わりになるエクソシストはいないとされている。聖母の予言において、生涯で三度悪魔祓いをすると啓示された。教会においてただ一人、成体となった悪魔憑きを祓った男。
 代行者としての秘蹟・異能も魔術的な素養もないため、一般人サイドの理解者として活躍する。教会側の人物たちからは『殺し合いに参加しないのだから雑用係として死ね』とこき使われる苦労人。おもに武器の運搬・調達係として活躍する。
 技術者としてはエリート中のエリートだったがある事件をきっかけにV&Vを退社、事件解決の功績を買われて埋葬機関局長ナルバレックにスカウトされる。しかし信徒としての在り方は平均よりやや下といったところで、聖書を机の引き出しに寝かせておく程度。これは事件後からも変わっていない。
 ダウンというのは無論本名ではない。彼は本名を取り戻したがっているのだが、同時に本名だけを認識できない狂気にいる。


ミスター・ダウンの相棒(人名/エクソシスト:the dark six)
 聖堂教会のエクソシスト。ミスター・ダウンと二人で埋葬機関の第六位。道から外れやすい。悪魔を哀れむ歌の荷台で輸送される。荷台の気温が20℃を下回るとこれを投棄・爆破しなければならないらしい。
 他人の心に反応して形を変える、麻婆豆腐に欠かせないスパイスを持っているなどからカレン・オルテンシアではないかと思われる。


ミスティール(組織:事件簿)
 →全体基礎学部


ミスティック・ロック(用語:事件簿)
 →魔術錠


ミス・フライング・ヴィクトリー(仮宝具)
 →先行し炸裂しまくる誤認勝利。


渠裸体育大学(地名:魔法使いの夜)
 みぞらたいいくだいがく。
 三咲市またはその近辺にあると思われる大学。久万梨金鹿の兄たちがここに在学あるいはここを卒業しており、金鹿もここに推薦入学を決めた。


ミック・グラジリエ(人名/魔術師:事件簿)
 呪詛科に属する魔術師。色黒で筋肉質。魔術はタントラ・ヨーガの我流。
 アトラム・ガリアスタに依頼され、菩提樹の葉を手に入れるスパイのため黄金姫と白銀姫のお披露目の社交会に参加した。黄金姫の死に乗じてイゼルマ家を崩壊させるために手を組む事をライネス・エルメロイ・アーチゾルテに持ちかけるが、本当の目的を見透かされたためある呪物を手に入れたいと明かし、改めて拒否された。
 イノライ・バリュエレータ・アトロホルムの子飼いのスパイであるらしい。アトラムとイノライの仲介をしたのも彼である。
 ロード・エルメロイU世による一連の事件の解体の後にマイオによって引き起こされた橙子の魔物との戦いでは、イノライと共にエステラ・バリュエレータ・イゼルマやバイロン・バリュエレータ・イゼルマを守った。


ミックス定食(用語:Fate)
 穂群原学園の学食のメニュー。エビフライまで肉の味。


美綴綾子(人名)
 みつづり あやこ。
 身長162p。体重50s。B83 W58 H83。
 遠坂凛のクラスメイトで友人だか天敵だかよくわからない関係。本音になると男前な口調になる。蝉菜マンションに住んでいる(住んでいる部屋番号の末尾は2)。武道と日本文化を愛する大和撫子。
 『美人は武道をしていなければならない』という妙な美意識の持ち主で、武芸百般に精通した豪傑。一番の得手は薙刀。唯一心得のない弓道をやるために弓道部に入り、主将を務めていた。三年生になってからは部長の座を間桐桜に譲り、その補佐というか相談役のようなポジションについている。間桐慎二の後輩いじめを抑制する目的もあり、士郎に弓道部復帰を呼びかけ続けている。
 テレビゲームが好きで、単純作業を繰り返すゲームなら一晩中やっていられる。氷室鐘に世界文化大戦4やコマンドアンドコンカー レッドアラート3といったゲームを勧め、一緒にプレイしている。囲碁と将棋が苦手。情報家電に詳しい。お祭り好き。料理では大量生産のものが得意で、大雑把になるほどに味がよくなる。ベーキングパウダーを使うケーキが得意。藤村大河が天敵らしい。『だれでもできる前世占い』によると前世はメイン武装が拳のみの伝説の海の戦士。
 2年生の春の段階で弓道部主将に任命された女傑で、穂群原学園で喧嘩を売ってはいけない人間ベスト3にランクインしている。しかしながら自室を少女趣味で固めたり、女友達の前では地の女の子然とした性格を出したりする。遠坂凛が愛用しているネコ柄のパジャマは綾子からの贈り物である。行けるなら池袋に行ってみたい人。しかし家は格式高い武芸の家柄なので、現代っ子ということは表向き隠している。
 冬木空手道場の師範代。2年生の夏には師範がギアナ高地に修行に行っていたため美綴が門下生を指導していた。当然ながら黒帯である。下心のある男性門下生をフルコン空手で叩きのめしていた性で冬木空手道場には男性門下生が少なく、美綴に憧れを抱く女性門下生が多い。
 どちらが先に彼氏を見つけるかで凛と競争していたが、その賭けには第五次聖杯戦争後の四月ごろに凛と衛宮士郎が付き合い始めたということで負けた。そのときに負けまいと焦って彼氏候補を探したが見つからず、仕方なく彼氏と偽って弟の実典を紹介したことがある。もちろんそれで騙しおおせるはずもなく、実典は大恥をかいた。よって彼女は現在でもフリーである。またぱっと見、衛宮士郎が誰ともくっついている様子がないことから勝負のノーカウントを主張している。ちなみに年上好みのため、学園の男子生徒には恋愛対象としての興味が持てない。
 ルートによってはライダーに血を吸われるが、『誰かに襲われて血を吸われた』という記憶はあるものの相手が誰かは覚えておらず、また別段命に問題はない。しかしそのためライダーが苦手。
 日本文化をこよなく愛する彼女にとって正月元旦に高級振袖に身を包み、凛と背を伸ばしてお参りに向かうのが至上の喜び。それだけに真逆の方向で振袖を着こなす蒔寺楓が『イヤイヤ着ているクセに似合っているのが許せない』。
 二年生のときの球技大会では沙条綾香、氷室鐘と組んでセパタクローに参加した。決勝に進出したが、衛宮士郎、柳洞一成、間桐慎二の2年C組チームと故意に乱闘を起こし、ともに失格。なお蒔寺楓は最初美綴と組もうとしていたが、その誘い方が意味不明な手紙を下駄箱に忍ばせておくというものであったためにそれと気づくことはなかった。
 氷室たちが英雄史大戦で盛り上がっているのを見て興味を持ち、家でもできるならとマソップで家庭用ゲーム機版の英雄史大戦のDXパックを発売日に購入した。その帰り道で出会った氷室を、柳洞との一件を知っていたこともあり一緒にプレイしようと家に誘ったのだが、いざプレイしようとする段になって氷室は用事があると言って帰ってしまった。
 体育祭では特別三枠のうち将棋ボクシングに出場した。美綴は将棋が苦手なため、氷室の策に従いボクシングのラウンドで攻めに攻め、将棋のラウンドでは長考と穴熊による防御で長引かせる戦略で勝ち進む。しかし準決勝では2年C組代表の柳洞一成と対戦することになり、ボクシングでは防御に徹して『負けない』戦い方をし、得意な将棋で攻めるという戦略を取られたため美綴は将棋ラウンドで投了。
 体育祭の翌日にjonafulで蒔寺と会食し、恋愛感情に起因するものかはわからないものの不自然なほど柳洞一成を避ける氷室をどうにかしようと相談し、頼られれば努力は惜しまないという結論に至った。
 『遥かなる恋革命!葉桜ロマンティック〜俺のエクスカリバー〜』を購入したところを沙条に見られたことで弱みを握られたと思い込み、英雄史大戦で氷室を一成に勝たせることに協力することになる。
 英雄史大戦のユーザー名は『AYA』で、アイコンは握り拳。英雄史大戦で使用するデッキは名付けて『重火力アメリカデッキ』。構成は『ビリー・ザ・キッド』、『ニコラ・テスラ』、『トム・ソーヤ』、『アームストロング船長』、『アル・カポネ』。キャラクターイラストが美青年とダンディで統一されている。実利としてはアル・カポネ、ニコラ・テスラ、アームストロング船長に全体攻撃能力がある大味なもの。ロンドン☆スターと対戦するが、何のいいところもなくあっさりと敗北した。
 文化祭の出し物が研究発表に決まった後、氷室が提案した歴史IFのテーマに乗って歴史上どの偉人が最も強いのかという『全偉人大戦』を提案し、これを含めた歴史IFが2年C組の研究発表となった。
 11月の休日に何をするか相談していた時に沙条が提案して実現した詠鳥庵での泊まり込みでの闇鍋パーティではネタ食材としてかんぴょうでできた草鞋を投入した。その後で有り合わせの粘土で始めたバルバロッサのような遊びでは美男子の像を作ったが、叩き潰されてオルメカ巨石人頭像にされた。
 冬木市民マラソンには参加しなかったが、それに向けて三枝がコスプレ衣装の材料を買いに行った際はデザイン役として同行した。
 氷室らが詠鳥庵の蔵の大掃除に参加すると聞き、着物と武具を目当てに参加する。しかし様々な怪奇現象を体験することになってしまった。
 注文が被って2本購入してしまったシミュ市長というゲームの1本を氷室にプレゼントして協力プレイをする。美綴は美綴市を運営し近隣サービスとして氷室のネオ・フユキシティのゴミ収集を行ったが、ネオ・フユキシティに発生したゾンビの大群が侵入を阻まれたため美綴市に殺到してきた。
 美綴家での勉強会の際に沙条綾香が用意した手製の青汁を飲み、一般人には見えないがオーラ状のものが噴き出すようになった。
 hollow ataraxiaの時期には文化祭実行委員長を務めている。


