雅泥庵(用語:氷室の天地)
 ガーディアン。
 美綴綾子が考えた詠鳥庵に代わる屋号の案。


カーモネーギー事件(用語:魔法使いの夜)
 名付けたのはロスト・ロビン・ロンド。
 三日続けて静希草十郎が大金を持って帰ってきたことを怪しんだ蒼崎青子が、草十郎が違法なアルバイトに手を出していると思い込んで巻き起こした事件。
 草十郎をそのアルバイトに紹介した芳助からの情報で『ほんとうの光』という新興宗教を装った羽毛布団売りの悪徳業者に入会して布団を売っていると思い込み、学校の人脈を使って被害者の会を結成。さらにその布団がJISマークの偽物のJLSマークを付けていたことを発見してから周瀬唯架を呼んで実力行使させ、『ほんとうの光』を潰した。
 草十郎の実際のアルバイトは『ほんとうの光』の事務所の傍に住んでいる独居老人のホームヘルパーだった。その老婆は最初にその月だけという約束で料金の10万円は全額支払ったのだが、その後すぐに草十郎を孫と同一視するようになり、別れ際にこの金で孫のように振る舞ってくれと大金を渡すようになった。老婆は善意や愛情を信じられなくなっており、金銭だけを信じるようになっていた。だからこそその金で孫の代わりの草十郎を繋ぎとめようとしていたのだ。ただ、この老婆にはもともと孫はいない。
 草十郎はこの金に手を付けておらず、老婆の年金や蓄えが尽きた時に返そうと思っていた。さらに槻司鳶丸のアドバイスで老婆に金銭でできる人助けをさせてみることに決め、渡されたお金はいつか返す日のために口座を開いて手を付けずに預けてある。


カイ(人名:魔法使いの夜)
 メイ・リデル・アーシェロット及びその父の部下と思われる。


ガイ(人名:hollow)
 三丁目の米国人。蛍塚ネコが口にしたことから、新都在住と思われる。


ガイア(用語・概念)
 地球という天体そのものの意思のこと。星の生命延長の祈りによる抑止力を持ち、それはガイアの怪物と呼ばれる。


ガイアの怪物(用語)
 ガイアから発生する抑止力。地球という天体に危害が及ぶことを阻止しようとする。死徒二十七祖の一位、プライミッツ・マーダー。
 外的な要因での破滅を回避するために働く。


階位(用語)
 魔術協会における魔術師の階級のこと。上から冠位(グランド)、色位(ブランド)、典位(プライド)、祭位(フェス)、開位(コーズ)、長子(カウント)、末子(フレーム)。冠位は滅多にいないため、色位が事実上の最高位である。
 家計に与えられる階位と個人に与えられる階位は別である。


開位(用語)
 コーズ。
 魔術協会における魔術師の階級の一つ。第五階梯。


ガイウスリンク(家名:事件簿)
 貴族主義のバルトメロイ派に属する家系。


外人墓地(地名)
 冬木市へ移住してきた外国人たちが葬られた新都にある墓地。ここ数年で新たに埋葬された者はなく、当時の人々のみが永眠する。


概念受胎(魔術)
 超常の存在の機能を付加した人を生み出す魔術。
 アルトリア・ペンドラゴンはウーサー・ペンドラゴンの血と赤き竜の血、そしてその二つを繋ぎ合わせるために最適な貴い女の血を使い、この魔術によって作り出された赤き竜の化身である。


概念武装(用語)
 歴史を積み上げ、決められた事柄を実行する固定化された魔術品。物理的衝撃ではなく概念、つまり魂魄としての重みで相手を打倒する魂砕き。物理的な干渉のみならず、意味柄、節理、空間に影響を及ぼすよう作られた兵器。
 死徒に対しては人間であった頃の自然法則を叩き込んでもとの肉体に洗礼しなおして滅ぼすために、黒鍵程度の簡易的なもの以外あまり使われない。もとから吸血鬼であった真祖に対する切り札。
 概念武装によって一般の人間の魂だけを殺すことも可能だが、効果は下がる。というか通常の相手ならば物理攻撃で事足りる。概念武装がその本来の効果を発するのは、物理攻撃が通じない相手、つまり規律の具現や妄念の具現などの概念に生きる者に対してである。


怪猫・天を揺るがす(用語:MBAACC)
 ムーンライト・ランダマイザー。
 ネコアルクの技。月齢を動かして相手の得意なバトルスタイルを不得意なバトルスタイルに変化させるもの。必ず成功するというわけではなく、むしろ相手を強化してしまうこともある。ネコアルクの『目押し失敗』という言から、ルーレットか何かで変動させるスタイルを決めていると思われる。


海浜公園(地名)
 未遠川の深山町側の河口、冬木大橋が見える場所にある冬木市最大の海浜公園。周辺にバッティングセンターや水族館など多くの遊戯施設があるため、デートスポットとして名高い。


海浜倉庫街(地名:Zero)
 冬木市の海浜公園の東側に広がる倉庫街。住所でいえば神明二丁目。プレハブ倉庫が立ち並び、港湾施設も兼ね備える。さらに東側には工業地帯がある。
 第四次聖杯戦争の際に破壊されたが、聖堂教会の手によって都市ゲリラの犯行として隠蔽された。


傀儡さんが徹る(用語:魔法使いの夜)
 読みは「かいらいさんがトゥーる」。木乃美芳助が所有するカードゲーム。
 ドイツ製のファンタジー版ゼネコンシミュレーションゲーム。基本的にいかに他プレイヤーの足を引っ張るかというもの。


怪力(技能)
 一時的に筋力を増幅させる能力。魔物、魔獣のみが持つ攻撃特性。使用することで筋力をワンランク向上させる。持続時間は“怪力”のランクによる。
 B:ライダー。ハサン・サッバーハを振り回す。


乖離剣・エア(対人宝具・対界宝具)
 古代メソポタミアで天地を切り裂き、世界を創造した剣。
 銘がないのでギルガメッシュはこう呼んでおり、これはメソポタミア神話やバビロニア神話の神である大神エア(エンキ)にちなんで名付けられたものと思われる。『王の財宝』で呼び出す他の宝具とは違い、ギルガメッシュだけの宝具。あらゆる『死の国』の原典であり、あらゆる生命の記憶の原初とされる剣。真実を識り、地獄を作り出す。
 『剣』という概念が現れるよりも前に誕生したモノ。剣という概念に括られておらず、衛宮士郎とエミヤの能力を以てしても解析できない。人造の武器ではなく、星に鍛えられた神造兵装。円柱状の刀身は三つに分かれていて、それぞれが個別に回転している。さらには最大出力状態では隙間からガス状のエネルギーが大量に噴き出す。
 『天地乖離す、開闢の星(エヌマ・エリシュ)』はエアを最大出力で放った場合の呼称で、擬似的な時空の断層ができる。その威力は約束された勝利の剣と同等かそれ以上。
 ギルガメッシュはこれを『天地開闢以前の地獄だった星を識るもの』と表現する。


ガウェイン(人名:GoA)
 円卓の騎士の一人。聖剣ガラティーンを持つ。ランスロットが造反した際には彼と一騎討ちをするが傷を負わされた。
 負傷のためアーサー王のローマ遠征には同行せず留守役となっていた。モードレッドの反逆に際しては怪我を押して戦場に駆け付け、アーサー王が包囲網を突破するのを助けた。


ガウェイン(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 武:10または9、防:5。


カウレス・フォルヴェッジ(人名/魔術師:事件簿)
 現代魔術科に属する魔術師。2003年10月に弟子入りした。この時の年齢は18歳。ドイツ出身。
 フラット・エスカルドスが解析しロード・エルメロイU世が理論化したアトラム・ガリアスタの原始電池を用いる。原始電池の魔術の修練により電気の流れに敏感になっている。
 もともとは優秀な姉のスペアと目されていたが、姉が出奔したため代わって魔術刻印を受け継いだ。そのため少しでも学べるものがあれば学びたいという前のめりの姿勢になっている。
 自宅で寝ていたところをドクター・ハートレスに攫われ、廃墟で数日間眠り続けていた。原始電池に仕込まれていたロード・エルメロイU世に対する盗聴魔術で魔眼蒐集列車の事を知ったというのは本物の方の経験と思われる。
 同行しているカウレスが偽物だと看破したロード・エルメロイU世がライネス・エルメロイ・アーチゾルテに本物の捜索を依頼し、第一科の特別講義に参加していたところを呼び戻されたスヴィン・グラシュエートによって発見される。その後はライネスのトーコ・トラベルに便乗して魔眼蒐集列車に乗り込んだ。その後、ヘファイスティオンとの戦いでは絞首刑の雷でグレイを援護した。


カウレス・フォルヴェッジの姉(人名/魔術師:事件簿)
 身体に問題を抱えていたが、魔術師としては非常に優秀だった。しかし時計塔への留学も家の継承もすべて断って魔術師をやめて出奔した。そのためスペア扱いされていた弟のカウレスが、既に姉に移殖されていた魔術刻印を代わって受け継ぐことになった。


カウンターガーディアン(用語)
 抑止の守護者。純粋なる英霊のこと。


カウント(用語)
 →長子


帰らずの海(地名:魔法使いの夜)
 おそらくバミューダ・トライアングルと呼ばれる海域のことと思われる。三角形に開いた異界に通じる海とされる。


帰らずの森(地名:魔法使いの夜)
 三咲市の三咲町と三咲丘の境にある森。


科学未来館(地名:氷室の天地)
 お台場にある博物館。学天則や二足歩行ロボットAJIOH、擬似BMIマシンなどが展示されている。


加々美崎高校(地名:スターリット・マーマレード)
 桂木千鍵や日比乃ひびきらが通う高校。加々美崎市にある。
 女子制服は当初は襟にラインの入ったシャツに緑系(苔色に近い)の丈が短いジャケット、濃い緑系(アイビーグリーンに近い)の膝上丈スカート、赤の短いネクタイだった。スターリット・マーマレードでスカートとジャケットは紺に、タイは生徒ごとに様々なものを選べるようになった。ネクタイ、リボンタイ、リボンの色は桂木千鍵らは常盤緑、ハリエット・フリーゼは赤、マリー・ミュラーは黒のボーラータイを着用している。千鍵らの色が同じ常盤緑であるため、クラスごとに色が決まっているのかもしれない。女子はスカートの下にペチコートを着用する者がいるが、そのデザインと着用の有無については各自の自由が認められている様子。着用している者と着用していない者がいるので着用義務はないようだが、スターリット・マーマレードの登場人物を見る限りタイツ着用率が高い。運動着はジャージのほか、左胸に名札が付いたTシャツとハーフパンツがある。なお須方スナオはネクタイもリボンタイも着用していない。
 男子制服は紺のジャケットと黒のスラックス。
 校舎はコの字型の三階建てで、校舎に囲まれた中庭に頂上に大きな鐘が付属した最低でも五層の時計塔がある。学生食堂がある。校庭に屋外プールがあり、ここは更科洗礼名が拉致した人々を隠しておくために使われていた。地下に第三資料室があり、ひびきと千鍵はそこから深海魚が空を飛ぶ不思議な資料室に迷い込んだ。その不思議な資料室は第三資料室以外からも入れるようだが、出口は星空のような天井にある扉のみ。
 学校行事には運動祭や文化祭などがある。
 全校生徒が部活動に所属する決まりがある。判明している部活動はサッカー部、野球部、柔道部、ラグビー部、水泳部、ラクロス部、ソフトボール部、アメフト部、テニス部、生物部、陸上水泳部。


加々美崎市(地名:スターリット・マーマレード)
 加々美崎高校がある地方自治体。


加々美崎湾(地名)
 加々美崎市もしくはその近郊にある湾。


架空元素(用語)
 虚数。


学園長(人名:2015年の時計塔)
 時計塔の学園長。魔術協会の創始者。
 時計塔の創立から2000年にわたって君臨し続けている。時計塔の中心部に籠って幾星霜、入学式にも顔を出すことはなく、時計塔に所属する魔術師からは都市伝説と思われている。


がくがく動物ランド(用語)
 動物関係のテレビ番組と思われる。木乃美芳助が『GAKUGAKU動物ランド暗黒大陸編』と題されたワニのビデオを静希草十郎に貸した。
 なお、『教えて!知得留先生』の二時間目から四時間目もこのタイトルである。


学生寮街(用語:2015年の時計塔)
 カレッジ。
 時計塔のそれぞれの学部である街のこと。学生寮と学術棟、それを潤す商業施設から構成されている。
 ほとんどの学生寮街は縄張り意識が強く、余所者が足を踏み入れたら個人間の争いからカレッジ間の争いに発展することもしばしばある。


赫訳(用語)
 遠野の当主が扱う武術のうち通常のもの。上位に赤主、紅主がある。


鶴翼三連(用語:Fate)
 干将・莫耶を最大用法した技。桜ルートにおける衛宮士郎とアニメ版のアーチャーが使用した。アニメ版のアーチャーは飛んだり跳ねたりしたが、本来のこれは三つの『×』の重ね当て。


(用語/魔術:魔法使いの夜)
 蒼崎橙子の使い魔。
 1988年の三咲町襲撃に先立ち、周瀬律架が敵に回った場合に彼女を捕獲するために作ったもの。影で作った使い魔で、一週間かけて律架の部屋のドアの境界に仕掛けた。これによって律架の影にこの使い魔が住み着き、律架を監視し、もし橙子に不利な行動をした場合は捕獲するようになっていた。ただし年明けには溶けるようになっていた。


影の巨人(用語・使い魔)
 間桐桜の使い魔。桜ルートで巨大だったのは膨大な魔力で肥大化していたからで、本来のサイズでは桜の肩に乗るくらい小さい。
 黒い影は桜の影であり、影の巨人が使い魔である。


過去視(用語・能力)
 過去を視る能力。大体は他人の記憶を視る。個人差があるかは不明だが、幻視同盟の偽志貴は視るというよりも他人の過去を精神感応によって追体験していた。
 過去視にも未来視と同じく予測と測定の二種類が存在するが、未来視と違って過去視の場合は予測と測定の違いはあってないようなもので、ほとんどの場合は本人にも区別がつかない。測定の未来視は未来を固定するものであるが、既に過ぎ去った過去を固定しても意味はない。結果を予測するにしても自分を起点に測定するとしても過去である以上過程は大して変わらず、測定の方が幾分狭く、精度が上がるくらいの違いでしかない。カラボー・フランプトンの過去視は測定、あるいは測定寄りのものである。ただし実際にはカラボーの過去視はレアンドラによって『泡影の魔眼』と名付けられる宝石の位階の魔眼であり、過去の影を現在に浮かび上がらせる特殊な魔眼であった。
 瀬尾晶の未来視は過去視の発展型で、過去の情報から未来を予測するもの。


笠井にゃにゃ(人名:AATM)
 おそらく作家の笠井潔のこと。セイバーが月姫を語った際に引き合いに出した。セイバー曰く『清く正しい、歴史と併走する伝奇もの』。
 奈須きのこ先生に空の境界の商業出版を決意させたのは、笠井潔先生との温泉での裸の付き合いが切っ掛け。


笠間(人名:Fate)
 穂群原学園の養護教諭。


梶川与惣兵衛(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の頃の文化祭の2年A組の出し物の一つ、最強偉人にラインナップされた。
 諱は頼照。江戸時代前期の旗本。忠臣蔵で知られる江戸城内での刃傷事件ではその現場に居合わせ、浅野内匠頭長矩を取り押さえた(取り押さえたのは京極高規という説もある)。この功で五百石の加増を受けたが、周囲からは武士の情けを知らぬ者と非難され、四十七士についでで討たれたというデマまで流れるほど庶民からも嫌われた。彼の日記には『内匠頭殿の心中察するに余りある。上野介殿を討てなかったのは無念であったろう。しかし不意のことで自分も前後の思慮まで及べず、取り押さえたのは仕方なかった』と言い訳さえ記している。
 必殺技は『電柱』。おそらく殿中と電柱をかけたものであろう。


菓子店(地名:事件簿)
 ライネス・エルメロイ・アーチゾルテが贔屓にしている菓子店。
 持ち帰りの他イートインも用意しているが、常連にだけは特別な個室を貸し出している。


菓子「百年後」(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の時の文化祭の屋台。


カストゥール(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 武:7、防:8。固有能力は敵軍をすり抜ける『浸透突破』。


(用語・魔術)
 魔術師の属性(五大元素)の一つ。
 風を属性とする魔術師は希少。


風除けの加護(魔術)
 中東に伝わる台風除けのまじない。「神は偉大なり」の呪文(これはPC版では黒塗りで表現されていた)と共に神への祈りを捧げることで風の魔神ジン(ジンニー、ジンニヤーとも)の災いから身を護る。
 第五次聖杯戦争におけるセイバーの風王結界に対抗するために真アサシンが使用した。
 A:真アサシン


火葬式典(魔術)
 シエルが使う黒鍵に付与した魔術作用。刀身に呪刻されており、標的に当たると発火し炎に包む。
 もとはミハイル・ロア・バルダムヨォンから受け継いだ知識の一環。教会は表立っては魔術を禁じており、これを使用する代行者は少ないが、シエルは根っからの信者ではないので平気で魔術を使う。シエル自身ロアの知識を扱うことに抵抗はあるものの、死徒殲滅のためなら躊躇なく魔術(禁忌)を行使する。


KATAKAMI(地名:氷室の天地)
 詳細不明。冬木市内にあるブティックの店名と思われる。


かつおぶしに似たブラックハーブティー(用語:AATM)
 ネコアルクらに乗っ取られたアーネンエルベのメニューの一つ。一応ハーブティーではあるようだが、黒くなるからと醤油ソースを入れてある。調理したのは荒耶宗蓮。すごくまずい。


桂木千鍵(人名)
 かつらぎ ちかぎ。
 16歳。加々美崎高校1年4組。家族構成は両親と姉。身長157cm。体重45kg。B77 W54 H78。4月29日生まれ。血液型A型。成績は悪い。
 迷宮の扉を開く鍵。アーネンエルベのアルバイト店員。無愛想なツンデレツインテール。髪型はストレートだったものを日比乃ひびきに可愛いからと無理矢理ツインテールにさせられたが、幼少期にもツインテールにしていたことがある。ツインテールは海老の味がするらしい。引っ張ると怒る。ひびきからはチカちゃん、ケータイさんからは緑と呼ばれる。星空めておにキュウリみたいと言われたが、後に星空氏はこれについて謝罪し、ズッキーニであると訂正した。
 両親と姉の千鳥の四人暮らしだったが、両親は仕事で家を空けることが多い。そのため千鍵の面倒は三歳年上の姉が引き受けていたのだが、その姉も高校進学を機に扱いがぞんざいになっていき、大学生となって一人暮らしを始めた現在では完全に放置している。子供の頃は千鳥によく懐いていたが、現在はその感情を素直に表に出すことは少ない。しかし生活費と毎月の小遣いは出してもらっているので、千鍵は一人でだらだらと日々を過ごせるのである。
 甘いものと日比乃ひびきが作ったお菓子と犬が好きで辛いもの、苦いもの、酸っぱいもの、非常識なものが苦手。きのこの山とたけのこの里ではたけのこの里の方が好き。好き嫌いが多く野菜をあまり食べないが、ハンバーグに混ぜるなどすると気付かずに食べる。かぼちゃは青臭いのが嫌なので好きではないが、パンプキンパイは食べる。蟹は味ではなく食べにくさで嫌い。その点味と食べやすさから海老は好き。アルパカがなんとなく嫌い。自分より優れた姉の千鳥に対してコンプレックスを持っている。
 特技は知恵の輪と20時間眠れること。都合の悪いことは見なかったことにすることがある。何の色とは言わないが、意外にも白の日が多い。非常識なものとネコアルクが苦手。猫より犬派。グリーン牧場やグリーンドームがあるからか、群馬県だけは応援しないことにした。ゴキブリが出たら界面活性剤をかける。中学時代のジャージを部屋着にしている。愛用している目覚まし時計は奈須きのこの自画像を象ったもの。
 相当な料理下手で、焼きそばどころかかき氷にシロップをかけるだけでもモザイクが必要になるほど。楽器演奏はできず、カラオケも苦手。英語の成績はさほど悪くはないが、外国人を前にすると慌ててしまいろくに喋れなくなる。
 入学当初は学校では寡黙でクールに振る舞っていたが、本当はずぼらで自堕落な性格。ものぐさで面倒くさがりだが、やる時はやる。当然やらない時は全くやらない。嫌いな言葉は一番が『努力』で二番目が『ガンバル』(訊ねるたびに変わることがあるが、要するにぐうたらである)。ただし料理についてはやる気以前の問題で、ひびきにお弁当を作ってもらっている。よくアーネンエルベの店内で居眠りしている。ポケットはコンビニのレシートなどで一杯。
 他人との馴れ合いを避ける節があるが、ひびきとは高校入学後に起きた生徒が何人も行方不明になり、数日後に戻ってくるという事件をきっかけに打ち解けて以来、唯一気を許せる相手になっている。入学直後は黙っていれば可愛い千鍵が黙っているものだから、男子生徒は大いに色めきたっていたのだが、他人を寄せ付けない雰囲気を纏って窓の外を見ていたものだから極めて声を掛け辛かった。そんな千鍵にひびきが『チカちゃん』と呼んで何度もアタックしていたのはいまやクラスの七不思議のひとつだという。
 実は幼少時にも『チカちゃん』呼ばれていたのだが、小学校、中学校と上がるにつれ呼ばれることを嫌がるようになり、高校に入学する頃にはすっかり忘れていた。
 ひびきと一緒に加々美崎高校の地下にある第三資料室から深海魚が空を飛ぶ不思議な部屋に迷い込んだことがある。ひびきと頭をぶつけて人格が入れ替わったことがある。
 学校ではいつもぶすーっとしているので他のクラスの生徒からは怖がられているようだが、同じクラスの生徒には『大自然が人間に警告を与える為に送り込んだダークグリーン』、『光合成でエネルギーを得ている植物生命体で科学者に狙われている』などと大人気。文化祭では嫌な目にあったらしい。
 愛想が悪く、それがツンデレだと評判のアーネンエルベの看板娘。しかし本人はツンデレではないと否定している。アーネンエルベには千鍵に会いに通う客たちがいるが、千鍵はそういった客が苦手。『彼氏』を作る予定はない。アーネンエルベの魔法使いの夜フェアは針のむしろに座っているかのように感じていた。水着姿にした蒼月タカオ氏に怒りを露わにした。ケータイさんによるとコミックマーケット78ではひびちか本を探し歩いていた、らしい。
 頻繁にケータイさんに絡まれ、そのたびに罵倒したり投げ捨てたりヒンジを逆に曲げたり粉砕したりとアグレッシブな対応をする。ケータイさんにはそれを操作している人がいると信じている。
 2009年のクリスマスはひびきと一緒にアルバイトをする。
 螺旋階段をずっと下りていく夢をたびたび見ており、スターリット・マーマレードでプールに落とされて気を失った際に一番下まで下りきった。そこには扉があり、取っ手など開ける為のものがなく開くことができなかったが、勝手に鍵が開いた。
 スターリット・マーマレードでひびきと打ち解ける前にもどこかでひびきに会っていたような感覚を受けていた。実際にずっと昔に変身したひびきと出会っている。
 中学から高校一年生の四月中旬ごろまでは礼儀正しく丁寧な居住まいと常に一歩引いた態度で周囲と深く付き合わないようにしていた。これは自分と他の人が親しくすることをよく思わない更科洗礼名によって友人関係を破壊されていたことと、『自分を通して他の人(千鳥)を見ているのではないか』と疑うのが嫌だったことが原因。中学までは更科洗礼名のせいで友達を作れなかったため、長期休暇は少し長めの週末といった感じで外出せずずっと家で過ごしていた。
 入学直後の部活勧誘の際にはできるだけ楽であまり参加しなくても怒られない部活に入ろうとしていたが、身体能力が極めて高いひびきが千鍵と同じ部に入ると宣言したため運動部の生徒たちに追い回されることになる。だが眼鏡が壊れて困っていた所を助けた黛まゆ子と栗枝クララに助けられ、クララが千鍵を騙して名前を書かせた同好会申請書を運動部の生徒たちに見せることで熱烈な勧誘から解放された。なおそのスイーツ食い倒れ同好会は千鍵が拒否したためクララ自身が申請書を破った。
 偶然千鳥と会った児玉清美と山内溥子が行方不明になり、一緒にケーキバイキングに行った黛まゆ子が拉致され、ひびきが自分の名を騙った手紙で呼び出されたことでこの連続失踪事件の犯人が洗礼名であると確信。ひびきに届けられた偽手紙をそのまま返送することで洗礼名を学校の屋外プールに呼び出して、洗礼名との断交と友人は必要としていないことを宣言する。しかし同行していたひびきに『出会った時から千鍵が一番なの』と大声で言われ、どうやら恋愛対象と勘違いしたらしく大いに慌てる。しかしひびきは『一番の友達』というつもりだった。ちなみにこれ以降、千鍵からひびきへの感情には友情と恋愛感情が混じっていると思われる節が見られるようになる。
 ひびきの友達宣言で吹っ切れたのか、千鳥のことは千鳥が決めればいいと言い、それを受けて逆上した洗礼名がガルゲンメンラインで千鍵とひびきを言いなりにしようとしたところを乱入した須方スナオに助けられる。千鍵を蔦で捕らえた洗礼名は『ガルゲンメンラインを得て千鳥と同じ優れた存在になった自分が、千鳥を優越者の孤独から救う』という趣旨の発言をするが、『千鳥はそんなことを考えてもいなければ哀れんでもらうほど弱くもない』『自分も洗礼名も簡単に別の誰かになれはしない』と喝破し、さらに千鳥は洗礼名のことを覚えていない、『素直に千鳥に告白したいと言えば応援した』伝える。それで錯乱状態になった洗礼名が千鍵と助けに来たひびきをプールに振り落とした時に気を失った。
 気を失った際にたびたび見ていた階段を下る夢を見て、ついにその一番下にある扉が開いた。その直後にひびきが変身し、圧倒的な実力差で洗礼名を打倒した。なおこの時は気を失っている間にスナオに暗示をかけられており、記憶が曖昧になっていたせいもあって朝になって目が覚めた時にひびきに吹き込まれた嘘によって前夜の出来事は全て夢だったと思い込んだ。
 そしてこの朝以降、丁寧な外面を取り繕うことをやめて常に素の自分を出していくことになり、ひびきとは『チカちゃん』『ひびき』と呼び合うようになる。そしてこの急激なキャラチェンジに合わせて髪型をストレートからツインテールに変え、クラスの人気者になった。この後、ひびきの誘いでアーネンエルベでアルバイトを始めたが、その後2ヶ月ほどは千鳥にもそれを教えていなかった。
 事件後ずっと学校を休んでいた洗礼名と下校中に会い、謝罪を受けて改めて友達になりたいという申し出を受け入れた。
 廃校舎の事件の2か月後、加々美崎高校の屋上で出会ったハリエット・フリーゼといきなり喧嘩になる。その頃に須方スナオ、クララ、まゆ子、ハリエットが初来店した際はアルバイトしていることを知られたくないばかりにケータイさんが用意したガスマスクを着装して接客した。その日の帰り道に市民公園でマリー・ミュラーの結界に取り込まれ、拉致されそうになるが危ういところで変身したひびきに救われる。なお、変装は少なくともクララには見破られていた。
 AATMではアルバイトが休みの日だったため、登場しない。
 『赤いケータイさん』では、ひびきと一緒に店番をしているときに窓を突き破って投げ込まれた赤いケータイさんを捕獲して遠坂凛に引き渡そうとしたが、ひびきと凛とともに赤いケータイさんの固有結界アンリミテッドモバイルワークスに引き込まれる。その当初は別に急いで脱出しなくても懐が傷むのは凛だけだからと消極的だったが、ひびきに『マスターが帰ってくるまでに脱出できないとアルバイト代抜きかも』と説得されて俄然やる気を出す。
 『沈黙のルビー アルマゲインパクト』では、マジカルルビーによるキャラ崩壊のせいで士郎が凛をアダルティに口説いていると信じ込んだイリヤスフィールが望んだ世界の滅びが隕石の落下として成就しそうになった際に、マジカルルビーの仮契約による並列処理によって一時的に魔法少女になる。ただしその時のコスチュームは一人分を四人で分け合ったものであり、女性同士でも恥ずかしいほど非常に布地面積が小さなものとなった。
 『狙われたアーネンエルベ』では、その日にアルバイトが入っていなかったためランサーの呼び出しに応えるのを渋るが、ひびきに強引に連れて行かれた。アーネンエルベに到着してもまだ臨時でアルバイトに入ることを渋っていたが、それはひびきと一緒に映画に行こうとチケットまで用意していたため。
 臨時で入ることになったアルバイトではケータイさんの策略によって制服がミニスカメイド服にすり替えられていたのだが、激怒しつつもしっかりそれを着た。その後はルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトとカレン・オルテンシアによってもたらされた危機に際し、本来の性能を発揮したケータイさんによってカレイドグリーンに多元転身させられた。暗黒剣エビルパケシソードのエネルギー源が二人の絆の力だと知らされて一時は『自分とひびきの間に絆などあるわけがない』と不安に駆られるが、カレイドオレンジに励まされて自信を取り戻し、マジカル共同作業ケーキ入刀スラッシュでジャイアントアンリとカレンを撃破した。
 『恐怖・人類未踏の〜』ではアーネンエルベの地下にあるという財宝を探しに行くシエル、セブン、セイバーとともに地下洞窟の入口がある地下倉庫に同行するが、三人が洞窟に入ったところでシエルに指示された通り引き返そうとする。しかし洞窟探検をしたいひびきに押し切られる形で洞窟に入ることになり、客がいなかったため店を閉めてシエルとセブンに合流した。セイバーによってぶち抜かれた穴を通って最下層に降り、ファーブル・マンタズムによってパワーアップした間桐慎二によってひびきとともに『神聖モテモテ慎二王国』に加えられそうになる。そのハーレム入りから逃れるため、シエルとセイバーが慎二と戦っている間にひびきとともにファーブル・マンタズムを壊そうとして大爆発を引き起こす。
 アーネンエルベの海の家で働いた際に着ていた水着は一度目がストライプ柄のセパレート、二度目はずっとTシャツを着ていたため確認できない。江の島での公開録音で配布されたクリアファイルで着ていたのは緑色のボトムに黒のキャミソールだった。DJCDアーネンエルベの放課後Vol.2のジャケットでは白のビキニに緑のパーカーとサンバイザーを着用していた。


桂木千鍵の父(人名:スターリット・マーマレード)
 千鍵が加々美崎高校に入学した直後はコスタリカに出張に出ていた。


桂木千鍵の母(人名:スターリット・マーマレード)
 千鍵が加々美崎高校に入学した直後は夫の出張に付き添ってコスタリカに行っていた。


桂木千鳥(人名)
 かつらぎ ちどり。
 桂木千鍵の姉。19歳の大学1年生。ピザはジェノベーゼが好み。大学から実家までは高速道路を使っても一時間はかかる。運転免許と車を持っている模様。家を空けることが多い両親に代わって千鍵の面倒を見ていたのだが、高校進学を機に千鍵の扱いがぞんざいになっていき、現在では完全に放置している。自宅から通っているのではなく、大学の近くに住んでいるらしい。千鍵が小学校二年生の時に書いた『わたしの大すきなおねえちゃん』という作文を肌身離さず持っている。
 かつて加々美崎高校に生徒会長として君臨し、色々とどうでもいい逸話を残した伝説の女。奔放な性格が当時の生徒に大うけだった。才色兼備の完璧超人で千鍵が認めるくらい頭はいいが、頭が切れるタイプではない。加々美崎高校の生徒のみならず、教師や他校にもファンクラブがあると噂されている。千鳥の完璧超人ぶりが千鍵にトラウマを植え付け、やさぐれる原因になった。
 千鍵らと児玉清美、山内溥子が卒業前に隠したタイムカプセルを探し回っているところに現れ、児玉・山内とその週の日曜日にお茶をする約束をした。その後、児玉と山内が行方不明になった際に二人を探すために実家に戻ってきた。
 更科洗礼名から一方的に思いを寄せられているが、千鳥は洗礼名のことを覚えていない。
 千鍵の家に始めてお呼ばれしたひびきが一緒に入浴したり添い寝をしたりした。


カティサーク(用語/魔術:魔法使いの夜)
 久遠寺有珠の母が保存していたもので、おそらく久遠寺邸の開かずの間の一つにあった亡霊船。


加藤段蔵(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 固有能力は敵の足止め計略の無効化。


加藤嘉明(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の頃の文化祭の2年A組の出し物の一つ、最強偉人にラインナップされた。
 賤ヶ岳の七本槍の一人。徳川家康の家臣、加藤教明の長男に生まれるが、父が三河一向一揆に一揆側として参戦したため放浪。後に羽柴秀吉の小姓となり、賤ヶ岳の合戦で活躍する。その後も活躍を続け、秀吉時代には最終的に十万石の大名になっている。関ヶ原の合戦では東軍に属し、その功によって伊予松山二十万石に移封される。寛永四(1627)年には会津四十万国に移封された。
 必殺技は『お菊召喚』。これは南蛮渡来の虫喰南蛮という十枚組の小皿の一枚を近習が誤って割ってしまった際に『九枚残っていれば誰が一枚割ったかと名が残る。家臣は我が手足であるからいかな逸品でも代えられない』と言って残りの九枚を残らず割った逸話から来ているもので、皿つながりの乙女がぞっこん惚れている。


金栗四三(人名)
 かなぐり しそう。
 1891年8月20日生まれ、1983年11月13日歿。
 短距離の三島弥彦とともに日本人初のオリンピック選手として1912年のストックホルムオリンピックに参加する。しかし競技当日は40℃を超える記録的な暑さで、参加者68名中約半数が棄権し、ポルトガル代表のフランシスコ・ラザロは倒れたうえ翌日に死亡するほどの過酷なものだった。金栗も競技中に日射病で倒れて近くの農家で介抱されており、目覚めた時は競技が終わった翌朝であった。
 1967年にスウェーデンのオリンピック委員会からストックホルムオリンピック55周年記念の式典に招待され、ストックホルムオリンピックでは棄権の意思が伝えられていなかったためこの時に54年8か月6日5時間32分20秒3という記録でゴールした。


彼女(人名:Talk.)
 詳細不明。
 ナルバレックから見かけたら即座に仕留めろと指示が出ている人物。メレム・ソロモンが腑海林で出会った。フォルテの事か。


Cafeバルドフェルト(地名:氷室の天地)
 千葉ディスティニーランドにある飲食施設の一つ。
 明らかにされているメニューはシェフのこだわりコーヒー各種のほか、『ケバブのヨーグルトソースかけ』『ハンバーグのヨーグルトソースかけ』『トムヤムクンのヨーグルトソースかけ』『まぐろ丼のヨーグルトソースかけ』。美綴綾子はメニューを見て「頭おかしいのかここのシェフ」と言ったが、実際に食べてみると意外とおいしいらしい。


ガヘリス(人名:GoA)
 円卓の騎士の一人。ランスロットに殺された。


ガマ剣法(用語:氷室の天地)
 藤村大河が読んでいた本のタイトル。


かまたいちの夜(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが2年生のときの夏ごろに予約受付中だったゲーム。


(用語)
 女の魔術師にとっての最後の切り札。
 魔術師にとって自身の肉体は一線級の触媒であり、特に女の魔術師ならば年月を積み重ねた髪は貴重かつ強力な燃料になる。扱いは念じるだけでよい。
 髪を止めるという事は魔力を留めるという事なので、縛り付ける物も相応の魔術品。自分の体をコントロールするものなので髪留めは自分で作ったほうがいい。


上条(人名:氷室の天地)
 ホルモン焼き屋の店員。眼鏡をかけたショートカットの女性。


神代回帰(用語・魔術:魔法使いの夜)
 幻想種の能力。
 彼ら風の魔術回路。魔法以前の地球にあった神秘をどれだけ再現できるかの基準。質が高ければ高いほど『人の手とは離れた』混じりけのない神秘となり、量は出力で高いほど周囲への影響が大きくなる。編成はどのくらいの年代の神秘を成せるかの基準で、魔術で言うならルーンかカバラか黒魔術か、といった種別。量がCならば個人や村程度にしかその権能を誇示できない。
 プロイキッシャーは神代の物ではないため神代回帰の測定は当てはまらない。
 アルクェイド・ブリュンスタッドについては真祖アルクェイド状態ならば当てはまり、『質:B 量:A++ 編成:西暦以前までの、偽神化される自然現象』といったところ。


神代連盟(用語)
 エルダータイトル。
 詳細不明。
 死徒二十七祖の中に『齢4000年を超える神代連盟(エルダータイトル)の祖』がいるとされ、また西欧諸国には神代連盟を名乗る魔術師のなれの果てがいるが、両者の関係は不明。蒼崎橙子とルゥ・ベオウルフは1987年頃の旅で後者と出会っている。


「 」(概念)
 仮に読みをつけるとしたら、から。
 受け取り方は人それぞれ。端的に分かりやすく言うなら根源の渦。だが根源の渦には根源の渦という名があるためにやはり「 」とは別物である。


カラオケビル謎の集団気絶事件(用語:MBAA)
 MELTY BLOOD Actress Againの前年に起こった事件。ネコアルク・カオスではなく、もっとおぞましいエイリアンの仕業。


