1&2 神の子

 アビドース作戦以降、対になるアビドースのゲイトが破壊されたことになっているため全く無用の長物となったスターゲイト。シャイアン山の地下深くにあるSG基地ではスターゲイトが設置されているゲイトルームで兵士達がトランプで賭けをしていた。
 そのとき突然スターゲイトが作動し、コブラをかたどった鎧を着た一団が現れて女性兵士を連れ去る。そのリーダー格の金の鎧を着た男の目は、不気味にも光るのだった。
 スターゲイトを管理するアメリカ空軍のウェスト将軍の後任のジョージ・ハモンド少将はアビドース作戦の直後に退役したジャック・オニール大佐を招集、スターゲイトに関することを聴取する。その結果、アビドースにマーク5戦術核弾頭を送ることを決定。オニールはそれを阻止するためアビドースは滅んでいないという事実を伝え、アビドースに渡航したいと申し出る。それは受け入れられ、オニールは元の大佐として軍に復帰する。
 オニールは昔の仲間であるコワルスキーやフェレッティら、新たなメンバーとして理論天体物理学者であり空軍士官のサマンサ・カーター大尉らとともにゲイトをくぐる。アビドースに到着するとダニエル・ジャクソンとアビドースの住人達に饗応を受ける。その後ダニエルが新たに発掘した神殿に案内し、スターゲイトは地球とアビドースを結んでいるだけではないということがわかる。銀河中にネットワークとして張り巡らされているのだ。それが天体の移動によりゲイトのアドレスが変わってしまい、地球で作ったダイヤルコンピュータではその誤差を修正できなかったため、地球に近いアビドース以外には接続できなかっただけなのだ。それを知ったカーターはまさに狂喜乱舞。はやくそれを解析したいという。つまり、SG基地を襲撃したエイリアンは他のゲイトを使ったのだ。
 そのころゲイトが設置された神殿にはSG基地を襲撃したのと同じ一団が現れ、ダニエルの妻シャーレとオニールの息子とも言えるスカーラを攫い、他の者たちを殺傷していった。これを目の当たりにしたダニエルはオニールたちと地球に帰ることを決意、アビドースの住人達にスターゲイトを閉ざしてしまえと伝える。
 その頃、連れ去られた女性兵士は寄生型エイリアンの宿主候補に選ばれるが、結局合格せずに殺されてしまう。
 ダニエルはSG基地を襲撃したエイリアンはラーと同じく『神』だと言う。神を装って支配しているのだ。そしてハモンド将軍は大統領が極秘裏に9組のSGチームを編成して偵察と脅威の判定、さらに異星人との交流をするよう命令を下したと話す。オニールの率いるチームをSG-1とし、そのメンバーはカーター少佐と……「それと僕」ダニエルが自分もSGチームに加えろとごねる。自分の手で妻を探し出したいのだと。コンサルタントとして活動してもらうことを前提としていた将軍は渋るが、検討すると約束した。コワルスキーはSG-2を指揮するようにと命令する。
 重傷を負ったフェレッティが意識を取り戻し、SG-1と2はエイリアンの一団が去るときに使ったアドレスに向かう。SG-2にゲイトの確保を命じ、SG-1は探査に向かう。その途中でこの星をチューラクだと言う現地の住民に出会い、彼らの集落にある神殿に案内される。そこで彼らを待っていたのは神としての待遇とエイリアンに寄生されたシャーレ、彼女らをさらったエイリアンの男だった。ダニエルはシャーレに歩み寄るが、男にハンドリボンで弾き飛ばされてしまう。
 目を覚ました彼らは石の牢獄にいた。そこにはスカーラら、他の惑星から連れ去られた人々が押し込まれていた。ダニエルはエイリアンの男がエジプト神話で夜を支配する蛇の化身アポフィスだと告げる。その時アポフィスが現れ、神の宿主を選ぶと宣言してスカーラを含む数名を連れ去り、兵士達にあとは殺せと命じて去っていった。
 エネルギーガンの銃口を突きつけられながらもオニールは「私ならみんな救える!手を貸せ!」と女性兵士とシャーレ、スカーラを連れ去ったリーダー格の男に叫ぶ。男は「そう言ったやつは多い。だが信じられたのは初めてだ!」とエネルギーガンを投げ渡す。あっという間に二人で兵士達を倒し、牢からの脱出に成功する。オニールはもはや行くあてがないという手を貸してくれた男にお前も来いと促し、スターゲイトに向かう。男の名はティルクといった。彼は自分たちがジャファだといい、腹に収めたエイリアン(ゴアウルド)の幼生を見せる。これを腹に抱えている見返りに健康と長寿が約束されると言った。
 ティルクはゴアウルドに寄生された以上、探している子はもう別人になっていると言う。そのときデスグライダーが彼らを襲う。それは辛くもコワルスキーが放ったスティンガーミサイルで撃墜できたが、その間にアポフィスらはゲイトを開き別の惑星に行った。オニールは最後に残ったスカーラに駆け寄るが、ハンドリボンで吹き飛ばされてしまう。
 そのころSG基地出発から24時間が経過しようとしていた。つまりアイリスコードが無効化され、帰れなくなる寸前だということだ。急いでダイヤルするダニエルだが、一個大隊規模のジャファが森から襲撃してくる。アイリスコードが無効化される直前にゲイトが開き、撤退を開始するSGチームと避難民たち。オニールたちは懸命に迎撃し、多くのジャファを斃したがその腹から出たゴアウルドがコワルスキーの首筋に……
 必死にSG基地に退却したSGチームとティルク、避難民たちは安堵の息を漏らす。オニールは将軍にティルクを友人だと紹介し、出来ることならSG-1のメンバーにと推薦する。
 スターゲイトを見上げて決意を新たにするダニエルとオニール。彼らが去った後、そこに残ったコワルスキーの眼が光る……

