アーチャー(人名/サーヴァント)
 真名は英雄王ギルガメッシュ。
 偽りの聖杯戦争において宝物殿の鍵を触媒にスノーフィールド北部の洞窟で召還されたが、召還者がティーネ・チェルクに殺されたため彼女と契約する。召還されたのは5番目。
 偽りの聖杯戦争ではスキル「カリスマ」を保有していない。死徒についてはよく知らない。偽りの聖杯戦争ではエルキドゥが召喚されているため、通常よりも大分上機嫌で寛大な精神状態になっている。千里眼を持っているため通常ならば並行世界を観測する事で過去を類推する事が出来るのだが、冬木の第四次聖杯戦争で召喚された前後の位相を観測しようとすると泥が目をかすめ、うまく観測できなくなっている。
 自分で疑うという事をしなかったティーネに対して度々言葉をかけ、自分で考えるように促している。
 ギルガメッシュは神が力を失わないために人が神を崇め続けるための楔として生み出された存在だったが、その役目を放棄して神と人を分かつ統治を行った。そのため、英雄王を正すために送り込まれた神造兵器こそがエルキドゥなのである。
 やはり聖杯に興味は無いが、本物であれば自分の宝物を奪おうとする不埒者を罰し、贋物であれば偽りの聖杯戦争を執り行った者ごと誅するとして参加を決める。ただし当初は乗り気ではなく、児戯ならば戯れ程度に相手をするのがいいと若返りの秘薬を飲もうとする。だがまさに飲まんとしたときにエルキドゥが召還されたことを知り、本気で参加することを決意した。その直後に南部の砂漠地帯に移動し、ランサーと『天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)』と『人よ、神を繋ぎ止めよう(エヌマ・エリシュ)』の撃ち合いという壮絶な初戦を演じた。
 その後、零日目の夜から一日目の未明にかけてクリスタル・ヒルで大勝し、その金で展示されていた高級車を買い取った。このカジノで監督役のハンザ・セルバンテスと出会っている。その後、クリスタル・ヒル最上階のロイヤルスイートに居を移した。昼にそこで真アーチャー(アルケイデス)の狙撃を受け、ヴィマーナで真アーチャーがいる大渓谷に向かう。そこで真アーチャーに対して『王の財宝』からの宝具の射出で攻撃を加えたが効果がなかったためメロダックで攻撃しようとするが、真ライダー(ヒッポリュテ)に邪魔をされた。 

 クラス別能力は以下の通り。
 対魔力:C…第二節以下の詠唱による魔術を無効化。大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。
 単独行動:A…現界の維持、戦闘、宝具の使用まで一切をマスターのバックアップなしにこなせる。ただし宝具の使用など膨大な魔力を必要とする場合はマスターのバックアップが必要。
 保有スキルは以下の通り。
 黄金率:A…大富豪でもやっていける金ピカぶり。一生金には困らない。
 神性:B(A+)…最大の神霊適性を持つが、彼自身が神を嫌っているのでダウンしている。


アーチャーの召還者(人名/魔術師)
 詳細不明。
 偽りの聖杯戦争におけるアーチャーのマスター。令呪は右手に現れた。
 それなりに名の知れた魔術師の家系の当主だが、彼の家系の力が緩やかに衰えていくことにプレッシャーを感じていた。理論も知性も技術も持ち合わせていたが、魔術回路だけが不足しているという状態であった。そのため、自分の位を上げるために偽りの聖杯戦争に出場することを決意する。
 彼よりもさらに魔術回路が少なくなってしまった息子は偽りの聖杯戦争に出る前に殺害し、それを止める妻もまた殺害した。
 彼の家系に力があった頃、先人が探し出し本物であると証明した『鍵』、つまり黄金郷の宝物殿の鍵を触媒にしてスノーフィールド北部の渓谷にある洞窟でギルガメッシュを召還した。しかしその直後にティーネ・チェルクによって令呪を奪われ、殺された。


アーチャーの触媒(用語)
 アーチャー(ギルガメッシュ)の召喚者が用意した触媒。彼の家系に力があった頃、先人が探し出し本物であると証明した『鍵』、つまり黄金郷の宝物殿の鍵。ギルガメッシュが作らせたものだが、彼の財宝に手を出す不埒物など存在しなかったため無用の長物として捨て置かれていたもので、召喚されたギルガメッシュは文字通りこれを投げ捨てた。
 召喚者はこれを触媒にしてスノーフィールド北部の渓谷にある洞窟でギルガメッシュを召還した。


赤いずきんの少女(用語・人名)
 『蝉菜マンションの赤ずきん』事件以降、アヤカ・サジョウの視界に現れる少女。アヤカがエレベーターを目にした時点でアヤカの背後に立つ。アヤカはこれが嫌でエレベーターがある建物に極力近付かないようにしていた。


アサシン(人名/サーヴァント)
 ジェスター(ジュスター)・カルトゥーレが召還したサーヴァント。ハサン・サッバーハではなく、名前すら与えられなかった狂信者。英霊の資質を得る頃には既に名前を捨てていたため、真名はない。召還場所はスノーフィールド東部の湖沼地帯にある屋敷の地下。ハサン・サッバーハではないため、髑髏の面をつけていない。宝具は『幻想血統(ザバーニーヤ)』。これは彼女の時代までの歴代18人の『山の翁』の『ザバーニーヤ』そのものではなく、それを再現するものである。
 『百の貌のハサン』と同じ時代に生きた女で、生前はアサシン教団の中でも飛びぬけた狂信者だった。ハサン・サッバーハの名を目指して凄惨な修練を行い、それまでに存在した18人の『山の主』の奇跡、つまりすべての『ザバーニーヤ』を再現してみせた。この再現した『ザバーニーヤ』の威力は本来の使い手のものより劣っている事もあればすぐれている場合もある。例えば『狂想閃影』や『妄想毒身』は威力が低くなっているが、『夢想髄液』は威力が増している。
 彼女は18もの『ザバーニーヤ』を身に付けたが、教団の者たちは『過去の長たちの模写に過ぎない』として彼女にハサン・サッバーハの名を与えることはなかった。実際には他にも多くの理由があり、一つを修得するのに一生を費やすとされる奇跡を数年ですべて修得したという彼女の才能に恐れを抱いたため、彼女の性質が暗殺者というよりも戦士に近いためというのもある。
 彼女には途方もない努力の才能はあったが、新たなる業を作り出す創意工夫の才能はなかった。
 サーヴァントとして召還されたが、イスラムの神は杯など持たないとしてジェスターとその弟子たちを殺害(ただしジェスターは死徒であるため死ななかったが)。以後は異端の魔術師を排除し、かつての長たちをも惑わした『聖杯戦争』そのものを打ち壊すべく行動する。
 自分に攻撃してこない異教徒には改宗を促すだけで、市民を虐殺することはない。魔術師に対しても同様で、聖杯を求める魔術師ならば殺すが単なる物見遊山気分であれば関わるなと忠告するのみ。
 オペラハウスでセイバーを召喚しようとしていた魔術師を殺害するが、直後に召喚されたセイバーの『永遠に遠き勝利の剣』によって追い払われた。その後、一日目の未明に警察署が魔術師の工房になっている事に気付き、これほど大きな魔術師の組織が聖杯戦争に関わっていないわけがないと判断してこれを襲う。この際には幾重にも張られた結界をすり抜けることは自分の技量では不可能と判断し、上空から結界を強行突破して突入した。
 警察署を襲ってジェスターと再会するまでジェスターは死んだものと思い、魔力が尽きないのは長たちの御業にうまく魔力を乗せられていない自分の未熟ゆえだと誤解していた。
 セイバーとランサーが同盟を組んだ現場に潜んでおり、セイバーの真名を知った。また、セイバーは気付いていなかったが、ランサーはアサシンが潜んでいる事を知っていた。この時にセイバーとランサーに『魔物を斃すのか?』と問い、二人が肯定したことで特に戦闘にはならなかった。後にシグマのもとに現れる。