美綴実典(人名)
 みつづり みのり。
 身長175cm。体重65kg。
 美綴綾子の弟。穂群原学園1年生(綾子の二年下)、弓道部員。弓の腕は間桐桜が太鼓判を押すほど。桜が三年になる頃には弓道部の主将になる。武道に長けた姉への反発か、文系である。
 桜に恋心を抱いており、そのためか衛宮士郎にはちょっと突っかかるような態度をとる。多少ぶっきらぼうではあるが、士郎以外の年上目上の者には礼儀正しい。ぶっきらぼうな物言いと姉ゆずりの端正な顔立ちで誤解されるのだが、根は善人でクールな照れ屋。小心者であるらしい。綾子とは正反対で、武道や和式の美には興味がない。
 これまで気風のいい姉に振り回されてきた為か大人しい上級生に免疫がなく、桜にほとんど一目惚れだった。後に穂群原一の美男子と評されるも、卒業まで彼女なし。
 弓道部員たちに押さえつけられて桜に全身をマッサージされ、翌日揉み返しの全身筋肉痛に苦しんだことがある。
 姉の綾子が遠坂凛とのどっちが早く彼氏を見つけるか競争に負けそうになった折に彼氏として紹介され、大恥をかいた。
 姉の綾子を「あんなの女じゃないっすよ」と評しているが、これはがさつという意味ではなく、武道百般に通じることから『そんな優しい生き物ではない』と考えているため。


ミトリネス(人名/サーヴァント:Zero)
 征服王イスカンダルの親衛隊の一人。第四次聖杯戦争におけるライダーの王の軍勢によって召還される。
 キャスターが大海魔を召還した際にライダーがそれを王の軍勢に取り込んで足止めをしたのだが、結界の外からの指令を伝えるための伝令の役を担ったのが彼。


南方熊楠(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の頃の文化祭の2年A組の出し物の一つ、最強偉人にラインナップされた。
 日本の博物学者、生物学者、民俗学者。
 必殺技は『全て覆う反芻吐瀉地獄』。これは自在に胃の内容物を嘔吐できるという反芻胃の体質から来ている。
 ビジュアルは諸肌脱ぎで両手に茸を握り、嘔吐している。


皆殺しバルカン(用語)
 ネコアルクが使用するガトリング砲。毒茸流格闘術に同名の技があるが、関連は不明。


(地名)
 冬木市を流れる未遠川の新都側の河口にある港。釣り人がランサーだったからかもしれないが、やたら釣れる。魚市場はない。


南社木市(地名)
 みなみやしろぎし。三咲町の隣町。


源為朝(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の頃の文化祭の2年A組の出し物の一つ、最強偉人にラインナップされた。
 平安時代の武将。源為義の八男。弓の名手で、鎮西を名目に九州で暴れまわったため鎮西八郎と称す。保元の乱で崇徳上皇方に属して奮戦するも敗れて逃走し、病を得て湯治をしているところを捕らえられて伊豆大島へ配流される。しかしそこでも暴れて、事実上伊豆諸島を支配したために追討されて自害した。しかし琉球王国の史書などでは追討を逃れて琉球に渡り、その子が琉球王家の始祖舜天になったと言われる。
 必殺技は『弓張月』。


源頼朝(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の頃の文化祭の2年A組の出し物の一つ、最強偉人にラインナップされた。
 必殺技は『呪詛』。これはスズキやサザエに命じただけで遺伝レベルの障害を与えたことから、自らに害をなしたものに呪いをかけて末代に至るまでその形質を変化させる力である。


美濃禎常(人名:魔法使いの夜)
 みの よしつね。
 1988年当時の私立三咲高等学校3年生。応援団長。
 190cm近い長身で、常に黒い応援団の制服の上に白い外套と学帽を着用している。この学帽は応援団長の証で白い外套は気を引き締めるため、という事だが、外套については団長就任時に当時生徒会長に就任したばかりの蒼崎青子から『何事も外見から』と押し付けられて以降ずっと着用している。
 禎常自身は引っ込み思案で自信がない本の虫だったが、祖父が休校前の三咲高等学校の応援団で伝説を作った人物だったため、全団長に勧誘されて1年生の時に応援団に入団。2年生で団長を引き継ぎ、以後卒業まで勤め上げた。
 卒業直前の1989年3月に蒼崎青子に愛を告白するため、青子には現在交際している人物はいるかと静希草十郎に尋ね、以後数日に亘って草十郎と苺塚とともに青子の初恋の相手を探す。しかし文柄詠梨から青子の初恋の相手は周瀬律架だと教えられた事で青子が同性愛者だと誤解した上で、自分が惚れていたのは蒼崎青子という女性ではなく青子が見せる『気持ちのいい生き方』であり、恋心ではなく青春時代への憧憬だと悟った。なお誤解は草十郎からの電話で解かれている。
 その翌日、見送りに来た青子に別れを告げて三咲市を旅立っていった。
 三咲高校卒業後は遺伝子工学を学ぶためアメリカ・ニューヨーク州のコーネル大学に留学したため、高校の卒業式には出席していない。


美濃禎常の祖父(人名:魔法使いの夜)
 私立三咲高等学校の卒業生。休校前に応援団で伝説を作ったとして有名。
 単に疎遠なのか死亡しているかは不明だが、禎常は祖父と会ったことがない。