烏飛び(魔術:事件簿)
 天狗飛び切りの術とも。
 修験道に伝わる術。簡単に言えば飛翔または跳躍の術で、極めれば魔法の一歩手前の空間移動の域にまで達する。


空手(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の年の穂群原学園の体育祭での特別三枠に2年A組の生徒が提案した競技。美綴綾子があまりに有利だとして、葛木宗一郎によって柔道に変更されたうえで生徒会に提案されたが、採用されなかった。


カラドボルグU(宝具)
 偽・螺旋剣。第五回聖杯戦争におけるアーチャーが投影する剣。
 アイルランドの英雄フェルグスが所有したとされる魔剣だが、これはアーチャーが矢として使えるように改良して投影した別物。
 クーフーリンの天敵とされる魔剣で、この所有者がウルスターゆかりの者であった場合、クーフーリンは自らの誓約(ゲッシュ)により一度は敗北しなければならない宿命を負っている。


カラボー・フランプトン(人名:事件簿)
 聖堂教会に所属する。黒人で、2003年11月末頃の時点で70歳は超えていると思われる老齢。黒鍵を用いるため代行者またはもと代行者と思われる。また黒鍵は刀身が実体を持ったものではなく、魔力を編んで刀身とするタイプであると思われる。聖堂教会の者らしく魔術師を強く嫌っているが、トリシャが亡くなって悲しんでいるオルガマリー・アースミレイト・アニムスフィアを気遣ったり魔術師は煉獄で魂を焼かれればいいと発言したりと、良識は持ち合わせている。
 一般的なノウブルカラーに該当する、測定寄りの過去視の魔眼を持っている。これは完全に制御できるわけではなく、発動をある程度制御できる程度で、希望の時間と場所をいつでも指定できるようなものではない。カラボーにとって過去視とは脳髄を引きずり出して古い白黒フィルムと一緒に溶液に浸けられるようなもので、フィルムの登場人物になった自分と外部からフィルムを見ている自分の両方が同時に存在するようなイメージ。過去視は自分で制御できず、その影響で自分自身の記憶は虫食いのように失われている。過去視の状態を含めて普段は冷静で物静かだが、泡影の魔眼を発動すると衝動的で荒々しくなる。
 2003年から見て7年前に発生した連続殺人事件に聖堂教会から派遣された捜査官として関与したが、実際には自身の魔眼に対する自覚が薄い事に付け込まれてドクター・ハートレスに操られており、自覚がないまま自らが連続殺人を犯していた。トリシャ・フェローズの殺人も、ドクター・ハートレスに操られて自覚がない状態で彼が実行した。
 近年では加齢によって魔眼に引きずられることが多くなっており、これを売却するために魔眼オークションに参加した。魔眼オークションの二日目の夕方にトリシャ・フェローズの首なし死体が発見された際には検視を買って出た。魔眼蒐集列車がアインナッシュの仔の影響で停車を余儀なくされた際は歩いて霊脈を見つけ出して道標を打ち込む事を提案し、グレイ、イヴェット・L・レーマン、メルヴィン・ウェインズとともにそれを実行した。
 化野菱理によってトリシャ殺害と7年前の連続殺人の犯人であることを突きつけられ、支配人代行によってカラボーの魔眼には過去の事象を現在に再現する事ができるという証言とともに反論の間もなく眼を摘出され、意識を失った、その後は個室に監禁されることとなる。しかしロード・エルメロイU世の依頼を受けた化野菱理によりオークションとその後の経緯を逐一伝えられており、アインナッシュの仔の再出現に当たっては監禁を脱して泡影の魔眼を奪還し、魔眼をただの過去視ではなく泡影の魔眼としてフル活用してヘファイスティオンとアインナッシュの仔と戦う。泡影の魔眼を使ってヘファイスティオンの剣を折るが、強制の魔眼によって動きを止められ、彼女の蹴りを受けて重傷を負う。その後、瀕死の状態であったがヘファイスティオンの『魔天の車輪(ヘカティック・ホイール)』と対峙するグレイに「この槍には祈りが詰まっている。十三のカタチに凝縮された祈りだ」などの助言を与え、グレイがどう在りたいかを見つめさせ、ひいては『最果てにて輝ける槍(ロンゴミニアド)』の十三拘束解除を助けた。その直後に死亡した。


カラリパヤット(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の年の穂群原学園の体育祭での特別三枠に、武芸百般に通じた美綴綾子が有利になるであろうと氷室鐘が提案した競技。美綴にカラリパヤットの心得はない。
 インド南部ケララ地方発祥の武術。身体にオイルを塗って素手で戦ったり、剣、盾、棒などの武器を使用する武器術もある。


ガリアスタ(家名/魔術師)
 アトラム・ガリアスタの家系。中東出身の新興の一族。一族の歴史は古いが、時計塔に属したのはここ数世代である。
 時計塔に属してからの歴史が浅い事と、扱う魔術が半ば呪術の域に踏み込んでいるせいで実力よりも低く扱われている。簒奪によって成り上がった。特異な魔術によって近隣の組織を従属させ、石油の採掘権まで押さえている。
 もともとは鉱石や代償の魔術を研鑽していたが、原始電池を研究していた一族が没落する際に金で歴史ごと買い上げた。


カリー・ド・マルシェ(人名/死徒)
 以前の名はキルシュタイン。ロア時代のシエルの取り巻きの一人で、インドに根城を構える死徒。魔術師から吸血鬼になった。
 触れた物質の性質に干渉する能力を持つが、血を吸えずに弱っているので物質の味をカレー味(翡翠風)にすることに限定して使えるにとどまる。ロア(シエル)が倒されてからインドに渡り、その能力を磨いている。ゆくゆくは血液をカレー味に変えて大量に摂取し、元の力を取り戻して27祖にたどり着く、と言っているが。
 シエルの埋葬機関での初仕事で倒すはずだったが、カリーの最後の望みをかなえるためにカレーを食べたシエルと仲良くなる。その後、別段害もなく、顔が広く役に立つということで放置されている。吸血行為ができないのはカレーの味に出会って血をまずく感じてしまったため。それでも肉体を維持するための必要最低限の血液は摂取している。
 公式設定ではない。らしい。ウソツキ星人の言うことだから。


カリーナ(人名:事件簿)
 ディアドラ・バリュエレータ・イゼルマ付きのメイド。三つ子の長姉で、エステラ・バリュエレータ・イゼルマ付きのレジーナの他に故郷に妹がいる。レジーナとある程度は感情と意思を伝達する事が出来る。カリーナはマイオ・ブリシサン・クライネルスに想いを寄せていた。
 死亡したディアドラに代わり、バイロン・バリュエレータ・イゼルマが依頼した蒼崎橙子の魔術的な整形手術によりディアドラに成り代わる。その際にディアドラに合わせて鼓膜を除去され聴覚を失った。この仕上がりはファヴニールの血を浴びた菩提樹の葉を灰にして使ったという蒼崎橙子の施術と白銀姫と鏡合わせになる事により非常に完成度が高く、ともすれば根源に繋がりかねないほどだった。
 ディアドラとしてライネス・エルメロイ・アーチゾルテに貴族主義派閥への亡命を申し出る。翌日に亡命計画を暴露してライネスを追い詰めた後、カリーナの姿で死亡しているのが泉で発見される。死因は心臓を一突きにされた事だった。カリーナを殺害したのはマイオ・ブリシサン・クライネルスで、理由は『黄金姫』の美を引き留めるためだった。


カリスマ(技能)
 軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において自軍の能力を向上させる。稀有な才能。
 A+:ここまでくると人望ではなく魔力、呪いの類である。
 A:およそ人間として獲得しうる最高峰の人望といえる。
 B:一国の王としては充分。
 E:統率力こそ上がるが、兵の士気は極度に減少する。


カリバーン(宝具)
 →勝利すべき黄金の剣。


ガルゲンメンライン(用語:スターリット・マーマレード)
 更科洗礼名が魔法使い(魔術師のことか)から与えられた花。普段から胸につけている。洗礼名はこれを使って桂木千鳥・千鍵と親しくした人たちを拉致していった。なお、ガルゲンメンラインとはドイツ語でマンドラゴラのこと。
 人間に寄生するタイプの使い魔。花本体の香りで生き物の動きを鈍らせ、分泌物(花粉)を取り込ませることで相手をコントロール下に置く。この花の花粉に触れた者は意識を失って洗礼名の言いなりになり、命令されない限り呼吸もせず眠り続ける。
 花から蔦が延びて洗礼名を包み、蔦を使って戦うことができる。蔦をドリルのようにした攻撃は特殊鋼の剣を折るほどの威力がある。単純に宿主を包むだけでなく、宿主の身体強化もしているらしい。
 更科洗礼名が使ったものはデータを取るための実験体で、ハリエット・フリーゼが使うアルラウネが戦闘用に調整を施した完成型。


ガルゲンメンラインを与えた魔法使い(人名:スターリット・マーマレード)
 更科洗礼名にガルゲンメンラインを与えた人物。魔法使いと名乗っていたらしい。ロレンツ・トレンデルと思われる。


カルハイン(人名/死徒)
 Calhin。
 死徒二十七祖の十一位。捕食公爵。街食うモノ。スタンローブ。
 すでに教会に討たれて肉体を失っているが、その怨念が周囲の物を破壊する力の渦になっている。教会も無闇に手を出せずに自然消滅を待っている。
 存在濃度がゼロになるまであと200年。


(人名:Talk.)
 詳細不明。
 ナルバレックから最重要参考人として捕獲命令が出ている人物。シエルが腑海林で出会った。遠野志貴の事か。


カレイドアロー(武装)
 カレイドステッキと宝石剣キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグを融合させた武装形態の一つ。戦闘機なみの飛行能力と圧縮した魔力弾を撃ち出す熱戦狙撃銃式(スカーレット・ドラクルアンカー)を兼ね備えたルビーちゃん秘密装備の一つ。その威力は600メートル先の移動要塞車両ベンガルティーガーの装甲を貫通する。


カレイドオレンジ(用語)
 日比乃ひびきがケータイさんによって多元転身させられた姿。


カレイドグリーン(用語)
 桂木千鍵がケータイさんによって多元転身させられた姿。


カレイドステッキ(武装:hollow)
 魔法使いキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグが作った女性限定の愉快型魔術礼装で、契約した術者に莫大な魔力を供給するマジックブースターのようなもの。第二魔法の応用らしい。説明書付き。材質はプラスティックっぽいが、ずっしりしているようではある。過去現在未来においてマスターは遠坂凛とルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトの二人だけ。
 能力は多元転身(プリズムトランス)で、使用者に並行世界の使用者のスキルをダウンロードすることができる。つまりある世界の、例えば紅茶をうまく淹れることができない凛に他の世界の『紅茶淹れの達人』である凛からそのスキルをダウンロードして同じ能力を持たせることができる。だが決まりごとがあり、多元転身した場合にはそれに相応しい服装になる。たとえば紅茶を淹れるならメイド服、歌が上手になるならアイドル服など。
 契約には血液による登録と接触による使用の契約、起動のためのエネルギーが必要。なおエネルギーとは魔力ではなく『鈍感な意中の男性に対する素直になれないスーパーオトメ力(りょく)』。これとの契約はほとんど呪いであるとのゼルレッチのお墨付きがあり、契約解除はできない。契約すると洗脳される。手に取らなければ時間切れでスイッチが切れる。
 割烹着が似合いそうなマジカルルビーという声だけは可愛らしい人工天然精霊が宿っている。その言葉はドイツ語のようだが、意味は日本語で理解できる。
 凛は遠坂時臣の遺品を整理していたときに説明書に従ってこれと契約し、気付いたら部屋に倒れていてカレイドステッキは宝箱に仕舞われていた。契約してから目が覚めるまでの記憶がなく、『あのバカ杖を二度と使わないこと』という凛自身の字によるメモが置いてあった。契約していたときに公園で八十年代アイドル風のステージを開いたらしく、その日を境に友人が激減し、それ以降ずっとゼルレッチの宝箱に仕舞っていた。
 なお契約したときの記憶は自由に消すことができ、凛が子供の頃に契約したときはちゃんと記憶は消されていた。
 契約者はメインヒロイン枠から外れる。


カレイドルビー・シュバインシュタイン(人名?)
 Kareido-Ruby SCHWEINSTEIN。
 新たなる敵を前にパワーアップを遂げたカレイドルビーの姿。カレイドステッキと宝石剣キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグを融合させた悪夢の武装形態。
 カレイドアローは戦闘機なみの飛行能力と圧縮した魔力弾を撃ち出す熱戦狙撃銃式(スカーレット・ドラクルアンカー)を兼ね備えたルビーちゃん秘密装備の一つ。その威力は600メートル先の移動要塞車両ベンガルティーガーの装甲を貫通する。
 まさにジェノサイドフィーバー。凛さん変形ですーっ。
 なぜかこの兵器で壊せるのは無機物のみ。この銃の余波で高度3000フィートから投げ出されようが、生物であるならばどうあっても死なない。
 ここまでくるとカレイドルビーも慣れてしまってノリノリで魔法少女ぶっている。


華麗なるコマドリー(用語)
 ネコ二十七キャットの第二十七位。


カレー印の火炎放射器(用語:スターリット・マーマレード)
 須方スナオが所有していると思われる装備。


カレーパン(武装・食品)
 カレーをドーナツ生地で包んで揚げた食品。シエル限定の武器。揚げたてなら即死効果さえある。これを1つ2つ茶道室にもっていくだけで満腹になれる。


ガレス(人名:GoA)
 円卓の騎士の一人。ランスロットに殺された。


カレッジ(用語:2015年の時計塔)
 →学生寮街


カレン・オルテンシア(人名)
 Caren Hortensia。
 身長156cm。体重40kg。B75 W54 H77。
 オルテンシア、とは母国語(フランス語、スペイン語、イタリア語が該当)で紫陽花の意味。カレンという名も父の祖国の言葉からとったもの。父は(作中では明言されていないものの)言峰綺礼だろう。
 ヨーロッパ南部の共和国で生まれた(フランスかイタリアだが、南部ということでイタリアか)。父親はもとより不明、母親は病弱で、カレンを生んで一年後に死亡した。記録には強盗殺人にあったとされているが、実際は自殺らしい。その後とある厳格な神父に預けられ、八年間生活をともにした。神父は養育費を預かっていたものの出費を抑えるためと知恵をつけさせないために学校には通わせず、教会の下働きをさせていた。また出生そのものに罪があるとして誕生の洗礼は与えられず、幼年期に迎える洗礼まで神の祝福は与えられないのだと神父は言っていた。
 そしてカレンが九歳になったときにその体に聖痕が現れ、手に負えなくなった神父は、深い森に建てられた城塞や牢獄のようなシトー修道院へとカレンを移した。聖痕は彼女の体質の現れであり、それを以て聖堂教会は彼女を聖堂教会の備品の兵装としてシトー修道院に預けたのだ。そのため、結局洗礼は与えられていない。
 身分は一介の修道女であり、聖堂教会から聖杯戦争に参加した魔術師たちを調査・監督するために冬木市へと派遣された。主な目的は冬木市に再び現れた聖杯の波動を究明すること。冬木教会の後任代理で、本来ならばカレン程度では教会を任されることはないのだが、期限付き(最長でも二年程度)で冬木教会の司祭代行を任されている。
 代行者ほどの実力も権限もなく、ただ調査にきただけの見習いで、魔術が得意というわけではない。もとは悪魔祓いの助手だったが、悪魔を祓う式典や秘蹟は与えられておらず、ただ師について歩くだけだった。つまり悪魔が隠蔽している霊障をその身に受けて判別することが役目。
 悪魔に近付くと自動的に霊障を再現してしまう、いわば被虐霊媒体質。なので慢性的な悪魔憑きともいえる。彼女はこの体質をよしとし、それによって受ける傷をすべて受け入れている。普通の人の心の中にある魔にすらも反応してしまうため不用意に人に接近することができず、彼女の体には常に包帯が巻かれており、消毒薬の匂いが染み付いている。そのため日中は冬木教会にしかいることができないが、無理をすれば多少は出歩ける。
 また、彼女の体は外見こそ元通りになっているが機能は戻っていない。例を挙げると、右目の視力がほとんどない、味覚が薄れているなど。そのため彼女にとって味のするものとは地獄のように辛いものか天国のように甘いものだけ。
 悪魔に憑かれやすい体質は母クラウディアから受け継いだもの。父綺礼は魔術回路を持っていたが、カレンには魔術回路は受け継がれていない。
 主体性のない性格。それまでは何もしないように生きてきたが、冬木市に来てからは幸せそうな人をがっかりさせることに悦びを覚えた。また父親の言峰綺礼と同じく心に傷を持つ者をつつくことが大好き。須方スナオの友達について、聖堂教会に知られると嫌な何らかのことを知っている。
 スカート穿いてない服は悪魔祓い用の戦闘服。スカートがないのはもともとの仕様で、カレンが祭儀衣の中から選んで手を加えたもの。本来の用途は男性を誘惑するためのもの。彼女は姦淫を魔がそそのかすものとして受け入れ、人にではなく魔に犯されると割り切って作業としている。が、多くの男性と交わるという、自分のしていることを娼婦に近いと感じているのも事実。
 自分の取り柄を鍛えるのが趣味で、オルガンの演奏はかなりうまい。特技は祈りと悪魔祓い。苦手なものは野蛮な男。戦闘などではマグダラの聖骸布を使用する。被虐霊媒体質ゆえ傍にいる悪魔次第で攻撃レベルが変わる。しかし悪魔祓いのレーダー役なので特に戦闘が得意というわけではなく、遠坂凛と真っ向から戦った場合には勝算そのものがない。だが権力とトラウマを容赦なく使って没収試合にするかもしれない。
 間桐桜と戦った場合は、桜の影を放つ魔術が『神秘によって括られた存在』専用なので充分に勝ち目はある。間桐臓硯と戦った場合は、臓硯は大魔術師であるが日光という教会が熟知した弱点を持つため充分に勝ち目はある。間桐慎二と戦った場合は言わずもがな、心身ともにズタボロにできる。藤村大河とはそもそも戦いにならない。
 冬木協会に赴任してからは遠坂凛と間桐桜を先輩として慕っているが、あくどいというか強かというか、とにかく管理者である凛とは駆け引きのようなことをしている。それから限度をわきまえつつチクチクと二人をいじめて楽しんでいる。
 第三次聖杯戦争の再現たる四日間には言峰綺礼の監督役という空席に収まることで参加している。そのカレンは本当の彼女ではなく、四日間だけの限定存在。ループやリトライの必要はなく四日間に存在でき、四日間が終われば消え去るという、外の彼女が送り込んだ『カレン・オルテンシア』という要因。外の彼女には記憶の引継ぎさえない。
 四日間の中ではランサーとギルガメッシュと契約し、マスターになっていた。令呪を持たないが、その人間性とカレンが死んだら二人も消えるかもしれないという条件のみでギルガメッシュとランサーを御している。
 アーネンエルベの正式なスタッフらしい。
 AATMでは突発的にアーネンエルベのジョージ店長を殺害した遠野志貴を店員としてこき使う。それはネコアルクやセイバーライオンらのデフォルメキャラたちと組んで主役級キャラと入れ替わるためだった――が、実はネコ二十七キャット壊滅指令を受けており、自身の手を煩わせることなく他人にやらせたのである。なお途中で言峰綺礼を毒殺している。
 まほうつかいの箱ではランサーとギルガメッシュを従えている。
 須方スナオがアーネンエルベに初めて訪れた時は、日比乃ひびきと桂木千鍵が店に入る時点から一部始終を見届けた。ちなみにその時の勘定ではエーデルフェルトの名前で領収書を貰っている。
 『狙われたアーネンエルベ』では、自分に呪いがかかっていると思い込んだルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトに『あらゆる呪いを解く魔術礼装』があると唆してアーネンエルベの乗っ取りを計画させた。しかしカレンの本当の目的は『魔法使いの箱』の乗っ取りにこそあった。アーネンエルベを乗っ取ってからは、今後の参考として自分が統治者として君臨する世界を観測しようという腹積もりだった。
 ギルガメッシュに捕獲されたランサーの前に現れたときは、メイドを虐待する側の格好で鞭を鳴らしながら登場した。ルヴィアゼリッタが無力化された後は、証拠隠滅のため一帯に結界を張った上でジャイアントアンリによってアーネンエルベを破壊しようとした。しかしケータイさんによって多元転身させられたカレイドオレンジとカレイドグリーンの合体技、マジカル共同作業ケーキ入刀スラッシュによって撃破された。
 その後、須方スナオが代行者としてカレンの許に現れ、アーネンエルベから手を引けばよし、そうでなければ本部に引き渡して処分を待つと交渉を持ちかける。しかしカレンが本部が絡むのが嫌なのはスナオも同じだろうと言うと、スナオは『シスター・カレンはこの騒動で殉教した』ことにするのが一番手っ取り早いと脅迫。ただしスナオに本気でカレンを殺害する気は全くなかった。結局、無断で魔術師と接触したうえに大騒動を引き起こしたため本部に知られる事はマイナスであり、自体のもみ消しのためしばらくはアーネンエルベに構っている暇はなくなると言って立ち去った。
 TYPE-MOON Fes.では出番がないくせに専用の楽屋がある魔法使いの夜御一行が許せず、ロスト・ロビン・ロンドの会場爆破計画に加担したうえ脅迫状を代筆し、その後に魔法使いの夜御一行の楽屋を発見した衛宮士郎を捕縛し、部隊上のキャットウォークから吊るした。そこに駆けつけた黒桐鮮花に対し『士郎を助けたいなら自分を倒してみろ』と言うが、同性愛の趣味がない鮮花に対して色仕掛けを試みたうえキャットウォークの高さに目が眩みジャブ一発で倒された。アーチャーにロスト・ロビン・ロンドが射殺され、その手紙を読んでからは素早く逃亡した。なおこの計画でカレンがしたことは脅迫状の代筆と士郎の捕縛のみで、計画の詳細は全く知らなかった。


冠位(用語)
 グランド。
 魔術協会における魔術師の階級の一つ。最高位。君主でさえ大抵は冠位までは至る事が出来ず、色位止まりである。
 冠位に到達する魔術師は魔術師同士でさえ滅多に関わろうとしないため、時計塔でもなかなか目にすることはできない。


冠位指定(用語/魔術師:2015年の時計塔)
 グランドオーダー。
 西暦以前から続く魔術師の家系が持つはじまりの命令。魔術世界における最も崇高な血の掟。一族が途絶えるまでその使命に殉じさせる呪いじみた絶対厳守の誇り。いわばその魔術師の家系が起こる際に神から授かった責務である。これを背負っている者は挫折したからといって自害することなど叶わない。


感情視の加工魔眼(用語/魔術:事件簿)
 イヴェット・L・レーマンが魔眼蒐集列車で用いていた、宝石で模造した加工魔眼。緑の孔雀石で作られている。
 対象の感情を何らかの視覚情報として読み取るものと思われる。


干将・莫耶(宝具)
 第五次聖杯戦争におけるアーチャーが好んで使う夫婦剣。宝具としてのレベルはC−。黒いほうが陽剣干将、白いほうが陰剣莫耶。春秋時代に、呉王の命によって名工・干将が作り上げた。創造理念などなく、ただ作りたいから作ったようなもの。
 なかなか剣が完成せず思い悩む夫を見た莫耶が神の加護を得るための人身御供として自ら炉に飛び込んだという逸話がある。干将の妻・莫耶の命を以って五山精、六英金を溶け合わせた、陰陽を体現した夫婦剣。紛失しても必ず持ち主の元へ戻るといわれ、互いに引き合う。干将は陰剣莫耶のみを献上したことで王の怒りを被り殺された、という物語も残っている。
 なお形状や工法については記録がなく、時代的に鋳造であったと推測されている。形状についても干将は黒く亀甲のような模様が、莫耶は白く波のような模様があったと伝えられている程度。
 最高の素材と人命で打たれたために剣としての性能も高いが、巫術、式典用の魔術兵装としての側面を持つ。干将と莫耶を揃えて装備することで所有者の対魔術、対物理が向上し、武器や宝具としてのランクも上昇する。オリジナルの干将・莫耶は対怪異専用の強力な宝具であり、第五次聖杯戦争におけるライダーが生前変貌したゴルゴーンも、第四次聖杯戦争におけるキャスターが召喚した大海魔も真っ向から切って落とせる。
 アーチャーのいかなる趣向か、刀身には魔よけと思われる下記の言葉が刻まれている。
 鶴翼不欠落
 心技至泰山
 心技渡黄河
 唯名納別天
 両雄倶別命
 ――――両雄、共命別。


干将莫耶オーバーエッジ(宝具)
 桜ルートにおける黒セイバーとの戦いにおいて士郎は干将・莫耶を最大用法したが、それを正統な持ち主であるアーチャーが行った状態、その三回目の投影の際に強化によってこの形態となる。
 刀身が通常の干将・莫耶の倍ほどにも長くなり、棟から鎬にかけてささくれ立つ。
 なお本来の鶴翼三連は三つの『×』の重ね当てであり、飛んだり跳ねたりはしない。


カンタ(人名:hollow)
 ギルガメッシュの取り巻き。ギルガメッシュのジャ○プを読ませてくれとせがんだ。


カンダ(人名:スターリット・マーマレード)
 加々美崎高校の教師。担当は古典。


簡単三分ポエリング(用語:hoollow)
 間桐桜が所有する本。


ガンド(魔術)
 相手を人差し指で指すことで体調を崩れさせるという単純な呪い。対象を視界に収めて指を構える様からガンド撃ちとも呼ばれる。
 強力なものを“フィンの一撃”と呼び、こちらは直接的なダメージを与える。遠坂凛のものは強力すぎてもはや見た目、威力、効果ともにまさに弾丸である。目に見える傷跡を与えるには本来は体調を崩させる程度のガンド撃ちよりもゲマトリアの一節分の詠唱の方がよほど簡単。
 人差し指一本で撃つのが最強であるのだが、アニメ版では凛が勢い重視で複数本の指を使った撃ち方をしている。これは三浦式ガンドと呼ばれるらしく、こうするとフィンの一撃がフィンのマシンガンになるらしい。


感応能力(技能)
 他者に感応する能力。簡単に言うと他者に体力を分け与えること。共感能力ではないので、対象に何が起きても能力者にフィードバックはない。翡翠と琥珀は特に優れた感応能力者で、対象の体力だけでなく精神力まで強化する。
 感応する方法は能力者によってマチマチ。対象の意思とは無関係に感応できる者もいれば、何らかの儀式を必要とする者もいる。儀式とはその家系に伝わる精神面のスイッチのこと。翡翠と琥珀の家系では対象との体液交換、つまり最も効果があるのは性行為。血液を飲むことで代用可。これは体液を交換することで自分と対象を同じものとして認識するため。だが体液交換は契約のようなもので、契約した感応対象と感応者が近くにいないと効果はない。


管理者(用語)
 セカンドオーナー。
 魔術協会から霊地を任された名門魔術師。同じ土地に根を張る魔術師はまず彼らに挨拶に行き、工房建設の許可を得なければならない。



  


ギアス(魔術)
 →強制。


騎英の手綱(対軍宝具)
 ベルレフォーン。第五回聖杯戦争におけるライダーの宝具。
 手綱と鞭のセットで、単体では効果がない。これで操られた天馬はリミッターをカットされ、全ての能力値を1ランクアップし、膨大な魔力の守りにより防御力を数倍に向上する。
 まず血液で描いた召還陣により彼女の子ともいえる天馬を召還し、それに騎乗して使用する。


記憶(用語)
 物事を覚えておく、また覚えること。
 銘記、保存、再生、再認の四つのプロセスで構成され、そのうちの一つでも出来なければ記憶障害となる。


キキーモラ(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 固有能力は味方の固有能力の効果時間を二倍にする『労働賛歌』。


菊地にゃにゃにゃ(人名:AATM)
 おそらく作家の菊地秀行のこと。両儀式が月姫を語った際に引き合いに出した。式いわく『飯食べて女やって喧嘩やって飯食べて……の無限ループ』だが、当然ながらそれはとりわけ極端なもの。


キケロ(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の頃の文化祭の2年A組の出し物の一つ、最強偉人にラインナップされた。
 マルクス・トゥッリウス・キケロ。共和制ローマの政治家、文筆家、哲学者。
 必殺技は『我が舌鋒は寸鉄なり(フィリッピカ)』と『我が右手に傾注せよ(オーテンポラ・オーモーレース)』。


起源(用語)
 始まりの因で発生した物事の方向性。aという存在をaたらしめる核となる絶対命令のこと。例えば“禁忌”という起源を持つモノは人に生まれようと獣に生まれようと植物になり代わろうと、群における道徳から外れた存在になる。輪廻転生があろうがなかろうが、人間は発生した時の方向性に従って肉をつけ知恵をつけ、以前とは少しだけ違った人格になるという考え。
 起源を覚醒したモノは起源に飲み込まれる。たかだか百年程度の“人格”など、原初の始まりより生じた方向性に塗りつぶされるだけだからだ。反面、起源に塗りつぶされた人間(肉体)は強大な力を手に入れることになる。
 人間のルーツを探る荒耶宗蓮は、その過程で起源を覚醒させる術を学んだ。
 魔術においては属性の意味で使われることもある。
 魔術師の属性には一般の五大元素と架空元素の分類に含まれない特殊な属性もある(衛宮士郎の剣属性など)。これは魔術の根本を規定する属性よりも深い、存在の根本を規定する起源が強く表に出ている例で、通常の属性から外れて起源そのものが属性となっているのである。こういった魔術師は属性として五大元素を持たないため一般の五大元素を使う魔術を苦手とするが、突出した専門家としての才能を発揮しより高い境地に至ることができる。
 また、衛宮士郎については『全て遠き理想郷』の効果によって後天的に起源が『剣』に成りつつある。


起源弾(武装:Zero)
 →魔弾。


儀式(用語)
 魔術におけるものではなく、異端の能力の抑制を切り替えるための精神面のスイッチ。家系によって異なり、儀式なしでも能力を行使することが出来る者もいる。


儀式(用語)
 魔術師としての血筋が希薄な者が魔術を行使するための“すでに形式あるもの”。つまり古くから確立している儀式、供物を使って神秘と接触する。
 これは自身の力では足りないために代価を用意して取引をするという魔術形式で、使用する魔力はマナから借り受けるため術者は儀式を行うだけでいい。


騎士団(組織)
 聖堂教会の対異端戦闘組織。教会ごとに保持する。
 吸血鬼の討伐は基本的に単独任務ではなく、連絡員や救護班、整体師などが随行する。単独行動が原則の埋葬機関とは異なり、数で圧倒する戦術を執る。使用される武器の中でハルバードは廃れつつある。
 リーズバイフェが団長を務めたヴェステル弦楯騎士団は三咲町のタタリの3年前のタタリに通常の概念武装で立ち向かい、壊滅。


騎士は徒手にて死せず(対人宝具:Zero)
 ナイト・オブ・オーナー。
 第四次聖杯戦争におけるバーサーカーの宝具。手にした武器に自らの宝具としての属性を与え、駆使する能力。どんな武器、兵器であろうともランスロットが手にした時点でDランク相当の宝具となり、元からそれ以上のランクに位置する宝具であれば従来のランクのままランスロットの支配下に置かれる。この能力による宝具化は彼の黒い魔力が浸透することで成り、彼の魔力を遮断することで本来の性質に戻る。
 この宝具能力はおよそ武器という概念の及ぶ万物に通用し、第四次聖杯戦争におけるアーチャーとの戦闘ではF-15Jをも奪い取った。この宝具化能力の適用範囲は、原則としてバーサーカーが『武器』として認識できるものに限られる。よって戦闘機は宝具化できても空母は『武器を運ぶもの』という認識になるため宝具化できない。
 フェロットの策に填められて丸腰のまま戦う羽目になったとき、楡の木の枝でフェロットを倒したエピソードの具現。


軋間(家名)
 きしま。遠野の分家の一つ。鬼と血のみならず肉まで混ざり合わせた者たちの末裔。鬼種の血を濃く保つために近親婚を繰り返し、本家である遠野よりも異形の血が濃い。その結果生まれた者が紅摩。既に紅摩によって軋間家自体が断絶しているために長男である紅摩が当主として扱われている。
 一族の者が紅摩を恐れ、彼の頭を拳銃で撃った。たかが銃弾では傷一つ負わなかった紅摩だが、そのショックで自制を失い、一族を皆殺しにした。斎木翁が手勢とともに駆けつけたときには廃墟でたたずむ紅摩しかいなかった。
 当主は必ず紅赤朱になる。潜在する自然干渉は『灼熱』。


軋間紅摩(人名/混血)
 きしま こうま。
 軋間の長男で、家自体が断絶しているために当主として扱われる。破壊の権化。赤い鬼神。灼熱、炎焦を象徴する鬼種。圧壊の腕を持つ、剛腕無双の混血。能力は『灼熱』。遠野槙久の七夜襲撃における切り札。黄理の淨眼で視た紅摩の思念の色は朱色。存在自体が神秘。
 物静かな、己の性分の意味を見出すべく悟りを目指す修験者のような人物。現段階では紅赤朱になっていないが、それに近づいている。仙人のように山に篭って手慰みに武術の真似事をしたり禅の思想を学んだりしているが、己の力は所詮破壊のための力だと諦観している。
 特に戦闘訓練は積んでいないので戦い方は素人だが、肉体を硬化する力と大木を握りつぶす握力、天性の俊敏性、鬼種としての異能をもって他を圧倒する。一対一でなら平均的な宝具を持つサーヴァントと戦える。
 彼を恐れた一族の者に拳銃で頭部を撃たれ、紅摩自身は拳銃弾程度ではかすり傷一つ負わなかったもののショックで自制を失くし、自身の一族である軋間を滅ぼした。斎木翁が手勢を連れて駆けつけたときには屋敷は全焼、紅摩以外は圧殺されていた。その後は七夜黄理が襲った斎木の屋敷に監禁されていて、十歳くらいのときに右目を七夜黄理に潰された。
 彼自身は住処である森で人知れず消え去るのをよしとする最後の当主だったが、遠野槙久によって七夜襲撃の切り札として呼び出されてそれを完遂。
 それまで人間としての感情がなかった彼は、七夜襲撃の際の七夜黄理との戦いで“生の実感”を得る。なお黄理との戦いで自らも死ぬ生物であることを教えられ、使われていなかった最後のスイッチが入って『灼熱』の能力が発動した。
 このときの映像を意識下で覚えている遠野志貴にとって超えがたい死のイメージとなっている。
 遠野志貴が遠野邸に呼び戻されるまで遠野邸に軋間の長男が逗留していたが、この時点で軋間は紅摩を除き全滅していることと琥珀が『一宿一飯のお世話を任された』と発言していることから、軋間の長男とは紅摩であると思われる。
 当然ながら琥珀とは知り合いであり、『坊ちゃん』と呼ばれると冷たく一瞥して去っていく。
 遠野秋葉に二度と三咲町を訪れないと約束をしているが、琥珀には嫌われておらず、志貴が居ないときに遊びに来てほしいとさえ思われている。


軋間紅摩(人名/混血:歌月十夜)
 遠野志貴の『死の具現』が一族を滅ぼした軋間紅摩の姿を借りて現れたモノ。遠野志貴の超えがたい死のイメージ。レンの夢世界が崩壊しつつあるところに存在する。


軋間紅摩(人名/混血:MELTY BLOOD)
 MELTY BLOODシリーズで登場するのは軋間紅摩本人ではなく、タタリが生み出したもの。


軋間紅摩(人名/混血:MBAA)
 白レンが護衛とするために再現したもの。だが白レンに従うことを拒否し、これを打倒。その後に殺し合いを挑んできた七夜志貴もまた打倒し、消えた。


鬼種(用語)
 人から成った鬼人ではなく、もとから鬼であるもの。遠野の血族はこれとの混血。
 文明の発展に伴って衰退し、いまや絶滅種となった。


キシュア(組織)
 →鉱石学部


キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ(人名/死徒・魔法使い)
 Zelretch。
 死徒二十七祖の四位。魔道元帥。万華鏡(カレイドスコープ)。宝石のゼルレッチ。時の翁。五人の魔法使いの一人。アルクェイド・ブリュンスタッドにとっての爺や。真祖の協力者で正義の人。頻繁に俗世と関わる変人。宝石剣を持つ。宝石をシンボルにする魔法使いで、悪に義憤し善を笑うという性格。はるか未来の常識を体現している。
 万華鏡のごとく、同時に運営される並行世界を『個』として移動できる(第二魔法)。彼が並行世界を観測すると、その世界は事実になる。宝石の表面が万華鏡のそれに類似していることから宝石の名を冠する。
 最初にして最強の真祖である朱い月を殺したが、相討ちで血を吸われて死徒になった。そのときに、落ちてくる月を力技で押し戻した。朱い月を倒した後はめっきり老け込み、現在は既に隠居していて全盛期の魔法行使はできない。死徒になった後も魔法使いとしてのスタンスは崩れておらず、様々な国に現れては弟子を取り、破滅させている。
 アルクェイドを気に入っており、彼女の成人の儀に参列した。アルクェイドが呼ぶ場合は『ゼル爺』『爺』。
 大聖杯を創り上げたときに立ち会った。
 魔法使いとしてのゼルレッチの弟子になるのはほぼ確実に廃人になることと同義だが、魔術師としてのゼルレッチの弟子ならその限りではない。
 遠坂永人は彼の弟子とされるが、ゼルレッチから見れば弟子ですらなく門下生、旅先で出会って教えを請われたので宿代代わりに筋を見てやった程度。そんな彼に宝石剣キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグの設計図を託したのは、非凡ではあるが悪性のアインツベルンとマキリに対して、遠坂は凡才ではあるがゼルレッチでさえ「おいおい、おまえさん病気か?」と困るほどの善性であるため。「この家系が大業を成すことはないだろうが、間違いだけは犯すまい」と結論し、「これを目指して頑張りなさい。まあ無理だけど」とご祝儀として設計図を渡したのだ。