 クラス別能力は以下の通り。
 気配遮断:A-…効果の程度は不明。
 保有スキルは以下の通り。
 狂信:A…特定の何かを周囲の理解を超える程に信仰する事で、通常ではありえない精神力を身に着ける。トラウマ等もすぐに克服し、精神操作系の魔術などに強い耐性を得る。


化野(人名/魔術師)
 時計塔の法政科に属する魔術師。おそらく化野菱理。スノーフィールドにロードが出向くことを禁じる要請書をロード・エルメロイU世に手渡した。


アトラム・ガリアスタ(人名/魔術師)
 冬木の闘争(おそらく第五次聖杯戦争)に参加し、敗死した魔術師。
 贄を使って魔力結晶を精製するシステムを作ったが、それは後にスクラディオ・ファミリーに奪われた。


アヤカ・サジョウ(人名)
 初出におけるA氏の立ち位置にいる人物。ロード・エルメロイU世の弟子である沙条綾香とは髪の色が違う以外瓜二つであるが、別人である。
 偽りの聖杯戦争が始まった半日後にスノーフィールドに到着した旅行者。10代後半から二十歳程度の女性。日本人で、本来は黒髪だが金に染めている。両手と両肩、背中に一つずつ令呪のようなタトゥーを持つ。英語はネイティブレベル。正式なマスターではないため、サーヴァントのステータスを把握する事ができない。
 蝉菜マンションの赤ずきんの事件の後、救いを求めて冬木教会に行ったが、その前後の記憶が曖昧になっている。しかし『あの教会には近付いてはならない』という強い忌避感を持っている。その後は冬木市から逃げ出して数年間放浪し、何かに引き寄せられるように冬木市に戻って森の中の洋館(おそらくアインツベルン城)を訪れる。それから度々洋館を訪れていたが、最初の訪問から数か月後に二人の白い女に出会う。
 セイバーを召喚する予定の魔術師に捕らえられ、召喚されたアーサー王がどの程度の忠義を持つのかを計るための試し切りの素材にされそうになるが、その魔術師がアサシンに殺され、アサシンが召喚されたセイバーに追い払われたことで危機を脱する。なお、魔術師が執り行っていた召喚の詠唱を受けてタトゥーから奇妙な脈動を感じていた。このセイバーとの契約は拒否したが、魔力のラインは繋がっているためセイバーが勝手にアヤカを守ることにした。
 オペラハウスが半壊したことで駆け付けた警官によって不法侵入と建造物破壊テロの容疑で逮捕され、セイバーともども警察署に連行された。ジェスター・カルトゥーレが警察署を襲撃した際にセイバーとともに留置所を抜け出し、古いビルの地下のライヴハウスで仮眠を取る。一日目の午後にセイバーが大森林のランサーを訪ねて同盟を申し出た際には、銀狼をランサーのマスターとは知らずに接し、懐かれた。


アルケイデス(サーヴァント)
 身長203cm。体重141kg。
 バズディロット・コーデリオンが契約したサーヴァント。
 真名はヘラクレスで、元々はアーチャーとして召喚された。召喚直後にバズディロットにより『取り繕うな』『見てきた人間たちを思い出せ』『地上の衣(人間の本質)を受け入れろ』の三画の令呪をかけられ、膨大な魔力と聖杯の泥を取り込ませられたために変容した。これによりアーチャーでありながらもアヴェンジャーにも似た、ダブルクラスに近い状態なっている。アルケイデスというのはヘラクレスの人としての幼名。二度と人の業を見ないため、肩にかけていた神獣の裘で頭部を覆っている。なお、アヴェンジャーに変容する際に身長が50cmほど縮み、筋肉量も減っている。
 宝具は『十二の栄光(キングス・オーダー)』と『射殺す百頭(ナインライブズ)』。
 聖杯にかける願いは神に復讐し、神としての己の名を消し去ること。
 彼が射る矢は音速を超え、20km以上を飛翔し、ギルガメッシュの宝具による迎撃さえ耐えあるいはすり抜ける。この矢が生み出す衝撃波だけで飛翔経路上の建物のガラスをことごとく粉砕し、直撃すればギルガメッシュの鎧にさえ損傷を与える。
 ステータスの合計はギルガメッシュさえ上回っている。
 一日目の昼にスノーフィールド北部の大渓谷からギルガメッシュが居住するクリスタル・ヒル最上階のロイヤルスイートを狙撃する。狙撃では仕留められずギルガメッシュの接近を許すが、『王の財宝』の宝具射出に苦も無く耐えて見せ、それを児戯と言ってのけた。その後の戦闘は真ライダー(ヒュッポリテ)の介入で決着は付かなかった。

 クラス別能力は以下の通り。
 復讐者:A
 単独行動:C
 対魔力:A

 保有スキルは以下の通り。
 歪曲:A…本来呼び出したクラスが強制的に歪められ、別のクラスの特性を付与された証。引き換えに元のクラス別スキルのいずれかがランクダウンする。アルケイデスの場合は単独行動がCランクに低下している。
 心眼(真):B…修行と修練に基づく戦場での洞察力。アルケイデスの場合は神に与えられた本能は捨てたため、人として積み上げた技術による発現となる。
 勇猛:E…幻惑や混乱といった精神干渉をはねのけ、格闘能力を上げるスキル。令呪によって身に宿る神の呪いを引き出された影響で、本来の値よりも著しく低下している。
 戦闘続行:A+…瀕死の傷を追ってもなお戦い続ける事ができる。


アルトちゃん(人名)
 フランチェスカがセイバーの召喚の直前にオペラハウスを遠隔視しながら口にした英霊の名前。そのオペラハウスではこのアルトちゃんが召喚されることが決まっていたらしいが、実際には謎の英霊が召喚された。
 アルトリア・ペンドラゴンの事と思われる。