ミハイル・ロア・バルダムヨォン(人名/死徒・魔術師)
 Michael‐Roa‐Valdamjong。
 12世紀の9月29日生まれ。
 死徒二十七祖の番外位。転生無限者。蛇のように執念深いことからアカシャの蛇と呼ばれる。教会では二十七祖の一人と数えられるが、二十七祖の間では番外として嫌悪されていた。
 数紋魔術を得意とし、数秘紋による雷霆を使う。これは地味かつ正統派のものであるらしい。固有結界オーバーロード(過負荷)を有す。ネロ・カオス、タタリと面識があった。ネロ・カオスとは術理戦をしたことがあり、また混沌をカタチにする研究を共同で行った。
 オリジナルは男性であるが、依代によって肉体の性別は変わる。人格は転生体をベースとするが、本来のロアは根は冷酷で徹底した利己主義だったが理知的で穏やかな人物だった。アルクェイド・ブリュンスタッドの死徒で、その力の一部を奪っている。
 もとは教会の神官(司祭)で、ナルバレックとともに現在の埋葬機関の原型である埋葬教室を作り上げた。他の死徒たちとは異なる不老不死を実現しようとしたが限界に辿りつき、更なる上を目指すために仕方なく吸血種となる。永遠という命題以外は要らぬという信念を持っていた。生まれたときから無感動で人間というよりも一つのパーツじみていたが、司祭の頃は人徳もありかなりの人気者だったらしい。
 彼はほかの人間に転生することによる永遠を実現した。彼曰く『永遠とは観測者がいてこそ成り立つもの』であり、自分がその観測者になろうとした。また、依代である人間が滅びた場合は観測すべき対象がいなくなり、自身も滅びるのでそこで永遠は終わるという。
 彼の転生はあらかじめ次に転生する者を(富豪であり、魔術の才能を持っていることを条件として)選定しておき、現在の肉体が滅ぶと新しい依代に転生する。転生体はその現在生まれていなくてもよい。転生体の魂はロアだがまったくの別人として育ち、社会的コミュニティに属し、肉体的・精神的に充分に成長したらロアとしての知性が目覚める。ロアが目覚めた後は吸血鬼化するが、もとの肉体の人格は残る。
 魂はそのままでは拡散して根源に統合してしまうので、彼は魂を転送可能な情報に変えた。だが、そのために彼本来の自我は薄れてしまい、本来のロアの望みを繰り返すものに成り果てている。しかしそれは自我を余計なものというロア本人にしてみれば本来の目的だったようだ。
 最後の転生体(18代目)は遠野四季、一代前の転生体はエレイシア(シエル)。幾度も死を体験しているからか、四季に転生したときには直死の魔眼に似た『モノを生かしているところ』を視る魔眼を持っていた。ただしロアが表面化している場合は遠野四季の肉体が持つ不死の特性は全く使えない。とはいえ吸血鬼としての復元呪詛があるため、不要な能力であると言える。十七回の転生をなしたが、本来のロアの肉体のポテンシャルに及ぶ肉体はなかった。
 あくまで死徒になるための道具として扱うはずだったアルクェイド・ブリュンスタッドを一目見た瞬間に心を奪われ、以後本人は気付かないまま彼の計画は狂っていく。本人は純粋すぎたためにアルクェイドに恋していたことに気付いていなかったが。だがそのために、研究以外のことに心を向けるようになったことを純粋ではなくなったと思い、アルクェイドを憎んだ。
 しかしながらロアが恋焦がれるのは真祖の姫君アルクェイド・ブリュンスタッドであり、遠野志貴に殺されて人の世を省みるようになったアルクェイド・ブリュンスタッドではない。そのため志貴に殺されて人好きがするようになったアルクェイドを堕姫と断じ、ロアと姫君への侮辱だと切り捨てた。
 永遠を求めるあまり、その当時最強の真祖であり初めての吸血衝動に苦しんでいたアルクェイドを騙して自らの血を吸わせ、その死徒と成った。その力はすさまじく、教会によって封印されていた空席の二十七祖の派閥を纏め上げ、一大勢力を築き上げた。この新参者の死徒を諌めるためにアルトルージュ・ブリュンスタッドが出向くが、これを逆に返り討ちにするほど当時のロアの力は強大だった。それもそのはず、優れた魔術師としてのロアと当時最高潮のアルクェイドの力を同時に使用できたのだから。
 結果、二十七祖はロアを放置し、数年後に教会と共同戦線を張ったアルクェイドによって討ち滅ぼされる。以後、自らが選抜した赤子に転生を繰り返し、実に十七回もの間アルクェイドと終わりのない殺し合いをするにいたる。
 遠野志貴に殺されたが、それは『今代のロア』であり、それに引きずられて消えようとしているもののかすかな本来の意識が志貴と共融していて、志貴とともにアルクェイドの中の朱い月と出会った。
 三咲町の二回目のタタリにおいて土地の記憶となったものが具現化し、その際にリーズバイフェ・ストリンドヴァリがまだ生きていることを看破した。最終的にアルクェイド・ブリュンスタッドをも打倒するが、その後現れた『真祖の姫君』アルクェイド・ブリュンスタッドにより倒された。


見張り塔(用語:魔法使いの夜)
 蒼崎青子が高校二年生のときに久遠寺有珠から貰い受けて完成させた魔術品。徹夜で完成させたのだが、自己流アレンジを加えたためか壊れるどころか跡形もなくなってしまった。


ミミ(人名:hollow)
 ギルガメッシュの取り巻き。アタリがきた竿を引いていいか尋ねた。


深山町(地名)
 冬木市の西側に広がる住宅街。北側(海側)には武家屋敷が多い地域があり、町の中央にある交差点をはさんだ南側(山側)には洋館が多い。それは過去に移住者が多かったかららしいが、現在外国人はいない。両地域の中間は普通の住宅街。


美遊・エーデルフェルト(人名)
 プリズマ☆イリヤに登場する少女。
 『沈黙のルビー アルマゲインパクト』では、街で偶然見つけた衛宮士郎と遠坂凛らを追ってイリヤスフィールとともにアーネンエルベに来店し、隅っこの席に陣取る。読唇術と声真似で凛の言葉をイリヤスフィールらに伝えた。その後、落下してくる隕石の軌道修正のため、次元の狭間に飲み込まれたマジカルサファイアに代わりマジカルルビーとの仮契約による並列処理で多元転身する。
 後にイリヤスフィールとマジカルルビーを伴って再びアーネンエルベに訪れた。


未来(用語/魔術)
 ヘルメス・シリス・アトラシアが持つ特性。


未来視(用語/超能力)
 未来を視る能力。
 基本的に『視る』だけであり、未来からの交信を受けたり、未来を視ることで平行世界にシフトしたりといったものは含まない。また超能力であるため、魔術でいう予見や神託でいう預言とは別物。
 未来予測と未来測定に分類される。とりわけ未来予測が多く、高度なものになると予測内容を映像として脳内に再現するようになる。実際に役に立ちやすいのは未来測定だが、社会にかみ合いやすいのは未来予測。
 未来予測は一般的な人間が処理せずに捨てている膨大な情報を無意識に拾い集め、高度な情報処理の結果として未来を予測しているのであり、決して根拠のない直感などではない。また未来予測によって導き出される未来は確定されたものではなく起こりうる未来であるので、行動如何で変更することができる。原理的には一般の人間がしている演算や想像の延長であるが、その演算量は意識すると人格を毀損するほど膨大であるため、おおよそは無意識下で行われている。場合にもよるが、魔術的には眼球がある種の魔術回路として働く事でこれらの記録や演算をしている。
 何の関係もない人物や場所に関する未来は視ることができず、対象を視認することが必要となる。例えば『AがBに殺される未来』を視る場合にはAとBの双方を視る必要がある。Aのみを見た場合には『誰かに殺される未来』が視え、Bのみを見た場合には『誰かを殺す未来』が視える。
 未来測定の方はより異常で、無数の可能性がある未来からどの未来に行くかを能動的に決めてしまうものである。原理上自分が居合せる場所の未来しか視えないが、一度測定が決定してしまえばその未来は固定されるため、精度は未来予測を大きく上回る。
 瀬尾晶のものは過去視の延長としての未来視。つまり過去を読み取ってそこから未来を予測するというもの。そのためか未来は映像ではなく単語(情報)で理解し、経時劣化も少ない。観測者として視るため、価値観や記憶の混濁もない。ただし自分の意識では発動できない。視える未来は大抵一日先。頻度は平均して月に一度以下。
 瀬尾静音の場合は現在の情報から未来を予測するもの。視える未来は大抵一日後だが、風景としてなら三日後くらいまで視え、風景というよりもイメージがざっと流れる程度のものなら一月後や一年後くらいまで視える。頻度は三日先までの風景なら日に2、3回ほどで、断片的なものは極稀。
 未来が視えるときは前触れがなく、眩暈のあとに風景が切り替わり、未来が客観的に視える。このときは例えばバックミラーに映った風景をバックミラーに映った自分が視ている様な不自然な感覚となる。また未来を視ている時間は、感覚的には10分などまちまちだが概してゆったりと感じるものの、実時間では2秒程度。自分で発動することはできない。
 瓶倉光溜の場合は右目のみで、左目にはその未来を実現するための方法が映し出される。これは未来視の中でも現在の情報から未来を予測する未来予測ではなく自らの意思で未来を確定させる未来測定である。これは未来予測を上回る異能だが、未来に明確なカタチを付与してしまうため死の概念が適用され、直死によって殺し得るものとなる。またこれは数値を埋めて未来を視るものであるため、現場に居合わせることが未来視の条件となる。
 観布子の母の能力は未来予測でも未来測定でもない、神の目とさえ言える稀代の未来視。