騎乗(技能)
 乗り物に乗る技能。機械仕掛けの乗り物にも効果を発揮する。
 A+:獣であるならば幻獣・神獣まで乗りこなせる。ただし竜種は該当しない。
 A:幻獣・神獣ランクを除く全ての獣、乗り物を自在に操れる。
 B:大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、ペガサス、グリフォン、竜種といった魔獣・聖獣ランクの幻想種は御することができない。バイクなら大型も乗りこなせる。航空機にも効果があるかは不明。


擬似霊子理論(用語:MBAACC)
 ムーンセル。
 詳細は不明だが、オシリスの砂が作り上げたヘルメスはこれによる演算機である。


偽臣の書(用語:魔術)
 仮の令呪。
 サーヴァントの指揮権を他者に譲渡(一時的な移譲)するためのもので、マスターであれば誰でも生成できる。魔術的な契約に用いる本に令呪を使用することで作成できる。偽臣の書自体に力があるのではなく、偽臣の書にかけられた令呪が対象のサーヴァントを縛る。これを作るには一回分の令呪と本来のマスターの権利の譲渡に対する同意が必要。
 あくまで仮の令呪であるため、無理な命令をすると燃え尽きてしまう。また、同じ理由で魔力の供給は本来のマスターがしなければならない。
 間桐慎二は間桐桜の令呪から淫虫によって作り出した。
 間桐桜が作成したものの効果はライダーに関するマスター権の委譲であり、令呪使用以外のマスターとしての権利が行使できる。対象がライダーのみであったため、ライダーが消滅した際に書も消滅した。


鬼神の長槍(用語/武装:氷室の天地)
 蒔寺家の伝家の宝刀。宝刀といいながら槍である。
 月型十文字槍のような形状をしているが、鎌刃が異常に大きく、穂の先端から生えて柄の方に向けて湾曲している。要するに碇型である。また穂に『長曾我部』と書かれており、柄に鎖が巻かれている。


貴族(用語)
 →ロード


北子(人名:Fate)
 穂群原学園弓道部員。


喜多邑茶家(地名:hollow)
 きたむらちゃや。新都の牛丼屋。最近は味が上がって値段が下がってサービスが悪くなった。間桐慎二がアルバイトをしている。
 第三次聖杯戦争の再現たる四日間ではバゼットのことが『一人しかいないのに二人分注文して、気付くと平らげていて、会計をもらった店員が顔を上げると誰もいない』という怪談になっていた。


キチガイナスビ(用語)
 別名チョウセンアサガオ。琥珀が遠野邸の裏庭で育てている。
全草、特に種子に猛毒があり、スコポラミン、アトロピンなどの原料となる。干した葉は生薬の曼陀羅葉で、鎮痙薬、喘息煙草の原料となる。


キッツィーちゃん(用語:魔法使いの夜)
 やしろぎブレッド&キッツィーランドのマスコットキャラクター。土桔由里彦はキッツィーちゃんのブレイクに余生を賭けていた。
 自称パリ在住のアーティスト、トッキー・ユーリッヒがデザインした。非常に不細工かつ偽物くさい。


キッツィーミステリーツアー城(地名:魔法使いの夜)
 やしろぎブレッド&キッツィーランドの三大シンボルの一つであるアトラクション。
 大迷路とミラーハウスを融合させた魔境であり、入場者の5%が係員に助けを求めたほど非常に高い難易度を誇る。西洋の城を模した建物は奥行き100mほどあり、内部は地上二階・地下一階に分かれている。この迷路は全てが鏡張りで、熟練者でも脱出に30分を要する。
 蒼崎青子が静希草十郎を殺すためにここに呼び出した。その際に一階奥の出口は物理的に崩壊させられている。また一階正面の入り口も後から入った人形によって結界で封鎖された。
 青子によって地下一階の支柱に魔術が仕掛けられており、これに点火する事で他の柱に仕掛けられた魔術にも連鎖的に点火され、最終的に建物全体が崩壊する仕掛けになっていた。


偽典ミラビリス(用語/魔術)
 マリー・ミュラーの正体。
 聖典トライテンと同じ存在を目指して作られたものだが欠けた部分があり、そのため日比乃ひびきと一つになろうとする。肉体は作り物で本体は胸に収められている。
 この姿になると好戦的になり、一人称が『僕』になる。聖典トライテンと同様、この状態の姿はマリー・ミュラーの姿とは大きく異なる。


ギネヴィア(人名)
 アーサー王ことアルトリア・ペンドラゴンの妃。アルトリアと同盟を結び後援者となったレオデグランス王の娘で、ブリテンに王国としての体裁をもたらすためにアルトリアに嫁す。
 魂の在り方としては眼鏡ッ娘。でも『外すと美人』のステレオタイプ。アルトリアを敬愛し、憧憬し、その生き方に倣おうとしながらも、それを貫き通すにはあまりにも普通の女性すぎた。
 当時の英雄の在り方として自らを省みない人生観を幼い頃から培ってきた彼女には、自らが女性だという意識も、そもそも男女の性差の認識すらなく、王と王妃の関係も理想のみで成立するものと確信していた。理念の尊さだけが人間を結びつけるものだと信じ込んでいた彼女は、真逆それ以外に人と人とを惹きつけあうものがあるなどとは想像だにしなかった。サー・ランスロットと出逢うまでは。
 以後、ギネヴィアは信念と魂の波状攻撃で彼女自身とランスロットの双方を窮地へと追い込んでいく。
 王との不仲をランスロットに相談し、後に恋仲になる。ランスロットと関係を結んだあと、彼に王が少女であると暴露した。


木乃美(家名)
 家は久万梨家の隣。インスタントラーメンを扱う食品会社を経営しているらしい。


木乃美芳助(人名:魔法使いの夜)
 きのみ ほうすけ。
 8月30日生まれ。身長169cm。体重59kg。
 私立三咲高等学校2年C組。
 静希草十郎のクラスメイト。陽気で計算高く、女の子大好きでちょっと足りない。『木乃美くんは黙ってればそこそこイケてるのに、口をあけるとどうしてあんなに残念なの?』というのが女生徒たちの総意らしい。
 隣家の久万梨金鹿とは幼馴染。まっどべあでアルバイトをしている。静希草十郎とは転入前からアルバイト先で知り合っていた。通帳は父親に管理されており、自室も妹にチェックされているため臨時収入があった場合はすぐに使い切ることにしている。
 自分が好きで数学と自分より少し上の二枚目が嫌い。人生そのものが趣味で頭が頑丈なのが特技。口が悪くて根性もないと酷評されているが、さっぱりした性格のためか敵は少ない。女性関係に関してだけは頭の回転が良くなるが、彼自身は連戦連敗。合コンやカラオケ会を主催するのだが、そこで出会いを得るのは木乃美以外の男たちばかりで木乃美自身はいつも貧乏籤を引いている。そのため男子生徒からは好かれている。勉強以外のどうでもいい方面における記憶力が良い。
 入学式の時に『エロい身体をしている』蒼崎青子に卑猥な言葉を掛けながら文字通り手を出してしまい(本人は寸止めをして触るつもりはなかったが、目測を誤ったとのこと)、顎を垂直に蹴り上げられてその後の記憶を失くしている。
 草十郎が首輪を着けた時は突っ込んだが、蒼崎青子の指図だと言われてからは『蒼崎なら仕方ない』とスルーするようになった。
 冬休みの冬季特別清掃班に指名され、草十郎とコンビを組んで体育館裏の清掃を担当したのだが、しきりにサボろうとしていた。
 カーモネーギー事件ではそもそも木乃美が原因であると思われていたため、青子に『ほんものの光』から草十郎を抜けさせるために動かされた。青子と周瀬唯架らが『ほんものの光』のオフィスに突入するのと同時にお役御免となり、周瀬唯架が実力行使をした音を聞いてその場から立ち去った。
 1989年秋に久遠寺邸で催された土桔由里彦の誕生会に青子から2000円で招待状を購入して出席したが、土桔老人の死体が発見されてからは現実逃避気味になっていた。その後、『笑ったら死ぬ』というルールを聞いて大笑いし、閃光と自分の肖像が入った紙幣を撒き散らして死亡した。


木乃美芳助の妹(人名:魔法使いの夜)
 詳細不明。芳助の自室をチェックしている。


キビシス(宝具:hollow)
 ギリシャの英雄ペルセウスが使用したメドゥーサの首を収めるための袋。内を外に返す結界返しの宝具で、これを裏返しに被ることで自己封印・暗黒神殿をゴルゴンに返した。


キビヤック(用語:氷室の天地)
 2年生の時の文化祭における陸上部の出し物について氷室鐘と三枝由紀香と相談していた蒔寺楓が提案したメニュー。
 グリーンランドのカラーリットやカナダのイヌイット、アラスカ州のエスキモーが作る伝統食品で、ウミスズメ類の海鳥を皮下脂肪のみを残したアザラシの中に詰めこみ、地中に長期間埋めて作る。
 食べるときは尾羽をむしり、総排出口から発酵して液状になった内臓をすすり、肉はそのまま食べ、頭蓋骨を割って脳も食べる。


キャシーン(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の年の11月頃に上映されていた映画。


キャスター(クラス/サーヴァント)
 魔術師。魔術師というクラスゆえに戦闘には向かず、ほとんどのサーヴァントが対魔力のスキルを持っているためにクラス最弱といわれている。
 選ばれるために必要な条件は“魔術”の能力値がランクAに達していること。
 クラス固有の能力は“陣地作成”と“道具作成”。


キャスター(人名/サーヴァント)
 身長163p。体重51s。B82 W57 H84。
 第五回聖杯戦争における葛木宗一郎のサーヴァント。コルキス(黒海東岸)にあったメディアに縁のある文献を触媒に召還された。彼女を召還した本来のマスターは下らない事で令呪を使い切らせてから自らの手で殺害した。
 アニメ版UBW以降は設定が変更され、本来のマスターはアトラム・ガリアスタとなっている。アニメ版UBWではアトラムに召喚され、彼の自慢の工房を見せられるが現代の魔術師とは次元が違うキャスターにとって命の浪費でしかなく、平然と子供を犠牲にするアトラムに不快感を抱き、工房の停止を進言するが聞き入れられず令呪で『自分(アトラム)に宝具を使うな』と命じられる。その後アトラムが冬木教会でキャスターを始末し新たなサーヴァントと再契約をする要請をしている間にアトラムの工房を解体し、残っていた50人ほどの子供たちを解放した。この時に柳洞寺に工房を移す事を進言したが、実際には既に自分に対して『破戒すべき全ての符』を使用してアトラムとの契約を絶っており、アトラムは『自害せよ』という二画の令呪を浪費してマスター権を失い、キャスターの魔術で殺された。そこにランサーが現れ、ボロボロになるまで追いつめられて柳洞寺に流れ着き、魔力供給が絶えて消滅しかけているところで葛木宗一郎と再契約を結んだ。
 真名はギリシャ神話の不運の王女メディア。イアソンを気に入った美の女神によって心を壊されて父王を裏切らされ、実弟を八つ裂きにし、終いにはそこまでして尽くしたイアソンに裏切られた。その後は人々から全ての悪い事の元凶と決め付けられてしまい、その通りに振舞うようになった。裏切りの魔女と呼ばれて悪ぶっているが、本当の性格は純情で善人な夢見るお嬢様。
 本来のマスターとの契約を破棄、殺害して消えそうになっていたところを葛木宗一郎に助けられて契約、葛木に好意を寄せる。聖杯などではなく、葛木とともにいることのみが彼女の願い。しかし桜ルートでは間桐臓硯の企みにより自らの手で葛木を殺してしまう。
 柳洞寺を拠点に聖杯戦争に参加する。柳洞寺で暮らす人間に人工的な令呪を組み込み、キャスターが決めた“三か条”を破る者を見つけるとそれを排除するためだけの人間になるようにしている。同居している柳洞一成とは少々他人行儀な関係。
 神代の魔術を修得しているため魔術師としては別格の能力を持つが、サーヴァントとしての身体能力は最弱であるため高い対魔力スキルを持つ相手との戦いでは分が悪い。そのため自らは極力戦わず、竜牙兵のような駒を使うことを基本戦術とする。現代最高峰の魔術師であり、蒼崎青子も蒼崎橙子も含め、現代の魔術師では本気を出したキャスターには敵わない。魔女メディアは能力的には魔法使いだが、神代の魔術師であるため『根源に至る』という発想がなく根源に辿り着く事がないので魔術師とされる。固有結界は使えないが、彼女ほど超絶した魔術師ならば小さな魔術と大きな魔術を緻密に構築していくことで同規模の異界を作り上げられる。ただし、そのためにかかる時間と費用は莫大なものとなる。
 魔術師としての能力は魔法使いと同格かそれを上回るが、魔法を習得していなかったために魔術師どまり。魔法が当たり前だった時代の魔術師であるため、現代の五大魔法とは相容れず、そのため彼女が魔法を修得することは不可能。高速神言を用いて現代における大魔術を一瞬で発動できるが、Aランクの対魔力を持つセイバーには何一つ通用しなかった。対魔力はないが、そのローブは魔力を飲み込む。
 自身の魔力生成量がそう多くないため、陣地作成スキルによって陣地を張り魔力を集めることでより高いレベルの魔術を行使できるようになる。第五次聖杯戦争では柳洞寺を神殿にして霊脈を使って冬木市の住人から魔力を集めており、この中でならキャスターは魔法の域の魔術も使える。彼女は魔術師であるためサーヴァントを召還することが可能だが、現在の存在ではないためにこの時代に繋ぎ止める依り代が必要。またどこか歪んでしまうのだろう、アサシンを召還したのだが本来のハサン・サッバーハではなく架空の英雄佐々木小次郎(しかも本人ではない)が召還された。そして柳洞寺の山門を依り代にして召還した佐々木小次郎を山門の門番にしていた。なお、アサシンを召還するはずだったマスターは、召還をする前にキャスターが見つけ出して殺害した。
 佐々木小次郎に対する令呪のようなものを持つが、偽りのサーヴァントに偽りのマスターであるため、令呪のようなものもさほど強力ではない。本来なら令呪は与えられなかったのかもしれず、キャスターが大聖杯の機能を拝借して令呪を捏造したのかもしれない。
 道具作成スキルによって戦いのための道具や魔術礼装から日用品に至るまで、様々な道具を作り出すことができる。Aランクの道具作成スキルを持つキャスターが作り出す魔術礼装は他の魔術師のそれとは雲泥の差がある。だがこのスキルには材料を調達や作成の手間がかかるため、竜牙兵を重点的に作成していた。
 竜召喚技能があれば金羊の皮で竜を呼び出せたが、幻獣召喚能力がないために使用不可。コルキスの竜はあまり強くないため、もし召喚できたとしても中堅どまり。
 本来は人間が欲望によって自滅するだけの些細な魔術しか使わないが、葛木と契約してからは聖杯を求めるあまり人間から生命力を奪うなどの魔術を使うようになった。全サーヴァント中最弱といわれるが、それゆえに幾重もの策を張り巡らせる。魔女と呼ばれることが大嫌い。
 上品かつ皮肉屋。一人でいるときには感情をうまく制御できない。昔の人だから当然ではあるが昔気質の魔術師で、大局でなければ魔力の無駄遣いはしない。学校の案内板を見落とすなど、根っこはちょっと大雑把なようだ。
 料理は好きだが下手。飲み物はエールを好み、それがなければワイン。紅茶をただの色水と切り捨てる。
 コルキス王アイエテスの娘で、魔術の女神ヘカテに教えを受けた巫女。何不自由なく育てられた彼女だが、その運命は金羊の皮を求めて到来したアルゴー船によって大きく揺さぶられる。女神アフロディテによってアルゴー船を率いるイアソンを愛する呪いをかけられた彼女は父王から金羊の皮を奪い、イアソンとともに国外逃亡を図る。さらに追ってきた父王の船を足止めするために弟を八つ裂きにして骸を海にばら撒くという暴挙に出た。これによって彼女は帰るべき故郷を失い、人々から魔女と蔑まれることとなった。
 その後はイアソンを王位に就かせる為に魔術と謀略で敵対者を殺し続けたが、そのやり口に嫌気が差したイアソンは次第に彼女を疎ましく思うようになる。やがてイアソンは他の女に情を移して子まで生したが、メディアはそれを許さずイアソンの新たな妻と子を魔術で殺し、イアソンも惨めな最期を遂げた。
 このように彼女の執念と残酷さは魔女と呼ぶに相応しいものだったが、しかし彼女はこれといった報いを受けていない。魔術の研鑽により不死の肉体を手に入れて楽園エリュシオンに君臨する女王になったという説さえあるほどである。
 バーサーカーと戦闘した場合、セイバークラスの前衛が二人ほどいれば大魔術でダメージを与えることができるが、それも二、三回が限度。
 葛木と戦った場合にはまあ惚れた方の負けということでキャスターが自滅する。真面目に戦闘した場合にはまず戦いにならない。なぜならキャスターは戦闘が始まれば圧倒的火力で敵を葬り、葛木は気付かれる前に即死させるため、初撃を取ったほうが問答無用で勝つという前提戦だから。
 シエルと戦った場合には当然、現代ではいるはずのない神代の魔女であるキャスターが勝つ。キャスターは人間が相手なら第五次聖杯戦争のサーヴァント中で最悪にして最大の成果をあげる。だが、シエルが魔術協会から降霊魔術の最奥を入手してきて第七聖典で打ち込む、などした場合には話が変わってくる。
 第三次聖杯戦争の再現たる四日間ではその日常が何であるか気づいていたが、聖杯に興味を示さず葛木との新婚生活を謳歌していた。四日間の中では葛木宗一郎とは書類上において結婚しているが、挙式はしていない。戸籍は管理者の遠坂凛に大金を積んで用意してもらった。またhollow ataraxiaで着ている私服のデニムのボレロジャケットは葛木宗一郎の古着を見つけて勝手に作り直したものだが、葛木は気付いていない。また柳洞寺の玄関や葛木の部屋=キャスターの部屋にはいくつもの箪笥と一升瓶で作られたボトルシップなどが置いてある。ボトルシップの材料はヴェルデで購入したもので、酒瓶は柳洞寺で消費したものを流用している。
 unlimited codesでは葛木がギルガメッシュに殺され、その蘇生のため聖杯を求める。最後に残ったバーサーカーに挑むも、それまでに倒れたサーヴァントの魂の大半は間桐桜の方に奪われていたため、イリヤスフィールは大聖杯どころか単なる願望機である小聖杯として機能するかどうかさえ怪しかった。事実バーサーカーの魂を注いでもぎりぎりで聖杯として機能するところまでいかず、自身の魂を捧げて小聖杯を完成させ、葛木を蘇生させる。
 アニメ版において士郎、凛、セイバーの三人を冬木大橋に誘い込んだが、これはもとより橋が現世と幽世を隔てる場所であり、しかも未遠川は第四次聖杯戦争で異界の邪神が召喚されたことで汚染されていたため、位相をずらすことで三人を招き入れた。
 ゴスロリ趣味だが、自分が着ても似合わないために可愛い女の子が大好き。姦計と裁縫、模型作りなどが得意。寡黙で誠実な人と可愛らしい服と少女が好きで、筋肉ダルマが苦手。バーサーカーが天敵。
 宝具は『破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)』。
 素顔を見せるのは信頼に足る相手だけ、つまり葛木宗一郎だけ。

 クラス別能力は以下のとおり。
 陣地作成:A…工房を上回る『神殿』を形成することが可能。
 道具作成:A…魔力を帯びた器具を作成できる。擬似的ながらも不死の薬さえ作り上げられる。
 保有スキルは以下のとおり。
 高速神言:A…大魔術であろうとも一工程(シングルアクション)で起動させられる。
 金羊の皮:EX…とっても高価。竜を召喚できるとされているが、キャスターには竜召喚能力がないので使用不可。


キャスター(人名・クラス/サーヴァント:Zero)
 身長196cm。体重70kg。
 第四次聖杯戦争におけるサーヴァント。雨生龍之介と契約した。真名はジャンヌ・ダルクとともに戦ったジル・ド・レェ元帥で、龍之介には青髭と名乗る。宝具は『螺湮城教本(プレラーティーズ・スペルブック)』。召喚場所は冬木市内の住宅街にある家のリビングルーム。
 イベント立案とプロデュースが得意。ボーイッシュな少女とフェミニンな少年が好きで政治と財政管理が苦手。ディルムッド・オディナとランスロットが天敵。本来騎士であるため、体格はいい。
 正真正銘の嗜虐の英霊。本来はキャスターに適応する英霊ではなく、それどころか性質から言えばむしろ怨霊といった方が相応しい。ジャンヌ・ダルクの復活を祈願し、セイバーに彼女の面影を見た。黙っていれば亡者のような風貌だが、笑うと途端に邪気のない聖者のように清らかな表情になる。
 召喚魔術師であるため彼自身が魔術を行使するのではなく、それ自体が術を行使できる螺湮城教本を使役しているに過ぎない。いわゆる正当な魔術師でないため陣地作成スキルをもってしてもまともな工房は作れず、工房とした冬木市地下の未遠川に注ぐ下水道網の奥の貯水槽に怪魔を多数配置しておくだけだった。その工房には人間を材料にした工芸品が多数あった。特に身を隠すことはせず、ローブ姿で堂々と町を歩き回ったり暗示によって幼児を誘拐したりした。
 セイバーをジャンヌ・ダルクが復活したものと思い込み、そのつもりで彼女に接するが相手にされず、彼女が神に惑わされて己を見失っていると思い込む。そのため涜神のためにさらなる殺人を行うこととなった。またセイバーをジャンヌ・ダルクと思い込んだため、既に聖杯は自分の手中にあると言った。
 龍之介とともにあまりにもおおっぴらに誘拐、殺人を行ったために、監督役であった言峰璃正によって他のマスターに彼らの粛清が命じられた。
 未遠川に海魔を召喚して一体化し殺戮を繰り広げようとした。が、ライダーが王の軍勢によって足止めし、ランサー援護を得たセイバーの約束された勝利の剣によって焼き払われた。その光を見たとき、見失っていた、決して覆せないかつての栄光を取り戻した。なおほぼ同時にマスターの雨生龍之介も衛宮切嗣によって射殺された。
 生前は15世紀フランスの貴族で、フランス元帥としてジャンヌ・ダルクとともに百年戦争を終結させ、救国の英雄と讃えられた。だがジャンヌ・ダルクの死と時期を同じくして黒魔術の背徳と淫欲に耽溺、自領に戻ってからは近隣の少年を次々と拉致しては凌辱・惨殺するという所業を繰り返し、一転して『青髭』の異名で恐れられるようになる。
 だが当時の一般認識に照らせば貴族が平民の人権に理解を示すこと自体が稀で、領主が領民を家畜同然に扱うのは当然のことであった。たとえ領民を虐殺したところで犬猫の虐待とそう変わらない程度の非道と見做された。
 しかし彼の不幸は当時の彼の所領の総資産がブルターニュ公のそれを遥かに凌駕し、国王にすら脅威と見られるほどだったことである。加えて極度の浪費癖からジルの財政が完全に破綻しており、領土を敵国に売り渡す可能性すら危惧されていた。その結果、平素の悪行を領地を没収する口実として処刑された。
 ジルと魔術の接点は財政難を賄うための金策として始めた錬金術が迷走の末に悪魔召喚に至ったという経緯によるもの。ジル自身も儀式に参加はしたが、本当に魔術師と呼ぶべきは彼の友人であり導師であったフランソワ・プレラーティの方で、ジルはそのパトロンに過ぎない。
 雨生龍之介による似非儀式が召喚魔術として機能したのは事故も同然であり、その結果であるキャスター=ジル・ド・レェというサーヴァントはアサシン=佐々木小次郎と同程度のイレギュラーであった。
 マスターである雨生龍之介とは価値観が似通っているように見えるが、物事の捉え方やその深さが全く違う。しかしあまりに違うため、一周回って逆に気が合っていた。もしあと少し価値観が似通っていたらキャスターは龍之介を殺していただろう。

 クラス別能力は以下の通り。
 陣地作成:B…工房の形成が可能。
 道具作成:-…宝具による召喚能力を得た代償に道具作成スキルは失われている。
 保有スキルは以下の通り。
 精神汚染:A…精神が錯乱しているため、他の精神干渉系魔術を高確率でシャットアウトする。ただし同ランクの精神汚染がない人物とは意思疎通が成立しない。
 芸術審美:E-…芸術作品、美術品への執着心。芸能面における逸話を持つ宝具を目にした場合、ごく低い確率で真名を看破することができる。


キャスターに殺された少年(人名:Zero)
 第四次聖杯戦争におけるキャスターに殺害された少年。
 四人家族だったが、悪魔召喚を模した殺人がマイブームになっていた雨生龍之介によって自宅で三人の家族を殺され、少年自身はその悪魔に捧げる生贄として生かされていた。龍之介に魔術回路があったため図らずもキャスターが召喚され、戒めを解かれて解放されるが、自宅を出る直前にキャスターが召喚した怪魔によって惨殺された。
 アニメ版では遠坂凛のクラスメイトで、コトネに意地悪をしていたやんちゃ坊主だったことが明かされる。


キャスターのマスター(人名/魔術師:Fate)
 第五次聖杯戦争において魔術協会から派遣され、コルキスにあったメディアに縁のある文献を触媒にキャスターを召喚した男性魔術師。魔術師としての実力が遥かに上のキャスターに対する嫉妬から供給する魔力に制限をかけていた。
 キャスターの口車に乗せられて令呪を使い切り、キャスターに殺害された。
 アニメ版UBW以降はキャスターのマスターはアトラム・ガリアスタに変更されたため、以降の正史には存在しない。


キャスパリーグ(用語:GoA)
 マーリンの使い魔。マーリンがアルトリアの解放を見届けた後、幽閉された塔から外に出された。
 Fate/Grand Orderではフォウとなっているが、正史では人類悪の一つであるビーストIV、プライミッツ・マーダーとして成長しているらしい。おそらくマーリンがアルトリア・ペンドラゴンの死(第五次聖杯戦争ではなく、アーサー王の時代での死)を見届けて幽閉塔から外に出した後、アルトルージュ・ブリュンスタッドのもとでプライミッツ・マーダーとして成長していったものと思われる。あるいはソロモン王の死の頃から正史とFGOの世界が分岐している可能性も考えられる。


キャットモービル(用語:ネコアルク)
 ネコアルクの移動手段。タイヤで動いてハンドルで回る。人間社会の自動車がこれに対するオマージュというのは周知の事実。
 いろいろとマイナーチェンジするが、今は戦車のようなものがお気に入り。出力は一億猫力、燃料は木などの燃えるもの。外燃機関であるが、萌えを含んだものでないと動かない。ネコアルクは出動のたびに色々な萌え本を灰にして出撃する。涙なしには語れない。
 『いま一番レートの高い萌え動力はマイメロかにゃー』とは搭乗者の弁。


キャメロット(地名)
 アーサー王の居城。現代での所在地は不明だが、『破壊された城塞都市が聖剣の持ち主が帰還したことで神秘性を取り戻し、白亜の城キャメロットとして生まれ変わった』旨の記述があるため、ロンディニウムにあったと思われる。
 キャメロットの建設・修繕の八割は妖精たちが担っており、一緒に働いていた人間の職人も彼らが人間に化けた土妖精であると見抜いて気付かぬふりをしていた。
 モードレッドの反逆により陥落した。


キャラクターグッズ専科・アニメンバーなんば店(用語:Zero)
 第四次聖杯戦争におけるライダーがTシャツを通販した店。月刊ワールドミリタリーに広告を出していた。


ギャラハッド(人名:GoA)
 円卓の騎士の一人。完璧な騎士と呼ばれた。聖杯を手に入れるが、無欲さからそれを天に返し自らも昇天した。


ギャラハッド(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 武:10または9、防:5。


キャレコM950(用語/武装:Zero)
 アメリカ・キャレコ(キャリコ)社製の短機関銃。基本形のほか、バンタムモデルとコンバットモデルのバリエーションがある。使用弾薬は9mmパラベラム。発射速度は毎分700発。発射形式はセミ/オート。
 弾倉はヘリカルマガジンと呼ばれる特殊なもので、弾倉内に弾薬を螺旋状に収めることで装弾数が多いのが特徴。作中では50発弾倉を用いたが、いずれのモデルも50発弾倉と100発弾倉の両方を使用できる(50発弾倉を用いたことから基本モデルあるいはバンタムモデルと思われる)。
 基本モデルは本体重量1.02kg、50発弾倉時重量1.25kg、100発弾倉時重量1.59kg、50発弾倉時全長356mm、100発弾倉時全長483mm。
 バンタムモデルは短縮版で、本体重量0.9kg、50発弾倉時重量1.13kg(かなり扱いにくくなるため、100発弾倉はほとんど用いられない)。
 コンバットモデルは本体重量1.13kg、100発弾倉時重量1.7kg。100発弾倉が標準で付属し、サウンドサプレッサーが装備されてレーザーサイトとフォアグリップを取り付けることができる。
 第四次聖杯戦争において衛宮切嗣と久宇舞弥がサイドアームとして使用した。
 大容量を誇るヘリカルマガジンだが、これが無駄に重く、撃っているうちに重心が変わってしまうために普通のサブマシンガンに30連弾倉を2本携帯したほうが実用的と思われる。だが、言峰綺礼との戦闘において牽制に使った際、普通のサブマシンガンならば3秒しか足止めできなかったところを5秒も稼げたことはヘリカルマガジンの面目躍如である。


球技大会(用語:氷室の天地)
 穂群原学園の行事。開催時期は一学期。
 なお衛宮士郎らが一年生のときの種目は野球、サッカー、蹴鞠というもので、二年生のときの種目はセパタクロー、ペタンク、チュックボール。三枝由紀香がペタンクで優勝した。
 種目は生徒会による抽選で決定されていたが、柳洞一成が生徒会長になってからは抽選は廃止されたようだ。


吸血鬼(用語)
 人の血を吸うモノの総称。真祖、死徒ないし死徒によって吸血種となったモノを指す。基本的に不老であり不死であるが、肉体の維持に人間の血が必要。
 死徒は自らの肉体維持のためにヒトの血を搾取するが、この過程で彼らの血を獲物である人間に送り込むとその人間は死にきれずに残ってしまう。常人ならばやがて死に至るが、肉体的・霊的ポテンシャルが優れた者は現世に留まれる。
 その後遺体として埋葬されてから数年経ち、脳髄が溶けて魂が肉体という檻から解放され、初めて食屍鬼(グール)として活動できる。食屍鬼が他の遺体を喰らい、欠けた肉体を補って、数年かけて幽体としての脳を形成して生きる死体(リビングデッド)となる。そして生きる死体が人間であった頃の記憶と知能を取り戻して吸血鬼となる。
 吸血鬼に成った者は自分の意思で活動できるが、親である吸血鬼が血を送り込むことで自身の一部として認識しているためその支配・使役から逃れられない。ただし自由意志もあるので何十年と闇の生活に慣れた後、親の吸血鬼に従いながら自分だけの下僕を作るために人間を襲い、血を送る。子や死者が吸った血はそのほとんどが親である吸血鬼に流れてゆく。
 このほぼ無限の循環を阻止するため、教会には死徒を殲滅する異端狩り・埋葬機関が存在する。
 吸血鬼は同じ部類でありながらそれぞれが異なる生命種のようなものであるため、人間で言うところの仲間意識は希薄。
 人間が吸血鬼になると美形になる。らしい。


吸血鬼シオン(人名/死徒・錬金術師)
 完全に反転、吸血鬼化したシオン・エルトナム・アトラシアのこと。ワラキアの後継者としてタタリを行うようになる、統計と乱数の支配者。その為すでにシオンは存在せず、開き直ってタタリの継承を目指す。
 シオンとしての特性は影をひそめ、ワラキアと同じく情報を用いた攻撃を得意とする。ゲーム中ではかろうじて人間としての理性が勝っていたが、エンディングでは完全に吸血・破壊をよしとする吸血鬼となってしまう。
 タタリが搾取暴飲してきた数々の被害者(情報)を受け継いでいるが、分解・整理していない情報があるらしい。それはいずれ吐き出すものと思われる。
 リーズバイフェはタタリに飲み込まれたのでタタリと化したシオンの中に捕らわれており、ラストアーク・ブラッドバイブルでタタリとしてリーズバイフェの情報を再現する。
 オシリスの砂を倒した後は新しいタタリ、賢者の石を以って世界を永遠の悪夢に閉じ込める黒い大地そのものとなることを目指す。


吸血鬼殲滅砲(武装:げっちゃ2)
 遠野家屋上に取り付けられている。さつきルートの鍵を握るらしい。丘の上から弓塚さつきを狙い撃つ。


吸血種(用語)
 同じ生物の血を吸うモノたちの総称。死徒・真祖もこれに分類される。吸血鬼とほぼ同義。中には亜種としてアインナッシュのような特例も誕生する。多くの吸血種は日の光に弱いが、中には日中しか活動できないまれな吸血種も存在する。
 吸血行為をするモノは世界中におり、その性質はそれぞれ微妙に異なることからこの呼称ができた。そういった意味では蚊や遠野秋葉、ライダーもこれに属す。よって、教会の敵は吸血鬼(死徒、真祖)であり、そのほかの吸血種は相手にしない。


吸血衝動(用語)
 真祖、死徒が持つ行動原理。
 真祖にとって吸血行為は娯楽であり、それを求める吸血衝動は病のようなもの。
 死徒にとって吸血行為とは肉体の維持に不可欠な行為であり、それを求める吸血衝動は生存手段である。
 人間から死徒になったものは、それが人間における愛情表現に近いのだと論じている。


吸収(魔術)
 間桐に伝わる特性。この特性を用いた魔術は必ず成果が自身の肉体に返ってくるという特徴がある。
 吸収は他者を律する束縛、戒め、強制に通じる。


弓道部(組織)
 私立穂群原学園弓道部。
 美綴綾子、間桐桜、間桐信二らが在籍する。
 学生の部活にはもったいないほどの弓道場があり、近在の弓道家が借りに来ることもある。優秀な成績を残しているため、柳洞一成によって先代生徒会長の運動部優遇政策が撤回された後も予算の大幅増額が認められた。
 衛宮士郎らが2年生の時の文化祭の出し物はお好み焼き屋『お好み焼き与一』。


旧Fate(用語)
 現行のFate/stay nightの原作となった未完の小説。セイバーは男性で、そのマスターは沙条綾香という少女。
 原稿とキャラクター造形が変わっていないのはランサー、アサシン(佐々木小次郎)、キャスター、バーサーカー、アーチャー(ギルガメッシュ)、言峰綺礼、葛木宗一郎の七名(言峰と葛木は名前が違う可能性がある)。
 ランサーのマスターは沙条綾香のライバルであるルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトのようなお嬢様。ライダー(テセウス)のマスターは病院で不治の病に苦しんだ末に既に他界している女性。バーサーカーのマスターは倒した相手は即レイ×な外道牧師。
 なお言峰と葛木は互いに孤児院出身で旧知の間柄だった。


キュプリオトの剣(用語/武装:Zero)
 →スパタ


キュベレイ(技能)
 石化の魔眼。第五回聖杯戦争におけるライダーことメドゥーサの魔眼。
 その眼で視た者、その眼を見た者、視られた者を石に変える魔眼。石化の魔術ですら使える者は少ないというのに、それを一工程で行う神秘。現在の魔術師でこれを持つモノはいない。特例のなかでも最高位とされる。
 神代の魔獣、聖霊しか持ち得なかった英霊メドゥーサの象徴たる魔術宝具。水晶のような眼球に、四角い瞳孔。虹彩は凝固している。億にいたる網膜の細胞はその悉くが第六架空要素(エーテル)でできている。
 魔力がC以下ならば無条件で石化、Bでも判定次第では石化する。Aの者は石化できないが、全能力を1ランク下げる『重圧』をかけられる。
 石化されるとライダーが目を閉じても治らない。が、ライダーが鏡を見て自己封印・暗黒神殿で魔力を封じると解除され、初期段階ならば人体の魔術抵抗でじきに回復する。ただしその場合、ライダーは魔力のみならず一時的にだが視力まで落ちる。