 記念すべき第一話。本国では2時間枠で放送されたが日本では2話に分割された。そのため以降のエピソードのカウントが日本と本国では1話分ズレが生じる。
 映画版と見比べるとおもしろいですよ。ゲイトのデザインもちょっとだけ違うし、繋がっていたスカーラの眉毛が綺麗に整ってる。映画ではたった2つしかなかったゲイトがまさに天文学的な数存在するという、ある意味ブッちぎった設定に。
 なにがおもしろいって、銀河を舞台にしたSFなのに基本は徒歩とか、武器は不思議光線銃じゃなくてカービン銃だとか、なにより時代が現代ってのがいい。それにオニールもリチャード・ディーン・アンダーソンのユーモアたっぷりなキャラクタに生まれ変わって、すごく魅力的になった。声優さんも有本欽隆さんでイメージぴったり。


3 エイリアン

 ハモンド将軍はティルクをSG-1にというオニールの要請は却下されたことをオニールに伝える。ペンタゴンからケネディ大佐がティルクの尋問のためにSG基地に向かっているという。将軍曰く彼は初めて直に接したエイリアンであり、科学的興味の対象になることは当然、またゴアウルドを裏切ったことがあり今度は我々を裏切らないとも限らないとのことだ。
 オニールはティルクに会い、先の会話を伝えるとともに自分はティルクを信じていることを伝える。ティルクは忠誠の証を立てると言い、それが済んだらこの世界を見せてくれと頼む。
 チューラクから帰ってから頭痛が治まらないというコワルスキー少佐がニシザキ軍医に診察を受けていたところ、軍医がコワルスキーの首の後ろに奇妙な傷を見つける。その時コワルスキーの背中から皮膚の中を何かが這い上がってきて、同時に彼の眼が光る。彼は軍医の首をつかむとそのままへし折ってしまった。
 彼はその後ゲイトルームで佇んでいたのだが、声を掛けられるまでなにをしていたのか分からず、診察を受けていた記憶もないとのことだ。
 ケネディ大佐が到着し、ティルクへの尋問が始まる。宇宙船を動かしている動力、ゲイトを動かすテクノロジー、なにをとっても『知ることを禁じられた魔法』なので彼は知らない。だがゴアウルドについてはよく知っていた。強力な支配者はいるが、その思想は服従か死か。つまり話し合いは意味を持たない。そしてゴアウルドが現在の宿主を見つけ、ジャファと奴隷を得た地はタウリだという伝承があると話す。この地球こそがタウリだと知ったティルクは、「あなたたちこそが世界の希望だ」と言った。
 ダニエルが仮眠をとろうと仮眠室に入ると、ベッドの上段にニシザキ軍医の死体を見つける。同じ頃、ワーナー軍医長がコワルスキーのMRI写真から脊椎に寄生体がいることを見つける。突然コワルスキーが暴れだし、カーター少佐を人質にとってゲイトルームに向かう。その口からは「助けてくれ……」という声が漏れる。エレベータ内でカーターが抵抗し、非常停止ボタンを押す。オニールがドアをこじ開けたとき、コワルスキーは倒れこんだカーターを介抱していた。
 オニールとダニエルはベッドに固定されたコワルスキーに事実を告げる。ゴアウルドに寄生されていること、完全に支配されていないのはゴアウルドが幼いからだということ、一人が死んで数人が負傷したことを。軍医長はコワルスキーを殺さずにならゴアウルドを摘出できるが、四肢に麻痺を残すだろうと報告する。
コワルスキーを乗っ取ったゴアウルドは「俺はフリー。スターゲイトで俺を送れ、今すぐ!」と命令する。それを見て将軍は外科手術を施すことを決意。だがケネディ大佐はコワルスキーの身体をフリーに乗っ取らせ、その知識を搾り取ろうと提案する。だがハモンド将軍によりその提案は却下され、手術が決行される。
 手術は成功した。そのため現在生きているゴアウルドはティルクのものだけになり、ケネディ大佐が彼を移送することになった。コワルスキーは命の恩人であるティルクに礼を言いたいと申し出、二人きりになったとたんにティルクを絞め落とす。摘出したのはただの抜け殻だったのだ。
 コワルスキーはゲイトを開きチューラクへ逃げようとする。だがそこにティルクが立ちはだかり、激しい格闘になる。オニールの命令でゲイトが閉ざされ、コワルスキーは後頭部を切断されて死亡した。
 ティルクは「友を殺した……」と落ち込むが、オニールは「その前に死んでた」と言う。
 P3-575への偵察任務に向かうSG-1のメンバーの中には、軍服を着てエネルギーガンを携えたティルクがいた。