ミリョネカリオン(人名/魔術師)
 『封印指定総与』の二つ名で知られる魔術世界屈指の魔術師。特性は『繁栄』。委細は不明。


魅惑の魔眼(用語/魔術)
 吸血鬼が一般的に持つ魔眼。魔眼で視た者を魅惑するのではなく、魔眼を見た者を魅惑する。



  


(用語・魔術)
 魔術師の属性(架空元素)の一つ。
 魔術においては『有り得ないが物質化するもの』と定義される。物理学や数学における無とは意味が異なる。


ムールクラーケ(用語:魔法使いの夜)
 →巨大古代種


ムーンセル(用語:MBAACC)
 →擬似霊子理論
 なお、名称が酷似しているムーンセル・オートマトンはEXTRAの世界にのみ存在する。


ムーンライト・ランダマイザー(用語:MBAACC)
 →怪猫・天を揺るがす


ムエカッチュアー(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の年の穂群原学園の体育祭での特別三枠の募集に対するクラス内選考のあと、これを提案すればよかったと氷室鐘が悔やんだ競技。
 ビルマの伝統的立ち技格闘技で、ラウェイ、バンドー、ビルマ拳法とも呼ばれる。
 金的や噛み付きなど僅かな反則を除いて基本的に何でもありで、勝敗の判定は倒すか倒されるかのノックアウト方式。そのため、あらゆる格闘技の中でもっとも過酷なルールとされている。


無毀なる湖光(宝具:Zero)
 アロンダイト。
 かつて最強と謳われた騎士ランスロットが愛用した宝具。約束された勝利の剣と対を成す、人類が精霊より委ねられた至高の宝剣。約束された勝利の剣と起源を同じくする神造兵装であり、その強靭さは約束された勝利の剣に匹敵する。約束された勝利の剣と相通ずる意匠、精霊文字の刻印、月下に輝く湖水のような怜悧さ、決して毀れることのない刃が特徴。
 彼が持つ他の二つの宝具(騎士は徒手にて死せず、己が栄光の為でなく)を封印することにより初めて解放される、ランスロットの真の宝具。
 この剣を抜いている間はランスロットの全てのパラメーターは1ランク上昇し、また全てのST判定において成功率が2倍になる。さらに龍退治の逸話を持つため、龍属性を持つ英霊に対しては追加ダメージを負わせる。
 当代最高の騎士だけが帯びることを許された誉れの剣だが、同胞だった騎士の親族を斬ったことで聖剣としての格を喪失し、魔剣としての属性を得てしまった。


無窮の武練(技能:Zero)
 第四次聖杯戦争におけるバーサーカーの技能。一つの時代で無双を誇るまでに到達した武芸の手練。心技体の完全な合一により、いかなる精神的制約の影響下にあっても十全の戦闘能力を発揮できる。
 A+…第四次聖杯戦争におけるバーサーカー。


椋鳥(用語/魔術:魔法使いの夜)
 久遠寺有珠の使い魔。


(用語:hollow)
 一頭一頭の戦闘能力は低い。とはいえ、大型の狩猟犬や野猿を人間サイズに拡大したようなものであり、十年程度武術をやったくらいでは倒すどころか数秒間持ちこたえるのがせいぜいだろう。それに加え、何しろ数が非常に多い。
 自発的に害をなすのはアヴェンジャーが取り憑いた衛宮士郎に対してのみで、人に害を及ぼすことはなくただ徘徊するだけ。士郎だけを殺そうとするのは、聖杯戦争の再現たる四日間ですべてを見尽くさないようにするため。眠っている者には完全に無害である。
 発生地点は柳洞寺の裏の高台で、そこで死ぬ。この正体は終わらせることができなかったアヴェンジャーであり、クリアしそうになる己を追い落とすことを目的とする。始まりから四日間しか存在できない。
 人を殺すという単一の性能しかないが、使い魔として大量に使役するには適している。
 バカ正直なため発生した深山町を覆いつくして新都に入ろうとするときにほとんどのモノは頑なに冬木大橋を使用する。が、橋が落ちれば未遠川を渡ってゆく。


骸塚の弥八郎、景山の臓物墓場(用語:hollow)
 柳洞一成が披露した怪談で、柳洞寺に伝わる竜洞の死人増やしの昔話。死んだ息子を蘇らせるためにその母が左道邪術を用い村人を犠牲にし、蘇った弥八が死んだ母を蘇らせようと同じ邪術を使う。しかし弥八はすでに死者であるためにいくら血肉を集めようと母を蘇らせることはできない、という話。
 なお、弥八が手足を集めるのは竜洞(りゅうどう)とされている。
 バゼット・フラガ・マクレミッツとアヴェンジャーの関係、第三次聖杯戦争の再現たる四日間はこの怪談に非常に酷似している。


無限の剣製(宝具・魔術:Fate)
 アンリミテッドブレイドワークス。
 ランクE〜A++。
 衛宮士郎と英霊エミヤの固有結界。とはいえ、衛宮士郎とエミヤの世界は異なる。
 全ての剣を形成する要素があり、オリジナルを見た事があれば容易く複製できる。ただし複製した武器はランクが一つ下がる。防具も複製可能だが、通常投影の二〜三倍の魔力を必要とする。なお結界形成時に用意されている武装は結界形成から維持まで魔力を消費し続ける。破壊されたものを新しく創造する、また結界形成時に存在しなかったものを作る場合は激しく魔力を消費する。
 一度複製した武具は結界内に登録され、固有結界を起動させずとも投影魔術として作り出せる。第五次聖杯戦争の時点で、千を越す数の武器が貯蔵されている。衛宮士郎の起源が『剣』になりつつあるため、貯蔵できる武器は白兵武器のみ。ギルガメッシュの『王の財宝』のように、結界内から複数の武器を矢のように放つことも可能。
 『約束された勝利の剣』や『乖離剣エア』のような神造兵装は複製できないが、似たような性能の型落ち宝具ならばいくつか貯蔵があるらしい。
 武器の『担い手』であるサーヴァントには多少厄介なだけだが、武器の『持ち主』であるギルガメッシュに対しては既に武器が用意されている分だけ有利で、天敵となる。


無限の残骸(用語:hollow)
 アンリミテッド・レイズ・デッド。第三次聖杯戦争の再現たる四日間におけるアヴェンジャーのこと。


無限妖精カレイドルビー(用語)
 『白き月姫ファンタズムーン』と鎬を削りあった魔法少女アニメ。どちらが裏番組かは不明。
 並行転写プリズムロッド・カレイドステッキによって愛と正義の魔法少女となったある少女の、正義と鉄槌と大勝利の物語。自分の世界を平和にしたあと、並行世界をスライドしてゆく魔法特性を生かして色々な世界に顔を出すことに。しかし自分の世界を離れた彼女はヒロインのライバル役としてしかキャラ立てができなくなってしまった。