キュリア(人名)
 アトラス院の保管委員。


(用語・魔術)
 魔術師の属性の一つ。
 魔術においては『有り得るが物質界にないもの』と定義される。虚数、架空元素とも呼ばれる。


強化(魔術)
 初歩にして極めるのは至難とされる魔術。
 存在意義を強化するもので、基本的なところでは材質の向上や脆い部分の補強などを行う。より高度になると凡作を秀作にするといった存在の階梯の向上ができるようになる。具体的には刃物なら切れ味、食材なら栄養度、メイドなら萌え度が増す、といったもの。曖昧なモノを曖昧に強化することはできない。
 自分の肉体に魔力を通して一時的に五感や身体機能を強化するのは血液に魔力を混ぜる程度のニュアンスであり、初歩の初歩とされるほど簡単。しかし生物には自分の魔力を通しにくいため、他人を強化することは最高難易度といわれている。また器物に魔力を通すことは難しいので、魔力を通して強化するよりも魔術で外面に一枚装甲を被せる方が簡単で早く、強い。
 一定以上の技量を備えた魔術師ならば自分の肉体の強化(強化されるのは主に筋力や敏捷性。感覚器官ならばそれが鋭敏になる)は簡単にできるが、魔術を使いながら身体を動かす事になるため持久力はむしろ下がる場合が多い。ただしいとも簡単に強化を行えるような逸材であれば持久力も高まったという例もある。
 魔力を通して対象の存在を高める全ての魔術の基本だが、その自由度の高さからか明確な実行形式が決まっておらず、オールマイティーな強化使いは少ない。
 これは既に完成したものに手を加えることと同じであり、失敗すると魔力は対象にとって毒となる。成功させるには内部構造を把握し、あいている部分に魔力をこめる。
 衛宮士郎はこれを応用して木の枝から弓を作る、破れたサッカーボールを修復するなど、物体の形を変えることができる。


狂化(技能)
 バーサーカーのクラス別技能。理性と引き換えにパラメータをランクアップさせる。
 B:パラメータをランクアップさせるが、理性の大半を奪われる。
 C:幸運と魔力を除いたパラメーターをランクアップさせるが、言語能力を失い複雑な思考ができなくなる。


教会(組織)
 聖堂教会のこと。“普遍的な”意味を持つキリスト教会の中の『異端狩り』が特化して巨大な部門、組織になったもの。単に『教会』とも。世界最大の組織であり、人間を外れた者たちの最大の敵。厳格ではあるが非道ではなく、悪魔祓いには拒否権がある。
 神の教えを説く彼らは、その教義に反したモノたちを認めていない。教義にない“異端”という存在を表向きでは無いものとして扱うが、中には熱狂的に排斥しようとする者達がいた。ただし魔は彼らの神と表裏一体であるために認めている。
 代行者と呼ばれる悪魔退治を擁し、すべての異端を消し去り、人の手に余る神秘を正しく管理するためだけに機能する。奇跡は選ばれた聖人のみが学ぶものという彼らは、魔術が公になった場合それを正義のもとに処罰し、魔術師の研究成果をも焼却するというスタンスをとり、当然のことながら魔術を隠匿する魔術協会とは折り合いが悪く、いままで幾度となく刃を交えてきた。
 現在は魔術協会との間で協定が結ばれ、仮初めの平穏を謳っているが、記録に残さないことを前提に現在でも殺し合いをしている。もっとも、彼らにとって最大の敵は吸血種であり、魔術協会とは時に協力もする。
 様々な管轄に分かれており、聖遺物の管理・回収を任とする第八秘蹟会、卓越した戦闘者である代行者、各教会が保有する騎士団、聖堂教会本部が隠し持つ埋葬機関などがある。


境界記録帯(用語)
 ゴーストライナー。
 英霊の写し身であるサーヴァントのこと。幽霊に似たものと言えなくもないが、位置付けは段違いで使い魔としては最強とされる。


協会の三大原則(用語)
 魔術協会(時計塔)における原則。絶対の原則とされているが、不文律である。
 そのうちの一つは『汝、隠匿すべし』。


強化ニンニク・ヨヒンビン・マカ DX(用語:hollow)
 ライダーが衛宮士郎にプレゼントした栄養剤、というか精力剤。毒々しいラベルが印象的。
 ちなみにヨヒンビンとは西アフリカ産アカネソウ科の植物ヨヒンベの皮に含まれるアルカロイドで、血管を拡張させ性欲中枢の反射興奮性を亢進させるもの。マカは『天然のバイアグラ』の異名を持つペルー原産のアブラナ科の植物で、標高4000メートル以上、年間平均気温7度以下という過酷な環境下で栽培される。
 士郎の精力(血?)をつまみ食いした詫びという意味ではバッチリ。


共感(技能)
 他者と同一化する能力。感応と違い、対象からのフィードバックがある。


共感知覚(魔術:Zero)
 魔力の経路(パス)が繋がった契約者に対して感覚器の知覚を共有する魔術。
 遠隔地にいながらにして自らの五感で知覚できるという極めて有用な魔術だが、共有の対象である契約者の同意がなければ使用できない。また共有は双方向ではないと思われる。
 言峰綺礼は遠坂時臣にこれを伝授され、隠密に長けたアサシンの感覚を共有して偵察を行った。なお、ギルガメッシュは自らの知覚に他者が割り込むのを許さなかったので時臣はギルガメッシュの感覚を共有することはなかった。


教室(用語:事件簿)
 魔術協会における教室のこと。
 教室自体の利権はさして大きなものではないが、教室には霊地の管理権が付属しているので総合的には大きな利権となる。


強襲ヘリコプター(用語:魔法使いの夜)
 1989年秋にメイ・リデル・アーシェロットが久遠寺邸からの脱出のために呼びつけたヘリコプター。最新式の強襲ヘリの試作品で、父親に命じて軍基地からスタッフごと買い上げさせた。しかし久遠寺邸に接近したところで悪天候と落雷により墜落、炎上した。これが責任問題に発展し、墜落直後にはリデルの父の会社の本社ビル屋上から特殊部隊が突入し、リデルの父は拘束される。これはプロジェクトごと買い取らざるを得なくなってしまい、その金額はリデルの想定よりも桁が2つ多かった。
 なお強襲ヘリコプターというのはソヴィエト連邦やロシアにおける種別であり、簡単に言えば武装を施した輸送ヘリのこと。時代や機体の性格を考えれば、HH-60ブラックホーク系の武装を施した改良型であると思われる。


強制(魔術)
 ギアス。呪いとしては最上級であり、おいそれと人にかけられるモノではない。条件を破った場合には金縛りにあう程度で、命に関わる強制はできない。


共融(用語・能力)
 対象と命を共有すること。
 遠野秋葉は殺された志貴に自らの命を分け与え、遠野四季は処罰されたときに志貴の命を半ば奪い取ってかろうじて生存していた。
 遠野志貴はミハイル・ロア・バルダムヨォンのかすかに残った人格と共融している。


極死・七夜(用語)
 きょくし・ななや。七夜という一族の最秘奥。


巨人(用語)
 幻想種の一つ。妖精と違って物質的な軛から解脱できないため世界の裏側に移動する事ができず、地上に残るしかなかった。そのため人間と文明に駆逐されることを恐れていた。


虚数空間(用語/魔術:事件簿)
 無いが有るとされる空間。ある種の次元ポケットのようなもので、これに取り込まれた物は時間にも空間にもとらわれないようになる。


虚数線(用語:魔法使いの夜)
 詳細不明。
 電磁波のように観測に用いられるものと思われる。


巨大古代種(用語:魔法使いの夜)
 ムールクラーケ。
 北海に今なお生き続けるというもの。1987年ごろの旅で蒼崎橙子とルゥ・ベオウルフが出会った。


偽・螺旋剣(宝具)
 →カラドボルグU


斬り抉る戦神の剣(対人宝具:hollow)
 逆光剣フラガラック。バゼット・フラガ・マクレミッツの宝具。ケルトの光の神ルーが持つとされる短剣で、持ち主が手をかけるまでもなく鞘から放たれ、敵が抜刀する前に斬り伏せるといわれる。
 使用しないときは鉛色の石球の状態で、ひとつにつき一発限りの使い捨てである。使用時は皮手袋をはめ、使用後にはその手袋はほとんど消炭になってしまう。使用準備段階ではバゼットの背後に浮遊している。それが解放されると短剣のような刃が現れ、そこには切っ先のほうから順にアルギズ、ザガズ、ゲボのルーンが刻まれている。
 これは何千年もの時を乗り越えてきた数少ない宝具の現物。能力は単純な光弾だが、魔力充填だけでは発動せず、相手の切り札が発動しなければ目覚めないというカウンターに特化したもの。発動後は必ず相手より早くフラガラックを叩き込む。時を逆光する一撃であり、宝具の打ち合いであればまず負けることはない。
 この剣が真に斬り抉るものは敵の心臓ではなく、両者が相討つという運命。『後より出でて先に断つもの』という二つ名のとおり、因果を歪ませて自らの攻撃を先にしたものと書き換えてしまう。よっていかに威力があろうといかに速かろうと、これが放たれればあらゆる宝具をキャンセルできる、究極の迎撃礼装。しかしランサーの宝具である、すでに貫いているという事実を作ってから放つ『刺し穿つ死棘の槍』はキャンセルされることがない。
 重ねて言うが、これは『宝具』ではなく『切り札』に反応するものである。その条件を満たさずとも任意での使用はできるが、その場合には特殊効果は発動せず、単純にCないしDランクの宝具として扱われる。
 またこれを受けたセイバーの傷が点、ランサーの傷が線状にずたずたになっていたのは威力の違いではない。いわばレーザーであるフラガラックの軌道がずれないで通り抜けたか、通り抜ける途中で軌道がずれたかの違いである。
 フラガラックのもととなる球は鉱石にバゼットの血をたらし、秘密の技法で一ヶ月地下室に置いておくことで製作できる。作れる本数は一年に十本ほど。
 ちなみに。じゃんけんでもこの条件に該当し、後出ししても先出しになる。


霧島(人名:hollow)
 穂群原学園副生徒会長。衛宮士郎らの一年後輩で、柳洞一成の教え子のようなもの。女性。


気流制御(魔術:Zero)
 詳細不明だが、風を操るものだろう。さほど難しい術ではない。


ギルガメッシュ(人名/サーヴァント)
 身長182p。体重68s。
 第四次聖杯戦争でセイバーとともに最後まで残った言峰綺礼のサーヴァント。クラスはアーチャー。この世で初めて脱皮した蛇の抜け殻の化石を触媒として遠坂時臣に召喚され、契約した。
 お金持ちであることが特技。権力が好きで蛇が苦手。自分のことは好きであり苦手でもある。魂の色が黄金であることから、“黄金”と称される。なお魂の比重は数十万人に匹敵する。敵サーヴァントが有名であればあるほど、伝承を持てば持つほど有利になる『英霊殺し』。
 古代メソポタミアのウルクに君臨した人類最古の英雄王。この世の全てを所有したといい、彼が持つ財の総量は既に彼の認識を超えている。親友のエンキドゥが死んだことにショックを受けて不老不死を探求したが、折角手に入れた不老不死の薬を蛇に飲まれる。三分の二が神、三分の一が人間。千里眼を持っており、見ようと思えば様々な並行世界の可能性を観測する事が可能。英霊の知識や記憶は召喚される世界に合わせて英霊の座がアジャストしているため、千里眼で並行世界を観測しても記憶の混乱が起きることはない。
 ちなみに黄金の鎧とそのときの髪型はセイバーに会うために気合を入れているため。
 未だにこの世界の全てを所有していると思っているので非常に横暴。他者を『雑種』と呼び、ただ『多い』というだけで人間を殺す。殺す理由はそのほかに生の苦から救うためというのもある。人が人を殺せば罪に迷うため、自分以外の者が人を殺めることを良しとしない。
 これだけだと一見悪人のようだが実際は彼なりの美学があり、ヒーロータイプ。自分と権力が好きで自分と蛇が苦手。「慢心せずして何が王か」とは彼の言。だが第四次聖杯戦争当初は慢心こそあれ、油断は一切ないパーフェクト英雄王だった。所有物の所有権を自由に移すことができる。
 王らしく宴を好む。が、それは快楽を求めて集う人々の醜態を愉しむためであり、参加者たちがハイになって堕落した後は弛緩した彼らをニッコリ笑ってオーバーキルする。傲慢なる生を好む。彼にとって倣岸には二種類あり、一つは器が小さすぎる場合、一つは望みが大きすぎる場合で、彼は後者を好む。セイバーも後者に属する。
 造形ではなく人生に関する黄金率を持っており、一生金には困らない。
 宝具は『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』と『乖離剣・エア』。よくわからない宝具(?)『全く簡素な試練(ブルワーカー)』で体を鍛えるという。
 本来剣士ではなく、ゲート・オブ・バビロンで宝具の原型となった“武器”を展開し、弾丸とすることからアーチャーとなった。またその火力はサーヴァント五体分以上である。宝具の原形である武器を射出するという戦法に必要な魔力は王の財宝の起動に必要な分だけであるため、威力に対して極めて効率がいい。絶対の自信を持つがために敵前に平然と姿を晒すが、気分によっては敵の背後から武器を降り注いで殺すこともいとわない。
 クラス別能力として対魔力が付与されているが、ギルガメッシュ本人に対魔力の能力がないためランクは低い。特に言峰綺礼と契約している状態では言峰の魔力の低さも相まって最低ランクとなっている。しかし黄金の鎧に代表される数々の対魔術用防具を取り揃えているため、実際には殆どの魔術を無効化できる。儀式を必要とする大魔術の類まで無効化できるかは不明だが、そもそも儀式を行っている間に武器で串刺しにされるだろう。
 第四次聖杯戦争においてはアーチャーのクラスに据えられて単独行動のスキルを得たため、時臣の意向などお構いなしに終始経路を断って勝手気ままに冬木市を闊歩していた。また気位が高いため、時臣が共感知覚の魔術で感覚に割り込むのを拒否した。遠坂時臣と契約している最中でも冬木教会に、ひいては言峰綺礼の私室に入り浸っていた。よく綺礼と対話をして彼がその一般道徳から外れた娯楽を見定めるのに一役買い、時臣がアインツベルンと条件付の休戦協定を結んだ直後に綺礼と結託して時臣を裏切った。
 第四次聖杯戦争当時は宝とは即ち我のものである、という理論で聖杯は自分のものだとしていた。だが特に聖杯にかける願いがあるわけではなく、己の財を狙う賊に裁きを下す、つまり己が敷いた法のために聖杯戦争を戦っていた。彼が真面目に聖杯を求めていたならば第四次聖杯戦争は一夜で終結していただろうが、たかが願望機に本気になるなど大人気ないという油断慢心により勝利を逃すことになった。
 第四次聖杯戦争中にライダーの思いつきで開催されたアインツベルン城での三人の王の酒宴に、神代の美酒を振舞った。第四次聖杯戦争中にセイバーに恋をし、求婚したが拒絶される。
 初戦での因縁からバーサーカーの抹殺を公言していたが、その真名がランスロットであることを知ってからは『セイバーにぶつけるのも一興』と許容するようになる。
 冬木市民会館で聖杯に辿り着くセイバーの前に立ちはだかるが、聖杯の器が破壊されたことで不安定化した黒い太陽から漏れた泥を総身に浴び、泥に分解吸収された。しかしこの世全ての悪を以てしてもギルガメッシュを消化することは叶わず、泥が異物を結晶化させて破棄したために受肉して現世に帰還した。この時アンリマユへの吸収を脱しながらも、桜ルートで食われてしまったのは、前者が本体から切り離された泥であり、後者が本体に繋がったままの影であったことからくる威力の差である。黒化した桜に捕食された後は、ギルガメッシュは黒い泥を持ってしても操れず、そも黒に染まらないため即座に魔力に変換された。しかしギルガメッシュ自体が消化しにくい存在であるため、『この世全ての悪』は腹痛に苦しんだものと思われる。
 聖杯戦争終結後は言峰が孤児を使って魔力を補給していたので第五次聖杯戦争まで十年間ずっと現界している。だが聖杯の中身を浴びた時点で現世に受肉しているので、魔力の補給などは必要なかった。
 第四次聖杯戦争終結後はこの世界でトラブルを起こさないために、ある宝具(おそらく若返りの薬)を飲んで性格と容姿を変えていた。
 佐々木小次郎と戦った場合は力量の差から剣技での戦いはしないと思われる。仮に燕返しの間合いに入ったとしても、鎧で防ぐか王の財宝から対多重次元屈折防具などを取り出して防ぐ。
 第三次聖杯戦争の再現たる四日間やスターリット・マーマレードなどではランサーとともにカレン・オルテンシアと契約している。
 アーネンエルベでジャンプを読んでいることがある。またセイバーの写真集をアーネンエルベの店内で堂々と読む。子ギルの姿では、桂木千鍵はがさつだから好みではないと言い放った。幼少期は三枝由紀香に『保護すべき対象』として好意を寄せている。
 hollow ataraxiaで『今の状況は児戯に等しい。付き合っていられるか』と若返りの薬を飲んで幼年体になったのが金髪子供。マスターであるカレンに答えを教えてはならないと言われているため、士郎には謎めいたヒントを与える。どちらの姿でも子供好きで人気者。
 幼年体も当然本人であるが、青年体のギルガメッシュとはあまり接点はなく、他人のような感じらしい。幼年体は青年体とまるっきり逆の性格で、とにかく人懐こい、いい子。幼年体にとってこの世で一番理解できないのは成長した自分。であるが、やはり根本では同一人物である。子供たちのアイドル。セイバーはいまだ趣味ではなく、求愛対象ではない。幼年体での恋愛対象は三枝由紀香。
 幼年体では魔力がいまいち低いため大量の宝具を呼び出すことはできないが、その分うまく使いこなす。スキル・慢心がない。子ギルは最近は地味に花札も覚えたらしい。その名も王の凱旋(ロード・オブ・バビロン)。
 四日間の中で青年体のときに着ている腹丸出しの服は数少ない彼の正式な装束。一品モノであるので一つしかポーズが取れない。同じく青年体のときに使用する釣竿は試作段階で製造中止になった電動ガマ○ツ2006。取り巻きの子供にその父親からかっぱらわせたものである。
 unlimited codesでは偽りの聖杯の器となった間桐桜を殺し、セイバーを打倒して彼女に聖杯の中身の泥をかけて蹂躙した。
 狙われたアーネンエルベではカレン・オルテンシアによって子ギルの状態でメイド服を着せられてアーネンエノレベで接客をさせられていた。なおカレンによるルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトへの説明では名前は『子ギルきゅん』で、さる高貴な血筋の落胤であるため正体は明かせない、とされていた。後にアーネンエノレベに侵入したランサーをエルキドゥで捕獲。その後はアーネンエルベで騒ぎを起こして客を追い出せと命じられてアーネンエルベに入店するが、アーネンエルベを気に入ったうえ日比乃ひびきを口説きにかかる。その後はアーネンエルベの側に付くことに決め、ルヴィアゼリッタが来店した際に隠れてアーネンエノレベに戻り、エルキドゥを解除してランサーを解放した。カレンがジャイアントアンリでアーネンエルベを破壊しようとしたときはランサーとともに戦いを挑むがあっさり捕縛されるも、カレイドオレンジに救出されて戦列に復帰。

 クラス別能力は以下のとおり。
 対魔力:E…無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する。
 単独行動:A+…マスター不在でも行動できる。
 第四次聖杯戦争時のクラス別能力は以下のとおり。
 対魔力:C…二小節以下の詠唱による魔術を無効化する。大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。
 単独行動:A…マスター不在でも行動できる。ただし宝具の使用など膨大な魔力を必要とする場合はマスターのバックアップが必要。
 保有スキルは以下のとおり。
 黄金率:A…大富豪でもやっていける金ピカぶり。一生金には困らない。
 カリスマ:A+…ここまでくると人望ではなく魔力、呪いの類である。
 神性:B(A+)…最大の神霊適性を持つが、彼自身が神を嫌っているのでダウンしている。


ギルガメッシュ・ネイキッド(用語:hollow)
 「慢心せずして何が王か」と臆面もなく言い放つギルガメッシュが王の驕りを脱ぎ捨て、一生に一度の本気を出した状態。人類最古の大英霊。


キルシュタイン(人名/死徒)
 カリー・ド・マルシェが以前名乗っていた名前。空櫃。
 1999年にインドのカルカッタでシエルの初仕事として討伐されかけたが、最後の願いとしてシエルにカレーを食べさせた。そしてカレーに開眼したシエルに見逃される。


きれいな蒔寺(用語)
 ネコ二十七キャットの第六位。


緊急極秘通信用猫踏んじゃった式圧縮言語(用語)
 ネコアルクが用いる、この世のものとは思えない不協和音にシックスセンスを覚醒させかねない中毒性を含む言語。


近所プリンセス(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが2年生のときの夏ごろに予約受付中だったゲーム。


金ぴかの携帯電話(用語:赤いケータイさん)
 赤いケータイさんの騒動が終わり、遠坂凛とアーチャーが店を出たあと出現した謎の金色の携帯電話。着信音は『黄金の王』。桂木千鍵は無視しようとしたが、日比乃ひびきが発見してしまった。


金羊の皮(宝具・技能)
 アルゴンコイン。コルキスの秘宝で、とても高価。
 これ自体にさしたる能力はないが、地に放ると竜が現れるという。もとは金羊の皮を守護していた竜が、いつしか金羊の皮に呼ばれるものに成り代わった。精霊が宿っている。
 第五回聖杯戦争におけるキャスターが所有するが、彼女には竜召喚技能がないので使用不可。コルキスの竜はあまり強くないため、もしキャスターに竜召喚技能があっても中堅どまり。



  


クイックキラーサービス・森のくまさん(用語:魔法使いの夜)
 略して『QKS・森のくまさん』。まっどべあの出前サービスの名称。近場なら自転車で、遠距離は万能50ccキングサーモン号で配達する。


グィネヴィア(人名)
 →ギネヴィア


(用語・魔術)
 魔術師の属性(五大元素)の一つ。
 地水火風の四大元素の他に天体を構成する第五の元素として加わったもの。エーテルのこと。


グール(用語)
 食屍鬼、あるいは屍食鬼。
 吸血鬼に血を吸われ、かつその血を送り込まれた吸血鬼の適性がある者が遺体として埋葬されてから数年経ち、脳髄が溶けて魂が肉体という檻から解放されたモノ。自らの欠けた肉体を補うために他の遺体を喰らう。


空間遮断(魔術)
 魔法の域に達した結界。荒耶宗蓮は閉じられた輪(メビウス・リング)に両儀式を閉じこめたが、その『無限』を無限たらしめている『有限』を見つけ出されて脱出された。


空間転移(魔術)
 高次元を経由して一瞬のうちに移動する魔術。アーチャー曰く魔法の真似事らしい。純粋な空間転移は魔法とされる。
 荒耶宗蓮は自らの体内と等しい小川マンションの中でのみ可能とする。


空想具現化(能力)
 マーブル・ファンタズム。自然(世界)の触覚である精霊・真祖が自己の意思と自然を直結し、確率に干渉して意図的に自分の思い通りに世界を改変する能力。
 術者が世界(自然)の一部であるため、自身の思い通りの世界を作り得るが、自然から独立したもの(たとえば人間)は操作できず、間接的に干渉するしかない。動物なら操作可能。また、精霊の規模により具現レベルには差がある。
 限定解除したアルクェイド・ブリュンスタッドなら山中に町を一つ出現させることも可能。だが、人の手が多く入ったところではまず壊してから創り上げるので時間がかかる。
 世界上にある別世界ではない異界や隠れ里、常春の国はその異界の主である精霊が描いた空想世界であるため、人間が迷い込むことが可能。千年城ブリュンスタッドは空想具現化の産物。
 死徒の中では唯一スミレが空想具現化を使える。


空想電脳(対人宝具:hollow)
 ザバーニーヤ。おそらく第三次聖杯戦争に参加したアサシンの宝具。脳を丸ごと火薬に変えて体を吹き飛ばすもので、第三次聖杯戦争の再現たる四日間の中でバゼット・フラガ・マクレミッツの頭を吹き飛ばした。頭を掴む左手が宝具であろうか。


久我峰(家名)
 遠野の分家の中でも最も格式が高く、分家でありながら本家を上回る財力を持ち、遠野グループの1/3は久我峰の息がかかっている。ゆえに遠野家もぞんざいには扱えない。
 異能としての血は薄い。男は肥満体質だが、女性はそれはまあ美人だとか。


久遠寺(家名:魔法使いの夜)
 魔術師の家系だが、久遠寺の父系はもともと魔術師の家系ではなく、魔術師の血を持っていたのは久遠寺有珠の母である。
 一般にもかなりの富豪として知られている。一族は揃って富豪で、久遠寺財閥や久遠寺グループという財団の体を為しており、コングロマリットとまではいかないものの輸出業ではかなりの成果を上げている。もともと国外を拠点にしており、先代会長の英国贔屓が祟って一時期は沈みかけていたが、魔法使いの夜の当時(1988年)の5年ほど前に本拠地を日本に移した。静希草十郎がアルバイトをしていた喫茶店は当時すでに全国チェーンになっていたが、もとは久遠寺グループが国外から導入したブランドである。私立三咲高等学校の建て直しに当たってはその費用の半分を負担した。
 資産家である久遠寺の長男は留学先で一人の魔女と出会い、彼女を愛した。彼女もその求愛を戸惑いながらも受け入れていたが、同時に恐れもあった。どんなに祝福されようとも生まれてくる娘は魔女であるからである。彼女がそうであったように、魔女の子供は例外なく一族の血と歴史を受け継ぐ宿命を持っている。
 魔女にとって父となる男性は情を移してはならないものであり、互いを愛すれば愛するほど結末は不幸になる。それを承知の上で久遠寺の長男は彼女を娶り、日本に戻って幸せな家系を築いた。だが有珠の出産後に母は役目を終えたように死去。父は周囲の反対に耐えながら娘を深く愛し、数年後に他界。一人になった有珠は両親と暮らした洋館だけを相続し、母と同じように魔女として生きる道を選んだ。
 蒼崎とは母親が日本に帰化する際に関係を持った。有珠と蒼崎橙子は十年以上の付き合いだが、青子とはまだ一年だけの共同生活に過ぎない。


久遠寺有珠(人名/魔術師:魔法使いの夜)
 9月30日生まれ。身長152cm、体重42kg。魔法使いの夜の当時(1988年)は17歳。
 英国出身。礼園女学園の二年生。マインスターの魔女。有珠という名は母親が「不思議の国のアリス」に因んで付けた。本気でワールドメイキングが可能な領域にいる。人間的にも性能的にも達観者なので一番強いが、在り方としては一番弱い。
 蒼崎青子の友人にして共犯者、魔術における先生にして相棒。この関係は有珠の側からも同じようなもの。本来の関係は家柄によるものであるが、味方というよりは敵に近い。基本的に人間嫌いで、青子とは立場上仕方なく関わりを持ったに過ぎないが、いつの間にか青子の唯一の友人になっていた。蒼崎橙子とは十年以上の付き合いだが、青子とはまだ一年だけの共同生活に過ぎない。有珠にとって橙子はよき理解者、青子は友人といったところ。どちらとも仲がよいが、蒼崎姉妹の殺し合いのような姉妹喧嘩を止める気はないようだ。
 運動能力は極めて低く、水泳は犬かきしかできず、鉄棒はできず、自転車に乗れない。そのため体育の授業は見学している。ただ、単純に走るだけなら多少はできるらしい。魚と寒さが苦手。入浴時間は短く、10分ほどあれば足りる。静かに暮らすことを望んでおり、久遠寺家が富豪であることは禁句。登校しない時も制服で過ごすことが多い。寝室ではなく、どこかで寝込むことがよくある。屋敷の中ではどんなに寒くても平気だが屋敷の外ではかなりの寒がりで、外出時には手袋を二枚重ねで着用するなど防寒は徹底している。
 飾り気のない人と魔術的な小道具が好きで敬いのない人が嫌い。行儀よく見えるが、面倒になったら放り出す短絡思考でもあり、怒り心頭に発すると笑顔になる。冷静に見えるが、少女的空想力はかなり高く、蒼崎青子以上に激情家で頑固な面がある。特に使い魔への扱いには厳しく、悪意のないミスで壊した場合は一週間程度の無言の抗議で済むが、悪意を持って破壊したのならどうあろうと報復する。自分の物に対する執着が非常に強い。ゾウガメが好きで、チュラーミニ水族館にゾウガメがいないことに憤った。自邸に他人が入ることを嫌っており、自分の父さえ滅多に入れることはない。
 人間的な感情が乏しく、魔術師としての生き方を絶対としている。日常生活はあくまで『正体を隠して魔術を行う』のが魔女としてのあり方だから続けているに過ぎない。古より伝わりし魔女としての教えと誇りが彼女にとっての絶対不可侵のルールであるため人間らしさを臭わせる道徳や感情は不要としている。しかしその時代の社会にそれなりに適応するのが魔女のスタンスと教えられているので、歳相応に学校に通っていた。何かを話そうとして途中でそれが意味のないことだと気付くと口を閉ざすのだが、時折その自制が間に合わずに少しだけ声を漏らすことがある。
 食事に関する執着はなく、自分が当番の時はパンとジャムとサラダとハムだけといった相当な手抜きをする。ただし祝い事の時や他の人に触発された時は高級な食材を惜しみなく使って腕によりをかけて調理をする。おでんでもフォークで食べる。紅茶が好きでかなり気を使っており、久遠寺邸には様々なリーフが揃えられている。静希草十郎が紅茶用のカップにほうじ茶を淹れたことに怒って久遠寺邸では日本茶を禁止にした。彼女にとって菓子は即ち果物のことであり、パイやチョコレートといった加工品は食べず、辛うじてスコーンを食べる程度。学生時代の生活費は振り込み人不明の五万円を毎月受け取っていた。
 有力者の娘ということで、槻司鳶丸や土桔由里彦とは知り合い。土桔老人とはペンフレンドでもあり、青子とともに言葉巧みに所有しているアンティークを譲り受けている。
 現代に隠れ住む魔術師。魔女。永遠の令嬢。孤独で束縛され、頑なに誇りを守る、時代に取り残された少女。歳を取ることができない。割と病んデレで自傷系。とある事情から故郷イギリスを離れ、日本の地方都市に住み着いた。生まれる前から魔女であることを義務付けられていたため、16歳にして魔術師として完成している。童話をモチーフにした呪術、薬学を得意とするワンダーランド系の魔女。蒼崎青子と同じ現代の魔術師に見えるが、実際は真逆の位置付けの存在。信じたことはひたすら胸に秘める浪漫主義者。街に棲む魔術師として青子とともに外敵を撃退するが、極力父の形見である久遠寺の別荘に執着して閉じこもり、あまり外に出たがらない。
 プロイキッシャーと総称される破格の使い魔を使役する。魔術系統はユミナ。魔術回路の質はA+、量はA++、編成は異質。魔術の詠唱はマザーグース。魔術師としての実力は極めて高く、戦闘向きの魔術師ではないが、1988年当時の蒼崎青子ではほぼ勝ち目は皆無。常に纏っている障壁は青子の二工程の魔弾を瞬き一つせずに霧散させる強度を持つ。しかしながら純粋な魔力勝負ならば青子が勝つと認めている。典型的な人形師で、戦闘は全て使い魔に行わせ、フォークなどの食器を放って攻撃する。着用するコートには守りの呪文が編み込まれている。左目は魔眼であり、スクリプス・ハンプティというプロイキッシャーとして扱われる。
 魔術回路の規模は青子よりも大きい。魔術刻印は骨格、血管、内臓にまで刻まれており、致命的な外傷を負っても速やかに復元される。しかしその量はあまりにも多く、蒼崎橙子をして惨いとまで言わせるほど。魔弾などという原始的な魔術は習得していない。左目が魅了の魔眼で、発動させると瞳が赤くなる。この魅了は運動ではなく行動を禁じる。少なくとも学生時代は魔術協会との繋がりはあるがフリーの魔術師だった。
 暇があればプロイキッシャーを作っている。有珠の魔術はマザーグースにちなんだメルヘンチックなものだが、この方面の童話の怪物は何とか魔術に落とし込める範囲のためさほど怖くはない。しかしマザーグースを下敷きにした創作童話系の童話の怪物は尋常ではなく、魔術師も音を上げる。童話の怪物は全てが空想で作られた神秘であるため、意味が分かっていない、通常の物理法則とは折り合いが悪い、という理由で銃撃などの攻撃は効果がない。
 なお使用するプロイキッシャーの名前は幼い頃に仲良くなったメイ・リデル・アーシェロットが付けたもので、リデルと仲良くなるまでプロイキッシャーを番号で呼んでいた。この番号は特定のプロイキッシャーに固定の番号を振るのではなく、強い順や思い入れがある順に振っていたのでその日によって順番は変わる。この頃は一番は必ずディドルディドルで、テムズトロルは三番か四番であることが多かった。
 冬木中央公園一帯に結界を敷設しており、その感覚を肉体的なそれとして認識できる。この結界の感覚は他者に譲ることもできる。
 青子と人形の戦闘を目撃された翌日、収納の小瓶を青子に譲った。その更に翌日、目撃者を絞り込むため私立三咲高等学校を訪れた。青子が草十郎を殺そうとした夜は、二人が人形を撃破した後にキッツィーランドに到着し、草十郎を殺すことをやめた青子に圧力をかけて殺させようとし、青子がどうあっても草十郎を殺さないと知ると自ら手を下そうとした。しかし有珠が草十郎に放ったフォークは青子に破壊され、その結果有珠と青子は戦うことになる。その際には月の油を使い、放棄されたキッツィーランドに光を灯しおとぎの世界に変貌させた。さらにスクラッチ・ダンプティを放った。
 この戦いをゲームとして捉えており、月の油の正体に気付かれたら負けというルールを課していた。しかし月の油はその命令に従わなかった。月の油との戦いの際に草十郎がスクラッチ・ダンプティに向けて跳躍したのを見て衝撃を受け、感動した。
 月の油を撃破した後、気を失って収納の小瓶で久遠寺邸に運ばれた草十郎が丸二日後の昼に目を覚ます時に付き添っていた。その際に草十郎の首の包帯を解いてその下の傷を見た。草十郎が眠っている間に青子と話し合って草十郎の扱いについては本人が決めるまで保留にすると合意しているが、草十郎が目を覚ました時は短剣を携えており、青子が学校を早退して来なければどうしていたかは不明。なおガンドとスクラッチ・ダンプティの呪いは青子と協力して解呪している。
 青子と有珠が合意した『保留』という草十郎の扱いは、草十郎の生殺与奪権を青子と有珠が握ったうえで青子が忘却のルーンを習得するまで久遠寺邸で同居・監視下に置くというものだったが、有珠はこんなややこしいことはせずに五感全部を壊してしまえと主張していた。この同居における草十郎の自由に関する匙加減は有珠に任されている。同居を始めるに当たり、収納の小瓶にいきなり閉じ込めるという方法で魔術を見せつけ、意思確認をした。もっとも、同居を認めはしたが実力で草十郎を排除することを諦めてはおらず、しょっちゅう草十郎の食事に薬物を混入していた。また服用をやめると死亡する毒薬を草十郎に飲ませることは譲らなかった。しかし反対にロスト・ロビン・ロンドに草十郎が屋敷内で危険なことに近付いたら助けるように命じてもいる。
 少しずつ草十郎に興味を持ち始め、何かあると草十郎をじっくり観察するようになる。三咲高校の12月の期末試験二日目にロビーの暖炉の傍で眠っているところを草十郎に見られ、寝顔を見られたこととその際に淹れられた紅茶の葉を草十郎が使いこなせなかったことに怒りを覚える。しかしその翌日も、今度は意図して暖炉の傍で眠っていた。二日目は目を覚まさなかったが、三日目は目を覚まし、ようやく草十郎は有珠と会話することができた。
 この頃は『草十郎自身のことは分からないから信頼してはいないが、青子が草十郎を信じるなら青子に免じて信じてもいい』と自分の感情に折り合いをつけていた。
 12月22日に草十郎に青子と二人でチュラーミニ水族館に行くよう仕向けられたときは素直にそれに従い、楽しんだ。それだけに帰りの地下鉄駅で人形に襲撃された時の機嫌は悪く、戦おうとした青子を制して自ら濃霧の怪物を使って人形を破壊した。
 12月24日には社木の支点を守りに森林公園に赴き、そこで橙子と戦闘になる。橙子の積重魔眼に囚われるがロスト・ロビン・ロンドの身代わりで窮地を脱し、橋の巨人を出現させて橙子を打倒したが、ルゥ・ベオウルフにより簡単に返り討ちにされ、致命傷を負う。傷自体は夥しく刻まれた魔術刻印によって復元され始めるのだが、橙子に魔力を流せば体内で暴発するナナカマドの毒を飲まされ、無数の野犬が集まった公園に放置された。そのため、近くにあった公衆電話から久遠寺邸に助けを求める電話をかけたのだが、青子がまだ帰っておらず、できるだけ巻き込みたくない草十郎が出たため、助けを求めずに電話を切った。しかしその後の橙子からの電話で有珠の状況を知った草十郎に助けられ、背負われて久遠寺邸に帰る。その直後、青子からの敗北を報せる電話を受け、少しだけ逡巡したものの草十郎とともに青子を助けに合田教会に向かった。
 橙子との再戦の際の戦術は有珠がルゥ=ベオウルフを引き付け、その間に鏡のバックアップを受けた青子が橙子を奇襲する算段だった。しかし橙子が先に姿を現したため、有珠は既に起動していた午睡の鏡で青子を援護し、青子が正面から四小節の魔弾を撃った。しかしそれを凌がれたため、再再戦のため逃走したのだが、あらかじめ森に潜んでいたルゥによって重傷を受ける。青子が魔法を使った頃には動けるまでに回復しており、青子に頼まれた草十郎の足止めのために魔法の概要を説明した。しかし結局草十郎は二人の戦いの場に向かってしまい、もとより足止めは無駄だと思っていたため追うことはしなかった。
 忘却のルーンが記載された魔導書を所有しており、草十郎との共同生活中に実際に読んでいたのだが、後にそれを本棚の上に隠している。
 1989年3月に草十郎が青子の恋愛と初恋の相手を調べていた際にはシックス・スィング・チョコレイトでそれを監視し、草十郎に凄まじいほどの棒読みで『青子の初恋の相手は青子の兄弟子で家庭教師』という情報を与えた。しかし生徒会書記から連絡を受けた青子が合田教会に向かったことは意図的に伏せていた。
 1989年秋の土桔由里彦の誕生会でスイーツハーツが発動した際には電灯が消えた隙にペンギンの着ぐるみを着てリデルを笑わせて殺害した。