アルドラ(人名)
 ファルデウスの部下の女。コールズマン特殊矯正センターの監視室で勤務している。


射殺す百頭(宝具)
 ナインライブズ。
 ランクC〜A+。
 アルケイデスの宝具。手にした武具や徒手空拳により様々な武を行使する、いわば『流派・射殺す百頭』という技術そのものが宝具となったもの。武具の力を最大限に引き出し、対人から対軍、対城まで状況に合わせて様々な形を見せる。


傷んだ赤色(用語)
 スカー・レッド。
 女性。人形師であるらしい。蒼崎橙子の事と思われる。過去にフランチェスカを倒している。
 フランチェスカは本人の前でこの称号を言ったために殺し合いになった。その際にはフランチェスカが何度も殺されて工房を壊されたり魔術用具を持ち去られたりしたが、逆にフランチェスカが傷んだ赤色を殺した時は身体の中に仕込んだ■■■■■■■(おそらく匣の魔物)を起動させ、本人は復活している。最終的にフランチェスカが30回ほど殺されたところで傷んだ赤色の家族に頼み込んで仲裁してもらった。仲裁の後、スノーフィールドの聖杯戦争の3年前に最後にもう一度殺され、「二度と私の目の前にその歪みきった魔術回路を見せるな」と脅されたため、フランチェスカは現在の女性の肉体になった。
 スノーフィールドの聖杯戦争の3年前に機関あるいは米政府の上層部が雇おうとしたが、フランチェスカは強硬に反対した。


偽りの聖杯戦争(用語)
 冬木市の第五次聖杯戦争のあと、およそ10年後に勃発する。ファルデウスの言葉によれば開催される期間は七日間と思われる。これが勃発する兆候を掴んだ魔術協会は秘密裏に調査するためにランガルとファルデウス・ディオランドを派遣した。
 サーヴァントの召還については本来の聖杯戦争よりもかなり曖昧なものとなっており、儀式や呪文が必要ないばかりか、夢の中での召還や、合成獣が瀕死に陥った際の叫びでも召還ができる。
 『組織』が冬木市の第三次聖杯戦争をコピーしたものだが、元のシステムを完全にコピーすることができなかった。そのため、セイバーのクラスが欠落している、サーヴァントの召還方法があいまいになっている、アサシンがハサン・サッバーハではないなど粗が目立つ。
 令呪のデザインは閉じた鎖を思わせるもので、パイロット版のプレイヤー以外はみな右手に現れている。
 この偽りの聖杯戦争の目的は、偽りの聖杯戦争を生贄に本物の聖杯戦争を呼び起こすこと。フランチェスカによれば偽りの聖杯戦争にルーラーは召喚されず、本物の聖杯戦争に切り替わった後でルーラーが召喚されても介入すらできない。また、同じくフランチェスカの言葉によればこの場合に召喚されるのは聖処女=ジャンヌ・ダルクであるらしく、以前も何らかの聖杯戦争で召喚されたことがあるらしい。
 初戦はアーチャーの『天地乖離す開闢の星』とランサーの『人よ、神を繋ぎ止めよう』の撃ち合いという壮絶なもので、これは砂漠の地下に通っていたガスまたは石油のパイプラインの爆発として処理された。またこの戦いで発生した魔力の余波は時計塔でも観測された。


インディアンスプリングス(地名)
 カリフォルニア州の町。


ウィリアム(人名)
 セイバー(獅子心王リチャード)の宝具で呼び出される英霊の影の一人。


ヴェルナー・シザームンド(人名/魔術師)
 蝶魔術の後継者。ロード・エルメロイU世の弟子だった魔術師。色位または典位の称号を得ている。
 ロード・エルメロイU世の事件簿に登場したオルロック・シザームンドとの関係は不明(そもそも世界が別である)。


ウォッチャー(サーヴァント)
 シグマが召喚したサーヴァント。街で起こっている事を見守る能力を持つ番人。エクストラクラスなのか、通常のクラスなのかも不明(冬木の聖杯システムだと、三騎士がエクストラクラスになる事はない)。ランサーのサーヴァントになるのはマスターであるシグマで、このサーヴァントはシグマが生きながらランサーになるための障壁にして見張り番である。
 真名は不明で、姿も不明。老人や子供など、いくつもの『影法師』を顕現させるが、それ自体に戦闘力は皆無で、シグマ以外には見ることもできない。


英国式ヘルスラッシャー(俗称)
 フラット・エスカルドスが考えたバーサーカー(ジャック・ザ・リッパー)の渾名。即座に却下された。


A氏(人名)
 詳細不明。
 偽りの聖杯戦争に欠落したセイバーのクラスを補完するための存在。魔術師ではない。両手と両肩、背中に合計5つの令呪を宿している。ランサーが召還された半日後にスノーフィールドを訪れた。
 男かも知れないし女かも知れない。年齢は20代半ば。かつて冬木市に住んでいたことがあり、何かから逃げてアメリカに来た。エレベーターがある建物に入ることができず、時折血塗れの女の子の幻影を見る。この制約は行動次第で克服できる。
 特定のサーヴァントは持たない。しかしペルセウス、イアソン、スカサハ、ヒュドラなど数十もの英霊から任意の五騎を選んでそれぞれ30分ずつ召還することができる。これは一度に一騎というわけではなく、同時に五騎まとめて召喚することも可能。また召還限界時間の30分も厳格に30分というわけではなく、宝具の使用などにより魔力を大きく消費すればその分短くなる。換言すれば充分な魔力供給を行えば長くなる、ということでもある。
 偽りの聖杯戦争に参加するのは、スノーフィールドを訪れる3日前、ラスベガスで出会った白い髪と白い肌の女が発端であるらしい。


エクスカリバー(宝具)
 →永遠に遠き勝利の剣


エクストラクラス(用語)
 聖杯戦争における特殊クラス。セイバー、アーチャー、ランサー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカーの基本となる七騎以外のクラスで、冬木の聖杯システムだとセイバー、アーチャー、ランサーの三騎士がエクストラクラスに置き換わる事はない。


エヌマ・エリシュ(宝具)
 →天地乖離す開闢の星
 →人よ、神を繋ぎ止めよう


衛宮切嗣(人名/魔術師)
 『魔術師殺し』と呼ばれたフリーランスの魔術使い。世界各地で危険な任務を数多くこなしており、アインツベルンに雇われて第四次聖杯戦争に参加する。第四次聖杯戦争ではシグマの母を助手として使い、終盤まで勝ち上がったらしい。生死不明。


エルダータイトル(用語)
 →神代連盟


エルミア・デ・ホーリー(人名)
 1906年生まれ、1976年12月11日没。
 キャスターが贋作製作に絡んで挙げた人物。
 ハンガリー出身の贋作者。オリジナルの作品はさほど評価されなかったが、贋作者としては天才で、1000点近くの贋作を手掛けた。
 エルミア・デ・ホーリーの贋作は日本の国立西洋美術館にも2点収蔵されているが、贋作であるため展示はされていないとの事。