虫王(用語:氷室の天地)
 昆虫をモチーフにしたカードゲーム。


夢魔(用語)
 夢を操る魔。知性体(人間)に寄生し、その夢を養分として生きる高次元生命。レンのような現世に肉体を持った夢魔は簡単には成立しない。
 魔術師マーリンは夢魔と人の間に生まれた子である。


無銘・短剣(武装:Fate)
 第五回聖杯戦争におけるライダーが使用する巨大な“釘”。遠距離から投擲するのが主な運用方法で、一度刺さるとなかなか抜けない。
 出自は不明だが、彼女の内面を表した武装と思われる。


無銘・斧剣(武装:Fate)
 第五回聖杯戦争におけるバーサーカーが使用する岩の剣。アインツベルンが用意した神殿の礎で、英霊ヘラクレス召還の触媒でもある。
 単純な石器で、刃毀れがそのまま研磨の代わりになる。



  


(技能)
 見てはいけないもの、見られてはいけないもの。眼球と脳の認識能力が向上することで得られる能力。超能力としての魔眼に似た能力。超能力によって眼球(と脳髄)の視認能力が向上し、本来見えないものが視えるようになる。またその術者に視られただけで術中にはまるもの。
 魔眼は魔術師が霊的な手術で認識能力を向上させるが、その場合は『魅惑』『暗示』『束縛』程度の力しか持ちえない。平均的なものは『束縛』。
 それに似たものだが、より強力な『石化』『直死』『束縛』『強制』『契約』『炎焼』『幻覚』『凶運』などの能力で、こういったものは魔術で再現できない生まれついてのもの、つまり“超能力”。こちらは術者が視るだけでいい。またこれら超能力は『〜の眼』と呼ばれる。
 能力にはいろいろあり、本来見えないものを視る『淨眼』、遠隔視・透視の『千里眼』、吸血鬼が多く持つ『魅了』、モノの死を視る『直死』モノを石に変える『石化』などがある。
 魔眼のランクは色分けができ、通常の魔眼は赤や緑色に光る。強力なものは黄金に輝き、神域の魔眼は宝石の如く虹の如く多彩に偏光するとか。黄金、宝石、虹はノウブルカラー、つまり超能力である。


メアリー・スチュアート(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の頃の文化祭の2年A組の出し物の一つ、最強偉人にラインナップされた。
 16世紀のスコットランド女王。
 必殺技は『忠義の双剣』。これはエリザベス一世との政争に敗れた彼女に最後まで付き従った二人の騎士を召喚するもの。それは髪を武器のように使える騎士と、2メートルを超す巨漢の戦士だという。
 ビジュアルは普通の女性だが、背後にタルカスと黒騎士ブラフォードのような二人のシルエットが立っている。


メイガス(用語)
 Magi(英語発音メイジャイ)の単数形Magus。魔術師のこと。
 マギとはキリスト生誕を祝った東方の三賢者(カスパール、メルキオール、バルタザール)のこと。ならびにゾロアスター教の司祭のこと。


銘記(用語)
 記憶のシステムの一つ。見た印象を情報として脳に書き込む事。


メイキング(用語:魔法使いの夜)
 →皐月の王


メイ・リデル・アーシェロット(人名/魔術師:魔法使いの夜)
 5月1日生まれ。身長162cm。体重50kg。
 自称、協会ナンバーワンのウィッチ、稀代の天才マイスター、新世代魔女。
 魔術系統は近代黒魔術。魔術回路の質はA、量はD、編成は正常だが若干変異の兆しがある。
 幼い頃からの久遠寺有珠の友人だが、1989年には有珠は顔を合わせるだけでうんざりする。魔術師でありながら表社会でリデルリドルの名前で歌手として活動しており、また企業家の娘でもあるため金銭的にはかなり裕福らしい。ルゥ=ベオウルフ曰く『産業革命の陰でポッと発生した煤の魔女の末裔』。
 幼い頃に後にゴブリンフロンと名付けられるプロイキッシャーを間違って借りてしまい、その件がもとで当時は有珠の気分で変わる番号で呼ばれていたプロイキッシャーに固有の名前を付けた。かつて有珠からプロイキッシャーを奪っているが、対価として現金を支払っている。もっとも有珠は金銭で解決できるものではないとして返却を求めているが、リデルは資本主義の犬と称されるほど金銭を重視しているため取り合わない。
 一時期、槻司家にホームステイしていた。
 好きなものはなく、大抵のものが嫌い。躁鬱の激しい性格で、コンサートが終わった後はいつも空しくなってリストカットする。音楽をどうでもいいと思っており、ファンも自分に貢ぐだけの働きアリと考えている。父親に対しては非常に高圧的な態度で接する。
 ルゥ=ベオウルフは本気ではなかったにしろ、戦って勝ちを収めている。その時はルゥをネズミくらいの大きさにしたらしい。
 1989年の秋に久遠寺邸で行われた土桔由里彦の誕生会を有珠の誕生会と勘違いしてNKホールで公演するはずだったコンサートをすっぽかしてヘリコプターで久遠寺邸を訪れた。そこで有珠が現在の館のルールを確かめるために草十郎にフランス語で愛を囁いたのを聞いて大笑いし、吐血して死亡した。しかしその直後に心停止を気合で耐えて蘇生した。その後、朝まで生き残るのではなくすぐに脱出しようと思い立ってゴブリンネストを使って父親に連絡し、久遠寺邸からの脱出用に最新強襲ヘリコプターを呼び付けた。しかしこれが無茶なフライトによって墜落したことで持ち株と所有していたタヒチの島を売却することになった。その後、ペンギンの着ぐるみを着た有珠を見て笑い、改めて死亡した。


メイ・リデル・アーシェロットの父(人名:魔法使いの夜)
 企業のトップであるらしいが、リデルの歌手としての稼ぎが非常に大きいため言いなりになっている。
 影響力はかなり強く、軍事基地から強襲ヘリの試作品をスタッフごと買い上げることが出来る。
 買い上げた強襲ヘリが無茶なフライトのせいで墜落したことで特殊部隊に拘束され、その強襲ヘリのプロジェクトごと買い取らされることになった。


メーディア(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 武:5、防:5。固有能力は実弟を切り刻むことで発動する魔術である、敵軍の動きを止める『強制停止(アトラス)』。


メカアキハ(用語:タイガー&ブルマー)
 琥珀がメカヒスイの技術を応用して製作した積極的防衛ロボット。
 積極的防衛とはいわば予防戦争とほぼ同義であり、敵が来てから戦うのではなく自分で敵を適当に見繕って戦う。胸は内部のメカをそれ以上小型化できなかったこともあり実物よりも少しだけ大きい。
 動力源は空から降ってきた黒と金色の縞模様の玉(虎玉)。予備動力はない。目からビームを撃つことができる。背中に自爆ボタンがある。
 開発者の琥珀のもとから逃亡する。タイガと戦って不意打ちまでするも簡単に面を取られて敗北し、口から虎玉を吐き出して停止した。
 秋葉もさすがに自分そっくりのロボットを解体するのは忍びなく、屋敷の一番奥にある当主専用の倉庫に封印した。しかしネコアルクによって猫缶を動力源として再起動された。


メカ志貴(用語:イリヤエ・ロボマエ)
 琥珀が製作した、遠野志貴を模したロボット。
 人工皮膚を使用して志貴の外見を完全再現してはいるが、口調は途切れ途切れの棒読み。常にアルカイックスマイルを浮かべており、秋葉に対する愛の言葉を口にしている。愛の言葉に釣られて近付いてきた秋葉を抱き締め、腹部に仕込んだ飛び出しナイフで攻撃する。飛行能力も備えている。
 秋葉を誘惑して攻撃する目的で投入されたものの、志貴に対する不満をぶちまけられて破壊された。当然ながらロボットだと見抜かれてもいた。
 感情回路が組み込まれていないにもかかわらず、メカヒスイとともに時限装置を起動された地域破壊爆弾に抱きついてそれを上空に運び、ともに爆発に巻き込まれた。