久遠寺有珠の父(魔術師:魔法使いの夜)
 久遠寺の長男。魔術師ではないが、留学先で出会った魔女である久遠寺有珠の母を愛した。有珠が生まれて数年後に死亡した。


久遠寺有珠の母(魔術師:魔法使いの夜)
 1988年の時点で既に故人。
 マインスターの魔女。ルイス・キャロルやマザーグースを下敷きにした創作童話系が好きだった。そのため先代から伝わったプロイキッシャーを童話をモチーフにチューンナップした。
 禁を犯して子を宿した時は即座に「名前はアリスにしましょう!」とほほ笑んだ。有珠を生んで間もなく死亡した。


久遠寺グループ(組織:魔法使いの夜)
 →久遠寺


久遠寺財閥(組織:魔法使いの夜)
 →久遠寺


久遠寺邸(地名:魔法使いの夜)
 久遠寺有珠、蒼崎青子、静希草十郎が暮らす屋敷。三咲市に張られた結界により、三咲市全域の大源の終点がこの久遠寺邸になるよう調整されている。
 三咲市三咲町白犬塚の丘の上に建っており、三咲の『高い所に居を構えるのは良くない』という風習のため周囲に住宅はなく森に囲まれている。森の入り口から洋館の門までは徒歩で15分ほどもかかる。その立地や廃墟のように見えることから幽霊屋敷として知られており、様々な怪談が囁かれている。礼園女学院までは徒歩とバスを使って20分ほど。
 イギリスから移築した三階建ての洋館で、もとは有珠の父の形見である久遠寺の別荘。南に面して建てられている。普通の住宅が三軒は入りそうな本館とそれを囲む庭と鉄柵、高台の別館がある。本館は大まかに西館と東館に分けられ、西館は有珠の領域で、裏庭に出る通路や厨房、食堂、遊戯室など、大抵の施設は東側にある。階段は屋敷中央の吹き抜けになったロビーにあり、浴室は階段の裏にある。地下室も存在する。暖房設備が貧弱なため冬季の寒さはかなりのもの。一階の廊下には窓がない。
 二階まで吹き抜けになったエントランスロビーは電灯を可能な限り排しており、灯りは天窓から差し込む自然光のみ。電話もここに設置されているが、変な囁き声が聞こえるので真っ当でいたいなら使わないほうがいい。暖炉があるが、有珠も青子も手入れの仕方を知らず、長らく使われていない。ロビーの階段は二階ホールまでで、草十郎にあてがわれた三階(屋根裏部屋)に上るには一度二階ホールの裏側に回る必要がある。なお屋根裏部屋には電気が通じていない。ロビーには四つのドアがある。そのうち玄関から向って東側の扉が居間や厨房、サンルームなどに、西側の扉が左翼(西棟)に、南側の扉が玄関、北側の暖炉の横の扉が浴室に通じている。
 エントランスロビーの東隣に居間がある。豪奢な居間には30インチのテレビとビデオデッキが置かれているが、これは青子が下宿する際に持ち込んだもので、有珠はテレビの持ち込みを嫌がった。台所は居間の隣にあり、直接行き来できる。居間の隣、館の東側にサンルームがあり、庭園を見渡せる。このサンルームが食卓の代わりに使われている。中庭を一望できるサンルームはチッペンデール式とジョージアン式を融合させた見事なもので、天気のいい日は食堂としても使われる。
 東館2階の突き当たりが青子の部屋で、一室は蒼崎の実家から運び込んだ家具を置いた部屋、もう一室がこれからの自分のための書斎。書斎には蒼崎家から持ち込んだ入門書が運び込まれており、それらは月曜から土曜と六つの棚に振り分けられている。静希草十郎が介抱された客室も東棟にある。
 別館は有珠が母から受け継いだ書物を収めた図書室になっているが、そこは有珠でさえお手上げの魔窟で青子さえ立ち入りを躊躇する。館内に漂う霧や、増減するドア、サンルームに向かっては消える鳥の羽音など不思議な現象が多く発生する。開けたとたん絵本の世界に閉じ込められる部屋があるらしい。そのほかにも有珠や青子でさえ手を出せない開かずの間がいくつもある。
 久遠寺邸での青子と有珠の食事は当番制ではなく、気が向いた方がなんとなく二人分を用意するというものだった。出前については最低二品からのため、片方が先に済ませてしまうと必然的にもう片方は食事抜きになる。そのため片方が外食をした場合はもう片方のためにお土産を買ってくるという暗黙のルールがある。また草十郎が同居を始めるまでは先月の小遣いの残りを食費として瓶に入れるという非常に杜撰な金銭管理をしていたため、青子と有珠は月末には決まって餓えていた。
 草十郎は同居が決まった後、青子に家賃を払っていたが、後にこの家賃は有珠が6、青子が4の割合で分けられることになる。


久我峰斗波(人名)
 くがみね となみ。久我峰の当主のエロオヤジ。お人形さん愛好家で、相手の尊厳をとことん屈服させて従順な下僕にしないと愛着をもてない。結果より過程を楽しむタイプ。盗撮癖があり、遠野家に滞在していたときは翡翠を困らせてばかりいた。遠野志貴には好感を持っているようで、志貴も無碍には扱えない。
 温厚そうな小太りの中年男性だが、本性はドス黒く陰湿で野心家というとんでもない男。変態。適度な小物。盗撮マニアで女体(女の子、ではない)大好き。本当は秋葉より翡翠のほうがタイプで、遠野の屋敷に逗留していた理由の大部分が翡翠めあてだった。
 遠野槙久が勝手に決めた遠野秋葉の婚約者だったが、秋葉が当主になると婚約は解消された。


クキール・キーマタタール(仮名)(人名)
 メシアンのシェフ。必殺のインド古武術の威力はムトゥ500人分。


葛木宗一郎(人名)
 身長180p。体重70s。出身国不明。
 私立穂群原学園2年A組の担任教師。担当は現代社会と倫理。生徒会顧問。無口で厳格、社会の規律が人のカタチになったかのような人物。余計なことは言わず、悟りきった聖人のような男。凄まじい拳法の使い手だが、それは独学のもの。過去に殺人を犯している。七夜のような集団の一員だった。魔術師ではないが、消えかけていたキャスターを助けて契約する。
 二年前に冬木市にやってきて柳洞寺の住職に気に入られ、住職の厚意で柳洞寺に住んでいる。なお柳洞寺山門にいる佐々木小次郎は普段霊体になっているため、葛木は存在を知らない。
 融通の利かない性格で、一つ誤字があっただけで試験を中止するほど。藤村大河の茶飲み仲間だが、お茶をしている間に一言も喋らなかった。彼の味噌汁は昆布出汁の白味噌であるらしい。
 彼の技は『蛇』と呼ばれる。彼はそれを二千万円と二十年の時間をかけて完成させられた、たった一度の要人暗殺のための道具。それをこなしたあと、命じられた自決をすることなく暗殺のために与えられた教職という地位を利用し、普通の生活を始めた。教員生活はそれ以来五年続いた。暗殺のための訓練により『感動する心』が死んでいるため、周りの人々からは強い人だと思われている。
 人並みの感情を亡くした彼だが、冬木市に来てからは慎ましくも正月は祝っていた。それが真似事でも、カタチから入る事で生まれるものがあると思ったからである。
 大聖杯に選ばれた魔術師ではないので無論のことだが、令呪はない。hollow ataraxiaにつながるルートでは攻めてきたギルガメッシュに佐々木小次郎とともに倒され、絶命する。セイバールートでも同様と思われる。
 彼は卓越した拳法の技量を持つが、本来は奇襲必殺の暗殺者であるため『蛇』が通用するのは初見の相手に対してのみ。
 原作では拳にのみ強化がかけられていたが、アニメ版では全身に強化がかけられており、そもそもの身体能力が常人離れしていたためあまりの強さにキャスター自身が驚愕した。なお、『他者封印・鮮血神殿』の中でも行動できたのはこの強化のお蔭である。
 キャスターと戦った場合にはまあ惚れた方の負けということでキャスターが自滅する。真面目に戦闘した場合にはまず戦いにならない。なぜなら葛木は気付かれる前に即死させ、キャスターは戦闘が始まれば圧倒的火力で敵を葬るという、初撃を取ったほうが問答無用で勝つという前提戦だから。
 バゼット・フラガ・マクレミッツと戦った場合には、初戦こそ葛木がやや有利だが、二戦目にはバゼットがほぼ完勝。これは葛木が奇襲必殺の暗殺者であるのに対しバゼットは人間が考え鍛え上げた格闘技のエキスパートであるためで、才能重視のサーヴァントよりも早く蛇に対応できる可能性があるからである。ただし、バゼットが葛木は一般人だからと甘く見てしまいあっさり倒されてしまう可能性もある。なお初戦であっても一戦のみ、かつ闇討ちという条件ならば葛木が強い。
 hollow ataraxiaでは、彼の部屋=キャスターの部屋にはいくつもの箪笥と一升瓶で作られたボトルシップなどが置いてある。キャスターとは書類上は結婚しているが、挙式はしていない。
 なお彼が属していた組織を七夜のような集団と書いたが、七夜のように血族ではなく、また殺害対象は混血ではなく人間、しかも要人である。彼らを用いるのは数少ない特権者。
 人里離れた森で生産される暗殺の道具は生まれてから完成するまで十メートル四方の森から出ることなく、ただひとつの技能を磨き続ける。とはいえ、いずれ来る機会のため人間としての知識も学習させられる。
 生産する側の者たちの住居は廟と表現され、そこには命に背いた者が生きたまま解体される、生産者に恥をかかせた者が脳を動物に移植される、子供の肉詰め水槽があるとされるが、葛木がそこに行ったときには一点の染みもない白いところだった。しかしそのような残忍な行為は確かに行われていた。
 彼らが武器を用いず徒手空拳の技を使うのは、暗殺対象である要人に接近しやすくするためである。またそのために暗殺決行時に怪しまれないだけの強固な社会的地位が用意される。そして鍛え上げられた技能を以て生涯最初で最後の暗殺を成し遂げた後は命じられたままに自決することを命じられている。


(用語)
 衛宮士郎が子供時代に衛宮切嗣に与えられ、朝に飲んでいた薬。
 切嗣が魔術で作った物で、苦くザラザラしている。士郎に対しては助けるために使った魔術が強力すぎたため、この薬で調整する必要があるとしていたが、実際には『全て遠き理想郷』を移植しただけであることとその後の切嗣の言葉から、おそらくは惨劇の記憶を薄れさせるための薬と思われる。中学校に入学するまでには不要になるはずだった。


口裂け男(用語:魔法使いの夜)
 帰らずの森にいた人形。耳と口、脳がなく、監視の役割を負っているだけだが、実力は一人前の魔術師に匹敵する。両手は鋏で心は小鬼。視覚は赤外線と虚数線で観測できるが、切り替え式であり同時に赤外線と虚数線を観測することはできない。
 大きく裂けた口のように見える部位は実際には大きな単眼で、心筋梗塞を起こさせる魔眼になっている。両腕を切り離すことができる。走行に特化した場合、脚が鳥のそれのように変形し、最高時速70キロメートルで走ることができる。
 二体あったが、ともに久遠寺有珠に破壊された。


屈折延命(能力)
 不死系の特殊能力を無効化する神性スキル。ハルペーの最大の特質。


工藤(人名:hollow)
 穂群原学園の三年生(衛宮士郎らと同級)で弓道部員。


クヌート・クリスマスツリー投げ大会(用語:氷室の天地)
 ドイツのベルリンで行われる大会。使い終わったクリスマスツリーを投げるもの。


クネヒト・ループレヒト(用語:氷室の天地)
 ドイツにおける聖ニコラウスの同行者。12月6日の聖ニコラウスの日に聖ニコラウスとともに現れ、悪い子を懲らしめる。


首輪(用語:魔法使いの夜)
 静希草十郎が身に着けている白い首輪。
 それまで草十郎が服用していた錠剤の代わりとして贈られたもの。緊箍児と同様の効果があり、要するに魔術についての秘密を口外したり青子に逆らったりすると首が締まるというもの。


窪田(人名:hollow)
 穂群原学園陸上部の槍投げの選手。


熊本代表(用語/組織:氷室の天地)
 陸上競技の大会の熊本県代表。野性味あふれるパワーが持ち味というイメージ。


久万梨金鹿(人名:魔法使いの夜)
 くまり こじか。
 11月10日生まれ。身長149cm。体重40kg。
 魔法使いの夜当時の私立三咲高等学校2年D組の生徒で生徒会会計。槻司鳶丸に高校入学からずっと片思いをしている。隣家の木乃美芳助とは幼馴染。青子とは一年生からの友人。
 小柄で人形のような美少女。愛らしい容姿とは裏腹に大抵の物事には動じないクールな性格。かなりの毒舌家だが、面倒見はいい。同い年の男子の馬鹿さ加減にうんざりしているからか、男子への受け答えは辛辣。朴訥を絵に描いたような静希草十郎でさえ『善人すぎて胡散臭い』と評していた。普段の口調は素っ気ないが、本音が出ると乱暴な口調になる。
 知的な生活が好きで脳筋と家の手伝いが嫌い。小物集めが趣味で中華料理が得意。動物が嫌いだと言うが、動物に詳しい。お気に入りの×口兎のパスケースをお守りとして携帯しており、その中には3年生の時の学園祭でなぜか酔った青子がバニーガールの格好をしている写真が入っている。15分単位で仮眠することが得意。
 金鹿という名前は海賊マニアの父親がフランシス・ドレイクの乗艦『ゴールデン・ハインド(黄金の鹿)』号から取ったもの。このことで静希草十郎に『君はクマなのかシカなのか、どっちなんだ』と質問された際には『ペリカンよ』と答えている。というのも、『ゴールデン・ハインド』号の前の艦名が『ペリカン』号なのである。
 蒼崎青子とは高校生になってから知り合ったのだが、根本的なところで気が合うらしく仲の良い友人になっている。青子からはクマと呼ばれている。久遠寺有珠に見つめられると過去の失敗を責め立てられているような居心地の悪さを感じる。
 母親は既に死亡しているため、金鹿が兄たちの面倒を見ている。実家の中華料理店まっどべあを手伝いながら、親の反対に逆らって大学への進学費用を貯めるために家族には秘密でコンビニエンスストアでアルバイトをしている。午後11時にアルバイトから帰宅し、まっどべあの整理できていないレジスターを整理して会計帳簿をつけるのが日課になっている。父も兄たちも揃って脳筋のため、金鹿がいないとまっどべあは一か月で経済破綻してしまう。
 草十郎の最初のアルバイト先のコンビニエンスストアでの先輩で、草十郎がレジ打ちを間違い続けたことでコンビニは向いていないから辞めろと言った後、こっちの方が向いているとまっどべあを紹介した。
 カーモネーギー事件では青子に協力を頼まれて『ほんものの光』の被害者の調査と布団の現物の調達をした。
 3年生の秋には既に渠裸体育大学への推薦を取り付けていた。しかし本当に進学したいのは第二希望としていた都心の大学で、入試の費用と入学後の生活費を三年計画で貯めていた。しかし槻司の進学先が地元の大学という事を知ると、地元の渠裸体育大学に進学するか地元を離れて都心の大学に進学するかで迷うようになった。
 1989年秋に久遠寺邸で催された誕生会に出席する際には中華鍋と包丁、米、金豚チャーシューを持参した。
 実際に誕生会が行われるのは三連休の二日目だったが、招待状を出した静希が一日目と誤っていたため一日目に久遠寺邸を訪れ、その時にスイーツハーツを発動した。その後の騒動では推理によって自分こそがスイーツハーツであることを看破した。明け方には久万梨金鹿の人格である自分とスイーツハーツの人格である草十郎に化けていた方が出会い、スイーツハーツの人格がこのままクリアせずに勝者になれば思春期の曖昧な生活を続けるという願いが叶うと誘惑したが、既に思い人である槻司が死亡しているため誘惑に乗らず、ゲームをクリアした。目を覚ました直後は記憶が残っていたが、スイーツハーツが砕けるとともに関連した記憶が消失した。


久万梨金鹿の兄たち(人名:魔法使いの夜)
 4人いる。
 長兄は鞍馬、次兄は吊り輪、三兄は鉄棒を推している。揃いも揃って脳筋。長男が角刈り、次男が長髪、三男がニット帽を被っていて、四男が前髪がトサカ状。
 4人共かは不明だが、魔法使いの夜当時は渠裸体育大学に在学していて何度も留年しているらしい。


久万梨金鹿の父(人名:魔法使いの夜)
 脳筋。本名不明。
 静希草十郎と木乃美が芳助アルバイトをする中華料理店の店長。木乃美家のお隣さん。口が悪く暴力的。
 海賊好きで、娘の『金鹿』という名前はフランシス・ドレイクの乗艦『ゴールデン・ハインド(黄金の鹿)』号から取った。
 金鹿は高校卒業後は家業を手伝わせるつもりだったが、息子たちの説得もあり渠裸体育大学へならという条件で進学を認めた。


久米原(人名:hollow)
 穂群原学園の三年生(衛宮士郎らと同級)で弓道部員。


クライネルス(家名/魔術師:事件簿)
 薬師の家系。イゼルマと長い交流を持っており、その為マイオ・ブリシサン・クライネルスが幼い頃には薬師と患者が触れ合う事が重要であると理解した。


クラウン(人名/魔術師:事件簿)
 ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトの第二従僕。身長2メートル近い巨漢で、髪形はモヒカン。エーデルフェルト家に代々仕える家の魔術師。
 ルヴィアゼリッタに従って剥離城アドラを訪れる。ルヴィアゼリッタが剥離城アドラの工房としての機能を奪おうとして失敗した際に魔術刻印を停止させる衝撃波を受け、アッシュボーンの獣に襲われるが一命を取り留めた。


クラウン・ファンタズム(用語:魔法使いの夜)
 →至高の幻想


グラシュエート(家名/魔術師:事件簿)
 獣性魔術を伝える一族。
 後継者が人間性を失ってもお構いなしに魔術刻印を継承させることで魔術を継承させている。


クラス(用語)
 役割。
 聖杯戦争のサーヴァントの分類のこと。7騎のサーヴァントそれぞれが異なるクラスに該当するため、必然的にクラスも以下の7つとなる。
 セイバー(剣の騎士)
 ランサー(槍の騎士)
 アーチャー(弓の騎士)
 ライダー(騎乗兵)
 キャスター(魔術師)
 アサシン(暗殺者)
 バーサーカー(狂戦士)
 この中で特にセイバー、ランサー、アーチャーの三騎士は魔法が数多く跋扈していた神代の英霊が多く、その対魔力は現代の魔術師では傷一つ負わせられないほど。
 7つのクラスの中でセイバーが最もバランスがよく最優といわれる。基本的にクラスは上記のものだが、場合によっては変動する。絶対枠として固定されているのはセイバー、ランサー、アーチャーの三騎のみであり、他のクラスはマスターが特殊な場合などに変動する。ただし一度の聖杯戦争で同じクラスの重複召喚は不可能。第三次聖杯戦争ではアインツベルンによりアヴェンジャー(復讐者)のサーヴァントが召喚された。


グラストンベリー(地名)
 アーサー王の墓所とされる場所の一つ。アーサー王(アルトリア・ペンドラゴン)がここに葬られているわけではなく、あるのは目印だけ。
 アニメ版UBWの後、衛宮士郎はここを気に入ってたびたび訪れている。


クラス別能力(用語)
 英霊自身が持つ能力の他に、それぞれのクラスに応じてサーヴァントに付与される能力。ただしクラス別能力も英霊本体の影響を受けるため、英霊がその能力を得意としている場合はランクが上昇し、逆に不得意な場合は低下する。ライダーのサーヴァントが持つ騎乗スキルがおおむね最大ランクなのはこのためである。
 以下に基本的な七騎のサーヴァントのクラス別能力及びそれを保有するクラスを列記する。
 対魔力……セイバー、ランサー、アーチャー、ライダー
 騎乗……セイバー、ライダー
 単独行動……アーチャー
 陣地作成……キャスター
 道具作成……キャスター
 気配遮断……アサシン
 狂化……バーサーカー


グラニド・アッシュボーン(人名/魔術師:事件簿)
 ゲリュオン・アッシュボーンの息子。
 ゲリュオンはグラニドを魔術師としてではあるがとても可愛がっていた。
 母と同じ遺伝子に基づく病気によってアッシュボーンの領地から出る前に死亡した。彼の魔術刻印は剥離され、新たな魔術刻印の材料と混ぜ合わされて時任次郎坊清玄の身体に移殖された。これにより時任次郎坊清玄とグラニドの記憶と人格が混ざり合ってしまった。
 ゲリュオン・アッシュボーンの息子とされていたが、実際はゲリュオンの妻とオルロック・シザームンドの間にできた子供であった。


クラブサンド粗塩ライム風味(用語:AATM)
 アーネンエルベのメニューを翡翠がアレンジしたもの。これを食べた蒔寺楓が死にかけた。


クラフテッド・ツリー(魔術:事件簿)
 →絞首刑の雷


グラム(武装)
 魔剣・太陽剣グラム。“王を選定する岩に刺さった剣”カリバーンの原型である“支配を与える樹に刺された剣”。北欧最大の英雄シグルドが所持する栄光と破滅の剣。最強の聖剣に匹敵する最強の魔剣。竜殺しの特性を備えており、竜の化身たる騎士王の天敵といえる武器。
 ヴォルスング王の大樹に突き立てられていた剣をシグムンドが抜き、その後シグムンドの息子であるシグルドが父から受け継いだ剣の破片を打ち直して出来た。
 後に編纂された『ニーベルンゲンの指輪』ではシグルドはシグムンド、グラムはバルムンクと名を変えている。


グランスルグ・ブラックモア(人名/死徒・魔術師)
 Gransurg Black-more
 オーストリアに居を構える、死徒二十七祖の十六位。黒翼公。月飲み。鵬。本名不明。出身も名前も長い年月の末に破却した。グランスルグもブラックモアも、ともに彼の在り方から付けられた異名に過ぎない。魔術師が研究の果てに吸血種になったもので、魔術でもある固有結界ネバーモアを持つ。死徒サイドと魔術師サイドに理解のある吸血鬼。
 多くの眷属を有し、大掛かりな儀式には欠かさず足を運ぶ社交的な大吸血鬼。だが、どうにも他の祖たちからは疎遠に扱われている。というのも、ブラックモアに血を吸われた人間はみな鳥の頭と翼を持つキメラとなるからであり、彼自身も人としての体裁を保たない姿をしているからである。しかしブラックモアに言わせれば人の姿をしている時点で他の死徒たちこそ優雅さに欠ける。
 黒翼公という肩書きは現在の死徒の王たる白翼公トラフィム・オーテンロッゼと対比したもので、皮肉である。最初にして高貴たる白い翼の君とは似ても似つかぬ黒い羽の獣使い、というのが死徒世界におけるブラックモアの扱い。その反面、実力、歴史ともに白翼公に比肩する死徒であるため、面と向かって彼に皮肉を言えるのは二十七祖の上位くらいのもの。
 生前の彼は鳥を神聖視する魔術師だった。鳥のフォルム・内部構造を溺愛し、鳥こそこの星の王であると謳い、彼らのためにより住みやすい世界を作り上げようと生きていた。魔術世界において鳥は死後の魂を運ぶものとして扱われており、鳥を己の魔術基盤におくグランスルグは優れたソウルキャリアーだった。しかしその偏執が朱い月に見初められたのか、戯れに戦いを挑まれ、敗北。魔術も並、保有する血にも目を引く要因がなかったためあっさり殺されるはずだったのだが、最後の最後である偶然に助けられた。その偶然をよしとした朱い月はグランスルグを見逃し、血袋としては用を成さないが、以後は自分付きの魔術師として生きよと命じた。
 人間としては破綻しているものの礼節を重んじていたグランスルグは心身ともに朱い月に忠誠を誓い、自らの手で死徒化の道を歩む。やがて吸血鬼となった彼は『主に仕えるのでしたら、それに相応しい姿になりましょう』と自らの姿を鳥に変貌させていった。
 朱い月に仕えていた頃の彼は死徒というよりも使い魔で、よく朱い月のために働いたという。彼は二十七祖たちが真祖たちから離反した後も朱い月に仕えていたが、朱い月がキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグによって霧散したあとは死徒として自立した。当時の16位のその居城に堂々と攻め入り、この一族を壊滅して以後はブラックモアと名乗るようになる。朱い月存命時から二十七の一つと認められていたため、他の祖もこの襲名を認めてブラックモアはようやくその本来の能力に相応しいタイトルに落ち着くこととなった。
 この襲撃の際に使われた固有結界がネバーモア。宙を覆う死羽の天幕、月も星も飲み込む絶対無明の死の世界である。
 “―――気をつけたまえ。
  我が夜に舞う鳥たちは、死者にのみ厳しいぞ――“
 こう宣言し、ブラックモアは一つの祖とその派閥を壊滅させた。一切の流血はなく、城壁も庭園も、カーテンすら傷つけることなく百を超える吸血鬼たちを皆殺しにしたのである。
 あまりにハタ迷惑なため既に教会に封印されている。現在の姿は全長数キロに及ぶ巨大なカラス。
 死徒でありながら死徒にのみ強力な能力を有する。狂言回し的なトリックスター。the dark six(あるいは月姫2)においては祖としての誇りよりも朱い月の威厳を守る為に参戦する。また実力は化物ぞろいの月姫2でもトップクラスに位置する。
 メレム・ソロモンはブラックモアを朱い月に忠誠を誓う者同士生涯の友とまで思っているが、ブラックモアからすればメレムの恋慕を交えた忠誠というのは我慢がならないものである。それでもメレムと争わなかったのは彼が闘争を起こすのは主の教えを忘れた死徒を正すときか、主の願いに沿うときだけだから。


グランド(用語)
 冠位。王冠とも。魔術協会における階位で、最上位にあたる。


グランドオーダー(用語/魔術:2015年の時計塔)
 →冠位指定


栗枝クララ(人名:スターリット・マーマレード)
 加々美崎高校1年4組。
 桂木千鍵と日比乃ひびきのクラスメイト。16歳。制服はオーソドックスなもので、常盤緑のリボンを着けている。クラス内で一番背が低く、それを気にしている。絵が上手。中学は黛まゆ子と同じ。成績は悪い。
 常に不気味でだらしない笑みを浮かべており、何を考えているかわかりにくい。歯に衣着せず喋るので相手の精神にダメージを与えることがよくある。動物は愛でるのも食べるのも好きで、週末は猫カフェをはしごすることも。しかし動物に怯えられるたちなので、触るどころか近づかれもしない。教科書類はちゃんと学校に持っていくが、一度も開いたことはない。
 入学直後の部活勧誘の際に眼鏡が壊れて困っていたまゆ子を千鍵が助けたことで千鍵に興味を持ち、千鍵とひびきを部活勧誘の生徒たちから匿った際に名字の発音がよくわからないふりをして折りたたんだ同好会申請書に名前を書かせた。後にひびきと千鍵を勧誘しようと殺到する生徒たちの前でそれを広げて見せて二人を助けた。ただしその帰り道に千鍵が『仕方なく入部した事にしたが、仲良く部活をする気はない』と言ったため、その同好会申請書を破った。しかし以後も何かにつけて二人を同好会に勧誘し続けている。
 スターリット・マーマレードでは黛まゆ子、ひびき、千鍵と一緒にスイートフォートレスのケーキバイキングに出掛けた。そこでは大量に料理を取ってきたり、千鍵に飲み物を含ませたうえで変な顔をして吹き出させたりとやりたい放題だった。
 アーネンエルベへの初入店は廃校舎の事件の2か月後で、須方スナオ、黛まゆ子、ハリエット・フリーゼと一緒だった。その際にアーネンエルベを大いに気に入り、日参してもいいとまで言っている。この時は千鍵とひびきはアルバイトをしていることを知られたくないばかりにガスマスクと兎の着ぐるみを着て接客していたが、少なくともクララは見破っていた。
 アーネンエルベの海の家に訪れた際に着ていた水着は背中が大きく開いたワンピース。DJCDアーネンエルベの放課後Vol.2のジャケットでは水着は不明だがその上に紫のパーカーを着用していた。


栗木拓次(人名:氷室の天地)
 衛宮士郎らが2年生のころの3年B組の生徒。
 体育祭ではパン食い競争と将棋ボクシングに出場し、将棋ボクシングでは当時2年生だった氷室鐘と対戦するはずだったが、パン食い競争でのホットドッグの食べ過ぎで倒れたため不戦敗。


クリシュナ(人名:事件簿)
 現代魔術科の寮の管理人。グレイとは単なる入居者と寮監以上に親しいようで、靴を手入れする刷毛の使い古しをグレイに譲ったり、冬には手袋を与えたりしている。


クリス(人名:Zero)
 グレン・マッケンジーとマーサ・マッケンジーの子。オーストラリア出身。
 父グレンの日本赴任当時には小学生で、グレン夫妻とともに日本に移住する。日本暮らしにもそれなりに馴染んでいたが、自らのルーツへの愛着から自分の子供はオーストラリアで教育したいと望んでいた。結局子供が生まれて間もなくクリス一家はトロントに再移住。両親との交流も次第に疎遠になり、今ではほとんど音信不通も同然となっている。


グリムイーター(用語:魔法使いの夜)
 詳細不明。久遠寺有珠の使い魔の一つか。


グレイ(人名:事件簿)
 ロード・エルメロイU世の内弟子。一人称は『拙』。属性は地。剥離城アドラの事件の時点(おそらく2003年9月)でロンドンに移住しておよそ二か月が経過している。
 アーサー王の墓所がある霊園(グラストンベリー、ブリタニー、コーンウォールではない)の墓守の一族の生まれ。アーサー王の遠縁の末裔らしく、容貌はアーサー王(アルトリア・ペンドラゴン)に生き写し。そのため、ロード・エルメロイU世は彼女の顔を見たがらない。
 彼女の一族が『最果てにて輝ける槍』を使える者を作り出そうとした成功作。『最果てにて輝ける槍』の使い手の人の部分を容姿から内臓まで精密に模倣して生み出されたが、当初はそれなりの素質を持っていただけの失敗作だった。しかし双貌塔イゼルマの事件の10年前(おそらく第四次聖杯戦争でアルトリア・ペンドラゴンが召喚された頃)に体つきや顔立ちまでが急速に変貌し、アルトリアそっくりになった。そのため、変貌した自分の顔はグレイにとって嫌いではないのだが恐怖の対象である。また変貌と併せてアッドの疑似人格が明確に呼び起された。
 肉体の強化と繊細な技術を融合させることにより戦闘用ホムンクルスなみの高度な戦闘能力を実現している。ただし彼女が最も得意とするところは対霊戦闘で、大英帝国でも特筆される霊園で歴代屈指とされるほどである。魔術師ではないため魔術刻印は持たないが、魔術刻印の調律師であるメルヴィン・ウェインズはグレイの右手に魔術刻印があるような旨の発言をしている。
 基本的にネガティブ思考で、物事を考えることをしたがらない。対霊体のプロフェッショナルであるが、傑出した素質を持つがゆえに霊という存在の本質を捉えすぎてしまう。そのため霊に対して強い恐怖を感じている。自殺については大地の下で安らかに眠れるなら良いが、死霊になってしまうのではないかと思うと怖くて踏み切れない。実体を持たない幽霊系を極度に恐れるが、実体があるグロテスクなものは平気。
 スヴィン・グラシュエートの過激で常軌を逸した愛情表現を、自分を嫌っているが故の攻撃行動だと解釈している。
 2003年9月頃、ロード・エルメロイU世に従って剥離城アドラを訪れる。四日目の朝にハイネ・イスタリの死体が発見された時は弔いの祈りを捧げた。グラニド・アッシュボーンとの戦いでアッドを解放し、『最果てにて輝ける槍(ロンゴミニアド)』を使用してグラニドとアッシュボーンの獣を打ち倒した。
 ライネス・エルメロイ・アーチゾルテが黄金姫・白銀姫のお披露目に招待された際にはボディガードとして同行する。アトラム・ガリアスタのイゼルマ襲撃の際に飛びだしたフラットを追って影の猫と戦い、フラットが本体の場所を見極めたことでこれを破壊する。しかし直後に蒼崎橙子と対峙して匣の中身を僅かに見せられ、霊感をジャックされて昏倒する。アトラムのもとに運ばれた時には意識が朦朧とした状態で『最果てにて輝ける槍』を発動しようとしたが、危ういところでライネスらが黄金姫を投影したことで停止する。
 ロード・エルメロイU世による一連の事件の解体の場でマイオ・ブリシサン・クライネルスの毒薬によって橙子が致命的な傷を負い、匣の魔物が出現した際にはマイオに自分を重ねたことで彼の死を見過ごす事が出来ず、魔物に戦いを挑む。その戦いではライネスによる月霊髄液の鎧を纏い、最終的にアッドの限定形態の一つ、破城槌で橙子の匣を魔物の中に叩き込んだ。
 おそらく双貌塔イゼルマの事件のあと、寮で掃除のアルバイトを斡旋してもらって働いている。
 2003年11月末頃の魔眼蒐集列車での魔眼オークションにカウレス・フォルヴェッジとともにロード・エルメロイU世に同伴して参加した。魔眼蒐集列車では他の乗客には見えなかった支配人代行の姿を度々目にしている。ヘファイスティオンが現れた際には強制の魔眼で操られて危うくロード・エルメロイU世を殺しかけるが、寸前で死神の鎌から体内に魔力を放出する事で魔眼の効果を洗い流して事無きを得る。魔眼蒐集列車がアインナッシュの仔の影響で停車を余儀なくされた際は歩いて霊脈を見つけ出して道標を打ち込む事を提案したカラボーに賛同し、カラボー、イヴェット・L・レーマン、メルヴィン・ウェインズとともにそれを実行した。道標の設置は成功するが、アインナッシュの仔の抵抗によって他の者とはぐれ、雪崩に巻き込まれて魔眼蒐集列車に戻る事が出来なかった。その後ヘファイスティオンに救われた際に、ヘファイスティオンの意識に感応して彼女が海を前にして亡きイスカンダルに呼びかけている光景を視た。アインナッシュの森から脱出した魔眼蒐集列車が停車している間に走って追い付き、動き出した列車に大盾を橇にして加速し、飛び乗った。
 ヘファイスティオンとの戦いでは魔力を食らう事で魔術の発動を阻止していたが、戦士としての技量で押され続けていた。しかしヘファイスティオンがカラボーを攻撃するために強制の魔眼を使用した際にロード・エルメロイU世がそれをナザール・ボンジュウで返し、その一瞬の隙に大鎌で重傷を負わせることに成功する。ヘファイスティオンが『魔天の車輪(ヘカティック・ホイール)』を使用した際にはカラボーの助言によって自分がどう在りたいかをはっきりと自覚して『最果てにて輝ける槍(ロンゴミニアド)』の封印を五つまで解放し、正面から撃ち勝った。


クレイグ(人名/魔術師:事件簿)
 全体基礎学部の教授。


クレイモア対人地雷(用語/武装:Zero)
 M18A1クレイモア。
 米軍が使用する指向性対人地雷の一つ。本体は湾曲した箱状で、地面に埋設することはなく、二対の二脚で立てたり木にくくりつけたりして使用する。
 幅約216mm、奥行き約35mm、高さ約83mm、重量約1.6kg、最大加害距離は約250m、有効加害距離は約50m、加害範囲は60°、最大仰角・俯角ともに18°。価格は一個250ドルといわれている。
 直径1.2mmの鉄球が約700個と炸薬代わりのC4、雷管が内蔵されており、起爆すると爆発により内部の鉄球が扇状の範囲に撒き散らされる。鉄球一発あたりの威力は約50〜60フットパウンドとされ、これは小銃弾(強力な空気銃)の威力に相当するため一発でも当たれば大きなダメージを与えられる。
 爆薬を使う性質上、後方180°半径16m圏内は立ち入り禁止とされ、加害範囲外半径100mも危険区域とされる。
 ワイヤトラップと連動してワイヤの引張力によって起爆するほか、リモコン操作による起爆も可能。ただしワイヤトラップによる起爆は接近する人員を無差別に殺傷できるため対人地雷禁止条約による規制対象となる。
 小型で軽量のため歩兵個人で携行でき、運搬にはこれが二つ入る専用のバッグを使用する。大規模部隊の侵攻や拠点防御等に絶大な威力を発揮する。
 衛宮切嗣がアインツベルン城においてケイネス・エルメロイ・アーチボルトの迎撃に使用した。


グレートキャッツビレッジ(地名)
 通称GCV。ネコたちの仮初めの楽園。不思議な不気味な猫の王国。この世のどこにでもあり、どこにもない地底王国。
 この世は偉大なネコが見ている夢であるという教えのもと、人間社会と寄り添って存在している。路地裏に入り口があり、メルヘンハートを持つダメ人間のみがその入り口を開くという。名所に地獄が腹がある。
 ネコアルクたちは悪の都パンゲアのモデルなのでは、と噂している。ある偉大な猫が見た夢なのでは、ともいわれる。メルティブラッドでは登場するたびにランクが下がっていくが、正式にはビレッジである。(キングダム→ビレッジ→コテージ→カンパニー)
 科学力は人類史でいうところの石器時代に相当する。
 AATMでアルクェイド・ブリュンスタッド、セイバー、両儀式、遠野秋葉らにより掃討された。MELTY BLOOD Actress Againでは有間都古一人によって壊滅している。