 ハモンド将軍が『ちょっと頭の固い軍人さん』から『めちゃめちゃ理解ある素晴らしい上司』になるお話。そしてコワルスキーの最期……生きていればいいSG隊員になっただろうに。キャラもよかったし。
 無表情で真面目な男ティルクの内に秘めた感情が垣間見れます。ジャファがみんなこう、って訳ではなく、これは彼の性格。かっこいいですよ、義を重んじる侍のような巨漢。


4 自由の女神

 惑星シマルカで野犬に襲われている少年アブーを助けたSG-1。だが少年はカーターにあからさまな嫌悪感を示し、顔を見せるなと言う。SG-1は彼を迎えに来た人たちとともに集落に向かう。そこでシャバダイの掟を聞き、カーターは半ば強制的にドレスアップする。そしてそれを褒めちぎるオニール、ダニエル、アブー。
 その夜は宴が催され、その隙に一人テントで休んでいたカーターがアブーに拉致される。アブーは自分の命よりも大切なものを、カーターを売って手に入れると明かす。それは他の部族の長ターガンの娘ナイアで、アブーは彼女に惚れているのだ。しかしターガンはそれに応じず、金300ドーガとの交換になってしまう。
 アブーとカーターを探す道すがら、かつてチャガダイは女も男とともに戦ったほど女性は自由だったのだが、シャバダイの長ムガールはゴアウルドから逃れるため掟で女性を雁字搦めにしたのだと言う。ゴアウルドのいない現代では男に有利なためだとも。
 カーターは隙を見計らって逃げ出すが、脱走に使った馬が極めてよく調教されていたためにあっけなく捕まってしまう。次はボヤに紛れてナイアを逃がす。
 オニール、ダニエル、ティルク、ムガールはターガンにカーターと金の交換を持ちかけるが突っぱねられ、オニールが持っていた拳銃との交換を持ちかける。ターガンはこれに大いに乗り、即座にカーターを返した。ちなみに弾丸は渡した時点で六発。彼は調子に乗って空に向けて撃っていた。
 野営をしていたSG-1とムガールの元にアブーが駆け込んでくる。約束どおりナイアは自分の元に来たが、ターガンに捕まってしまったという。このままではナイアが石打の刑で殺されてしまう。彼らは古い掟に則って決闘を行い、カーターがターガンを打ち負かす。これによりナイアはアブーと結婚し、シャバダイの女性は自由になった。

 ドレスアップしたカーターを見てやたらうれしそうなオニールが印象に残る。
 気も力も強い女カーターが華々しく雄雄しくデビュー。美人なだけではない。足跡を調べるティルクが初登場。これからちょくちょくやるんですよ。柔らかい土にしか使えないにしろ、便利ですよねぇ。
 つか、スターゲイトを撮影してるのってカナダなんですよ。バンクーバーあたり。本当によくこんなバラエティに富んだ景色があるもんです。