メガネドラグン(地名:氷室の天地)
 冬木市にある眼鏡屋。マスコット人形はOKSG氏の自画像。


メカヒスイ(用語)
 タタリが巻き起こした噂の一つ。可能性だけの存在。琥珀が遠野グループ兵器部門に命じて秘密裏に作らせた、都市潜伏・制圧を目的とした愉快型兵器。翡翠をモデルとしたメガデウス。琥珀をドクター、または悪魔と呼ぶ。
 ロボット三原則は搭載されているが、広義に解釈してほとんどの命令を殲滅任務と受け取る。メイドとは規律、規律とは管理、管理とは支配という理論のもと、人類の支配を計画している。全人類ご主人さま計画を実行している。
 レーザー、火炎放射器、小型ミサイルなどを装備し、全身是兵器。主動力はマジカルハート、二次動力にゴム巻き機構を搭載。道連れ機能が装備されており、標的はデフォルトで遠野秋葉。ただし自爆しても炸裂閃光手榴弾の効果。論理性自爆兵器のツァーリボンバ2011という武装を装備できるが、自己保存プログラムがあるため、この爆弾が起爆カウントダウン状態に入ると爆弾を投棄してメカヒスイ本体だけ帰投する。琥珀による改造のほかにも自己改造により勝手にパワーアップしていく。
 リーズバイフェ・ストリンドヴァリはメカヒスイの駆動音を「精妙で大ざっぱな音程」と言い表した。
 ネコアルクに鹵獲された機体は色々されてネコアルクに従っているが、『下等生物』『下種』『ダメ生物』と書いて『マスター』『マイ・マスター』と読む関係。もちろんグレートキャッツビレッジを『掃除』するつもりでいる。なお捕獲のために向かったネコアルク1000匹中1000匹を返り討ちにした。
 MELTY BLOODのエンディングで登場する巨大メカヒスイは戦略陸上制圧タイプ。Act Cadenzaでは量産体制に入ってしまった。
 オシリスの砂による三咲町の二度目のタタリの際には機体361に感情のようなものが芽生え、勝利確率0.001%と算出しながらも遠野志貴を守るために撤退を拒否し、オシリスの砂を撃破する。しかし機体の90%以上が破壊され、メモリーのサルベージも不可能となった。
 イリヤエ・ロボマエでは遠野秋葉に対するクーデタを起こした琥珀によって投入され、秋葉をあと一歩のところまで追い詰めた。しかし再戦の際にエネルギーを略奪され、(主動力だけ)破壊される。その直後、48体が投入されAKフィールドで檻髪の封じ込みに成功するが、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンがセイバーのクラスカードを限定展開して根こそぎ破壊した。
 メカ志貴とともに時限装置を起動された地域破壊爆弾に抱きついてそれを上空に運び、ともに爆発に巻き込まれた。
 地域破壊爆弾の処理後も完全には破壊されず、イリヤスフィールとマジカルルビーが元の世界に戻る際に一緒に転移してしまった。
 ネコアルクに鹵獲された404号は、メルティブラッドアクトレスアゲインカレントコードでより強い敵との実戦データを収集するためネコアルクを連れてグレートキャッツビレッジの外に戦いに赴いた。404号は琥珀の制御から外れており、独自に琥珀の理念を完遂するために琥珀を投獄しようとした。
 琥珀は撃退したものの逃げられてしまう。しかし実戦データの収集を完了したためメガヒスイを召喚し、グレートキャッツビレッジのネコアルクたちを掃討した。


メガヒスイ(用語)
 超高層ネコアルクロボ対メガヒスイの撮影に使われた巨大メカヒスイ。金属製で、脚だけで10メートルはある巨大なもの。中にはぎっしりと爆発物が詰まっている。一応動くようで、埋設したナパームを踏んで海に倒れ、大爆発して50メートルもの高波を引き起こした。
 相転移加速粒子式グレートキャッツジェノサイダーを装備している。
 メルティブラッドアクトレスアゲインカレントコードではメカヒスイ404号に召喚され、グレートキャッツビレッジのネコアルクたちを掃討した。


メシアン(地名)
 →インドカレーショップ・メシアン


飯庵(地名)
 →和食処・飯庵


飯庵(地名:氷室の天地)
 海の家飯庵。冬木市もしくはその近郊の海水浴場にある海の家。シエルに似た人物が働いている。メニューはカニ、サザエ、カレー。


メシ使い(俗称:hollow)
 召使いではなく、メシ使い。ギルガメッシュが衛宮士郎を『セイバーのメシ使い』と称した。


メターボウ・マルチドライブ(用語:MBAA)
 琥珀が開発した並行世界転移装置。


メデューサ(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 武:8、防:4。固有能力は『石化の魔眼』。


メデューサウイルス(用語:氷室の天地)
 沙条綾香が採集した大量の野草が美綴綾子の部屋からあふれ出した際に、それを見た氷室鐘がその有様をこう表現した。おそらく『いばらの王』のメデューサウイルスであると思われる。


メルアステア(家名/魔術師:事件簿)
 時計塔の三つの派閥のうち中立派の首魁だが、三大貴族ではない。


メルアステア派(組織:事件簿)
 魔術協会に存在する派閥。メルアステア派は中立主義で、権力争いよりも研究に重きを置いている。メルアステア派にはブリシサン、ジグマリエ、ソロネア等が属している。
 最大勢力の名を取ってメルアステア派と呼ばれるが、主義主張よりも研究を優先したいという思考から複数の家が寄り集まっているだけなので、バルトメロイ派やトランベリオ派のような派閥内の意思統一はされていない。その為、中立というだけでいつ内紛を起こしてもおかしくない状態にある。


メルヴィン・ウェインズ(人名/魔術師:事件簿)
 祭位の調律師。バイオリンケースを携えている。アルビノで、体毛は全て純白、瞳は淡青。真っ当な方法の範囲内で魔術刻印を再生する者としてはほぼ右に出る者がいない。かなり裕福な生活をしているが、それは本家のお下がりで、魔眼オークションでは炎焼の魔眼を一千万ドルで落札した後、泡影の魔眼を一億四千万ドルで応札したところで諦めた。
 少年時代からのウェイバー・ベルベットの親友で、ウェイバーがロード・エルメロイU世となった後も頑なに本名で呼び続けている。なおウェイバーの『親友』であっても『味方』であるとは限らない。第四次聖杯戦争の際にウェイバーに資金を用立てたことがある。
 異常に体が弱いようで、少し動くだけですぐ吐血し、増血剤なしには一日も生きられない。しかし強化で魔術回路を神経の代用とすることで、ロード・エルメロイU世よりはるかに過酷な運動ができる。魔術刻印は持っていない。
 ケイネス・エルメロイ・アーチボルトの遺体から摘出されたエルメロイの源流刻印をウェインズ家として預かっており、それとは別にロード・エルメロイU世のベルベット家の魔術刻印を個人的に預かっている。
 ウェイバー・ベルベットとの出会いは母親に用意してもらった呪体の宝石コレクションをメイドに持たせて自慢していたらウェイバーに殴られたというもの。その後、メルヴィンの『愉快な話を聞かせてくれるなら金でも何でも出す』という発言を受けたウェイバーに第四次聖杯戦争に参加するための費用とチケットを用立てるよう依頼され、それを貸した。メルヴィンとしては大して期待しておらず、故郷に逃げ帰るのかと思っていたとのこと。第四次聖杯戦争から生還したウェイバーから外貨混じりの金で返済を受け、エルメロイ教室を買い取りたいので金を貸してほしいと依頼され、その金を貸す条件としてウェイバーと自分は友人であるという事にした。なお、その借金は後にライネス・エルメロイ・アーチゾルテに買い取られて一本化されている。
 2003年11月末頃の魔眼蒐集列車でのオークションにロード・エルメロイU世が参加したと聞きつけて、何者かから招待状を譲り受けて魔眼蒐集列車に向かった。ヘリコプターで魔眼蒐集列車との合流地点に向かっていたところ、突然湧き出したアインナッシュの仔に撃墜されて取り込まれるが、霊脈に道標を打ち込む事で列車を霊脈に戻そうとしていたカラボー・フランプトンらと行き会って救助され、成り行きでその作戦に参加した。その時は戦闘向きではないため、他の者の魔術刻印を調律する事でサポートをした。
 カラボーが拘束されてからはロード・エルメロイU世の依頼で様々なクレームを付けて魔眼オークションの開始を夕刻から深夜まで遅らせる。魔眼オークションでは炎焼の魔眼を一千万ドルで落札し、その後の泡影の魔眼を一億四千万ドルで応札したが、以降は着いて行けずに諦めた。しかしロード・エルメロイU世が粘る様子を見せると彼に資金提供するために調律器や家、礼装を担保にして一億三千万ドルを用立てた。その追加に加えてグレイがライネス・エルメロイ・アーチゾルテから預かっていたカードの三千万ドルを合わせて三億六千万ドルまでの予算を確保したが、イヴェット・L・レーマンと化野菱理の上乗せによってあっという間に超過してしまい、最終的には五億ドルで落札寸前までいった。
 アインナッシュの仔の再出現に当たってはイヴェットに協力を求められ、オルガマリー・アースミレイト・アニムスフィアを始め術式に参加している魔術師の魔術刻印を調律してサポートした。