王の財宝(対人宝具)
 ゲート・オブ・バビロン。
 ランクE〜A++、対人宝具。
 バビロンの都の宝物庫に繋がる鍵剣。アーチャーの召喚者が触媒として用意したものとよく似ているが、こちらはギルガメッシュ自ら結んだ形ある約定のようなもの。


大蜘蛛(用語)
 スノーフィールドの事件を一つ選んで観測しようとしていたオブザーバーが見つけた世界の一つで目覚めるとされるもの。おそらくはORT。これに対応するには100年足りないらしい。


オーランド・リーヴ(人名)
 時計塔とは無縁のはぐれ魔術師。偽りの聖杯戦争を仕掛けた側の人物。
 魔術師であると同時にスノーフィールドの警察署長である。繰丘夫妻に共闘を持ちかける予定だった。自分と同じくはぐれ魔術師の血を引く魔術回路を持った警官を近隣から集め、『二十八人の怪物(クラン・カラティン)』を組織して聖杯戦争に臨む。二十八人の怪物は初めの内は手駒としか考えていなかったが、やがて熱意に打たれて考えを改めた。
 繰丘夫妻に共闘を持ちかける予定だった。警察署長だけあって、スノーフィールド市全域の監視システムを掌握している。警察署での女アサシンとの戦闘では拳銃と日本刀を使用した。
 一般の警官に逮捕されたアヤカ・サジョウとセイバーを取り調べようとしていたところに面会を求めてきたハンザ・セルバンテスから情報を引き出すために拘束しようとするが、女アサシンが警察署に突入してきたため『二十八人の怪物』を率いてこれと交戦。戦いを有利に進めるが、女アサシンの不利を見て取ったジェスター・カルトゥーレが乱入して来たため一転して不利になり、こちらも乱入したハンザに戦いを任せた。


御伽の魔女(俗称)
 悠久を生きる御伽の魔女。過去にフランチェスカを倒している。フランチェスカは『もう悠久を生きた』と発言している。


オブザーバー(用語)
 おそらくはキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ。
 外見年齢は50〜60代ほど。
 コーバック・アルカトラスと思われる電話と対話しつつ、多くの世界からスノーフィールドの事件を一つ選んで観測しようとしていた。彼が介入すると世界が確定してしまうため、部外者を貫くとの事。


オペラハウス(地名)
 スノーフィールド市にあるオペラハウス。州内でも有数の規模を誇る。街の創設当時からあるもので、50年を超える歴史を持つ。
 偽りの聖杯戦争の一日目の夜にアヤカ・サジョウがここでセイバーを召喚し、宝具を使用したために半壊した。


オルグ・ラム(魔術師)
 ロード・エルメロイU世の弟子だった魔術師。色位または典位の称号を得ている。
 Fate/Apocryphaで聖杯大戦に参戦する前に脱落したジーン・ラムとの関係は不明(そもそも世界が別である)。


(用語)
 偽りの聖杯戦争においてギルガメッシュの召還の触媒となった鍵。サバイバルナイフほどの大きさと重さがあり、華美な装飾が施されている。その宝石一つをとっても金銭的、魔術的に多大な価値を秘めている。
 アーチャーの召還者の先人が探し出したもので、彼の家計にとっては唯一とも言える誇りであったが、本来の持ち主のギルガメッシュからすれば『造らせたは良いものの、使う必要が無いと捨て置いたに過ぎん』という下らないものだった。


キャスター(人名/サーヴァント)
 とても饒舌で頻繁に嘘を吐く。現世利益を重視し、聖杯にかける願いは精々が美味い飯といい女程度。純粋な腕力では人間程度で、彼のマスターと殴り合いをしても負ける可能性が高い。
 彼自身は英雄ではなく、彼は英雄を作り出す者。キャスターのマスターは彼に『昇華』をさせ、人間が使いこなせる宝具を作らせていた。それはただの贋作ではなく真作を超えるものである。
 彼の『贋作騒ぎん時にジョークで「本物よりも俺の方が面白ぇだろ?」なんて言わなきゃ良かったぜ』という言葉から、真名はアレクサンドル・デュマ(大デュマ)と推測される。


キャスターのマスター(人名)
 詳細不明。
 魔術師であると同時にスノーフィールドの警察署長であり、弟子の魔術師でもある警察官たちで構成される『二十八人の怪物』を引き連れて偽りの聖杯戦争に臨む。繰丘夫妻に共闘を持ちかける予定だった。


空想電脳(宝具)
 ザバーニーヤ。
 偽りの聖杯戦争におけるアサシンも左手で使用する。


クラン・カラティン(組織)
 →二十八人の怪物


繰丘(家名)
 くるおか。
 魔術師の家系。繰丘一族は本来の聖杯戦争のシステムをコピーした者たちの一角を担っており、聖杯戦争のシステム以外に間桐臓硯の『蟲使い』の魔術体系の一部をも盗んだ。それを基に独自の改良を重ね、数十年に亘る努力の末に『細菌』を完成させた。
 スノーヴェルク市に屋敷を持っている。


繰丘つばき(人名/魔術師)
 偽りの聖杯戦争におけるライダーのマスター。ライダーの召還時点で10歳3ヶ月。
 繰丘夫妻が作り出した『細菌』によって魔術回路を増設されたが、細菌が暴走したために昏睡状態に陥る。以降はずっと無人のスノーフィールドという夢の中を彷徨っており、肉体はスノーフィールド中央病院の無菌室で治療を受けている。
 激痛を伴う細菌による肉体改造を、両親の愛ゆえの行動と思い耐え続けていた。しかし両親の愛はつばき自身ではなく、つばきが紡ぐ魔術師としての未来にのみ向けられていた。
 大量の魔術回路を有しながらも魔術は一つとして伝えられていなかったが、無意識のうちに現実の光景を夢の中に投影するという魔術を開花させる。


繰丘邸(地名)
 スノーヴェルク市にある。繰丘夫妻はここで始皇帝を召還しようとしたが、ライダーによって繰丘つばきの望む生活をトレースするだけの生き人形にされた。


繰丘夫妻(人名)
 娘のつばきを繰丘一族が作り上げた『細菌』の最初の献体として魔術回路を増幅させたが、細菌の一部が暴走したためにつばきは意識を失ってしまう。しかし繰丘夫妻が心配したのはつばき自身の安否ではなく、つばきの生殖能力、つまり魔術師の母体としての安否のみだった。
 偽りの聖杯戦争においては始皇帝を召還しようとするが、その直前にライダーによってつばきの望んでいた生活をトレースするだけの生き人形にされた。


細菌(用語)
 間桐臓硯の『蟲使い』の魔術体系の一部を盗んだ繰丘一族が、独自の改良を重ねて作り出した細菌。より微細な蟲でより細やかな肉体改造を施すという目的で開発された。感染性は無い。
 これを魔術師が幼い頃から上手く使えば後天的に魔術回路を増設することができる。ただ、最初の献体である繰丘つばきは細菌の暴走によって意識を失ってしまった。