グレートキャッツホスピタル(組織:MBAACC)
 略称GCH。
 グレートキャッツビレッジの病院。


グレートキャッツポリス(組織:MBAACC)
 略称GCP。
 グレートキャッツビレッジの警察組織と思われる。
 メガヒスイによる殲滅作戦遂行中には駐禁で出払っていた他、逃げるネコたちの列整理と最後尾札の作成をしていた。


グレートスリー(用語/魔術:魔法使いの夜)
 三大のプロイキッシャーの事。
 久遠寺有珠の先祖である初代の魔女から伝わってきた三つの奇跡。初めの魔女が作ったとされる偉大な三品。
 橋の巨人テムズトロル、月の油フラットスナークと、薔薇の猟犬。


グレートビッグベン☆ロンドンスター(俗称)
 →ロード・エルメロイU世。
 このあだ名はフラット・エスカルドスが付けた。


グレートブリッジ(用語/魔術:魔法使いの夜)
 →テムズトロル


紅赤朱(用語)
 くれないせきしゅ。ヒトならざるものの血を引く者が血の力を最大に引き出した状態。決まって赤い蜃気楼のような靄に包まれ、ヒトに戻れなくなる。遠野家を首座とする一族以外では先祖還りという。
 混血として汚染度が高い遠野秋葉は紅赤朱になる可能性が高い。琥珀ルートで髪を真紅に染めているが、実は紅赤朱ではなく成りかけで、人の血と鬼の血をなんとかコントロールしている状態。元に戻ったわけではなく、なんとか人よりの自分に切り替えているだけである。
 ただし秋葉ルートでは知性を失い、遠野志貴の血を吸い続けている。
 当主は必ず紅赤朱になるといわれる軋間だが、現在の当主(というより唯一の生き残り)である紅摩はそれに近づいているだけでまだ紅赤朱になっていない。


グレン・マッケンジー(人名:Zero)
 マーサ・マッケンジーの夫。耳が遠い。
 第四次聖杯戦争当時72歳。オーストラリア出身。家の屋根の上で星を眺めるのが好き。
 若い頃、やり手の商社マンとして家族を連れて日本に赴任し、あまりにも冬木の風土を気に入ったために永住を決意。脱サラして貿易商を立ち上げる。経営手腕は堅実だったが、商売人として大成するには欲がなさすぎたため、以来40年大穴も当てず倒産もしなかった。老後の蓄えが出来た時点で会社を人手に譲り、現在は英会話学校の非常勤講師などをやりながら慎ましく安穏と暮らしている。
 赴任当時に小学生だった息子のクリスもそれなりに日本暮らしに馴染んではいたが、自らのルーツへの愛着を捨てられず、自分の子供はオーストラリアで教育したいと望んでいた。結局孫が生まれて間もなくクリス一家はトロントに再移住。グレン夫妻との交流も次第に疎遠になり、今ではほとんど音信不通も同然となっている。
 第四次聖杯戦争の際にウェイバー・ベルベットによりウェイバーが孫であるという暗示をかけられたが、そのお粗末な暗示を破り、第四次聖杯戦争の途中からウェイバーが本当の孫ではないと看破していた。しかしウェイバーとライダーの素性も目的も詮索することなく、ただもうしばらくそのままの関係を続けて欲しいと望んだ。


黒い影(用語)
 サーヴァントを殺すもの。聖杯の中身。“孔”からこちら側に漏れているもの。欠陥品の聖杯から漏れたモノ。外見は黒い泥のようなもの。
 また上記のものが間桐桜の無意識(イド)を借りて現界したもの。アンリ・マユ。自身を完成させるために糧となる人間の魂を喰らい続ける。間桐桜の影。
 聖杯の中身であるためにサーヴァントを食うので、サーヴァントは絶対にかなわない。また、正体は反英雄アンリ・マユであるために純正の英雄は触れられただけで正気を失う。反英雄はその影響が少ないものの、結局完全な反英雄ではないために魔力を奪われるなどの影響を受ける。
 通常攻撃は一切効かず、出会ったが最後、殺されるか勝手に消えるのを待つしかない。魔力を吸い続け、爆発的に広がる。それに触れると人間は肉体が消失する。
 第五次聖杯戦争後に崩壊した大聖杯の底に溜まっており、そこにはまるとエルキドゥをもってしても容易には脱出はできない。ギルガメッシュがはまったときの衛宮士郎の見立てでは、助けなければ一年間くらいは脱出できないとのこと。


黒い銃身(武装)
 ブラックバレル。『天寿』を表す概念武装。不死身のものに寿命の概念を叩き込み、不死性を失わせて倒す。
 どうやら二つ存在しているようで、シエルが持ち出したものは教会に保管されているほう、シオン・エルトナム・アトラシアが使用するバレルレプリカのオリジナルはアトラス院に展示されている。
 また月姫世界と共通点の見られるnotes.では封印区アトラシアでオリジナルとレプリカが発掘され、銃神はオリジナルを使用した。月姫世界と共通化は不明だが、notes.においては基本的に曲銃床を用いるライフル型をしており、各種オプションを換装することで狙撃銃としても使用可能になる。


黒い大地(用語:MBAA)
 ワラキアの夜を倒すために真祖が呼び寄せた、この星の未来。錬金術の始まりにして終着。
 オシリスの砂が演算し、運び込んだ。


黒衣希望(人名:スターリット・マーマレード)
 くろい のぞみ。
 加々美崎高校の保険医。28歳。学生時代の運動着はブルマだった。眼鏡をかけている。何か裏があるようで何もない駄目な大人。酒好き。保険医としての能力には期待できないが、年上の余裕からか生徒たちの良き相談相手となっている。
 スターリット・マーマレードでは日比乃ひびきと桂木千鍵が第三資料室から深海魚が泳ぐ不思議な部屋に迷い込んだ際に二人と出会った。黒衣は先にそこに閉じ込められており、出口がその部屋の星空のような天井だと知っていたが、肉体労働はガラではないとして自力での脱出を諦めていた。しかしながら、ひびきと千鍵が本を積み上げてそこから脱出しようとした際にはそれに協力した。なお千鍵らが脱出を試みると起こった扉の変化について、それを予想していた。その際の服装はワイシャツにベスト、ミニ丈のタイトスカートにストッキングという出で立ちで眼鏡はかけておらず、髪型はポニーテールに結っており前髪がやや長かった。
 ひびちかタイムの初登場時に須方スナオが保健室に隠していたタバスコのガロン瓶で頭を強打して記憶を失っている。後に自然に記憶が戻ったが、まだ戻っていないと誤解したスナオに頭をハンマーで殴られて再び記憶を失った。なおその記憶喪失は度の強い酒を吹き付けて外傷を消毒することや、最初に記憶を失う前日に徹夜で飲酒していたこと、性教育についてなどは覚えている。
 保健室に寝泊まりしてその一角にテレビやゲーム機、ネコアルクのポスターなどの私物を持ち込んで占有しており、ベッドを一床自分専用にしている。
 アーネンエルベの海の家に訪れた際は居合わせたスナオとともに手伝いに入った。この時に着ていたのは黒地にストライプが入ったビキニと白衣。二度目に訪れた際に着ていたのは黒のビキニと白衣。


玄木坂(地名)
 くろきざか。
 冬木市の新都の地名で、蝉菜マンションがある場所。


グロック拳銃(用語/武装:Zero)
 オーストリアのグロック社製自動式拳銃のこと。久宇舞弥が使用した。作中では『グロッグ』と表記されるが、綴りは『Glock』であるため『グロック』のほうが正しい。
 強化プラスチックを多用しており、軽量。そのため極端な気温下でも握れないほど冷却したり過熱したりすることはなく、膨張や収縮も少ない。なにより安価である。
 この拳銃は撃鉄と撃針が一体となったストライカー方式で、外部に露出する撃鉄は存在しない。
 通常の拳銃のようなセイフティではなく、トリガーセイフティを採用している。これはトリガー前方にあるレバーを一緒に引かないとトリガーを引けない機構である。ほかにトリガーを引いたとき以外のファイアリングピンの開放を防ぐドロップセイフティ、ファイアリングピン(撃針)を常にロックして暴発を防ぐファイアリングピンセイフティを搭載しており、優れた安全設計で知られている。
 この安全装置によりシングルアクションなみの軽いトリガープルでダブルアクションオンリーを実現し、初弾と次弾の間のトリガーストロークに差がないことも命中精度の向上につながっている。また銃身が低くセットされていて全体のバランスがよいことも評価されている。
 安価で頑丈、しかも安全であるため、シリーズを合計すればアメリカ国内だけでも警察組織を中心に約4000機関が採用しており、約50ヶ国の軍に採用されている。日本でも海上保安庁SSTがサイドアームとして採用しているらしい。
 発売当初はプラスチックを多用していることからX線検査に写らないハイジャック犯の銃という誤解に基づいた報道がなされたが、プラスチックの部品は強度的に問題のない部分に使われているのみでバレルやスライド、そもそも弾薬自体が金属製であるのでちゃんと引っかかる。ただし銃の全体像がぼやけるのは事実であったため、後にフレームにX線造影剤を添加して全体がX線検査に写るようにした。
 同じグロックでも世代によりフレームが異なる。第一世代はグリップ全面梨地加工でチェッカーなし。第二世代はグリップ側面梨地加工で前後面チェッカー。第三世代はグリップ側面梨地加工で後面チェッカー、前面はフィンガーチャンネルつき、スライドトップ下にフィンガーレスト、アンダーマウントレールつき。
 ほとんどのモデルにマグナポート(スライドや銃身と一体化した(それらに穴を開けた)コンペンセイター)を装備したモデルが存在し、それらはナンバーのあとにCがつく。さらにマグナポートに加え、エクステンデットスライドトップ、エクステンデットマガジンリリースレバー、アジャスタブルサイト、ターゲットトリガーをつけたCCモデルも存在する。
 スタンダードモデルはG17、G20、G21、G22、G31、G37。コンパクトモデルはG19、G23、G25、G32、G38。サブコンパクトモデルはG26、G27、G28、G29、G30、G33、G39。
 2007年には第三世代の大口径モデルがベースの『SF(Slim Frame)』仕様が発表された。2009年現在、フルサイズのグロック20SFとグロック21SF、サブコンパクトモデルのグロック29SF、グロック30SFが発売中。
 2009年には、SFと同じく第四世代と噂された『RTF(Rough Texture Frame)』が登場した。鰓のようなセレーションに改められた新奇なデザインのスライドなど、外観から賛否両論となっている。2009年5月の時点でRTFは9mmパラベラム仕様のグロック17RTFと、.40仕様のグロック22RTFが発売されている。
 使用弾薬が9mmパラベラムだったことから、グロック17、グロック17L、グロック18、グロック19、グロック26、グロック34のいずれかと思われる(Zero/materialによれば『多分おそらくモデル19』とのこと)。

Glock 17
 軍用プラスチック製品会社としてオーストリア軍とも繋がりが深かったグロック社が初めて開発した拳銃。1980年ごろに開発が開始され、1983年にオーストリア軍に『Pi80』の制式名で採用された。グロックシリーズの中核を成すフルサイズモデル。
 グロック17はPi80の民生用モデルとして1982年にヨーロッパで販売された。空前のベストセラー拳銃であり、民間のみならず公的機関でも幅広く使用されている。
 グロックは従来の手動のセイフティやハンマーが無くセイフアクションと呼ばれる3つの安全装置とスライドを引く操作でストライカーをわずかにコックするという変則ダブルアクションオンリーのトリガーからなる機構を備えている。これらにより、シングルアクション並みの軽いトリガープルのダブルアクションと、発砲の際に意識して操作するのはトリガーだけという極めつけのシンプルさを実現し、同時に安全性をも兼ね備えた優れものとなっている。
 強化ポリマー製フレームは弾性のためグリップを強く握ると少々たわんでしまうが、極端な気温下でも握れないほど冷えたり過熱したりすることがなく、膨張や収縮も少ない。更に錆びないので手入れが簡単で安価である。
 発売当初は玩具的なデザインで敬遠されたが、優れた安全設計と特殊な強化プラスチックによる軽量さで次第に普及した。
 グロック17の登場以降、他社も一斉にポリマーフレームの銃を開発するようになった。性能においてグロックシリーズを超えるものもあるが、20年以上の実績に裏打ちされたグロックの人気は崩れそうにない。
 ちなみにグロック社初の銃なのに何故モデル番号が「17」なのかは謎で、装弾数17発からだとか、この銃で獲得したパテントが17件だからなど、様々な憶測が飛び交っている。
 全長186mm。重量625g。装弾数17/19/31+1。

Glock 17L
 Glock 17の競技用ロングスライドモデル。Glock 34の発売により現在は生産が終了している。
 全長225mm。重量748g。装弾数17/19/31+1。

Glock 18
 Glock 17にオーストリア国家憲兵隊の精鋭対テロ部隊であるGEK COBRAからの要請によりフルオート機能を搭載したモデル。
 外観はほぼGlock 17と同一だが、スライド左後方にセミ/フル切替用スイッチがあり、バレル上方には射撃反動を抑えるコンペンセイター用のガスポートが設置されている。ただし小型でコントロールが難しいため、フルオート射撃の際の命中精度は全く期待出来ない。
 初期のモデルではバレルが1インチほど延長されて、スライドから飛び出した部分にガスポートが設けられていた。しかしこのガスポートが破損する問題が出たため、改良型の18Cではバレル長がスタンダードサイズに戻され、スライド前部上面にガスポートのための穴がくり抜かれた。
 この銃を含め、フルオート拳銃は悪用されると危険なため、公的機関のみの販売で民間には流通していない。しかしクラスVフルオートウェポンディーラーの手によりGlock18のスライドを乗せたGlock17がカスタムモデルとしてごく少数流通しており、マシンガン所持資格の厳しい審査を通り抜ければ、手に入れることも可能。
 全長186mm。重量620g。装弾数17/31+1。連射速度1200発/分。マガジンエクステンションを装着すると装弾数が2発増える。

Glock 19
 1988年に登場した、Glock 17のコンパクトモデル。Glock 17をコンパクトに収め、ユーザーからの要望をもとに細かい修正を加えたグロック第二世代の銃。装弾数は減ったが手頃な大きさでユーザーに親しまれ、1995年により小型なグロック26が登場するまでグロック社の人気商品だった。
 発表された年にスウェーデン陸軍で「P88B」の制式名で採用されたのを皮切りに、ニューヨーク市警に警官用として4万挺が導入されたほか、ドイツのGSG9にも採用されており、国連では保安要員の銃として採用されている。欧米人に比べて小さい日本人の手にも充分馴染む大きさであり、日本のSATでも採用されているとも言われる。
 現在は他のグロックモデルと同様、マウントレールを装備した第3世代の仕様に更新されている。ちなみに.380ACP仕様のG25のみショートリコイルが用いられておらず、ストレートブローバックで作動する。
 全長174mm。重量595g。装弾数15/17/19/31+1。

Glock 24
 Glock 17Lと同じくコンペティションモデルに分類される、6インチバレルの競技用ロングスライドモデル。G37は2003年に登場した新しいモデルで、グロック開発の新型弾「.45GAP」仕様となっている。
 全長225mm。重量757g。装弾数15/17/29+1。

Glock 26
 1995年に開発された、Glock 17の切り詰め型モデル。グロックシリーズの中でも最小のサブコンパクトというカテゴリに相当し、Glock 19よりも小さい。
 当時アメリカでは連邦攻撃武器規制(AWB/Assult Weapons Ban)が発効しており、11発以上の装弾数を持つマガジンの民間向けの製造・所持が禁止されていたが、これは装弾数を10発に抑える代わりにサイズを最大限切り詰めて携行性を高めたものである。
 主に護身用やバックアップ用として発売されたが、メインアームとしても通用する性能を持っている。そのため軍や警察機関の関係者が私服任務や非番時に携行することが多い。ただ、あまりに小型なためロサンゼルスなどの銃規制が厳しい地域では販売が禁止されているらしい。
 AWB失効後はエクステンションマガジンが登場した。
 全長160mm。重量560g。装弾数10/1215/17/19/33+1。

Glock 34
 Glock 17LをシューティングマッチにおけるIDPA(実際に遭遇しうる場面を想定した実戦的な射撃競技)というレギュレーションに合うように小型化、改良を加えたマイナーチェンジモデル(プラティカル・タクティカルモデル)。これにより17Lの生産は終了している。
 この頃からグロックシリーズは第三世代に移行し、フラッシュライトなどの各種アクセサリーを取り付けるためのアンダーマウントレールが装備されている。
 全長207mm。重量650g。装弾数17/19/33+1。

Glock 37
 2003年に登場した新しいモデルで、グロック社が開発した新型弾『.45GAP』を使用する。
 全長186mm。重量735g。装弾数10+1。

モデル

全長

重量

口径

装弾数

発射形式

連射速度

製造国

グロック17

186mm

625

9mm×19

17/19/33+1

S

-

オーストリア

グロック17L

225mm

748g

9mm×19

17/19/33+1

グロック17RTF

9mm×19

グロック18

186mm

620g

9mm×19

17/33+1

S/F

1200発/分

グロック19

174mm

595g

9mm×19

15/17/19/33+1

S

-

グロック20

193mm

785g

10mmAUTO

15+1

グロック20SF

10mmAUTO

グロック21

193mm

745g

.45ACP

13+1

グロック21SF

.45ACP

グロック22

186mm

650g

.40

15/17+1

グロック22RTF

.40

グロック23

174mm

600g

.40

13/15/17+1

グロック24

225mm

757g

.40

15/17/29+1

グロック25

174mm

570g

.380ACP

15/17/19+1

グロック26

160mm

560g

9mm×19

10/12/15/17/19/33+1

グロック27

160mm

560g

.40

9/11/13/15/17+1

グロック28

160mm

529g

.380ACP

10/12/151/17/19+1

グロック29

172mm

700g

10mmAUTO

10/15+1

グロック30

172mm

680g

.45ACP

9/10/13+1

グロック31

186mm

660g

.357

15/17+1

グロック32

174mm

610g

.357

13/15/17+1

グロック33

160mm

560g

.357

9/11/13/15/17+1

グロック34

207mm

650g

9mm×19

17/19/33+1

グロック35

207mm

695g

.40

15/17+1

グロック36

172mm

570g

.45ACP

6+1

グロック37

186mm

735g

.45GAP

10+1

グロック38

174mm

685g

.45GAP

8/10+1

グロック39

160mm

548g

.45GAP

8/10+1


クロンの大隊(用語/組織)
 聖歌隊。バルトメロイ・ローレライが指揮する、無個性という個性で統一された魔術師集団。完璧に統制の取れたその在り方は魔術師というよりも軍隊に近い。
 大隊を名乗りながら構成人員は僅か五十人。しかしこれは誇称などではなく、むしろ謙虚であるとさえいえる。なぜなら彼ら一人一人が魔術協会において一部門を任されるに足る一流の魔術師であるからである。


グングニル(武装)
 大神宣言。北欧の主神オーディンが持つ槍。


軍略(技能:Zero)
 第四次聖杯戦争におけるライダーのスキル。一対一の戦闘ではなく、多人数を動員した戦場における戦術的直観力。
 自らの対軍宝具の行使や、逆に相手の対軍宝具に対処する場合に有利な補正が与えられる。
 B…第四次聖杯戦争におけるライダー。



  


ケイ(人名)
 円卓の騎士の一人。エクターの子でアルトリアの義兄。当然ながらアルトリアが女性であることを知っているが、マーリンから口止めされていたため秘密は生涯守り通した。口が悪い。剣の腕ではアルトリアに敵うべくもないが、弁が立ち管理能力に優れる。アルトリアが彼と剣の訓練をすると試合には勝つが最後には口論になり、勝負には負ける。
 アーサー王のローマ遠征には同行せず留守役となっていた。モードレッドの反逆に際しては手勢とともにアルトリアの下に駆け付けて殿を務め、アルトリアを無事生還させた。しかしケイはこの戦いでついにアルトリアと再会することなく命を落としている。
 アニメ版UBWの後、グラストンベリーを訪れた士郎のもとにケイと思われる口の悪い騎士が現れた。


ケイオスマジック(用語/魔術:事件簿)
 →混沌魔術


ゲイ・ジャルグ(対人宝具:Zero)
 →破魔の紅薔薇。


芸術審美(技能:Zero)
 第四次聖杯戦争におけるキャスターのスキル。芸術作品、美術品への執着心。
 E-…芸能面における逸話を持つ宝具を目にした場合、ごく低い確率で真名を看破することができる。


形状記憶ルーン(魔術:魔法使いの夜)
 1988年12月24日の社木の公園での戦いに備え、蒼崎橙子が公園の地面に刻んでおいたルーン。一見するとただの傷痕で確定しておらず、強い魔力に触れることで元の形に立ち戻る。これに使われているルーンは魔術協会に特許を出されていない未知のもの。


携帯電話投げ(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の年の穂群原学園の体育祭での特別三枠に、2年A組の生徒が提案した競技。
 フィンランド発祥のスポーツで、携帯電話を投げる距離とフォームの美しさを競う。
 上手投げで飛距離を競うオリジナル部門、三人までのチームがそれぞれ一回ずつ投げて合計飛距離を競うオリジナル・チーム部門、投げる際のフォームの美しさや独創性を競うフリースタイル部門、12歳以下の子供限定で飛距離を競うジュニア部門がある。
 競技に使用する携帯電話は220g以上ならどんな機種でもいい。


ケイネス・アーチボルト・エルメロイ(ケイネス・エルメロイ・アーチボルト)(人名/魔術師)
 Kayneth El-Melloi Archibald。
 身長181cm。体重62kg。血液型B。4月11日生まれ。
 かつての時計塔のロードの一人。故人。後のロード・エルメロイU世が魔術師見習いとして彼の門派であるエルメロイ学派に所属していた。ゲリュオン・アッシュボーンと交流があった。
 特技は絵画・彫刻・工芸。自分が好きで愚か者が苦手。天敵は衛宮切嗣。
 降霊学科では最年少で講師の座に着き、第四次聖杯戦争に参戦する頃は一級講師を務めていた。名門アーチボルト家の九代目当主であり、降霊科学部長の娘ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリとの結婚を取り付け、若くして講師の座を得たエリート中のエリート。十代で典位に就任し、生前の最終的な階位は色位だったが、もしも長生きしていれば冠位になる可能性もなくはなかったらしい。学究の才だけでなく政治的手腕も巧みで、家門の良さゆえに有力なコネも多数ある。ゆくゆくは時計塔内の最大派閥を形成するものと嘱望されていた。
 属性は風と水の二重属性。降霊術のみならず錬金術、召喚術など様々なジャンルに通じるエキスパートで、その出鱈目な多才ぶりは平賀源内か曹操か、という有り様だった。アーチボルトの魔術刻印は両肩にある。『RPG的に言うと』という前提ではあるが、MPはウェイバー・ベルベットが5であるのに対して3000ある。もっともこの『MP』は、成熟した魔術師一人分の魔力量が25程度、第五次聖杯戦争当時に龍洞に溜まっていた魔力が1000程度ということを考えれば、単純に魔力量とイコールではないと思われる。魔術師としての力量は第五次聖杯戦争当時の遠坂凛を20〜30とすると100+α(特殊魔術礼装分)ほどで、礼装を抜きにすれば同じく100のコルネリウス・アルバと同等。
 幼少の頃から特別な努力をしたわけでも並外れた目的意識を持っていたわけでもなかったが、その成果はいつでも他者より立ち勝っていた。それによって自他共に彼は天才であると認識し、ゆえに驕りも誇りもせず当然のように天才であり続け、神童と呼びならわされた。
 研究畑の人間でありながら恐ろしく剣呑な礼装を準備していたのは単純に趣味の産物である。月霊髄液以外にも呪術戦、幻術戦に特化した礼装を多数用意していたが、切嗣による冬木ハイアット・ホテル爆破解体により大多数が失われた。
 彼にとってはあらゆる事柄が彼の支配下にあったため、予期せぬ不都合や偶然によって目論見が外れることは許しがたい冒涜と感じる。侮辱には倍返しをする。偏執的な癇症持ち。外部に向けた怒りは冷静に管理し、利用できるが、内部(身内)に向けた怒りについてはまったく抑えが効かない。これは彼が当然のように天才であり、成功と祝福を当たり前に浴びてきたがためである。
 ソラウには将来への執着などの打算よりも恋愛感情が優先しており、そのために彼女に対してはあまり強い態度に出ることができない。
 第四次聖杯戦争におけるランサーのマスター。聖杯戦争に参加した理由は切迫したものではなく、魔術師としての栄誉のため、要するに自らの経歴に武功も欲しくなった程度のことでしかない。令呪は右手の甲にある。本来は征服王イスカンダルを召喚するつもりだったが、そのための聖遺物を教え子であるウェイバー・ベルベットに盗まれたため、新たにディルムッド・オディナの聖遺物を用意して召喚した。イスカンダルに言わせれば、彼のマスターはともに戦場を駆け抜ける者こそふさわしく、姿をさらす度胸さえない臆病者など役者不足もいいところ。
 マキリが作り上げた契約システムの魔力供給のパスと令呪による束縛のパスとを分割し、令呪のパスを自分に、魔力供給のパスをソラウに結びつけるという天才ならではの荒業をやってのけた。
 自らのサーヴァントであるランサーの『騎士としての面目を果たせれば良い、聖杯は譲る』という言葉に不信感を抱いていた。海浜倉庫街でセイバーとの尋常の立会いを望むランサーに、セイバーと戦うバーサーカーを援護させるため第一の令呪を使用した。
 冬木ハイアット・ホテルの最上階を丸ごと借り上げて工房としたが、衛宮切嗣によってホテルごと爆破解体されてしまう。それは月霊髄液によって無事に脱出することができたのだが、それ以後は新都の製材所かなにかの廃工場に居を構えることとなってしまう。
 アインツベルン城に乗り込んだ際に魔術師らしからぬ策を弄する衛宮切嗣に魔術師として怒りを感じ、誅罰しようとする。しかし固有時制御を用いて巧みに月霊髄液の索敵を躱す切嗣のトンプソンセンターアームズ・コンテンダーの通常弾の一撃を受ける。これは防御を月霊髄液の自動機能に任せていたせいで拳銃としては規格外のコンテンダーの威力に突破されたため。この時の負傷は弾丸を受けた直後に魔術刻印が自動で治癒魔術を使ったため、気絶すらしなかった。しかしこの負傷によりコンテンダーに対する防御に全力を上げさせる、という切嗣の策にはまってしまい、魔弾によって全身の神経と魔術回路、筋肉と内蔵を破壊された。セイバーが見逃したランサーによる救出とソラウの霊媒治療によって一命は取り留めたが臓器の再生しか間に合わず、たとえ時間をかけて治癒をかけても立って歩けるまでの回復は望めないほどだった。また魔術回路が壊滅し、二度と魔術の行使ができなくなった。ただ腕はリハビリ次第でなんとかなるかもしれない、という程度。
 その後、ランサーに恋心を抱いたソラウに半ば強制的に令呪を取られてしまった。彼自身は再起不能と思われたが、エルメロイ家の人脈を辿って日本在住の優秀な人形遣いに渡りをつけ、莫大な謝礼と引き換えに両腕の機能を取り戻した。これは後に蒼崎橙子が「先代当主の義腕を用立てた」と発言しているため、腕そのものを生身から橙子が製作した物に交換したと思われる。
 キャスターが召還した大海魔とセイバー・ライダー・ランサーの戦いの後で冬木教会に出向き、言峰璃正から令呪を一画譲り受けた。その直後に他のマスターに追加の令呪が渡ることを防ぐため璃正を射殺した。殺害にわざわざ拳銃を使用したのは切嗣が犯人であると偽装するためであった。
 ソラウが拉致されたと知ってひたすらランサーを罵倒し、彼の騎士道を完膚なきまでに否定しつくした。その後、彼の隠れ家である廃工場でセイバーとランサーが戦っているときに衛宮切嗣が拉致したソラウと自己強制証文を用いた策略にあい、自分とソラウの命を守るため仕方なくランサーを自害させる。だが、自己強制証文による戒律は『衛宮切嗣がケイネスとソラウに害を及ぼすことを禁止』したものであったため、直後に久宇舞弥によってソラウともども射殺された(死に切れなかったため、見かねたセイバーが首を刎ねて止めを刺した)。
 英霊を使役するサーヴァントでさえ彼にとっては数ある礼装の一つ程度の認識でしかなかったようだ。英霊の人格を認める気が毛頭なかったが故にディルムッド・オディナの忠義に最後まで理解を示すことが出来ず、結果として自滅同然の敗退を遂げる。尤もディルムッドにもマスターとして自分の忠義を受け止めてくれる相手なら誰でもよかった節があり、ケイネスの人柄と向き合っての相互理解を怠っていたのは事実。
 だがサーヴァントとの信頼関係を築けなかったことはケイネスにとって二番目の不運にすぎず、ぶっちぎりに一番の不運は衛宮切嗣と巡り会ってしまったこと。魔術師としての位階は切嗣よりはるかに勝りながらも、殺人者としては切嗣に及ぶべくもなく、聖杯戦争という殺し合いにおいての敗退は必定であった。
 彼らの必勝パターンは『サーヴァントに戦場の誉れだとか騎士の誇りだとかを意識させず、聖杯戦争は汚れ仕事の処理業務だと常に諦観させておく』『前述の条件のためセイバーとの接触は極力避ける』『戦場においては常に退路の確保を最優先とし、必滅の黄薔薇を一撃したら目的達成と見做し撤退。これを繰り返して敵対各チームの消耗を待つ』『他サーヴァントに対し強敵でありながらランサーだけが相性関係で優位に立てるバーサーカーチームを活用する。可能ならば最終局面までバーサーカーを生存させて他チームの殲滅を任せ、その後討ち取るのが望ましい』というもの。
 彼の突然の死によって彼が時計塔で積み重ねてきた多くの貴重な研究は未整理のまま放置され、その成果が散逸してしまうところだった。だが一番無能だった一人の元弟子が『魔術の実践はからきしだが理論の再解釈と系統分類は天才的』という妙な才覚を持ち合わせていたことで、最終的には『ロード・ケイネス秘術大全』という一冊の魔道書に編纂され、全ての秘術はアーチボルト家の管理下へと戻されて後の家門の繁栄を磐石のものとした。
 イリヤスフィール・フォン・アインツベルンと戦った場合には魔術戦で撃退可能。


ゲイ・ボウ(対人宝具:Zero)
 →必滅の黄薔薇。


ゲイボルク(宝具)
 第五回聖杯戦争におけるランサーことクー・フーリンの宝具。影の国で手に入れた『貫く物』。禍々しい形状をしており、呪いを内包している。“刺し穿つ死棘の槍”と“突き穿つ死翔の槍”の二通りの使い方がある。
 因果を逆転させる“原因の槍”。つまり先に心臓を貫いたという結果を作り、その後に心臓を貫くというものだが、この効果は“刺し穿つ死棘の槍”でしか発揮されない。これで刺された者はこの世にゲイボルクが存在する限り決して回復できず、死に至るまで傷を背負うことになる。それを回避することはよほど幸運でない限り不可能。
 一説には威力を増すために足を使って投げていたといわれ、その投擲法こそが『ゲイ・ボルク』であるとされている。
 その原型は北欧の主神オーディンの『大神宣言(グングニル)』。


ゲイ・ボルク(対人宝具)
 →刺し穿つ死棘の槍。


ゲイ・ボルク(対軍宝具)
 →突き穿つ死翔の槍。


ケータイさん(???)
 6月27日生まれ。身長210mm。体重130g。B150/W150/H150(mm)。
 しょっちゅうアーネンエルベに現れる謎の携帯電話。機種は青い二つ折りタイプで防水機能はない。頭脳は超高性能で、ざっと16ビットはありそうな感じ。デジカメ機能もあり、写真も動画も撮影できる。外部メモリも使用可能。自称、携帯電話の精パケシ。ただしパケシと名乗ったことはすっかり忘れている。
 筐体はキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグが作った礼装で、操作しているのは死徒二十七祖の27位コーバック・アルカトラス。礼装としての性能を発揮する際は羽根が生えたどこかで見たステッキのような形状になる。
 エロゲーと深夜アニメが好きで。スマートフォンとヒンジへの攻撃が苦手。緑いじりが得意。ネコアルクとカレン・オルテンシアの電話番号を知っている。
 登場するたびに隠し場所が凝ってくる。客がいるときに登場するのは珍しい。番号非通知で電話がかかってきて、あたかも携帯電話自身が話しているかのように会話をすることができる。それどころか自分で動くこと(ヒンジで桂木千鍵を挟むとか)もできる。全て着ボイスと嘯くことも。ヒンジは人間で言う腰に、レンズは目に当たる。液晶が漏れることは人間で言えば泣くということに相当するらしい。液晶画面を割られたり本体をヘシ折られたり粉砕されたりしても次に登場する時には元に戻っている。というか謎のビームの直撃を受けてもその直後に修復されている。
 埋葬機関や魔術、死徒などの知識も豊富に持ち合わせており、第七聖典の精霊であるセブンを視ることができる。シエルと言峰綺礼とは関わり合いになりたくない。日比乃ひびきについて、ひびき自身も知らない事を知っているのだが、それについて語ることはできないらしい。
 『ない』より『ある』方が好みで、ひびきと千鍵にはもう少し『大きく』なってほしいとのこと。メイド服はミニスカートにニーソックス(おそらくサイハイソックスのこと)の絶対領域が発生する組み合わせが好き。ひびきと千鍵のアーネンエルベでのコスプレ姿を写メで盗撮している。もちろんとっておきのデータはバックアップを取ってある。須方スナオの初来店時に二人の盗撮写メを見せ合った。以後、学校担当はスナオ、店担当はケータイさんという分担ができた。
 千鍵とひびきが高校一年の4月にアルバイトをするためにアーネンエルベに初めて訪れた際に二人の前に堂々と姿を現している。須方スナオ、栗枝クララ、黛まゆ子、ハリエット・フリーゼが初入店した際も平然と現れ、まゆ子のバストサイズを訊き出そうとした。ジョージ店長に悟られることなくアーネンエルベを改造し、ガスマスクやウサギの着ぐるみといった変装グッズを隠している。
 ギャルゲ主人公なみに出会いに恵まれている千鍵の肉体を洗脳光線キシオアルファで乗っ取り、長年のギャルゲテクで周囲の女性たちを攻略しようとする。しかし女性たちがケータイさんに操られているとまではわからなかったものの千鍵が正気ではないことに気付いたことで洗脳を打ち破られた。
 ハリエット・フリーゼらがアーネンエルベに初来店した後、ハリエットとスナオが戦っていることに気付いたひびきと電話越しに話す。さらにその後、ロレンツ・トレンデルとも電話越しに話して聖典トライテンに手を出すことに対して警告している。
 AATMでは会いたくない人達がうろうろしていたため、ずっと隠れていた。
 狙われたアーネンエルベでは、ランサーに『ひびきと千鍵はコスプレが大好き』だと吹き込んで二人の制服をミニスカメイド服にすり替えさせた。その後、千鍵に粉末状にまで破壊され、けたたましく喋りながら復活したところをアルクェイド・ブリュンスタッドに見つかってあっさりとキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグの手によるものだと看破された。
 狙われたアーネンエルベでは、カレン・オルテンシアに唆されたルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトが『あらゆる呪いを解く魔術礼装』として獲得しようとし、その途上でアーネンエルベの乗っ取りが画策された。しかしその計画が頓挫した際にカレンによってアーネンエルベが破壊されそうになり、礼装としての本来の姿と性能を発揮してひびきと千鍵をカレイドオレンジトカレイドグリーンに多元転身させた。そして自分はカレイドグリーンとカレイドオレンジの武装である暗黒剣エビルパケシソード(あるいはジャスティスパケシソード、ホーリーグローリーパケシソード)となり、カレンとジャイアントアンリを撃破。
 騒動の最中に自分の地位向上のためネコアルクを見殺しにしたことを恨まれ、騒動が終わってからネコアルクに店の裏に連れ去られた。
 その後、変身した日比乃ひびきによりアルクェイド・ブリュンスタッドに渡されて通話に使われる。その通話相手は800年前、アルクェイドが生まれた頃に会った事があり、『朝も夜もない場所に引きこもっている』『どっちに付く気もない』『天涯孤独を決め込んでいる』『何か大切なものをなくした』『何もかも手に入れた』らしい。また性別は男性であり『最近は破目を外しすぎてバランスを取るのが難しい』『外はつまらないから出たくない』『食料の心配はない』とも言っている。アルクェイドに自分を殺したいか訊ねると、アルクェイドはリスクとリターンがつりあわないから、そこにいる限り見逃してやるが出て来れば最優先で殺すと答えた。初めて死んだ夜に見た月を忘れられず、今は月を見たいと願っている。またアルクェイドは『鍵穴洗って待ってなさい』と発言しているため、現在は南京錠の姿をしているコーバック・アルカトラスが操作していることを知っている。