5 悪魔の痕跡

 チューラクの人々から聞き取り調査を行ってゴアウルドがよく使うスターゲイトの記号を調べ、SG-1と海兵隊SG-3がその惑星P3X-797へ向かうことになった。現地は夜で、SG-1がそこで謎の原始人に襲われるがSG-3の威嚇射撃で窮地を脱する。さらに進むと原始人に似た者たちが一人の女をレイプしようとしており、カーターがそれを止めに入ろうとしたときに白い服を着た人たちが石を投げて原始人たちを攻撃した。
 彼らに神と思われたSGチームらは彼らに案内されてクレタ文明によく似た光の国に行く。そこではメローシャという娘が祭壇に寝かされていた。彼ら曰く、ヒールクシャの呪いがかかっていないことを祈っているとのことだ。さらに聞くと、原始人はもとは光の国の住人だったがヒールクシャによって呪われ、仕方なく闇の国に追放したのだという。そこまで聞いたオニールは戦略的価値なしと判断して引き上げを命じる。
 SG基地に戻ったダニエルはしばらく光の国にとどまってクレタ文明を学ぶべきだと熱弁をふるう。ハモンド将軍はあっさりとそれを認め、大統領が科学・文化的価値にも留意すべしという考えだと明かす。突然SG-3のジョンソン中尉がティルクにつかみかかり、営倉に監禁される。その後しばらくして二人の兵士がつかみ合いの喧嘩をしながらブリーフィングルームからゲイトルームに転落する。ロッカールームではカーターがオニールを強引に誘惑する。オニールも凶暴になってダニエルに殴りかかる。隔離病棟では同じく凶暴化し、額が隆起した者たちが溢れかえっていた。
 患者たちの体内からウイルスが検出され、それが脳の本能的な部分以外を停止させたことがわかる。だがなぜかティルクとダニエルの体内にはウイルスが存在しなかった。そこで二人はP3X-797の清き者たちに感染を防ぐ方法を教えてもらいに行く。しかしP3X-797でダニエルが汚れし者たちにさらわれてしまう。
 一方SG基地ではハモンド将軍までもが発症してしまう。オニール大佐はかろうじて理性を取り戻し、フレイザー軍医に「夢…を、見て…いるのか」と訊ねる。フレイザー軍医が説明すると、オニールは自分を人体実験に使えと言う。光の国の人々はティルクの助けを請う頼みを断り、しかたなくティルクは強引に採血をする。発病しなかったダニエルは汚れし者たちによってリンチを受けていた。
 ティルクが持ち帰った血液サンプルを調べると、その中にはウイルスのエサであるヒスタミンがほとんどないことが分かる。そこでフレイザー軍医はオニールにクロロフェニルアミンマレアートという強力な抗ヒスタミン剤を投与する。それが功を奏し、オニールは元に戻る。その結果からSG基地の患者は回復し、SG-1はクロロフェニルアミンの詰まった麻酔矢を持ってP3X-797に向かう。

 昔のテレビ番組のまねをして「ルーシー、帰ったよ」と言ったオニールに「俺をルーシーと呼んだ」と元に戻ったことを信じようとしないティルクがおもしろい。シャレが通じないなぁ。
 そしてオニールが強い!野生化しているのにギリギリで理性を保ち続け、自分を実験台にするというその強さ!たまんねえ!


6 光の壁

 偵察に出て消息を絶ったSG-9の捜索のためSG-1が向かう。捜索の最中にSG-9メンバーのコナー中尉に出会う。彼曰く、リーダーのハンソン大尉がイカレて神を名乗り、地球に戻ろうとしたフレイクスを殺したのだ。SG-1は命令に逆らってかつての婚約者だったハンソン大尉の捜索に強硬に同行を申し出るカーターと、星を知っているからと同行を申し出るコナーを連れて捜索を続行する。
 キャンプでのコナーの話では、神と思われたことを利用してそのまま神として極めて横暴に振舞っているのだという。その最中に現地民の襲撃を受け、コナーがさらわれてしまう。
 ハンソンの宮殿建設現場では多くの現地民が強制労働させられており、それを利用してカーターがハンソンのもとにもぐりこむ。ハンソンは心から自分が神だと信じており、偉大な文明を築いているのだと熱弁をふるう。オニールらは一人の現地民ジャマラから話を聞く。彼の話によれば、宮殿が完成したら空をオレンジにしてくれるのだという。ティルクの説明によるとそれはゴアウルドの装置で、二つ作動させることで空にエネルギーの膜を発生させて太陽からの放射線を遮り、その際に空がオレンジになるのだ。オニールはコナーを救出に向かい、ティルクとダニエルはジャマラを連れて装置を探しに向かう。
 オニールはコナーを救出するが逃げる途中で捕らえられ、ハンソンによりアイリスが閉まったままの地球のスターゲイトに送られて処刑されることになる。そこにジャマラが現れてエネルギーガンを撃ち、処刑を中断させる。そこでハンソンは装置を作動させて神の力を見せようとするが一つだけではうまくいくはずもない。そこでティルクがもう一つを作動させるとオレンジの傘が開き、現地民によってハンソンはアイリスが閉まったままの地球のゲイトに投げ込まれてしまった。

 精神障害者の恐ろしさ、でしょうか。完全に信じ込んでいるとどんなに理を尽くして説明しても信念を曲げることはない。
 最後に明らかにうろ覚えのモーゼの十戒を引用してカーターを元気付けるオニールの思いやりにちょっと感動。


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