ザバーニーヤ(宝具)
 →空想電脳


ザバーニーヤ(宝具)
 →夢想髄液


ザバーニーヤ(宝具)
 →妄想心音


ジェスター(ジュスター)・カルトゥーレ(人名/魔術師・死徒)
 偽りの聖杯戦争におけるアサシンのマスター。男性の姿だが、正体は女性。
 スノーフィールドの偽りの聖杯戦争に参加したのは、聖杯の力で蜘蛛(ORTのことか)を起こして退屈な世を滅びとともに凌ごうかと考えてのこと。
 10人程度の弟子たちとともにスノーフィールド東部の湖沼地帯の屋敷の地下でアサシンを召還したが、正真正銘の狂信者であるアサシンにより心臓を潰された。だが彼は死徒であったため、また教会対策として概念核のリザーブを持っていたために死ぬことはなく、死にながら彼女の記憶と夢と信仰を覗き見る。以後はアサシンの信仰を砕くことに快楽を見出し、彼女を吸い尽くすことを願って行動する。
 なおアサシンを召還したのは偶然ではなく、意図してのこと。
 六連男装という能力を持つ。彼の上半身には六つの赤い紋様が刻まれており、これは一つ一つが別の概念核(魂)である。概念核を破壊されるとその刻印は黒く変色し、紋様がリヴォルヴァー式拳銃の弾倉のように回転(ジェスターに向かって時計回り)することで新たな概念核が装填される。発動する概念核は左胸にあるもののみで、概念核を入れ替えると体つきや顔つきまでが変化する。概念核自体にも幾重もの魔術的防護を施してあるが、魔術師としての概念核はアサシンの妄想心音で破壊された。
 彼の吸血方法は足元から赤い影を伸ばし、地面から起き上がったそれで対象の肉体を覆いつくして骨以外の肉体を喰らい尽くすというもの。


始皇帝(人名)
 偽りの聖杯戦争にあたり、繰丘夫妻が召還しようとした人物。
 初めて『皇帝』という称号を用いたことから始皇帝と称される。


ジャック・ザ・リッパーの銘入りナイフ(歯止め処理済み)レプリカ(用語)
 日本製ゲーム『大英帝国ナイトウォーズ』のアンケート葉書の抽選プレゼント。禍々しいデザインの赤と黒を基調とした悪趣味な一品。
 説明では『ネットでアンケートに答えた人から抽選で100名様に、「ジャック・ザ・リッパーの銘入りナイフ」(歯止め処理済み)レプリカプレゼント!』とあったが、普通にエアメールでアンケートを出したロード・エルメロイU世にも届いた。
 日本語が読めないフラット・エスカルドスがこれをロード・エルメロイU世が自分のために用意してくれたサーヴァント召還用の触媒だと勘違いし、これでバーサーカーを召還した。


女医(人名)
 詳細不明。
 繰丘つばきの主治医。繰丘つばきを目覚めさせるため、懸命に治療を施している。


白い肌に白い髪の女(人名)
 詳細不明。
 容姿は異常に美しい。ラスヴェガスでA氏に接触し、スノーフィールドで行われる偽りの聖杯戦争に引き込む。A氏に令呪を押し付けた後、「五度目の戦で起きた、すべてを覆す」「犠牲も含め、すべての結末を無に返す」「そのために、我らは偽りの聖杯を……奪い取る」と呟いていた。


スノーヴェルク市(地名)
 繰丘邸がある場所。


スノーフィールド(地名)
 偽りの聖杯戦争の舞台。
 北米大陸西部、ラスベガスのやや北に位置する。北にはグランドキャニオンを連想させる広大な渓谷、西には深い森、東には湖沼地帯、南には砂漠が広がっている。20世紀初頭は先住民の居住地が点在するだけだったが、偽りの聖杯戦争の70年程前から急速に発展し、偽りの聖杯戦争時には人口80万人を超す大都市になった。
 1000年前からティーネ・チェルクらの部族が共生してきた土地で、合衆国の侵略からも守り抜かれた。だが政府の一部が魔術師と手を組んだため、わずか70年で蹂躙された。
 偽りの聖杯戦争には何者かの思惑が秘められているためか、スノーフィールドにはあちこちに貴重なアイテムが隠されている。
 温泉もある。


スノーフィールド中央病院(地名)
 繰丘つばきが入院している市営病院。スノーフィールド市中央区に建つ、一見美術館のような白塗りの大病院。


絶対領域マジシャン先生(俗称)
 フラット・エスカルドスが考えたロード・エルメロイU世の新しい二つ名。
 ロード・エルメロイU世の感想は「死ね!」。


組織(組織)
 詳細不明。
 アメリカ合衆国に属する組織。魔術師の組織ではなく、『組織』にたまたま魔術師が所属しているだけである。


組織(組織)
 詳細不明。
 ティーネ・チェルクの部族が生き延び、都市の中に作り上げた組織。多くはティーネと同じ褐色の肌をしているが、白人や黒人もいる。


大英帝国ナイトウォーズ(用語)
 ロード・エルメロイU世がプレイした日本産ゲーム。
 ロード・エルメロイU世はタイトルを『knight wars』と読んで英国の伝説にある騎士同士の戦いを描いたシミュレーションゲームと思っていたが、実際は『night wars』であり、とある実在の人物を主人公として自らのうちに潜むもう一人の自分の狂気と戦いながらロンドンの街を彷徨い、次第に魔物たちとの戦争に巻き込まれていく、というアドベンチャーゲームだった。
 ロード・エルメロイU世は予想と違う内容ながらきっちりとクリアし、その上で『タイトルのセンスに難あり』などと思うところを書き連ねたアンケート葉書までエアメールで出した。その結果懸賞の『ジャック・ザ・リッパーの銘入りナイフ(歯止め処理済み)レプリカ』が当たり、それがフラット・エスカルドスのバーサーカー召還の触媒になった。
 なおこのメーカーはロボットを主体としたアクションゲームも出しているようだ。


対粛清宝具(用語)
 宝具のカテゴリーの一つ。エルキドゥの『人よ、神を繋ぎ止めよう(エヌマ・エリシュ)』が該当する。
 詳細は不明だが、『人よ、神を繋ぎ止めよう』の性質から星(ガイア)や人類(アラヤ)に対する破壊行為に抗うための宝具と思われる。


対魔力(技能)
 魔術を無効化、あるいは効果を軽減する技能。狂化スキルの保有や闇属性に染まることで低下する。
 C:第二節以下の詠唱による魔術を無効化。大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。