ゲート・オブ・バビロン(対人宝具)
 王の財宝。第四回聖杯戦争におけるアーチャーことギルガメッシュの宝具。黄金の都に繋がる鍵剣。空間を繋げて宝物庫の中にある道具を自由に取り出せる。使用者の財があるほどに強力になる。
 また、この宝物庫に納められている武器はギルガメッシュが生前に集めた『すべての宝具の原型』である。


GAME CLUB SAGE(地名:氷室の天地)
 冬木市にあるゲームセンター。
 えびキャッチャーがある。


結界(魔術)
 内と外を分けるもの。魔術的には内と外を区切った上でその内側及び境界線上に作用する効果を意味する。結界の定義とは『一つの閉じられた世界』。方法はどうあれ、閉じたい場所を外界から遮断した状況を結界と呼ぶ。いわば地形魔術であって、基本的に設置するものなので動かすことは不可能だが、荒耶宗蓮は七つもの静止の結界を『連れて』いた。
 本来は聖域を守る境界線だが、効果があるのが境界線のものと結界内のものがある。結界内での効果は千差万別だが、ここ数百年は主に術者や財貨を守るモノとして定着している。もっとも攻撃的な効果は結界内における生命活動の圧迫。結界内の人間を攻撃するものであっても個人に対する魔力干渉は間接的なものになるため、魔力で自身を守っている魔術師には効きにくい。
 結界の手法には土地、建物などのもとからある内外の境界に手を加えるものと、魔術師自身が魔力で編んだ網を土地に張って後から空間を区切り、その内部に手を加えるものの二種類がある。前者には防犯や他の魔術師に対する防衛策として魔術師の屋敷や土地を使って張るものを含む。後者には魔力を溶かした髪を編みこんだ縄で土地を囲む、魔法陣を描くなどの手法がある。
 結界の種類は様々で、その区間を物理的に壁で囲むものから、区間内の様子を霧や鏡、森などで視覚的に隠すものまで多岐にわたる。しかしこれらの結界は結界内の様子を外部から知られることはないが、そこに異常(=結界)があることは隠しようがない。典型的な結界は茨の壁。これは予め生やしておいた茨を魔力で急速に成長・強化して作る。
 真に優れた(人避けの)結界とは、そこに異常があることを感知されず、同時に外部から干渉されないことを両立する必要がある。つまり、隠したい領域の周囲に意識を改竄する結界を張り、例えその領域内に用があるとしても『今は用がない』と思い込ませるものである。これは久遠寺有珠が三咲中央公園に張ったものや、蒼崎橙子が観布子市の工房・伽藍の堂に張ったものが該当する。
 それ自体で完結した結界を作るにはまず自身を完成させなくてはならない。


結界宝具(用語/武装)
 結界を作り出す宝具のうち、攻撃に使用しないものが該当する。第四次及び第五次聖杯戦争におけるセイバーの『全て遠き理想郷』がこれに該当する。なお第五次聖杯戦争におけるライダーの『他者封印・暗黒神殿』のように攻撃的に運用されるものは対軍宝具に分類される。


月刊ワールドミリタリー(用語:Zero)
 第四次聖杯戦争におけるライダーが購読したミリタリー雑誌。


ゲッセバルネ(人名:MBAA)
 ゲッセバルネ枢機卿。リーズバイフェ・ストリンドヴァリに目をかけていた。


月霊髄液(礼装:Zero)
 ヴォールメン・ハイドラグラム。
 ケイネス・エルメロイ・アーチボルトが持つ数多の礼装の中でも最強の一品。流体操作を一番の得手とするケイネスが編み出した独特の戦闘魔術。
 普段は陶磁製の壷に入れて重量軽減の術をかけて持ち歩いているが、実際の重量は140kg近くある。量は10リットルほど。
 魔力を充填した水銀に多種多様な行動パターンを記憶させ、状況に応じた最善の反応を取るよう設定したもの。戦闘用ゴーレムの一種と言えなくもない。物理エネルギーとしての破壊力においてはケイネスの武装の中でも最強であった。探索、攻撃、防御のそれぞれに優れた性能を誇る。
 攻撃においては鞭、槍、刃と自在に瞬転し、切れ味はレーザーすらも凌駕する超高圧水流カッターと同等でありチタン鋼からダイヤモンドまで切り裂けない物質はない。
 防御においては、自律防御モードではケイネスに害を及ぼさんとする事象すべてに反応して即座に(その事象を凌ぎうるだけの)超剛性の防護膜を張り巡らせる。魔力により圧搾された張力と剛性はまさに鋼鉄も同然で、厚さ1mmにも満たない膜でクレイモア地雷から吐き出された2800発もの鉄球をことごとく弾き、冬木ハイアット・ホテルの倒壊から簡単に守るほど。もちろん術者の任意の形態で防御することもできる。
 索敵においては本体から枝分かれした触手が極度に敏感な触覚によって空気振動を判別して聴覚とし、気温の変化から熱源を察知することが可能。
 月霊髄液の多機能性は万能兵器と呼ぶに相応しいが、所詮は自動機械であり、これらのすべてに弱点がある。
 攻撃においては水銀が鞭状の形態を取るときに猛スピードで駆動するのはその基部のみで末端には力がなく、刃先の威力とスピードは遠心力によるものであるため、接近戦の心得が充分にあるならば軌道を容易に読むことができる。これは圧力によって操られる水銀の特性で、充分な力を発揮できるのは体積のある部分だけであることからくる。
 自律防御ではケイネスに害を及ぼさんとする事象に最適な形状に変化するため、突発的にそれ以上の威力があるものを叩き込めば突破できる。これは流体力学の限界として薄く延びた液体に瞬間変形を遂げるだけの圧力をかけることが不可能なため。
 索敵においては視覚、嗅覚、味覚があるわけではないので、心拍音と呼吸音、体温を人間のそれとわからないくらいにごまかすことで知覚されなくなる。
 要するに行動パターンを見切られてしまうと対処されやすいということ。また操作に費やす魔力は形態の複雑さに比例するのでなるべく単純な形態を維持する必要があるが、一旦液圧をかけにくい形態に変形してしまうと次の動作は反応速度、パワーともに著しく劣化する。衛宮切嗣との戦闘の最後に取ったウニ型変型は防御力と機敏さを両立させうる形態だったが、それに費やす魔力負担は相当なものだったろう。
 後のロード・エルメロイU世はこの月霊髄液を改良進化させて多機能メイドゴーレムとして使役しているとかいないとか。簡単な家事雑役をこなせる程度の思考力を持つものの、時折自分のことを未来から来た殺人兵器だと主張して暴走するバグがあるらしい。よほど情操教育に有害な映画でも見せたのだろうか。


ケニヤ(地名:魔法使いの夜)
 三咲市またはその近辺にあると思われる和食処。


気配遮断(技能)
 気配を絶つ技能。要するに魔力の塊であるサーヴァントからの魔力の放射を徹底的に抑えることで気配を消すというもの。アサシンのクラス別能力。
 A+:サーヴァントとしての気配を絶つ。完全に気配を絶った場合、サーヴァントでさえアサシンがそこにいるのか、移動しているのか、そもそも既にいないのかさえ察知することは不可能に近い。ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。
 D:サーヴァントとしての気配を絶つ。


ゲマトリア(魔術)
 数値変換式。カバラ秘文の一つ。文字を数字の値に分解して特殊な効果を得るもの。


ケリィ(俗称:Zero)
 幼少時の衛宮切嗣のアリマゴ島での通称。アリマゴ島の住人たちには『キリツグ』という発音ができずに『ケリトゥグ』になってしまい、それを省略したケリィが定着した。


ケリトゥグ(俗称:Zero)
 『切嗣(キリツグ)』のアリマゴ島住民による発音。


ゲリュオン・アッシュボーン(人名/魔術師:事件簿)
 君主に手が届きかけたほどの魔術師。剥離城アドラの主。魔術刻印の修復師として名を馳せていた。「傷ついた魔術刻印をいともたやすく再生しうる修復師」が祭位とされるため、彼の階位は祭位と思われる。ケイネス・エルメロイ・アーチボルトと交流があった。剥離城アドラでオルロック・シザームンドと一緒に研究をしていた。
 第五次聖杯戦争の直前の8月頃に死亡した。直接の血縁がいないため、『天使の名を問う』『問われて答えられなかったものは、すべからく天使を剥ぎ取られる』『私の天使をつかまえたものを、遺産の相続者とする』という遺言を残し、縁のある魔術師に剥離城アドラへの招待状を送った。だが、この『天使名』についてはロード・エルメロイU世の推測によればゲリュオン自身ではなく化野菱理が作らせたもの。
 天使の思想に傾倒し、自らの領地の城を天使をモチーフにしたものに作り替えた。ゲリュオンの私室は剥離城の地下にあり、そこには魔術に使う小道具のほか、血や錆がこびりついた鋸や穿孔器といった拷問器具(あるいは古い医療器具)が置かれている。
 妻に先立たれ、愛した息子のグラニドも同じ病気で亡くした時に発狂した。アッシュボーンの獣を見せた直後にオルロック・シザームンドに殺害された。


ゲリュオン・アッシュボーンの妻(人名:事件簿)
 年の差はあったが、オルロック・シザームンドとは古い馴染だった。ゲリュオンに引き合わされて十数年ぶりに彼女と再会したオルロックは彼女に懸想をし、一度きりの不倫関係を持つ。その結果生まれたのがグラニド・アッシュボーンである。
 グラニドを産んですぐに遺伝子に基づく病気で死亡し、その死体はゲリュオンによって蝶魔術を応用してアッシュボーンの獣に作り替えられた。


ケルベロス(用語:氷室の天地)
 蒔寺楓が折った折り紙の題名。形状は三つ首の鶴。


ゲロス(人名:hollow)
 セイバーをサッカーに誘った少年。至近距離からのシュートを腹で受けて嘔吐したことからつけられたあだ名。リーガ・エスパニョーラのトリスタンに憧れている。
 ボールを怖がらないのでキーパーが得意だが、本人はフォワードをやりたい。とはいえ一点も入れたことはないが。


(魔術)
 →デーゲン


幻影の夏(用語)
 ワラキアの夜による三咲町の一度目のタタリ。
 これは月姫本編の一年後で、歌月十夜と同時に起こるため、幻影の夏と歌月十夜は二者択一となっている。


原罪(武装)
 メロダック。“王を選定する岩に刺さった剣”カリバーン、“支配を与える樹に刺された剣”グラムの原型となった剣。


原始電池(用語/魔術)
 アトラム・ガリアスタが使用する礼装。
 もとは別の一族が研究していたものだが、それが没落する際にガリアスタが歴史ごと買い上げた。
 双貌塔イゼルマでの接触の際にフラット・エスカルドスが解析しており、時計塔で特許を取った形跡がなかったためロード・エルメロイU世が理論化した。2003年10月から11月頃には現代魔術科に弟子入りしたカウレス・フォルヴェッジに教授された。当然ながら特許を取っていないという事はその魔術を開示せず秘匿しておきたいという事であり、それを解析・理論化・模倣するのはある意味では魔術の破壊にも等しい暴挙である。なお複製の方の原始電池にはフラットによってロード・エルメロイU世に対する盗聴魔術が仕込まれている。またこれの応用として、カウレスとエルメロイU世は生体電流を調整する事で治癒力を高める魔術を研究していた。


賢者の石(用語:MBAA)
 オシリスの砂がタタリを用いて作り上げたもの。冥界の砂。命の水(アクア・ヴィタエ)。アトラスおよび錬金術の基本にして最秘奥。
 あらゆる苦痛、あらゆる病、あらゆる死、そして吸血鬼化さえも癒す命の水。水とも砂ともとれない赤い鉱石。砂のように細かく、宝石のように輝き、命のように甘い記憶媒体。
 原料は人間の血液。霊子演算機ヘルメスを稼動させるには全人類の血液から練成した賢者の石が必要。
 直死の魔眼で視ると、賢者の石は死の線だけでできている。


幻獣(用語)
 幻想種のランクの一つ。魔獣の上、聖獣・神獣の下。
 天馬はそう強力ではなく、成長しても魔獣クラス。第五次聖杯戦争におけるライダーが召還する天馬は分類としては魔獣ながら、誕生から長い年月が経過しているため幻獣に近くなっている。
 千年クラスの幻獣・聖獣の類はその神秘性から存在そのものが魔法と同格とされており、魔術程度の神秘などが太刀打ちできるはずもない。長く生きた幻想種ほどこの世界から遠ざかるものなので、現在世界に留まっている幻想種は百年単位のモノ(ランクで言えば魔獣まで)。多くの(幻獣以上の)幻想種は世界の裏側と表現される異世界に移住している。


原初の悪魔(用語)
 詳細不明。
 月姫、Fate、空の境界、DDDの中で(サーヴァントを除き)アルクェイド・ブリュンスタッド、「両儀式」に次いで三番目に強い。なおORTが『単純に実力でいえば』最強とのことなので、様々な特殊能力を含めてのことと思われる。


原子力と五大要素についての魔術論文(用語:事件簿)
 ロード・エルメロイU世が読んでいた論文。正式な題名は不明。
 ごく身内用に限定で数十部ほど作られたうちの一冊。カリフォルニアのコンベンションで話題になっていたもの。


幻想種(用語)
 神話・伝承などに見られる特異な生物。幻想の中にのみ生存するモノ。在り方そのものが神秘であるモノ。魔術が知識で力を蓄えるのに対し彼らは長い寿命で力を蓄える。存在そのものが神秘であるため、それだけで魔術を凌駕するとされる。
 外的要因により生態系が変化したモノ、人の想念より誕生したモノ、長寿により上の段階に上がったモノとがいる。
 種類としては妖精や巨人といわれる亜人、鬼や竜といわれる魔獣などがあり、中でも竜種は幻想種の最高位にある。竜を模したモノは分類に関係なく最優種とされる。竜種は三類の属性を備えている(魔獣、幻獣、神獣の全てに竜種、または竜種を模したものが存在する)ため、人と交わることも多かったようである。
 野獣→魔獣→幻獣→聖獣または魔獣→幻獣→神獣の順に高位になり、使い魔として使役できるのは魔獣までとされている。千年クラスの幻獣・聖獣の類はその神秘性から存在そのものが魔法と同格とされており、魔術程度の神秘などが太刀打ちできるはずもない。
 天馬はそう強力ではなく、成長しても魔獣クラス。第五次聖杯戦争におけるライダーが召還する天馬は分類としては魔獣ながら、誕生から長い年月が経過しているため幻獣に近くなっている。
 長く生きた幻想種ほどこの世界から遠ざかるものなので、現在世界に留まっている幻想種は百年単位のモノ(ランクで言えば魔獣まで)。多くの(幻獣以上の)幻想種は世界の裏側と表現される異世界に移住している。


元素変換(魔術)
 フォーマルクラフト。魔術の一種。沙条綾香曰く『頭の悪い魔術』。陽性の魔術。


幻体(用語/魔術:事件簿)
 スヴィン・グラシュエートが獣性魔術を使う時に纏う、濃密な魔力による体のようなもの。スヴィンはこれを自分の体から分離させて分身として使う事も出来る。


現代魔術(用語/魔術)
 カリフォルニアを中心としたアメリカ西海岸で盛ん。ただしこれらは実際の魔術とは関係が薄いオカルトや神秘学の範疇になるため、時計塔でその論文をチェックしているのはロード・エルメロイU世を含め数人程度しかいない。


現代魔術科(用語)
 時計塔の学部の一つ。12科。現代魔術学部、現代魔術論学部とも。学部長はロード・エルメロイU世。学生寮街はスラー。学術棟は時計塔で一番規模が小さいもので、表向きはある大学の付属施設という事になっている。
 12学部の中で最も歴史が浅く、20世紀初頭に12番目の学部として承認された。この学部はここ100年に起きた魔術をまとめ、広く浅く、より一般的な魔術として『使いやすいものであること』を目的として設立された。君主の後ろ盾も承認も不要で、自由に魔術を評価し語り合い、時には画像などもアップする現代社会に適応した新世代たちのフィールドである。
 『時計塔の門は五世代を重ねた家系にしか開かれない』という暗黙の了解は現代魔術学部の設立により崩壊した。
 この学部の設立によって多くの新参魔術師が時計塔の門を叩いたことで魔術学院都市は全盛期の賑わいを取り戻したのだが、遡っても高々1世紀程度の新世代と10世紀以上の歴史を持つ名門魔術師の軋轢は強く、君主たちは『新世代はあくまでも時計塔の経済を回すための働き蟻に過ぎない』という見解を維持している。


建築王ラムセス2世(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 武:5、防:5。


建築魔術(用語/魔術:魔法使いの夜)
 蒼崎橙子が専攻する魔術系統。詳細不明だが、小川マンションの東棟ロビーの設計をしていることから、文字通り建築物に関連する魔術と思われる。


限定解除(用語)
 リミッター解除のこと。遠野志貴がこの状態になると殺人貴になり、アルクェイド・ブリュンスタッドがこの状態になると何もない山中に町を具現化したり、千年後の月を具現化したりできるようになる。


限定礼装(武装)
 それ自体が魔術となる特殊な魔術品。術者の魔力を燃料にして起動し、定められた神秘を実行する礼装。魔力さえ流せば使用者が再現できない魔術であろうと実行できる。
 応用は利かないがその効果は絶大で、サーヴァントの宝具も大部分はこれに属する。


権能(用語)
 神霊クラスの存在が行使する神秘。古今あらゆる魔術ですら再現できないもの。


厳白虎(用語:氷室の天地)
 英雄史大戦のカード。
 武:5、防:5。


源流刻印(用語/魔術:事件簿)
 株分けの大本となる魔術刻印。



  


恒河(人名:魔法使いの夜)
 こうが。
 静希草十郎の父親の遠縁に当たる人物で、草十郎に『文明とは最適化と複雑化を突き詰めるもので、生活に必要なものは手間を減らし、人生に必要なものはより複雑さを増していく』と教えた。また草十郎の面倒も見ており、アパートの契約や学校への転入手続きが問題なく行えたのは彼の尽力の賜物。
 ちなみに恒河とはガンジス川の意。


豪華客船(用語:MELTY BLOOD)
 マジカルアンバーが用意した、お星さま(スター)になるための罠(ふね)。爆弾を取り付けられた船ですらない、魚雷に椅子を載せただけのもの。


高雅瀬(人名)
 こうがせ(名前不明)。遠野秋葉の同級生で浅上女学園高等部生徒会書記。ビン底のような眼鏡をかけていて、マシンガンのごとく喋りまくる。無類のうわさ好きで学園内のゴシップには事欠かない。


甲賀忍法帖(用語:氷室の天地)
 穂群原学園図書室の蔵書。山田風太郎著。
 山田風太郎忍法帖シリーズの記念すべき第一作。甲賀卍谷と伊賀鍔隠れの死闘と、それに引き裂かれる甲賀弦之介と朧の愛を描く傑作時代小説。せがわまさきにより漫画化され、さらにそれがアニメ化された。なおアニメのオープニングテーマ曲は陰陽座の『甲賀忍法帖』であり、1番が編集なしで番組のオープニングである1分30秒丁度に作られている、歌詞は小説の内容を悲恋を中心に描いていると、まさに甲賀忍法帖という小説を音楽というフォーマットに落とし込んだ作品といえる。
 氷室鐘、三枝由紀香の両名はこの作品を読んだことがある。
 なお作中では『甲賀忍法“帳”』と表記されている。


高校(地名)
 遠野志貴らが通う高校。校名不明。
 朝のホームルームは8時に始まる。女子生徒の制服のリボンは学年によって色が違い、3年生(あるいはシエルの学年)は赤。
 学食のメニューで判明しているのはカレーライス、カレーうどん、力うどん。
 死徒ミハイル・ロア・バルダムヨォンの居城となった。オシリスの砂による二度目のタタリの際には、ロアのねぐらとして地下に巨大な鍾乳洞が現れる。


考古学部(用語:2015年の時計塔)
 時計塔の考古学部。11科。アステア。考古学しかやらない純粋な研究者の集まりで、魔術協会の権力闘争から外れており12学部の中で最弱とされる。学生寮街はロクスロート。


紅主(用語)
 遠野の当主が扱う武術のうち、赤主の上をいく禁忌中の禁忌。


紅洲宴歳館・泰山(地名)
 マウント深山商店街唯一の中華料理店。ちびっ娘店長こと魃さんが店長をしている。昼間からカーテンを閉め切っていて、初めての人はなかなかに近寄りがたい。その料理はとにかく異常なまでに辛い。
 ちなみに泰山とは泰山府君、つまり閻魔大王の住まう山。
 言峰綺礼は常連。


絞首刑の雷(魔術:事件簿)
 クラフテッド・ツリー。
 カウレス・フォルヴェッジがロード・エルメロイU世とともに編み出した現代魔術。原始電池の電力と人体の魔力を融合してガルバニズムの術理によって強化したもの。電流の糸でサーヴァントさえ捕縛できる。


鉱石学部(用語)
 時計塔の学部の一つ。4科。キシュア。
 もともとはエルメロイ学派が君主として運営していたが、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトの死後にメルアステア(メルアステア家そのものか、中立主義のメルアステア派かは不明)が乗っ取った。ケイネスの後継であるロード・エルメロイU世は現代魔術学部の君主になっており、その時点での鉱石学部の君主は不明。


構造把握(魔術)
 衛宮士郎やアーチャーが得意とする、器物の構造を読み取り、内部を視覚映像として捉える魔術。。これは特別なものではなく、魔術師であるのなら優劣こそあれ修得できる魔術である。
 投影魔術の前段階。これから解錠、修復といった魔術に派生する。


高速神言(用語・技能)
 呪文・魔術回路との接続をせずとも魔術を発動させられる。
 魔術の詠唱を助けるスキル。詠唱を大幅に短縮することができ、事実上このスキルを持つ者は魔力の続く限り強力な魔術を連射することが可能となる。第五次聖杯戦争におけるキャスターはこのスキルによって大魔術に匹敵する無数の光弾を一瞬で放っている。
 言葉が神秘の実現の大きな役割を果たしていた神代の言葉であるため、現代の人間には発音不能。これ自体が“神言”であるために、詠唱の括りには該当しない。
 A:大魔術であろうとも一工程(シングルアクション)で起動させられる。


紅茶専門店(地名:hollow)
 冬木市の新都にある紅茶専門の喫茶店。店名不明。値段がやたらと高い。アルコール類の注文は午後五時から。紅茶は厨房で妖怪じみた老爺が淹れる。
 ここのケニア茶とルワンダ茶のブレンドティーを飲んで、紅茶をただの色水と切り捨てていたキャスターが感動した。
 第三次聖杯戦争の再現たる四日間ではランサーがアルバイトをしていた。


高長恭(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の頃の文化祭の2年A組の出し物の一つ、最強偉人にラインナップされた。
 蘭陵王として知られる。当時の将兵は兜と鉄仮面で頭部を完全に覆っていたのだが、これが変化して『己の美貌が兵の士気を下げないように常に仮面をつけて戦った』という逸話になった。
 必殺技は『頭部を完全に覆う兜(ランリョウ・ドライバー)』。


工房(用語)
 魔術師の研究室。魔力を隠す機能は初歩の初歩。建物自体からも魔力がもれるらしい。魔力の遮断は当然で、周囲に異常を悟らせないことが基本。魔力で意思を得たモノが侵入者に襲い掛かることがある。工房を設置する建物は、あまり解放的な造りだと魔力が散逸するため不向き。構造材は石や土などで、閉鎖的な構造のものが適している。
 工房の目的は魔術の研究のみにとどまらず、防御のためではなく攻撃のため、つまりやってくる外敵を確実に処刑するためのものである。
 これを建設するにはその地を管理している管理者に許可をもらわねばならない。


抗魔術(魔術)
 物体に付与する付加効果。魔術回路の働きを乱して魔力を生成できなくし、魔術を使えなくするもの。術式妨害と同様の効果があるが、術式妨害は自身と対象の魔術回路を接続して相手の回路を乱す魔術である。


抗魔力(用語)
 魔術師に備わる催眠、呪縛、強制などという術者の行動を抑制する魔術を弾き返す力。これは魔術回路の外部からの魔力を弾く特性からなるもので、魔術の式が完成する前に乱されてしまうため数ランク下の魔術師ですら操るのは難しい。
 魔術師でなくとも魔術回路がある者ならば無意識に弾かれてしまうこともある。だが無効化できるのは魔力であり、完成した魔術はキャスター並みの膨大な魔力を持っていないと無効化できない。


高慢と偏見とゾンビ(用語:氷室の天地)
 氷室鐘が読んでいた小説。
 ジェイン・オースティンの『高慢と偏見』にセス・グレアム=スミスがゾンビの要素を盛り込んだ作品。マッシュアップ小説であるため、様々な改変要素はあるがストーリーは原著と同じ。


校務員(人名)
 加々美崎高校の公務員。荒耶宗蓮のような容貌の男性。


交流数紋(魔術:魔法使いの夜)
 オルタネイト。
 蒼崎青子が使う術式の一つ。軌道の変化を得意とする術式だが、多数の魔弾を扱うことができる。


降霊科(用語/組織)
 ユリフィス。時計塔の学部の一つ。3科。
 ソフィアリ家が学部長を歴任している。ケイネス・アーチボルト・エルメロイが生前に一級講師を勤めていた。


コーズ(用語)
 →開位


ゴーストライナー(用語)
 →境界記録帯


コーバック・アルカトラス(人名/死徒・魔術師)
 Couba*** Alcatraz(*は文字を読み取れない)。
 死徒二十七祖の27位。千年錠の死徒。魔術師が研究の果てに吸血種に成ったもの。キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグとは旧知の仲で、魔法使い一歩手前の大魔術師。メレム・ソロモン、ミハイル・ロア・バルダムヨォンと同じく神論者だった。
 自らの思想の終着である聖典トライテンを護るために誰にも侵入できない迷宮を作り、その中心から抜け出せなくなった。そのため、ここ数百年表舞台に出ていない。死徒二十七祖の中ではお笑い担当らしく、実力もまぁお笑い担当。現在の姿は南京錠で、独り言を言っている。キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグが作った携帯電話型の礼装を通して迷宮の外と交流している。
 狙われたアーネンエルベの事件後、変身した日比乃ひびきにケータイさんをアルクェイド・ブリュンスタッドに渡してもらい、会話する。その際に800年前、アルクェイドが生まれた頃に会った事があり、現在は『朝も夜もない場所に引きこもっている』『どっちに付く気もない』『天涯孤独を決め込んでいる』『何か大切なものをなくした』『何もかも手に入れた』らしい。また性別は男性であり『最近は破目を外しすぎてバランスを取るのが難しい』『外はつまらないから出たくない』『食料の心配はない』とも言っている。アルクェイドに自分を殺したいか訊ねると、アルクェイドはリスクとリターンがつりあわないから、そこにいる限り見逃してやるが出て来れば最優先で殺すと答えた。初めて死んだ夜に見た月を忘れられず、今は月を見たいと願っている。また、アルクェイドが人間に殺されたことを知っている。


枯渇庭園(用語)
 アカシャの蛇、ミハイル・ロア・バルダムヨォンの子である弓塚さつきの固有結界。
 枯渇の名の通り、展開した空間の魔力を急速に減少させていく。遠野秋葉の略奪に似ているが、こちらは世界そのものにかかるものであり、また枯れていった魔力はさつきに還元されることなく消えてゆくのみである。
 攻撃に魔力を必要とする魔術師、生存に魔力を必要とする精霊などには天敵といえる地形効果。だが世界と切り離されつつある生物(マナをあまり使用しない人間)には劇的な効果はない。


刻印虫(用語)
 人為的に作られた三尸のようなもの。魔力を食い、宿主の存命を発信するだけの最低位の使い魔。
 間桐桜の体内にいるものは第四回聖杯戦争の折に採取された聖杯の中身を触媒に作られたもので、十一年間体内で育てられた結果、魔術回路じみた神経になって全身に行き渡っている。これは普段は停止していて何の影響もないが、ひとたび作動すれば神経を侵し魔力を糧に動き続け、魔力が尽きればその肉体を喰らう。その発動条件は『マスターとしての戦いを放棄すること』。


黒化(用語)
 聖杯の中身である黒い泥に触れて汚染され、属性の性格が悪い方に反転・変貌すること。これは『この世全ての悪』に触れたための狂気である。基本的に聖杯の中身に触れたサーヴァントが黒化する。
 中には間桐桜のように当人の特性により黒い泥を己の力として使いこなす者や、ギルガメッシュのように強烈な自我により精神への汚染を免れる者もいる。
 サーヴァントが黒化すると聖杯の力で受肉して現世との結びつきが強い存在に変化する(確かな使い魔として肉体を与えられる)ため物理的な干渉力は増大する(セイバー・オルタナティブは生前以上の破壊力を誇る)が、受肉するため霊体化することができなくなる。また魔力消費に関する自制心がなくなるため戦闘能力は飛躍的に増大するが、細かい制御は不可能になる。


国藤(人名:月姫)
 こくとう。
 遠野志貴のクラスの担任である国語教師。


黒桐鮮花(人名:空の境界)
 こくとう あざか。
 黒桐幹也の妹。蒼崎橙子に弟子入り中の魔術使いのたまごだが、霊体を視るなどの魔眼はない。礼園女学園高等部1年A組。7歳当時の身長は121cm。起源は『禁忌』。
 TYPE-MOON Fes.には本来参加しないはずであったが、橙子の指示により両儀式の代理という形で調査のため参加する。会場内で出番が終わって手伝いをしていた衛宮士郎に協力を依頼した。楽屋のモニタで吊るされている士郎を発見して駆け付け、ロスト・ロビン・ロンドによって爆弾を仕掛けられていることを知り解決に奔走する。事件解決後は幹也が運転する車で帰っていった。


黒桐幹也(人名:空の境界)
 高校時代は式の同級生。黒桐鮮花の兄。顔立ちはわりと整っており、少し着飾ればかなり目立つだろうが身繕いは地味に黒一色でまとめている。
 ネコアルクとは知り合いで、池袋のワンニャンランドでお茶をするほどの仲。
 TYPE-MOON Fes.には登場しないが、橙子の車を借りてロスト・ロビン・ロンドによる爆弾騒ぎを解決した鮮花の迎えに行った。


極道沈没(用語:氷室の天地)
 Jポリスの『THE クイズ SHOW』のジャンル『オヤジ系まんが』のクイズの答え。


五次元平面(用語/魔術:魔法使いの夜)
 →月の油


コシャマイン(用語:氷室の天地)
 衛宮士郎らが二年生の頃の文化祭の2年A組の出し物の一つ、最強偉人にラインナップされた。
 渡島半島のアイヌの首領。康正二(1456)年に起きた鍛冶屋がアイヌの少年を殺した事件に端を発する、よく康正三(1457)年5月にコシャマインを中心にアイヌ軍が蜂起、和人の拠点である道南十二館を十まで攻め落とすも、長禄二(1458)年に武田信広によってコシャマイン親子は射殺され、アイヌ軍は崩壊した。
 必殺技は『クトネシリカ』。これはアイヌの口伝叙事詩ユーカラに登場する刀で、ポイヤウンペという英雄の持ち物。刀身や柄に龍や狐の姿の神が宿っていて、有事にはそれらが顕現して持ち主を救うといわれている。


五重塔焼き(用語:氷室の天地)
 お好み焼き・鍾馗のメニュー。
 五段になった鉄板で下から順に血の池地獄、焦熱地獄、竜巻地獄、砂地獄をイメージしたお好み焼きが焼かれており、下の四層を制覇すると五層目に黄金のお好み焼きが現れる。ただしこの黄金のお好み焼きはフェイク品のため食べられない。また五層の鉄板は配膳された直後には電気と炎を纏っている。
 血の池地獄には血になるレバー、焦熱地獄にはホットな香辛料に漬けたホルモン、竜巻地獄には衝撃が心臓に来るという事でハツ、砂地獄には鳥取砂丘に因んで砂丘に散った相撲取りのイメージのホルモンと鳥取の名産である二十世紀梨が具として入っている。
 不評だったため、一か月もたたずにメニューから消えた。


午睡の鏡(魔術:魔法使いの夜)
 久遠寺有珠だけを守るプロイキッシャーの一つ。セカンドチケットとも。三大プロイキッシャーにはなれなかったが、機能的には三大に負けていない。元は内側に異世界を持つだけの魔術卵で、長いこと壊れていたらしい。それを有珠の母と蒼崎橙子が協力して作り直した。
 本体は久遠寺邸のロビーに懸けられた直径1メートルほどの鏡と有珠の部屋の鏡。材料は古い鏡と魔女の滴。顕現すると濃霧を生む。効果は結界の作成と物理法則の緩和、曲解。探知、隔離、援護と汎用性が高く、基本的には三咲市全体の索敵と久遠寺邸内の警戒に使用されている。たまに暴走して久遠寺邸内にゲートを作り、通る者を鏡の世界に招くのが欠点。鏡を割ることで撃退できる。
 午睡の鏡の表面を三咲市の地図にしてその上に名無しの森のコマを置くことでそこが名無しの森になる。
 月の油を喪失した後は機能の制御ができなかった。蒼崎橙子との戦闘ではこれの効果で橙子が青子を直接視認することを防いだ。
 午睡の鑑という名称は蒼崎青子が付けたもので、有珠は単に鏡と呼ぶ。


cosmo murder(用語)
 ネコ二十七キャットの第二位。


小袖の手(用語:氷室の天地)
 衣桁にかけた小袖から夜な夜な白い手が伸びるという妖怪。細部にはバリエーションがあるが、おおよそ恨みを遺して死んだ女の怨念が宿ったものとされる。詠鳥庵の蔵に保管されている。


個体基礎学部(用語)
 時計塔の学部の一つ。2科。ソロネア。
 2015年の時計塔では『バルトメロイ家が管理する学部で、別の学部に属する者が足を踏み入れれば私設憲兵に囲まれる』とされていたが、ロード・エルメロイU世の事件簿に合わせて訂正され、ソロネア家が管理する学部とされた。私設憲兵のくだりはソロネア家でも同様かは不明。


五大元素使い(称号)
 アベレージ・ワン。魔術協会において、属性が五大元素の者をこう称する。


古代ネコ言語(用語:ネコアルク)
 四大文明よりもさらに古く、地球空洞説の元になったのではと噂される超言語。簡単な言葉の中にも数式、思想、落語といった要素が含まれているらしい。
 色々と学説をうちたてられているが、要するに語尾に『にゃ』をつけるだけである。


虎竜(こたつ)で眠るSSF(用語)
 ネコ二十七キャットの第十位。


児玉清美(人名:スターリット・マーマレード)
 加々美崎高校1年1組の生徒。胸がかなり大きい。制服のタイは細いネクタイ。
 桂木千鍵や山内溥子とは中学校からの同級生。桂木千鳥のファンクラブ会員かつ知人。
 千鳥が卒業前に隠したというタイムカプセルの事を知り、山内とともにそれを探し回った。この時に加々美崎高校を訪れていた千鳥と会い、その週の日曜日に山内とともに千鳥とお茶をしたため更科洗礼名に拉致され行方不明になっていた。その後、変身した日比乃ひびきによって解放された。


黒鍵(武装)
 聖堂教会で使われる悪魔払いの護符。剣としての精度は低く、投擲専用の武装、つまり弾丸である。十字架を模していて、基督教徒だった死徒の体に無理やり人間の頃の自然法則を叩き込み、もとの肉体に洗礼しなおして塵に還す摂理の鍵。シエルのものは一本で通常の死徒ならば6度滅ぼしうる。
 代行者にとっては象徴的な武器にして基本武装だが、扱いが難しく物理的破壊力に乏しいことから愛用する者は少ない。
 彼らが『魔』と定義するモノの多くは霊体や現象なので、それを退ける黒鍵も霊的干渉力に重きを置いている。
 上級者もしくは選ばれた代行者の黒鍵の刀身は魔力で編まれたもので、携帯時は柄だけになる。シエルの黒鍵の刀身は聖書のページを展開し、魔力を通して物質化したもの。シエルは最大で百近い黒鍵を法衣の下に隠している。
 シエルは火葬・土葬・風葬・鳥葬式典を施したものを3本ほどまとめて鉄甲作用をつけて投げる。シエルが鉄甲作用で投げた黒鍵はアルクェイド・ブリュンスタッドを公園の端から端までごろごろと吹き飛ばし、コンクリートの壁を貫通する威力を持つ。


ゴッズ・ホルダー(俗称:hollow)
 伝承保菌者。バゼット・フラガ・マクレミッツの二つ名。彼女の家系の古い血を生かした魔術特性から。神代の神秘(ウィルス)を残しているという意味。