メルセデス・ベンツ300SLクーペ(用語:Zero)
 衛宮切嗣が本国のアインツベルン城に持ち込んだ自動車で、切嗣がアイリスフィール・フォン・アインツベルンの近代科学啓蒙のために買い与えた彼女のお気に入りの(彼女にとっては)玩具。アイリスフィールとセイバーの移動手段にするため、切嗣によって冬木市に運び込まれていた。
 第四次聖杯戦争の40年前のクラシックカーだが、最高速度260km/hをマークする。啓蒙にしてはクラシカルだが、おそらくアイリスフィールの好みもあったのだろう。
 切嗣によるカスタムが施されているらしい。
 第四次聖杯戦争終結後は冬木市のアインツベルン城に保管され、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンの玩具になる(→メルセデス・ベンツェ300SLクーペ)。


メルセデス・ベンツェ300SLクーペ(用語:hollow)
 アインツベルン城にある自動車。最高時速270キロ。セラが運転するほか、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンが衛宮邸に訪れるときは自ら運転することもある。
 ベンツではないのがアレではあるが。


メレム・ソロモン(人名/死徒・異端審問官)
 Merm Solomon。
 死徒二十七祖の20位にして埋葬機関の5位。王冠。フォーデーモン・ザ・グレイトビースト。古今東西の秘宝コレクター。四大の魔獣と呼ばれる架空の魔獣を作り上げる悪魔使い。奇異な色彩を誇る二十七祖たちの中でも更に一段際立つ異物として扱われる。
 指という指に指輪をはめている。外見は天使のような容貌の12歳くらいの少年だが、実際は1000年以上を生きている。なお少年の姿から成長できない。ミハイル・ロア・バルダムヨォンやコーバック・アルカトラスと同じくもとは神論者だった。ソロモンというのは単にあだ名なので、ソロモン王とは多少の類似性しかない。
 もともとは小さな部落で生まれたが、動物と心を通わせ、人の身勝手な願いを具現化する力を持った神子(星の端末)であった。そのため幼くして四肢を切断されて人ならざるモノとして祭壇に祭られた。四肢を切断したのは神子は人のカタチをしていてはならないという信仰と、単純に便利な道具を逃がさないため。アンリ・マユと境遇こそ同じだが、こちらは本物の神子であった。
 その状態が長らく続けばそれこそ生きながら神になっていたか、あるいは死ぬまで村人たちの慰みモノとして生涯を終えるかだったが、偶然通りがかった朱い月に見初められる。人々の願望をカタチにする異能を愉快に思った朱い月は、村人たちに『夜が明けたら皆殺しにする、命が惜しいのなら汝らの願望で私を殺してみよ』と宣言してゲームを開始。村人たちの死にたくないという願望は実に醜く強大で、それを実行に移すメレムへの負担もかまわずに次々と“都合のいい神獣”を想像して朱い月に挑ませる。が、無論そんなものが朱い月に敵うはずもない。村人たちの願望は果てがないが、夜明けまであと少しというところでメレムが限界を迎えて死亡。村人たちはメレムと朱い月を呪いながら死んでいった。
 その後、太陽が昇りだした黎明時に朱い月は息絶えたメレムに口づけを与え、死徒として蘇生させてソロモンの二つ名を与えた。
 “戯れだ、好きに生きるがよい。己が手足の代わりなぞ、汝は幾つも描きあげてきたであろう。元となった願望は醜悪であったが、汝の描いた相は名画であった。―――あれほどの偶像ならば、汝の手足を担うに相応しいと想うのだが”という朱い月の言葉に魅入られたのか。メレムは『村人たちの信仰が作り上げた』聖堂から四つの偶像を思い描き、彼らに自身の手足の能力を付加させ、初めて人型として地面に立った。
 以後、朱い月に憧れに似た感情を抱き、朱い月、つまりブリュンスタッドにのみ忠誠を誓う死徒となった。二十七祖が真祖側から離反し、朱い月が崩御したあとは隠遁を決め込んでいたが、なにを思ったか敵である聖堂教会に所属する。
 彼の能力はデモニッションという第一階位の降霊能力。具現化できるのは他人の願いであって自分の願いではない。いかに強力な能力を持っていようと自分一人では何もできないというのがメレムの在り方。まさに悪魔のそれである。空想具現化に近いが、メレムの悪魔召喚は人々の願望をモデルにしてメレムの憧憬で彩色し、類似品を作るというもの。
 悪魔たちの能力は人々のイメージに沿ったものだが、その造形はメレムのイメージによって形作られ、能力の大小はメレムの魔力によって変動する。またメレムはその性格上、現実的・打算的な悪魔の具現化は得意ではない。彼はあくまで空想の世界に生きるピーターパンなので、得意とする絵、描きたい空想は童話に見るような悪魔なのである。
 ちなみに四大魔獣には名前がない。これは『悪魔に安易に名付けてはならない』という決まりからで、メレム自身もかっこいい名前をつけてやりたいらしいが、名前を付けてしまうと本当に自由になってしまうためできない。
 左腕の悪魔とメレムは固い絆で結ばれているが、意見の交換はネズミたちを介さないと出来ない。
 左腕の悪魔は戦闘能力は皆無だが人間であれば完璧に姿を模すという変身能力を持つため、これを年功序列制が根強い埋葬機関での身代わりの司祭にしている。右足は鯨のような巨大な獣だが、思考林アインナッシュに倒された。これは相性が最悪だったためである。魔獣を放っているときにはその部分が薄れ、魔獣と共感できる。また、魔獣が倒されると四肢のその部分が破裂する。
 子供ゆえに極端に人が良いときもあれば極端に残忍なときもある。
 埋葬機関にいるのは教会が封印している秘宝の傍にいたいためだという。死徒にとっては裏切り者だが、なぜか黙認されている。埋葬機関は年功序列制が根強いため、本当の姿を知っているのは埋葬機関の中ではナルバレックとシエルのみ。
 彼が唯一憧れ、恋した存在は朱い月のみであり、以後は月をモチーフにした想像はタブーとしている。
 無条件に死徒の敵であるアルクェイド・ブリュンスタッドに懐き、彼女の話をすると顔を赤らめて外見相応の反応をする。アルクェイドが金を通貨に変えたり飛行機のチケットを手配したりするのは彼の入れ知恵。逆にアルトルージュ・ブリュンスタッドを憎んでいる。
 グランスルグ・ブラックモアに対しては同じく朱い月を慕うものとして生涯の友というほどの親愛の情を持っているが、グランスルグからすればメレムの恋慕を交えた忠誠は我慢がならないものである。
 月姫の出来事の翌年にはアインナッシュ討伐に向かったシエルの監視役として同行した。ただし本来同行するはずだったアインスを食らっての事で、ナルバレックからの命令によるものではない。この時はシエルと同行しながら、魔獣(おそらく左腕の魔獣)を遠野志貴のもとに送り、アインナッシュの中心に案内しながら志貴からアインナッシュの代替わりの真相を聞き出した。その直後、右足の魔獣がアインナッシュに倒された。