断想体温(宝具)
 ザバーニーヤ。
 女アサシンが体現するハサン・サッバーハの宝具の一つ。
 己の皮膚を魔境の水晶の如く硬質化させるもの。


単独行動(技能)
 マスターからの魔力供給がなくても行動できるサーヴァントの能力。マスターが最大魔力を動員した魔術を発動したい場合や、サーヴァントに充分な魔力を供給できない場合などに重宝する。反面、マスターが完全にサーヴァントを支配下に置いておく事が難しくなる。
 A:現界の維持、戦闘、宝具の使用まで一切をマスターのバックアップなしにこなせる。ただし宝具の使用など膨大な魔力を必要とする場合はマスターのバックアップが必要。
 C:マスターを失っても一日間現界可能。


中央教会(地名)
 偽りの聖杯戦争の監督役であるハンザ・セルバンテスの拠点となる教会。本来ここに所属している神父だけでは聖杯戦争に対応できず、ハンザが派遣された。


中央公園(地名)
 スノーフィールド市の中央公園。フラット・エスカルドスがバーサーカーを召還した場所。


ツークツワンク(組織)
 東欧のエインスカヤ家の魔術集団。構成人数は9人。
 かつてはユグドミレニアというルーマニアの門閥の配下で、数百年に亘りその君主一族の早期処理部隊として活動していたが、半世紀以上前に門閥が衰退し解体されてからはフリーの魔術集団となった。魔術師としての腕前はそこそこだが、無駄も容赦もない仕事ぶりが評価され、魔術師を始め魔術世界を知らない政治家や財界人に至るまで様々な依頼を受けて糊口を凌いでいた。
 指揮官の王(キング)と構成員の兵士(ポーン)という役割がある。兵士一人一人の力量は高くはない。魔術刻印は王に半分、兵士たちに残り半分を分離しており、通常時は魔術回路を多少補強する程度の力しかない。しかし全員が揃って魔術回路を起動する事で兵士の位階を王の位置まで引き上げることができる。これは強力だがまさにドーピングのようなもので、一時的に能力が向上するが兵士たちの魔術回路は汎用性を失い、兵隊蟻としての存在しかできなくなり、兵士の寿命は極めて短くなる。
 マスターの権利を奪って聖杯戦争に参加せよという依頼を受けてフラット・エスカルドスを襲撃するが、キングに変身したジャック・ザ・リッパーによりあっけなく無力化された。


ティーネ・チェルク(人名/魔術師)
 偽りの聖杯戦争におけるアーチャーのマスター。炎の魔術を使い、彼女の詠唱は無音。
スノーフィールドにいる限り、土地のマナを自身のオドにそのまま変換する事が出来る。マスターとしてのサーヴァントのステータス透視能力は、一つの山から流れる六本の川の流れの速さの違いとして認識している。
 外見から推測される年齢は12歳前後。褐色の肌と艶やかな黒髪を持つ少女。
 アーチャーが召還されると召還者から令呪を奪い、ギルガメッシュの意向に従い召還者を殺さずに逃がそうとする。しかし彼が敵対的行動をとったために炎の魔術で殺害した。
 聖杯戦争に参加した目的は聖杯ではなく、部族の土地であるスノーフィールドを蹂躙しようとしている魔術師たちを追い払いたい、つまり偽りの聖杯戦争を潰したいというもの。
ティーネは我欲によって奪われ蹂躙された自分たちの土地を取り戻すためには簒奪者を超える強欲を身に付ける必要があると教えられており、ギルガメッシュに目を付けたのは彼が城郭都市を造り数多の財を収集した我欲を持つため。
 父の後を継ぎ、部族が都市の中に作り上げた組織を率いて、総代として偽りの聖杯戦争に望む。
 彼女の一族はスノーフィールドでのみ土地の霊脈を用いた強大な魔術を行使することができるが、スノーフィールドを出ればただの人である。


ティーネ・チェルクの父(人名)
 詳細不明。
 おそらくティーネの先代の総代と思われる。


ディーロ(人名)
 神父。偽りの聖杯戦争の約20年前には既に老齢に差し掛かっていた。
 本来の意味での神父であるため、聖堂教会については荒事が得意な連中といったくらいの知識しかない。
 偽りの聖杯戦争の約20年前にスペインのとある山中でハンザを見付け、数度の接触を経て街に連れ帰って養護施設に預けた。しかしハンザの圧倒的な身体能力は普通の人間では扱いきれないと見るや知り合いの代行者デルミオ・セルバンテス神父にハンザを預けることにした。なおデルミオについては知り合いの中で一番武術が得意そうで優秀な後継者にちょうどいいだろう、という程度の認識しかなかった。
 おそらくは冬木の聖杯戦争で死亡した言峰綺礼の後任として冬木教会に赴任したディーロと同一人物と思われる。


ディオランド(人名・魔術師)
 ファルデウス・ディオランドの縁者である魔術師。
 第三次聖杯戦争にアサシンのマスターとして参加しており、その闘争を使役した人形に魔術的な記憶として記録し、遠縁に至るまで広く伝えた。


ディケイル(魔術師)
 フラット・エスカルドスを襲って返り討ちにされた魔術師。アヴィ・ディケイルか。


デルミオ・セルバンテス(人名)
 偽りの聖杯戦争の当時はラスベガスの教会に在籍する老神父。ハンザ・セルバンテスの養父でもあり、師父と呼ばれている。ディーロ神父よりやや年下。
 言葉遣いは気弱そうで気苦労の多そうな容貌だが、第八秘蹟会の代行者、あるいはかつて代行者だったと思われる。青銅のコインを音もなく弾丸並みの速さで射出したり、同じ速さで弾き返されたコインを掴み取って握り砕いたりするなど、荒事にも長けている。ただし、彼の言によれば荒事はハンザの方が少しだけ得意。
 偽りの聖杯戦争の約20年前に知り合いのディーロ司教からハンザを預けられ、その養父となる。この時は代行者の世界に引き込むのは気が引けるとして、投げた(樹に突き刺さる勢いで射出した)銀貨を掴み取れたらそれを進呈するという条件で脅かしてハンザの方から断らせようとしたが、ハンザがこの銀貨を難なく掴み取ったためこれを認めて鍛えることにした。この時、『この異様な体質を持つ少年を鍛えたらどうなるのか見てみたい』という好奇心も抱いていた。
 スノーフィールドへの派遣人員の第二候補であり、第一候補のハンザが派遣を拒否したら彼がスノーフィールドに赴く事になっていた。


典位(用語)
 プライド。
 魔術協会における魔術師の階級で、王冠、色位に次ぐ第三階梯。


デンジャラスビューティー双貌塔に消ゆ事件(用語)
 おそらくロード・エルメロイのせいの事件簿における双貌塔イゼルマの事件と思われる。


天地乖離す開闢の星(対界宝具)
 エヌマ・エリシュ。
 アーチャー(ギルガメッシュ)の宝具。ランクEX、対界宝具。
 乖離剣・エアによる空間切断。乖離剣エアの個別に回転する三枚の円柱状の刃が風圧の断層を作り出し、それが擬似的な空間の断層となる。約束された勝利の剣と同等か、それ以上の出力を持つ“世界を切り裂いた”剣である。
 対粛清ACか、同レベルのダメージによる相殺でなければ防げない攻撃数値。筋力×20のダメージだが、ランダムで魔力の数値もプラスされる。最大ダメージは4000だが、宝物庫の宝具のバックアップによってはさらに跳ね上がる。
 バビロニア神話の創世記叙事詩であるエヌマ・エリシュにちなんで命名されたものと思われる。