ゴッド・ハンド(対人宝具)
 →十二の試練


ゴッド・ブル(用語:Zero)
 →飛蹄雷牛。


後藤劾以(人名)
 ごとう がい。
 穂群原学園2年C組。衛宮士郎のクラスメイト。通称、人間街頭演説車。C組の人間秘密兵器。
 前の晩に見たドラマに影響を受けて毎日のように言動が変わる。好きなドラマは暴れん坊将軍。
 強い我を持たぬ柔軟性の鬼。誰色にでも染まる鏡のようなトレス能力が武器だが、それだけに強者と対戦した場合には強くなるが圧倒的弱者と対戦した場合には釣られて弱くなり、自滅する。
 冬木空手道場の門下生。巨漢の冬木空手道場門下生の蹴りを完全にガードするほどの実力はあるが、美綴綾子には手も足も出ない。白帯。空手は映画(おそらくキルビル2)に影響を受けて始めた。格闘家では長島☆自演乙☆雄一郎が好き。
 2年A組の調理実習の際には自分のクラスの授業をほっぽって招聘に応じ、氷室鐘、沙条綾香、遠坂凛チームと美綴綾子、蒔寺楓、三枝由紀香からなる超人血盟軍の料理対決の審査員を務めた。もっとも超人血盟軍は自爆によりリタイアしたため、試食したのは氷室、沙条、遠坂の料理のみ。
 2年生のときの体育祭では将棋ボクシングに出場し、一回戦で氷室鐘と対戦するはずだったが、ボクシング漫画の影響で過剰な減量を行ったせいで入院してしまい不戦敗となった。
 2年生の時の文化祭では『執事KISSA C 〜夢幻のしらべ〜』で執事の格好でウェイターをしていた。その際には来店した氷室鐘にギモーヴの食感は何に似ているかと訊ねるも、ピー音で修正せざるを得ない返答を受けて狼狽した。おそらく後藤が期待した答は唇やキスで、氷室の答は人間の内臓だったと思われる。


ゴトウライド(用語:氷室の天地)
 後藤劾以が何らかの本の影響を受けてその登場人物になりきることのイメージ。
 トリックスターという創造を担う秘石を内蔵した次元転換解放機ディケイドライバーで2次元に封じられている本のエネルギーを3次元に解放し、自身に投影することで変身する。……わけではなく、単に後藤自身の極めて影響を受けやすい性格によるものである。


蠱毒(用語/魔術:事件簿)
 大陸に広く伝わる呪術。
 蛇や毒虫、犬、猫、狼などを集めて共食いさせ、最後に残った一匹を呪いの触媒として使用する魔術。


コトネ(人名:Zero)
 遠坂凛のクラスメイトだった少女。おそらく第四次聖杯戦争におけるキャスターと雨生龍之介の手にかかったと思われる。路地裏で死に掛けているところにカレイドステッキが契約を持ちかけてきたようだが、契約しなかったらしい。


言葉(用語)
 眼と並ぶ代表的な魔術回路。


言峰教会(地名)
 冬木教会の別名。


言峰綺礼(人名/魔術師・異端審問官)
 ことみね きれい。
 身長193p(第四次聖杯戦争時は185cm)。体重82s。血液型B。1967年12月28日生まれ。第四次聖杯戦争のアサシン及びアーチャーのマスターで、第五次聖杯戦争のアーチャー及びランサーのマスター。八極拳士。
 特技は鍛錬。好きなものは鍛錬で、苦手なものは独り酒。衛宮切嗣が天敵。辛いものが好き、というわけではなく、単に紅洲宴歳館・泰山の激辛マーボーが好きだとのこと。
 聖杯戦争の進行役として魔術協会から派遣された。聖杯戦争の騒ぎの隠蔽やサーヴァントを失ったマスターの保護などを行うが、マスターとサーヴァントを相手にできるほどの実力はない。また聖遺物の管理・回収を行う第八秘蹟会に籍を置いた代行者だが、シエルには到底太刀打ちできない。魔術師の家系ではないが魔術回路を持っている。これは稀にある突然変異ではなく、父璃正が長年の信仰によって得た秘蹟の恩恵で、『秘跡を再現する資格』(要するに魔術回路のこと)を持って生まれたのである。しかし魔術回路の開発は充分ではない。この魔術回路はカレンには受け継がれていない。当然ながら魔術刻印は持っていない。
 父親である言峰璃正の巡礼中に生まれて幼少期から父言峰璃正の聖地巡礼に同伴し、10代から代行者としての修練を積んでいた。1981年に二年飛び級、しかも主席でマンレーサの聖イグナチオ神学校を卒業。このまま進めば枢機卿にでもなりそうだったが、代行者に志願。22歳で神学校(校名は不明)へ進学し、同年、見習いから単身での任務に耐えうる代行者として二度目の洗礼を受けた。一般の価値観から乖離した自分への怒りと絶望が彼を修行という名目の自虐へと駆り立て、その結果代行者というエリートまで上り詰めた。
 しかしある異端審問の折に妻クラウディアを娶ったために神学校を自己退職し、正式な司祭職への道を断念する。妻の死後は父と同じ第八秘蹟会に籍を置き、代行者としての修練に専念した。これまでに代行者を含めて都合三回所属を変えている。なおクラウディアの死を契機に治療魔術を習得した。クラウディアとの間に生まれた子がカレン・オルテンシアと思われる。
 八極拳の達人。銃を照準されてから、射撃者の視線から弾道を、筋肉の緊張から発射のタイミングをはかって弾丸をかわすことができる。第四次聖杯戦争時に着用していた僧衣は分厚いケブラー繊維製で、代行者特製の防護呪札によって隙間なく裏打ちされているため9mmの拳銃弾程度ならば至近距離でも貫通できない。八極拳は璃正から精神修養の一環として教わっていただけだったが、代行者時代に血みどろの経験を積むうちに次第に我流の人体破壊術として歪んだ形に昇華してしまった。もちろん綺礼が理想としていた父の功夫とは程遠く、このあたりも若い頃は自分を許せずにいた。
 早熟といえるほど見識深かったが、普通の人間が美しいと思うものを嫌悪し、嫌悪するものを美しいと感じる欠陥者。しかし道徳を理解できないものの常識を備えており、青年期はその狭間で葛藤を続けていた。死病に冒されたクラウディアと結婚し子を為したが結局その欠陥を埋めることはできなかった。
 第四次聖杯戦争の三年前に右手の甲に令呪を得、遠坂時臣と聖堂教会の計画により魔術協会に派遣という形で転属し、時臣に魔術を師事する。令呪を宿していることを秘匿し、三年の修業の後に令呪を宿したことを明らかにして時臣と決別したことになっている。
 28歳で参戦した第四次聖杯戦争においてはアサシンのサーヴァントを従えたが、それは単体にして群体である『百の貌のハサン』だった。第四次聖杯戦争では後にアーチャーを従えて戦い抜く。衛宮切嗣の資料を読み、その一見無軌道とも取れる殺戮の数々から切嗣もまた迷い人であると思い込み、『自分の空虚を埋められるかもしれない』と信じて対決を望んだ。
 第四次聖杯戦争が本格的に開始される前、帰りが遅い凛を遠坂葵が時臣に無断で探しに出たことを察知して時臣に報告し、時臣の指示を受けて変装したうえで凛を保護した。この後は時臣が綺麗との繋がりを察知されることを恐れて強力な隠形の術を使ったうえ、通信機器も持っていなかったため連絡が取れず、凛にあちこち連れまわされることになった。
 第四次聖杯戦争では早々にアサシンのうちの一人ザイードを使って時臣を殺そうとするが、ギルガメッシュに返り討ちにあう。実際はザイードを殺させてリタイアを装い、時臣をサポートした。
 アサシンのサーヴァントを失ったあとにマスターを失ったサーヴァントが存在しないにもかかわらず、未使用のまま終わった二画の令呪が再配布された。再配布された部位は左の肘に近い上腕部。璃正から受け継いだ預託令呪は右腕全体にある。
 ケイネス・エルメロイ・アーチボルトにより璃正が射殺されたあと、彼が残した『jn424』というヒントに従いその死体から預託令呪を回収した。また璃正の後を引き継いで冬木市各所で事後処理をしていた聖堂教会スタッフのとりまとめを引き受けていた。ただしこれは正式なものではなく、第八秘蹟会からの正式な後任者を待つほどの余裕がなかったがための暫定的な処置である。司祭職については非公式ながら与えられている。
 時臣とアインツベルンの休戦協定の条件により国外退去となるはずだったが、ギルガメッシュとの対話により他者の痛みと嘆きこそ己の愉悦であると見定め、時臣を裏切る。表向き国外退去する予定だった日に時臣からアゾット剣を贈られ、直後にそれで時臣を刺殺、ギルガメッシュと契約した。第四次聖杯戦争の半年後に行われた時臣の葬儀の際にそのアゾット剣を凛に贈った。
 間桐雁夜に『父の死は遠坂に責任があり、間桐の手を借りて時臣を処断したい』と共闘を持ちかけ、バーサーカーにアイリスフィール・フォン・アインツベルンを拉致させる。その後時臣の死体を使った策略で遠坂葵に雁夜が時臣を殺したと思い込ませ、雁夜を追いつめて葵を殺させようとする(実際には葵は逝き残ったが、雁夜は殺したと思い込んだ)。それにより自由意志を失った雁夜は綺礼の手駒となる。この悲劇の際に初めて酒をうまいと感じた。
 その後、冬木教会を放棄してキャスターが工房としていた下水道の貯水槽に身を隠す。そこでのアイリスフィール・フォン・アインツベルンとの対話で切嗣が理想のためにあらゆるものを切り捨ててきた、つまり言峰が欲していた喜びや幸福などを全て切り捨ててきたということを知り、聖杯の争奪を度外視してその理想を打ち砕くべく行動する。なおアイリスフィールはその後殺害した。
 冬木市民会館の地下一階の大道具倉庫で切嗣と相対する。魔術回路の開発が充分でないために預託令呪を魔力源として使用していたことで、切嗣の起源弾を受けてもまったく効果がなかった。つまり起源弾が効果を発揮したときには破壊すべき令呪が消えているためである。預託令呪を惜しみなく使用したということもあるが、純粋な体術だけでも威力、速度、技術のどれを取っても超人的なものであり、その二つを合わせることで起源弾を拳で反らすという離れ業をやってのけた。だがこの弾丸弾きは八極拳と魔術の奇跡的融合による絶技で、片腕を使い捨てにする自虐的ファイトスタイルあってこそ。
 戦闘中に真上のコンサートホールに現れた聖杯から溢れ出した泥が床スラブを貫通し、言峰と切嗣はそれを満身に浴びた。切嗣と同様言峰も聖杯の中身と接し、それが生まれることで迷いの全てに答えがもたらされると思ったが、わずかに先に目覚めた切嗣により背後から心臓を撃ちぬかれた。なお言葉を交わしたのは後にも先にもこの一度きりである。
 その後受肉したアーチャーから経路を逆流した黒い泥による魔力供給によって蘇生。ちなみに心臓は動いていない。つまり『この世全ての悪(アンリ・マユ)』とつながることで魔力の供給を受け、一命を取り留めたということ。
 なおその頃は衛宮士郎のように自らの歪さに苦しんでいたが、戦いの末に解脱して現在の不遜さを手に入れた。
 第五次聖杯戦争ではバゼット・フラガ・マクレミッツを騙し討ち、令呪とランサーを奪ってそのマスターとなる。ランサーで偵察をしてからギルガメッシュで討つ、という戦法を取る。
 そのバゼット・フラガ・マクレミッツとは六年前に屍を用いて魂の再現を謀る、封印指定を受けた魔術師の庭で敵同士として出会った。彼女との度重なる共闘はお互いに組織には報告しないものだった。バゼットが封印指定の実行者であり門外漢であるにもかかわらず第五次聖杯戦争に参加できたのは彼からの指名があったから。
 破壊を好むように見えるが実際は作る側の魔術師。遠坂凛の魔術の兄弟子で第二の師ともいえ、体術の師である。もとは神父だったが魔術協会に『派遣される』形で鞍替えした。魔術特性が『傷を開く』ことに特化しており、魔術協会でも数少ない腕のよい霊媒医師となっていて、教会の秘蹟使いでもこのレベルにあるものはごく一部。霊体、精神の傷を治す手腕は司祭レベル。ただし、その他のことでは遠坂凛に及ばない。
 時臣について修得した魔術は錬金、召喚、降霊、卜占、治癒魔術で、治癒魔術の腕前は時臣を超えている。しかし天才を持ち合わせていないため超一流には至らないが、努力のみで辿り着けるところまでは他者の数十倍の努力によって恐ろしく早く至る。そしてあと一歩というところで何の未練もなく他のジャンルに移った。
 これは教会での修身で得るものがなかったため、逆の価値観である魔術の修行に期待してのことだった。だがやはり何の喜びも満足も見出せなかった。傍目には実に出来のいい生徒である綺礼に寄せる時臣の信頼はゆるぎなく、凛にまで兄弟子の礼を取らせたほど。
 時臣の死後、遠坂葵に相続されていた霊脈上の要所に建つ物件を葵の死後に凛へと相続する段になって、凛の後見人だった綺礼が愚直かつ大雑把に管理したために実入りのいい物件のほとんどが人手に渡ってしまった。
 聖杯戦争に参加するも本当に聖杯を欲しているわけではなく、単純に極限状態に陥って本能のままに行動する人間を娯楽とすることが望み。聖杯は衛宮士郎か遠坂凛に獲得してほしいと思っている。
 璃正から受け継いだ魔術刻印を持つが、それは預託令呪であり、使えば使っただけ失われる消費型。
 璃正の跡を継いで冬木教会の主任司祭を務めており、神父としては完璧で若いながらも立派に聖務を勤めていると周囲からの評判は高い。遠坂凛の身元引受人だった。凛は幼い頃から綺礼が苦手で好いていなかったが、綺礼はそんな凛をからかうのが好きだった。
 毎年12月31日に教会で夜通し開かれるミサは『それまでの一年とこれからの一年をたった半日で台無しにできる』ので、彼にとって一年で一番楽しい時間。しかしミサに出席した人たちは『生まれてきてごめんなさい』状態になるものの、ためになる教訓を垂れる言峰には感謝する。
 酒の奥深さから、ともすれば自分の心の空洞を満たすほどの味覚があるかもしれないと考え、極上の美酒と聞けばひとまずは購入するという奇癖を持つに至った。そのため、彼の私室には数こそ少ないが質の点で言えば遠坂邸の酒蔵よりもいいものが揃っている。
 第五次聖杯戦争の頃は第四次聖杯戦争当時よりも衰えている。第四次聖杯戦争当時の強さは圧倒的な令呪数と衛宮切嗣への妄執があったためで、いわば絶頂期であった。この頃の言峰ならばシエルと戦っても勝てる。
 スペックでは凛に劣るが、凛に植えつけられたトラウマと代行者としての十年以上の経験によって戦った場合の勝率は八割ほど。仮に他人同士であっても代行者としての経験から凛は苦戦するだろう。
 魔術や武器を用いない純粋な肉弾戦ではバゼットに劣るが、第四次聖杯戦争当時の状態ならばバゼットより強い。
 第五次聖杯戦争にて死亡するが、世間的には失踪扱いになっている。
 凛の誕生日に毎年同じ服を贈っていたが、それは完全に言峰の趣味。年頃の娘ならこんなものだろう、という彼なりの気遣いだった。
 ネコカオスとはペンフレンド。AATMでは七夜志貴に次ぐウェイターとして登場したが、そのときはFate/Zeroでの若い姿で現れた。なお若い姿では遠坂凛のガンドを20発(ビームを除く)喰らっても平然とするほど頑強だが、カレン・オルテンシアに毒殺された。
 アーネンエルベでは中華の飲茶の習慣を共通点として、メニューに餃子(激辛)、小籠包(激辛)、炒飯(激辛)、担担麺(激辛)、麻婆豆腐(激辛)、杏仁豆腐(激辛)などを捻じ込もうとする。その際に店内で出くわしたシエルと争いになり、店の破壊を防ぐためケータイさんが呼んだカレン・オルテンシアによってマグダラの聖骸布で捕獲された。
 unlimited codesでは価値がないものが存在する価値を知りたいがために黒化した間桐桜を生かし、遠坂凛と衛宮士郎を打倒してアンリ・マユの受肉を見届ける。


言峰クラウディア(人名)
 言峰綺礼の妻。作中で明言されてはいないが、カレン・オルテンシアの母と思われる。
 アルビノで免疫機能が欠如していたため、些細な傷でも死に繋がり、体はボロボロだった。死病に蝕まれていたが、とある異端審問の際に言峰綺礼と結婚する。言峰との子を産み、後に死別。カレンの母だとすれば出産の一年後に死亡し、死因は強盗殺人に遭ったとされているが実際は自殺らしい。
 カレンに受け継がれたのは『病魔に憑かれやすい』という在り方。


言峰璃正(人名)
 ことみね りせい。
 身長179cm。体重88kg。血液型B。12月29日生まれ。
 言峰綺礼の父親。聖堂教会、第八秘蹟会の司祭。魔術刻印(預託令呪)を持っていたが、死後言峰綺礼に引き継いだ。第四次聖杯戦争の三年前には八十歳近い高齢だった。遠坂時臣の後見人。特技は説法と中国拳法。信仰心と克己心が好きで快楽主義者が苦手。天敵は雨生龍之介。
 苦行によって悟りを得ようとした修道士であり、諸国に散った聖遺物の回収を巡礼の試練として自らに課して世界中を巡り歩いた過去を持つ。世界巡礼中に息子綺礼が誕生し、彼は幼少の折から聖地巡礼に同伴した。
 八極拳の達人で、綺礼に拳法の手ほどきをしたのは璃正。こと拳法の腕前においては綺礼をも凌駕するが、これは自己鍛錬と求道のために積み上げられた功夫であり、代行者ではない彼には戦闘行為を目的とした殺人術の心得はない。よって死徒などと渡り合ってきた修羅場の数では綺礼の方がより凄惨。もちろん魔術とも無縁であり、綺礼のような魔術による肉体強化を加えた拳法を揮うこともない。だが綺礼から見れば『正調の八極拳』という意味では父親の方が拳士として格上であるという認識だった。ただの殺人拳ではない、その先の領域を求めて功を積み、到達した老人であった。
 第四次聖杯戦争の六十年前に起きた第三次聖杯戦争の監督役で、その功績を認められて冬木教会に派遣され、第四次聖杯戦争においても監督役を務めた。第四次では第三次の教訓を生かしてよりよい運営を目指したが、予期せぬトラブルによって他界。
 聖堂教会が始めて介入した第三次聖杯戦争より監督役としての任を負い、冬木の戦いを見守った。そこで遠坂時臣の父である当時の遠坂頭首と友誼を結び、以来遠坂家と深い関わりを持ち続ける。また遠坂凛から数えて三代前の遠坂の当主に何らかの誓いを立てており、それに従って第四次聖杯戦争では遠坂時臣を支援した。
 過去の聖杯戦争を通じて脱落したマスターから回収された令呪を右腕に宿しており、それを個人の判断により任意の相手に委譲する権限を与えられている。
 キャスターが召還した大海魔の騒ぎの後始末をし、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトに令呪を一画譲渡した直後にケイネス・エルメロイ・アーチボルトに射殺された。死の直前に、自分の死体を最初に見つけるのは息子の綺礼であろうと信じ、預託令呪のプロテクトである聖言のヒントを『jn424』と書き残した。


五人の太郎(用語:hollow)
 衛宮士郎らが文化祭でやることになった演劇。正式演題不明。
 桃太郎の鬼退治から十年後、鬼が復活したという噂に再び立ち上がる桃太郎。安倍晴明の卜占に『丑寅の空に妖星立ちぬ』と出、酒呑童子の首塚や土蜘蛛の塚が揺らぎ始めた。そこで五人の太郎が一堂に会し、鬼退治をするという物語。
 脚本・ナレーター・赤鬼:遠坂凛。桃太郎:蒔寺楓。竜の子太郎:セイバー。信濃の三年寝太郎:美綴綾子。足柄山の金太郎:三枝由紀香。イヌ:ランサー。サル:アーチャー。足柄山のクマ:佐々木小次郎。タヌキ:柳洞一成。鶴:氷室鐘。ウサギ:間桐桜。


この世すべての悪(用語)
 アンリ・マユ。聖杯から呼び出すこの世すべてを呪う極大の呪い。いわゆる『聖杯の中身』であり、呪い、第三要素である。
 黒い泥が現界する場合は生物に付着して呪い、魂も肉体も残さずに吸収して次なる呪いとする。空間を塗り潰すものであるため、防ぐことができない。黒い泥自体は物質化した呪いで、魔力の束としては破格。ではあるが、よほど強靭な自我をもっていない限りは人間が浴びれば発狂ないし吸収され、並みのサーヴァントでも狂うだろう。


琥珀(人名)
 孤児だったために生年月日不明。3月12日生まれ(遠野槙久が決めた便宜上のもの)。B型。156cm。43kg。B78 W58 H80。
 遠野家で働くメイドさん。主人でひたすら遊ぶ使用人。翡翠の双子の姉。感応能力者。割烹着の悪魔。遠野秋葉付きの使用人で、料理と中庭の手入れ、財務管理を担当する。
 好きな歌はこっこの『柔らかな傷跡』。猫又が嫌い。人間レベルならばTYPE-MOONキャラで一番料理が上手だが、本気を出した両儀式には負ける。清掃が絶望的に下手で、ほとんど破壊活動に近い。いつも朗らかな笑顔で、一緒にいると非常に和む。本人も気付いていないが、きわめて冷静に物事を判断する。だからか、ゲームがとても強い。分別があり大人の対応ができるが、根はいたずらっ子。相手を喜ばせることは得意だが、人に尽くされることにはまったく慣れていない。
 自動車の運転ができるが、赤信号につかまるたびにドリフトターンをするなど無茶苦茶。
 巫浄の分家の娘だが、幼い頃に母が禁を破ったために没落。翡翠とともに遠野槇久に引き取られてからは槙久の部屋に監禁され、性交による感応能力で槇久に体力を与え続けた。初めて槙久に襲われたのは8歳の誕生日で、贈り物があるから部屋に来いと騙されてのことだった。それからしばらくして自己が崩壊するのを防ぐために自分は人形だと思い込み、それを半ば事実として認識していた。そのときから感情が固定してしまった。それでも翡翠を守るために槙久の要求をすべて受け入れ、何をされても耐えていた。その頃の日記帳には『タスケテ』としか記されておらず、最後のページには自分が人形になればいいという旨のことが書いてあった。
 その後、秋葉が中学二年生になり、関係がばれてからは普通の使用人として仕えている。
 反転し、地下の座敷牢に幽閉されていた四季の世話を任されていた。『槙久が四季を一生閉じ込めておくつもりだ』と嘘を教えて槙久を憎ませて殺害させ、四季と秋葉をぶつけて残ったほうを志貴に殺させる、という遠野家への復讐を企てた。秋葉に血を与えていたのも感応のためではなく、秋葉を遠野よりのものにするための計略。
 翡翠と入れ替わるときには翡翠を薬で眠らせ、カラーコンタクトで瞳の色を変えて入れ替わっていた。見分け方は『姉さん』と『姉』。
 おそらく志貴の1歳半から2歳年上。にもかかわらず薬剤師の資格を持っているのは槙久が翡翠ともども戸籍を改竄し、特別教育を施したから。
 妖しげな薬にも精通しており、MELTY BLOODではそれがタタリによって拡大解釈されて世にも不思議なマジカルドクターと化した。また遠野邸地下で怪しい研究を行い、様々なマジカルウェポンを作り出した。
 屋敷の裏庭にあるサイコガーデンで怪しい草花(主に毒草)を栽培する。そのくせ不文律は『薬は人を助けるモノ』。
 当然ながら軋間紅摩と知り合いであり、『軋間の坊ちゃん』と呼ぶ。
 イリヤエ・ロボマエでは志貴が修学旅行で家を空けている隙に低賃金を理由に秋葉に対するクーデタを起こし、屋敷を感知式対真祖ビームを装備した高さ50メートルの隔壁で囲った上で秋葉をメカヒスイで攻撃する。秋葉とイリヤスフィール・フォン・アインツベルンによってメカヒスイシリーズを破壊されるが、メカ志貴を投入する。しかしそれも志貴に対する不満の捌け口として破壊された。最後の手段として地域破壊爆弾のスイッチを入れたうえ救命艇まで破壊されてしまう。
 なおこのクーデタで使用した地下施設を建設するためには琥珀の給料のみでは足りず、方々で秋葉名義の借金を重ねていた。
 地域破壊爆弾の処理後にイリヤスフィールとマジカルルビーが元の世界に戻る際に一緒に転移してしまった。
 メルティブラッドアクトレスアゲインカレントコードではついにネコアルクの殲滅を決意。グレートキャッツビレッジでツァーリボンバ2011を起爆して殲滅を図る。その妨害のため現れたネコアルクとの戦闘の最中にツァーリボンバ2011の起動ボタンを押されてしまうが、ジェット改造しておいた箒に乗って離脱した。しかし箒の制御ができなくなり、成層圏近くまで飛ばされていった。
 イリヤエ・ロボマエでは志貴が修学旅行で家を空けている隙に低賃金を理由に秋葉に対するクーデタを起こし、屋敷を感知式対真祖ビームを装備した高さ50メートルの隔壁で囲った上で秋葉をメカヒスイで攻撃する。秋葉とイリヤスフィール・フォン・アインツベルンによってメカヒスイシリーズを破壊されるが、メカ志貴を投入する。しかしそれも志貴に対する不満の捌け口として破壊された。最後の手段として地域破壊爆弾のスイッチを入れたうえ救命艇まで破壊されてしまう。
 なおこのクーデタで使用した地下施設を建設するためには琥珀の給料のみでは足りず、方々で秋葉名義の借金を重ねていた。
 地域破壊爆弾の処理後にイリヤスフィールとマジカルルビーが元の世界に戻る際に一緒に転移してしまった。
 ちなみに琥珀と翡翠には明確な賃金は存在せず、槙久によって秋葉でさえ驚愕する金額が既に振り込まれているのだが、その金は遠野家を離れて初めて自由になる。


琥珀新聞(用語:MELTY BLOOD)
 自称、嘘広告紛らわしい、誤字脱字発売日延期のないクリーンな情報媒体。ネコカオスのもとには朝刊が窓ガラスを割って投げ込まれた。遠野志貴は毎日騙されて読んでいる。


コハッキー(人名:氷室の天地)
 DC3版英雄史大戦のプレイヤー。
 『パラケルスス』『ラヴォアジェ』『ノーベル』に伏せカードが二枚という、化学万歳なデッキ構成をしている。


小林(人名:Zero)
 航空自衛官。階級は三等空尉。TACネーム不明(作戦中もTACネームではなく本名で呼称していたため)。築城基地の第304飛行隊に所属し、ディアボロUというコールサインを割り当てられたF-15Jに搭乗した。
 領海哨戒任務から未遠川河口の偵察任務に移行し、大海魔に接近したところを機体ごと食われた。


古物要塞うぎゃあ(地名:氷室の天地)
 蒔寺楓の行き着けと思しき骨董品店。


コブラ(用語:2015年の時計塔)
 2014年秋にイギリスを訪れた蒼崎橙子が購入した自動車。
 イギリスのACカーズの製品で、Mk.TからMk.Vまである。またACカーズ倒産後は商標の譲渡を受けたオートクラフトがMk.Wを製造し、現在は裁判によって商標を獲得したシェルビー自動車によって様々なバリエーションのコブラが生産されている。


ゴブリン(用語/魔術:魔法使いの夜)
 メイ・リデル・アーシェロットの魔術、もしくは礼装の類と思われる。
 1989年秋に雨の中久遠寺邸を訪れた時はヘリコプターから邸内に移動する際にこれで雨粒を弾いたため濡れていなかった。


ゴブリンフロン(用語/魔術:魔法使いの夜)
 久遠寺有珠のプロイキッシャーの一つ。香水で、これをかけると一日の間悪口とスラングしか言えなくなる。
 有珠が幼い頃に仲良くなった少女にこれを貸したことが原因でプロイキッシャーに特定の名前を付けるようになった。


ゴブリンネスト(用語/魔術:魔法使いの夜)
 メイ・リデル・アーシェロットの魔術、もしくは礼装の類と思われる。通信機に類する機能を持っている。


コペンハーゲン(地名)
 冬木市の新都オフィス街にある飲み屋兼酒屋のような店。五年前から士郎がアルバイトしている。いつも炬燵に入っている店長の娘の蛍塚ネコは藤村大河の高校の同期。店長が甘党でネコが辛党。
 新都の工場地帯に臨む僻地にある。穂群原学園OBのたまり場。毒婦の集う女豹の巣とは藤村大河の評
 ウイスキー系が売れ筋。士郎の時給は950円。
 第四次聖杯戦争におけるライダーが酒蔵の扉を破壊して、藤村組に納品するはずだった高級ワインの樽を強奪した。


コマドリ(用語:魔法使いの夜)
 →ロスト・ロビン・ロンド


コマンドアンドコンカー レッドアラート3(用語:氷室の天地)
 各国指導者となって世界の覇権を争うリアルタイムストラテジーゲーム。コマンドアンドコンカーシリーズの外伝、レッドアラートの第三作。
 巨大人型決戦兵器King Oniや可変戦闘機Jet Tengu、超能力女子高生Omega Yuriko、殺人サイボーグくまWar Bearなどのぶっ飛んだユニットが登場する、ぶっ飛んだゲーム。


ゴムマリマスク(用語:Ladies in the water)
 琥珀特製のマスク。モデルはイタリアの帰還兵スケッキヨさん。死徒がこれをかぶることで超日焼け止めでカバーしきれない口や鼻の中も日光から守ることができる。


固有結界(用語/魔術・能力)
 リアリティ・マーブル。空想具現化の亜種。魔術理論・世界卵による心象世界の具現、魂に刻まれた『世界図』をめくり返すもの。自己の心象世界を現実に侵食させ、現実を現実ならざるものに変化させる能力。
 元は悪魔が持つ能力だったが、長い年月を経て多くのモノが実現可能になった。最も魔法に近い魔術。禁忌の中の禁忌、奥義の中の奥義。魔術師にとっての到達点の一つ。
 術者の心象世界を投影してもとの世界を侵食するのでカタチは一定であるが、自然から独立したものも変化させられる。だが、自然(世界)以外のものが異界を発生させるために世界からの修正を受けるために固有結界維持のためのエネルギーは莫大となり、継続時間は一個人の固有結界は数分程度、死徒二十七祖でも数時間から一晩が限度。
 固有結界の展開を容易にする手段として、結界の範囲を術者自身の体内に設定するという方法がある。これは持って生まれた肉体を外界から遮断するのが観念として最も無理がなく、世界からの干渉も最小限で済むからである。
 一部の上級魔術師は個人の心象世界を形作る魔術でこれを展開するが、死徒二十七祖クラスの死徒は能力として展開する(ただしグランスルグ・ブラックモアの固有結界ネバーモアは魔術でもある)。


固有時制御(魔術)
 衛宮切嗣の我流魔術。第五次聖杯戦争のアーチャー曰く魔法の真似事らしい。
 固有結界であり大魔術に分類される時間操作、そのうち過去化の停滞、未来化の加速といった『時間の調整』を極めて小規模かつ効果的に、つまり自己の肉体に限定したもの。術者自身の体内に設定した最小規模の結界内において、わずか数秒間の時間を調整する。
 簡単に言えば自分の体内時間を加速させたり、遅滞させたりするもの。
 だがこれは必然的に結界内外の時間流に誤差を生じさせることとなり、結界が解けた直後にはこれを修正する自然力が操作された側の領域に発生する。つまり、体感的には時間を停滞したのであれば結界が解けた直後にすべての生命活動がその分加速(三分の一に停滞したならば三倍に加速)したように、時間を加速したならばその分減速したように感じる。このため肉体を損壊させずに行使できるのはせいぜい倍速まで。


ゴライアスガエル(用語:氷室の天地)
 カメルーン及び赤道ギニア原産の大型の蛙。雑食性。
 バブル期に放流されたため、円蔵山の池にも生息する。


ゴルゴン三姉妹(用語)
 ギリシャ神話にある怪物の三姉妹。強い女の意味を持つ長女ステンノ、遠く飛ぶものの意味を持つ次女エウリュアレ、支配する女の意味を持つ末女メドゥーサ。ステンノとエウリュアレは瓜二つの少女の姿をしており、ともにメドゥーサをこき使っていた。
 もとはギリシャの古い土着神だったが、彼女らの美しさに反感を持った女神アテナによって『人々の信仰』を奪われ、『形なき島』に追われた。アテナの恨みを受けたのはメドゥーサだけだったが、妹思いの姉たちも形なき島に同行し、怪物と噂されるようになった。が、実際には以前と変わらぬ生活をしていた。
 曰くのあるメドゥーサはともかく、二人の姉は完成した女神だった。なおステンノとエウリュアレは名前と性格以外は永遠に同一の存在であり、以心伝心を超えたお互いがお互いを感じあう共同体である。そのため、互いを呼ぶときは『私』と呼ぶ。
 ステンノとエウリュアレはメドゥーサのような怪力も魔眼もなく、ただ不老不死であるだけのか弱い少女。男たちの憧れが具現化したもので、戦う力はなく、一人では飢えてしまい、誰かの手を借りねば生きられない。『愛されるだけの偶像』、それがゴルゴン三姉妹の『神核』であったが、末女メドゥーサだけはそれを持ちえず、姉をおいて成長してしまった。三人はともに同じ自然現象が神格化されたものだが、メドゥーサだけは不老不死を持たぬ代わりに石化の魔眼、高度な自然干渉能力、卓越した身体機能などのさまざまな能力を持つ。
 そのため買い物・番兵・日曜大工などは全てメドゥーサの役割。その有様はさながら女主人と召使いなのだが、メドゥーサ以外に身の回りの世話を命じることはない。ステンノとエウリュアレはメドゥーサが自分たちの妹に相応しい淑女になれるよう日々教育してるつもりらしいが、どう見ても虐待。
 外見も内面も美しいメドゥーサが自分たちの言動であたふたするのは彼女たちにとって一日も欠かしてはならない娯楽というか栄養源らしい。ある意味では理想的なダメ姉とダメ妹。
 ステンノとエウリュアレは形なき島を訪れる男たちをいじって遊んでいた。
 ある者は名を上げようと女怪に挑んで命を落とし、ある者は妻を娶らんとしてからかい尽くされた挙句に死に至る。
 メドゥーサは後に形のない島に攻めてくる人間たちを殺すことに歓喜を覚えるようになり、怪物として成長していった。そしてメドゥーサではなく怪物になってしまったときにステンノとエウリュアレは自ら怪物に身を捧げ、命を絶った。


ゴルディアス・ホイール(対軍宝具:Zero)
 →神威の車輪。


壊れた幻想(用語)
 ブロークン・ファンタズム。膨大な魔力が詰まった宝具を自ら破壊し、相手にぶつける技能。本来は破壊された宝具を修復することが容易ではないことからまず使わないが、アーチャーは投影した宝具で使用する。


混血(用語)
 魔と人の混ざりモノのこと。遥か昔に人以外のものと交わった人間の末裔。
 コレが歪みとして認識されるのは人ではなく魔としての血が濃くなった場合のみ。ソレを『外れた者』と呼び、初めて処罰の対象となる。その場合、人の側面を持つがゆえに禁縛の勅は通じず、魔の異能を駆使するがゆえに人の身では対抗できない。
 代を重ねるごとに血は薄まってゆくが、稀にその特性を濃く受け継いだ子供が生まれる。
 遠野秋葉は人間の血の割合が多いものの妖の血が最上級のものであるため、人のまま混血として覚醒できるという、混血たちの進化の答えじみたタイプ。紅赤朱としても上質。
 軋間紅摩は鬼の血が多すぎて人でなくなってしまうという、典型的な混血の末路。現段階で紅赤朱に近い。
 時には退魔の協力者として、時には最大の敵対勢力として存在する。
 時代が下るにつれ組織化して人間社会と折り合いをつけ、権力者を取り込み、権力を使う側に回っていった。そのため混血退治を生業とする退魔四家は不要とされるようになった。


昏月(地名)
 こんげつ。
 工房・伽藍の堂の近くにある飲食店。明らかになっているメニューは月見うどんと月見そば。
 1988年には既にあった。


根源の渦(用語)
 あらゆる出来事の発端となる座標。万物の始まりにして終焉、この世の全てを記録し、この世の全てを作れるという神の座。世界の外側にあるとされる、次元論の頂点に在るという“力”。
 根源の渦という名があるために「 」とは微妙に違う。
 根源の渦に至るという願いは魔術師に特有のものであり、これは世界の外側への逸脱である。これによって世界の内側にもたらされるものはなく、世界の内側にしか視野を持たない聖堂教会にとっては全く意味のない企てとしか思われない。
 魔術協会にとって、根源に達する儀式は協会の監視下で行われるべきものである。


混沌(用語)
 こんとん。カタチのないモノ。なんにでもなるモノ。方向性のないモノ。方向性なくしてカタチにならないモノ。意味のないモノ。意味があってはならないモノ。
 ネロ・カオスの別名でもある。
 ルートによっては遠野志貴はネロ・カオスとの戦いで肉体を欠損してその部位を混沌で補う。これは当初は黒くぶよぶよした混沌のままだったが、やがて馴染んで元通りになる。この混沌で補った部位は元の肉体より強化されており、またアルクェイド・ブリュンスタッドによれば魔術を学べばもとの獣に戻して使役することもできるようになるかもしれないとの事。


混沌魔術(用語/魔術:事件簿)
 ケイオスマジック。
 一般に知られている中で最も現代的な魔術。
 1970年代にイギリスのウェスト・ヨークシャー州で始まった魔術体系。洋の東西どころか、魔術のみならず哲学や科学理論、サイエンスフィクションまで取り込み、魔術師の意識を『彼方』へとアクセスさせることで超常的な現象を発露させる。これによって実際に魔術が起動する事は困難を極めるし、あくまでも表側に知られた歴史の断片に過ぎない。
 世界各地の魔術の良い所取りであるが、それだけに魔術基盤は極めて脆弱で、万能性どころかまともに術式を成立させる事自体が難しい。しかしフラット・エスカルドスはいとも簡単にこれを成立させることができる。




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