メロダック(武装:Fate)
 原罪。“王を選定する岩に刺さった剣”カリバーン、“支配を与える樹に刺された剣”グラムの原型となった剣。



  


妄想幻像(対人宝具:Zero)
 ザバーニーヤ。第四次聖杯戦争におけるアサシンの宝具。対人宝具であるが、対象は自身である。
 単一の個体でありながら複数に分断された魂を持つことで、自らの霊的ポテンシャルを細分化して複数のサーヴァントとして現界できる。最大で80人にまで分裂可能。さらに無自覚な自我が出現する可能性もある。


妄想心音(対人宝具:Fate)
 ザバーニーヤ。
 第五回聖杯戦争における(真)アサシンことハサン・サッバーハの宝具。
 悪性の精霊シャイターンの腕。人を呪うという事にのみ特化した中東魔術の“呪いの手”。ハサンの右腕である。
 エーテル塊を用いて鏡に映した殺害対象の反響存在から本物と影響しあう二重存在を作成し、殺害対象と共鳴しあう偽者を潰すことで本物には指一本触れずに対象を呪い殺す。対象には指一本触れずに擬似心臓を潰すので、耐久の高さや物理防御は無意味。
 いわば極めて高度な類感呪術だが、射程には限りがあるため一定範囲の外に出ることで無効化できる。また二重存在を作成させない能力や、呪いをはねのけるほどの高い対魔力によって無効化する、高い幸運によって回避するといったことでも逃れることができる。


モードレッド(人名/ホムンクルス)
 Mordred。
 アルトリアの姉であるモルガンの子。モルガンが擬似的に男性になったアルトリアを魔術で幻惑し、精子を採取して自分の卵巣で育てたという、割と正真正銘のアルトリアの息子。アルトリアのクローン。ホムンクルス。仮面の騎士。素顔はアルトリアにそっくり。
 いずれアーサー王を倒して王位に就け、というモルガンの野望を背負って彼女の推薦だけを持ってキャメロットを訪れ、卓越した剣技を披露して円卓の騎士の一人となった。だが彼の胸中にはモルガンの妄念よりも先にアーサー王への憧れがあった。
 ホムンクルスであるため成長速度が人間より早く短命。出生の歪な自分を恥じ入っており、無意識にまっとうな人間に嫉妬していたのだが、子供特有の純真さで完璧な王であるアーサー王を崇拝していた。人間嫌いを隠しながら騎士道を守り、正しい騎士であろうと努力するが、その純真さも一向に彼が反逆心を抱かないことに業を煮やしたモルガンによって打ち砕かれる。彼がアルトリアとモルガンの間にできた不貞の子であることを暴露したのだ。モードレッドはこれにショックを受けるが、同時にアーサー王と同じ血を持つという歓喜に包まれた。
 あれほど卓越した王の息子として人間でないことはむしろ誇るべきこと、名実ともに心身ともに自分はアーサー王の跡継ぎにふさわしいと喜び勇んで王に詰め寄るが、アルトリアははっきりと彼を拒絶した。
 貴公は私から生まれた者だが、息子とは認めぬし王位も与えない。
 これによって深かった愛情は憎悪へと変わる。円卓の騎士内部からアーサー王への不信を広め、王がローマ遠征に行った隙にキャメロットを掌握。疲れ果てて帰還してきたアーサー王を国を挙げて攻め立てた。
 アーサー王憎し、王座は私にこそふさわしいと猛るモードレッドだが、本心はただ王に息子と呼ばれたかっただけであった。最後の戦いでそれほどモルガンの分身である自分が憎いかと問うモードレッドに、アーサー王はこう答える。『貴公を憎んだことはない。王位を譲らなかったのは貴公に王の器がないからだ』と。
 一騎打ちに敗れ、槍に貫かれて崩れ落ちるモードレッド。せめて一度王に触れようと伸ばした手は、叶うことなく崩れ落ちた。


物干し竿(武装:Fate)
 剣豪・佐々木小次郎が携えていたとされ、第五回聖杯戦争におけるアサシン・佐々木小次郎が使う長刀。『物干し竿』はあくまでも限りなく蔑称に近い通称にすぎず、銘は二天記に伝えられる備前長船長光ではなく備中青江。青江一門ではあるが、どの刀工かは不明。刀身の装飾と鍔はともになく、樋も掻かれていない。
 記録では長さ三尺余とされるが、アサシンのものは五尺余に及ぶ規格外の長刀で、その間合いは槍に近い。そのあまりの長さと重さによって、“秘剣”を操るアサシン以外にこれを満足に扱える剣士はいないだろう。


モビー・ディック(用語)
 白鯨。
 神獣の中でも有名なもので、生き物というよりもはや超兵器のようなもの。


百田(人名:スターリット・マーマレード)
 加々美崎高校の桂木千鍵らのクラスの担任。
 更科洗礼名に拉致されていた。変身した日比乃ひびきによって解放された。


モラルタ(武装)
 第四次聖杯戦争におけるランサーであるディルムッド・オディナが使用した二振りの短剣のうちの一つ。もう一つはベガルタ。
 伝承では使用していたが、第四次聖杯戦争においてはランサーのクラスで剣を使うのはどうかと空気を読んで持っていなかった。


森宗意軒(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 河内国石川郡の水分五社大明神の南木大明神の神司の家に生まれる。父は豊臣秀吉の医師の森長意こと西村孫兵衛。
 幼名は傅之丞。後に武士となって小西行長へ奉公し、文禄・慶長の役では行長の荷物を運ぶ船宰領として朝鮮へ渡る。しかし途中で難破したところを南蛮船に救助され、南蛮へ行く。オランダにも行き、6〜7年間を過ごした。その後、中国で入廟老について火術、外科治療の法、火攻めの方法などを学ぶ。
 帰国した時には主の行長が刑死していたため、高野山にしばらく身を潜めた。大坂の役では真田幸村の軍について戦うが落城し、肥後国天草島へ落ちのびて森宗意軒と改名し定住。
 島原の乱に参加し、一揆軍の徒士大将兼評定衆の一人として戦う。
 寛永15年2月28日(1638年4月12日)、島原の乱で戦死。
 固有能力は死亡した味方を復活させる『魔界転生』。山田風太郎の小説『魔界転生』では島原の乱の後も生き延びて物語の黒幕となり、その名も妖術『魔界転生』で未練を残して死んだ兵法者を黄泉返らせて使役したことからきていると思われる。


森の廃墟(地名)
 アインツベルンの森の中、アインツベルン城の南東15kmほどの場所にある。かつて冬木に移住してきたが土着の民と相容れなかった人々が住んだといわれている。長らく人の手が入っておらず廃墟と化しているが、二階部分ならば部屋として使用できる。


モルガン(人名)
 ウーサー・ペンドラゴンの真っ当な娘(初期はアルトリア・ペンドラゴンのの異父姉とされていた)。アーサー王を守護する湖の妖精でありながら、同じく王の守護者たるヴィヴィアンとは対極の存在であり、アーサー王の終生の敵。ウーサー・ペンドラゴンで絶えると思われていたブリテン島の加護を受け継いでいた。
 擬似的に男性になったアルトリアを魔術で幻惑して精子を採取し、自分の卵巣で育ててアーサー王の息子にしてクローンのモードレッドを産んだ。モードレッドにはアーサー王を倒して王位を継げという野望を託したが、モードレッド自身が純真で王に反逆心を抱かないことに業を煮やし、彼が王と自分の間にできた不貞の子であると暴露した。


紋御吏庵(用語:氷室の天地)
 モンゴリアン。
 氷室鐘が考えた詠鳥庵に代わる屋号の案。




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