トゥルッフ・トゥルウィス(用語)
 アーサー王伝説に現れる大猪。アーサー王に討伐された。


遠坂(家名)
 遠坂の縁者は時計塔にいるだけ。


特殊小隊(組織)
 とある小国に存在した特殊部隊。名称は存在せず、国民に対しても存在さえ明かされていなかった。
 魔術使いによる部隊で敵国に対する魔術的な軍事作戦を行う事を目的に作られた。魔術回路を持つ兵士を集め、同じく魔術回路を持つ女性兵と交わらせて生まれた子供たちの中から、実用的なレベルの魔術回路を持つ24名を選抜したもの。構成員にはそれぞれギリシャ文字のコードネームが与えられた。
 事前に動きを察した時計塔などの魔術師たちの手によって基盤が弱かった独裁政権ごと叩き潰された。
 シグマがかつてここに在籍した。


時計塔(地名/組織)
 魔術協会の総本山。大英帝国そのものと比肩するほどの歴史を持つ。


ドラッグストアの店番(人名)
 アヤカ・サジョウが利用したドラッグストアの店員の男。モヒカン刈りの派手な風体だが、薬剤師である。


ドリス・ルセンドラ(人名/魔術師)
 ルセンドラ家の末娘。スノーフィールドの聖杯戦争のマスター。真ライダーを召還した。ファルデウス・ディオランドに対しては非協力的で、連絡すらしていない。


(用語)
 冬木の聖杯から大聖杯を構成する物の一部と共に回収された、汚染された聖杯の中身。フランチェスカが適応性のある人間の臓腑の隙間で数年間保管していたが、自分でも扱いきれなくなるかもしれないとしてガルヴァロッソ・スクラディオの「バズディロットなら、その毒沼を扱いきれる」という助言を受けてバズディロット・コーデリオンに譲渡した。


永遠に遠き勝利の剣(宝具)
 エクスカリバー。
 セイバー(獅子心王リチャード一世)の宝具。何にでもエクスカリバーと名付けていた逸話が昇華された宝具で、手に取った物はただの装飾剣だろうが木の枝だろうがエクスカリバーになる。ただし永続的に効果があるわけではなく、耐久性は低く持続時間は短い。


二十八人の怪物(組織)
 クラン・カラティン。
 ケルト神話でクー・フーリンと相まみえた戦士の名を冠する、魔術師でもあるスノーフィールド警察の警官によって構成される組織。総勢30名程度。
 彼らは警官の制服と装備に加え、キャスターが作成したと思われる宝具を持っている。


人形の義手(用語)
 外見からは本物の人間の手としか思えない義手。この腕の接合手術をすれば直接霊体を掴めるらしい。スノーフィールドに隠されている。日本に住む人形師が作った物らしい。


バーサーカー(人名/サーヴァント)
 偽りの聖杯戦争においてフラット・エスカルドスが召還したサーヴァント。真名は本人にもわからないが、正体は『切り裂きジャック』。召還場所はスノーフィールド市の中央公園。
 バーサーカーであるが朗らかで紳士的な人格を保っているのは、狂気の象徴として生み出された切り裂きジャックが適応できるクラスが狂気の象徴、つまり狂戦士のクラスであったため。フラットはこれを『マイナス×マイナスはプラス』と形容した。
 姿も、本当の名前も、性別も、人間であるのかさえ不明な、ただ『存在した』というだけの曖昧な存在。その『誰でもない』状況こそが『誰にでもなれる』という特徴である。つまりどのような姿でも自由に取ることができる。
 第五次聖杯戦争における佐々木小次郎のような無名ながら実在した人間を架空の人物に仕立てたものではなく、完全に狂気の象徴として生み出された存在。
 聖杯に懸ける願いは切り裂きジャックの正体を知ること。とはいえ、仮に知ったとしてもその実在の切り裂きジャックは彼とは違う。


人喰い(用語)
 読んで字の如く、サーヴァントが人を喰って魔力を回復すること。これを望まないサーヴァントに令呪で強制的に人喰いをさせることもできるが、その場合属性が強制的に変更されてしまう。


ファック(用語)
 魔術の最高学府たる時計塔にふさわしくない言葉。


ファルデウス(人名/魔術師)
 ランガルの弟子として時計塔に入り込んだ『組織』の人間。外見は20代半ば。合衆国に属する公務員。
 外見は青年だが、第三次聖杯戦争を見てきたように語る、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトや間桐臓硯の魔術を知っているなど、外見と実年齢は同じではないと思われる。
 お喋りで機密情報をうっかり漏らしかねないため、死体相手でなければ安心して話すことができない。


フラット・エスカルドス(人名/魔術師)
 偽りの聖杯戦争におけるバーサーカーのマスター。
 年齢は20歳以下。時計塔の生徒でロード・エルメロイU世の教え子。ロード・エルメロイU世の教室の最古参。少年の頃にロード・エルメロイU世の生徒となり、そのまま卒業できずに何年も在籍している。
 地中海の魔術師の家系エスカルドス家の長男で、過去に類を見ない魔術回路とそれを御す才能を持っていると期待されていたが、性格は魔術師とは正反対に無邪気で緩い。魔術の技術と才能は底なしだが、魔術師としての大事な部分を持ち合わせていない。
 魔術の技量は、時計塔の会議を秘匿するための結界をすり抜ける、令呪のシステムを解読する、魔力の流れなどをいじっているうちに祭壇も呪文もなしにサーヴァントを召還するなど、凄まじい。
 もとは期待の神童として他の教授に師事していたのだが、多くの教師が胃痛を訴えることになり、最終的に『あなたしかいない』とロード・エルメロイU世に預けられた。ロード・エルメロイU世の許で魔術の才能こそ他の生徒を追い越して成長し続けたが、しかし他の問題が山積しているため卒業はできていない。本来ならば放り出して構わないところだが、ロード・エルメロイU世は『中途半端で放り出せるか』と受け持ち続けている。
 自ら進んで偽りの聖杯戦争に参加したが、その理由とは『聖杯を見てみたいから』。相争う他のマスターたちさえ『仲良くできたらいい』と望んでいる。
 ロード・エルメロイU世に送られてきた『ジャック・ザ・リッパーの銘入りナイフ(歯止め処理済み)レプリカ』を自分のために用意してくれたサーヴァント召還用の触媒と勘違いし、喜び勇んで渡米。その時点で聖杯戦争の概要を調べただけであり、参加資格云々以前の問題であったが、令呪を得てマスターの資格を得る。スノーフィールド市の中央公園で魔力の流れなどをいじっているうちに偶然とはいえ白昼堂々バーサーカーを召還した。
 バーサーカーの召還後も闘争に赴かず、とりあえず日向ぼっこすることにした。


ペルセウス(人名/英霊)
 ギリシャ神話の英雄。
 キビシスの袋、姿隠しの兜、蛇刈りの鎌ハルペーなど、五つの宝具を持っている。偽りの聖杯戦争においてプレイヤーが召還できる英霊だが、この五つの宝具を30分の現界時間の中で使い切ることは不可能。


魔力針(用語)
 より強い魔力の方向を示す方位針。これを使用することでサーヴァントが隠れた場所を簡単に掴むことができる。スノーフィールドに隠されているが、裏には「Rin Tohsaka」と元の持ち主の名前が刻んである。


夢想髄液(宝具)
 ザバーニーヤ。
 偽りの聖杯戦争におけるアサシンが使用した宝具。彼女が創作したものでないこと以外、詳細不明。


妄想心音(宝具)
 ザバーニーヤ。
 偽りの聖杯戦争におけるアサシンが使用する場合、女の背から赤い腕が現れて心臓を掴み、潰す。


ライダー(人名/サーヴァント)
 偽りの聖杯戦争において繰丘つばきが召還したサーヴァント。真名は不明。外見は黒い霧の塊。
 正体は人間ですらなく、病気そのものである。そのため人格すら持ち合わせておらず、サーヴァントとして召還される際に聖杯から与えられる知識をもとに、つばきの意思と本能にのみ従って行動する。魔力吸収のついでに疫病を広める。
 繰丘つばきの夢の中で召還され、その時期はファルデウスの『宣伝』と同時期であり、偽りの聖杯戦争で最も早い。
 ライダーのクラスを与えられたのは、風に、水に、鳥に、人に『乗』って世界に蔓延したためである。


ランガル(人名/魔術師)
 時計塔に所属する老魔術師。協会の間諜。有名な人形師でもあるが、彼の人形には光ファイバーのような人工素材も使用されている。
 聖杯がアメリカ合衆国という若い国に顕現することを不快に思っている。
 弟子のファルデウスとともにスノーフィールドの調査に訪れるが、ファルデウスと彼の組織によってそのとき使用していた人形の身体が破壊された。


ランサー(人名/サーヴァント)
 真名はエンキドゥ(Fake本文中ではエルキドゥ)。
 質素な貫頭衣を身に着けた、きわめて中性的な姿をしている。その容貌は端麗ながら、雰囲気は人間的なものではなくむしろ魔術師が作る『人形』に近い。武器一つ手にしていない。獣の言葉を使うことができる。本来は英雄というより神が使用した宝具そのもの。
 もとは神に生み出された泥人形であり、人智を超えた力を持ちながらも知性も性別も無く、ただ森の獣たちと戯れる生活をしていた。だが聖娼と名高い女と六日七晩過ごすことで人間の姿と知性を手に入れ、黄金の王との死闘の末にその無二の友となる。
 偽りの聖杯戦争では最後に召還された。
 気配探知スキルは最高クラス。


ランサーのマスター(用語)
 偽りの聖杯戦争におけるランサーのマスター。
 正体は人間ですらなく、偽りの聖杯戦争に参加しようと目論む魔術師がエジプトで神になった者たちを召還する触媒として作り上げた合成獣。外見は銀色の毛並みの狼。
 限界まで魔術回路を増設され、令呪を宿し、触媒にされる前に逃げ出す。魔術師によって射殺されかけるが、その必死の叫びによってランサーが召還され一命を取り留める。


ランサーのマスターの主(人名/魔術師)
 詳細不明。
 偽りの聖杯戦争におけるランサーのマスターとなった合成獣を作り出した魔術師。
 ランサーのマスターを触媒にエジプトで神となった者たちを召還しようとするが、ランサーのマスターが逃げ出したために射殺しようとする。だがランサーが召還され、マスター替えを拒否されると恐れをなして逃げ出した。その直後に合成獣を放ってランサーのマスターを攫おうとしたが、ファルデウスに喉を切られ、彼が率いる部隊に射殺された。


令呪(用語/魔術)
 閉じた鎖のようなデザイン。令呪が現れる部位は『両腕のどこか』という冬木の聖杯戦争とは違い右手の甲に限定されているが、プレイヤーだけは両手、両肩、背中に計5つ発現している。


ロード・エルメロイU世(俗称/魔術師)
 フラット・エスカルドスの師。本来ならば放り出して構わないフラットを『中途半端で放り出せるか』と律儀に受け持ち続けている。
 偽りの聖杯戦争に出場したいと望むフラットを諫め、なんとか諦めさせようとする。だがフラットはロード・エルメロイU世に送られてきた『大英帝国ナイトウォーズ』のアンケートの懸賞である『ジャック・ザ・リッパー銘入りナイフ』を自分に与えるための聖遺物だと勘違いして勝手に出場してしまう。
 日本産ゲームが趣味で、想像と違う作品であっても律儀にクリアし、アンケート葉書までエアメールで出す。その珍しさゆえかアンケート葉書の抽選の商品がよく送られてくるため、彼の部屋にはそういった関連商品が所狭しと並んでいる。ただし彼はそういった商品には興味が無く、純粋に自分の意見を反映してもらいたくてアンケートを送っている。
 ランガル曰く『彼の弟子ならともかく、彼自身の推測には粗が目立つ』。
 時計塔の彼の部屋の奥には物理的・魔術的双方の鍵がかかった戸棚があり、その中には第四次聖杯戦争において彼が征服王イスカンダルを召喚するために使ったイスカンダルのマントの切れ端と思われる古い布が保管されている。フラット・エスカルドスがどうしてもスノーフィールドの偽りの聖杯戦争に参加すると言って止められなかった場合はそれを与えることも考えていた。


六連男装(用語)
 ジェスター・カルトゥーレの能力。
 彼の上半身には六つの赤い紋様が刻まれており、これは一つ一つが別の概念核(魂)である。概念核を破壊されるとその刻印は黒く変色し、紋様がリヴォルヴァー式拳銃の弾倉のように回転(ジェスターに向かって時計回り)することで新たな概念核が装填される。発動する概念核は左胸にあるもののみで、概念核を入れ替えると体つきや顔つきまでが変化する。概念核自体にも幾重もの魔術的防護を施してあるが、魔術師としての概念核はアサシンの妄想心音で破壊された。
 全ての概念核を使い切ると本体である少女(あるいは幼女または熟女)に戻る。


若返りの秘薬(用語)
 読んで字の如く、服用すると若くなる薬。陶器なのか硝子なのか不明な、美しく装飾が施された半透明の小瓶に封入されている液体。
 偽りの聖杯戦争に召還されたギルガメッシュが『児戯ならば戯れ程度に相手をするのが良かろう』と服用しかけるが、直前でエルキドゥが召還されたことを知り、ティーネ・チェルクに下賜された。

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